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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その21 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 13:15:37.26 ID:TNPDiQgo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士…。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
無罪釈放となった戦士は偽者だった…!?自体はいよいよ佳境へ!

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(絵の支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その20)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 13:16:36.17 ID:TNPDiQgo
◆過去ログ(その1〜18)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/27(水) 13:17:42.53 ID:TNPDiQgo
間違えたああぁぁ…!!
>>2◆過去ログ(その1〜18)→◆過去ログ(その1〜19)

↓続き……
4 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:18:22.55 ID:TNPDiQgo
ザワッ

右文官「ぎ…議会!?」

右秘書官「……」

青年兵「…?」

左大臣「まァいいさ。後日ゆっくりと手筈を踏むとしよう」

コンコンコン

青年兵「はい」

王宮兵「失礼致します!」

エリート「会議中だぞ。火急の用件か?」

王宮兵「はっ!街内に強盗が発生致したと…」

右大臣「強盗?そんなものは国軍に任しておけい。何の為の軍かっ!」

王宮兵「そ、それが…っ」

左大臣「……?」

王宮兵「被害は……左大臣様邸との事にて…っ」

左大臣「っ!!な…何だとぉ!?」
5 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:19:39.75 ID:TNPDiQgo
ガタッ

左秘書官「…左大臣様、すぐお戻りになられましょう」

左文官「聞いたであろう?今宵の会合はここまでじゃ!」

エリート「左大臣殿」

左大臣「…?」

エリート「強盗ではなく、暴漢やもしれませぬぞ?」

左大臣「それがァ…どうしたァ」

エリート「王宮内に残られた方が安全です。このまま待機を…」

左大臣「…そうはァいかぬ」

皇太子「…同感だな。ここに残った方が安全だと思うぞ」

左大臣「私は安全でも、屋敷はどうなるのです?」

右大臣「そんなに財産が大切かっ!」

エリート「それとも…他に何か大切な物でも…」

左大臣「……とにかくだァ、私は暴漢に狙われるような覚えはァ…ない」

青年兵「……なるほど」
6 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:20:32.99 ID:TNPDiQgo
カツカツカツ

左大臣「ではァ、失礼するぞ」

エリート「…ならば」

ザッザッザ

エリート「私と青年兵が同行致しましょう」

左文官「余計な世話は無用ですぞ」

エリート「道中、何かあったら…貴方達で守り抜けるのですか?」

左文官「そ、それは…だな…っ」

左大臣「王宮一の剣の使い手に……青龍召喚隊のリーダーかァ…」

青年兵「……」

左大臣「まァ、。確かに頼もしいわなァ」

エリート「…では、ともに参りましょう」

青年兵「言って参ります」

皇太子「…うむ。無事を祈るぞ」

エリート「…はっ、失礼致します」
7 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:21:36.55 ID:TNPDiQgo
ピチョーン…ピチョーン

薄暗い空洞内を二人の男が蝋を片手にゆっくりと進む。

時折、鼻に吹きつける悪臭が、両者の眉を歪ませた。

〜地下水路〜

ザッザッザ…バシャッ

格闘家「……」

大軍師「…えぇと、地図を見せて貰えますか?」

格闘家「あ、はい」

バサッ

大軍師「…ふむ、このまま真っ直ぐ…やや先ですか」

格闘家「…うまくいきますかね」

大軍師「…ふふっ、それは格闘家殿次第ですよ」

格闘家「……頑張ります」

大軍師「予め地上には、工事用の看板で人払いしております。手加減は要りませんよ」

格闘家「…はっ」
8 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:22:25.28 ID:TNPDiQgo
バシャバシャッ…ザッ

大軍師「…この辺りか」

格闘家「……」

大軍師「水路と道路が並行してるので…もう少し右…あぁ、そうそう…そこですね」

格闘家「……ふーっ」

格闘家は一つ大きく息を吐き、空洞内の天井を見上げる。

大軍師「私も最大魔力で準備しておきますよ」

格闘家「…本当に…宜しいのですか?」

大軍師「構いませんよ。どうせ道路整備は左翼の担当…一石二鳥です」

格闘家「…そうですか、では…っ」

格闘家は目を閉じ、両拳をゆっくりと身体の前へ身構える。

格闘家「……はああぁぁ…っ」

カッ!!

格闘家「…うおおぉぉーっ!!」

開眼と共に、格闘家の右拳が唸りを上げ、地下水脈の天井を打ち破った。
9 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:23:00.97 ID:TNPDiQgo
ズドオオォォッ!!

大軍師「今だっ!!」

ババッ…ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォッ!!

格闘家「…く…っ!!」

大軍師「思った以上の威力…っ、付加にここまで魔力を使うとは…!」

大軍師の風に包まれた格闘家の右腕は、竜巻を生み出し、

拳の衝撃と共に天井を広範囲に突き抜け始める。

バゴォッ!!…ズドドドドオオォォッ

大軍師「破片で水脈が関止められぬよう、それも粉砕しておいて下さい」

格闘家「…了解です」

大軍師「…さて、ここは無事任務完了。エリート殿なら見れば分かってくれるでしょう」

格闘家「…次はどこです?」

大軍師「左大臣殿の屋敷近くに移ります。さ、行きましょうか」

格闘家「…了解です」

天井に空いた穴から月の光が差し込む中、大軍師と格闘家はその場を後にした。
10 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:23:27.30 ID:TNPDiQgo
〜王宮、正門前〜

コツコツコツ…

エリート「表に馬を回せい!…そう、私と青年兵のだ!」

青年兵「左大臣様、馬車のご準備が整いました」

左大臣「……うむ」

ザッ

青年兵「それでは…出発!」

ドドッ…パッカパッカパッカ…

左文官「まさか…このようなときに強盗とは…」

左大臣「……」

左秘書官「…左大臣様、ま…まさか……っ」

左大臣「偶然にしては出来過ぎだがァ、故意にしてはもっと出来過ぎだがなァ…」

左文官「…とにかく、屋敷へ戻ってからですな」

左大臣「…あァ。急ぐとしよう」

左秘書官「…馬を飛ばせ!もっと速度は出んのか…!」
11 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:24:37.30 ID:TNPDiQgo
ドドッドドッドドッ…ガガァ!!

左大臣「うぐ…お…っ!」

左文官「きゅ、急に止まるな馬鹿者!」

使用人「も、申し訳ありません!しかし…っ」

左秘書官「何だこの人だかりは…!?」

使用人「おい、急いでいるんだ!道を通してくれ!」

通行人「あぁ?んな事言われても…見てくれよアレ…」

左大臣「…?」

身を乗り出し大通りを眺める一同の先に、穴を開け隆起した地面が飛び込む。

左秘書官「…なっ、何だこれは!?」

パッカパッカパッカ

エリート「……」

青年兵「どうやら…地面が落盤を起こしているようですね…」

左大臣「落盤だとぉ!?整備されたこと地でかぁ…!?」

エリート「……これは」
12 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:25:04.98 ID:TNPDiQgo
青年兵「いかが…致します?」

エリート「…止むを得ませんね。遠回りですが裏路地を進みましょう」

左秘書官「…えぇい、とんだタイムロスだ…っ」

左大臣「…全く、担当には厳しく罰して処置を施すように…朝一で伝えよ」

左文官「畏まりました」

青年兵「反転っ!進路を裏路地に変更…!」

ドドォ…パッカパッカパッカ…

青年兵「…ラッキーな事もあるものですね」

エリート「…いや、これは人為的なものだろう」

青年兵「…!?」

エリート「つまり大通りを避け、人の少ない裏路地を使うようにとな…」

青年兵「被害を抑える為に…?」

エリート「…まぁ、そんなところであろう」

青年兵「なるほど…」

エリート「…あちらもうまく進んでいるようだな」
13 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:25:45.05 ID:TNPDiQgo
〜左大臣の屋敷〜

ザッザッザ

隊長「おーら、どいたどいた」

男隊員「こっから先は立ち入り禁止だ。下がれ!」

本国兵「屋敷の周りに警備を配置致しました」

隊長「ご苦労」

本国兵「それと、大通りで大規模な落盤が発生したと…」

隊長「落盤…?」

本国兵「はい。現在、女隊員殿が地下水路へ調査に向かいました」

隊長「…そうか。残骸は全て持ち帰れ、と伝えろ」

本国兵「了解致しました!」

タッタッタッタッタ

男隊員「…落盤?随分好都合だ事…ヒャハハ!」

隊長「おそらく大軍師だろう。これで更に足止め出来たか…」

隊長と男隊員はゆっくりと左大臣の屋敷内へ足を踏み入れた。
14 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:26:16.50 ID:TNPDiQgo
〜屋敷内〜

テクテクテクテク…

執事長「……」

戦士父「…何か?」

執事長「…強盗は…?」

戦士父「…大人しいもんさ。国軍はまだか?」

執事長「屋敷の外に警備を張っているようです。もうしばらくで…」

ズズウウゥゥンッ…

執事長「何の音だ…!?」

戦士父「……」

執事長「…おい、周囲を調べて来い」

衛兵「はっ!」

ダッ

男隊員「あいあい、邪魔するよ〜」

隊長「今の男は落盤だ。下手に動くな」
15 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:26:59.22 ID:TNPDiQgo
戦士父「……国軍の者か?」

男隊員「あのぉ…寝ぼけてらっしゃる?」

ゴスッ!!

男隊員「痛…って!何すんだよ!?」

隊長「黙ってろ。……見て分からんかね?国軍の者だよ」

戦士父「……そうか」

執事長「落盤…とは?」

隊長「大通りで落盤が起きたらしい。おそらくそれだろう」

執事長「こ、この辺りは大丈夫なのですか!?」

隊長「…さぁ。大丈夫かもしれねぇし、ダメかもしれない」

執事長「そ…そんな…っ」

隊長「強盗に落盤に…厄介だ事…。ほれ、さっさと避難してくれ」

執事長「しかし…左大臣様がお戻りになるまでは…」

隊長「わーったよ。んじゃリビングでも何でもいいから、広い部屋に集まっててくれ」

執事長「……わ、分かりました」
16 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:27:48.89 ID:TNPDiQgo
テクテクテク

衛兵「…宜しいのですか?」

執事長「国軍の方が仰るのだ。従うしかなかろう…っ」

衛兵「……」

テクテクテク

戦士父「…行ったか」

隊長「…ったく、このタコ!演技に決まってんだろが」

男隊員「事前に打ち合わせしてくれっての…」

戦士父「済まなかった。急な計画だったものでな」

隊長「いえっ、いいんすよ。こいつがアホなだけですから」

男隊員「それよりっ!戦士はどーなんですか!?」

戦士父「…そこの階段から地下に続くらしい」

隊長「そこに戦士がいると…?」

戦士父「…天才が向かった。直に戻るだろう」

隊長「了解です。それでは脱出の手順を打ち合わせておきましょうか」
17 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 13:28:30.00 ID:TNPDiQgo
〜地下〜

オオォォ…

天才「…やっべ、音が響きやがる。……気付かれたか?」

地下への錠を魔法で壊した天才。罰の悪そうな顔で階段の方向を眺める。

天才「…さーて、この奥か」

ギイィ…ザッザッザ

左右無数に並ぶ扉。その一番奥に、更に下へと続く階段が見える。

コツコツコツ…ザッ

天才「…ここがゴール、か」

階段を降りるとそこは牢獄のような風景が飛び込む。

天才「…おーい、誰かいるかー?」

ザッザッザ…ピタッ

天才は一つの牢の前で足を止める。

天才「……いよう。災難だったな」

戦士「…………」
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 16:04:36.99 ID:LApzDx6o
いちおつおつ!
スレ立てさっそくのwktk
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 17:35:22.73 ID:uSd6jcAO
乙んつん
続きが気になって昼寝ができない
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 18:23:24.66 ID:YdrUEBA0
1乙
毎日楽しませてくれてありがとう!…うん!
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 20:43:47.60 ID:9/cy4Cso
隊長「今の男は落盤だ。下手に動くな」

どういう・・・ことなの・・・
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 20:52:21.84 ID:gqQ5kRM0
前スレ埋めてから書き込んでくれおまえら
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 20:54:40.07 ID:XnMksqoo
>>21
「今の音は落盤だ」ってことだろ。

>>22
要望とかリクあればって言われてるからいいんじゃね?
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 22:53:28.24 ID:MDdYMUSO
>>1を召喚してやる
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 23:40:20.47 ID:Bh/6lwAO
↓続き
26 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:16:17.89 ID:2SAE8owo
天才「…ちっ、ここも鍵付きかよ」

先程と同様、天才は右手を沿え、一気に魔力を解き放つ。

ザッザッザ…バキャアァッ!!…ガラガラッ…ゴトン

戦士「……っ」

天才「意識はあるか…?」

戦士「……」

天才「…待ってろ。今…手枷と目隠しを外してやる…」

ガチャンッ…ゴソゴソッ

天才「…どうだ、見えるか?話せるか?」

戦士「……ぅ……あ」

天才「…しゃーねぇ。荒療治だが…」

トントントン…グキッ!!

戦士「かは…っ!!」

天才「…目ぇ覚めたか?」

戦士「…げほ…っ、ごほっ」
27 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:16:55.39 ID:2SAE8owo
天才「おぉ、生きてるみてーだな。良かった良かった」

戦士「天…才!?ここは……?」

天才「事情は後だ。とりあえず脱出すんぞ」

戦士「え…あ、おうっ……」

ヨロッ

天才「…ほれ、掴まれ」

戦士「…すまん」

天才「……」

戦士「…な、何だ…?」

天才「…いや、本物だろうなーって思ってよ」

戦士「本物…?何の話だ……?」

天才「まぁいい。行くぞ」

ガシッ…テクテクテク

戦士「こ、ここはどこなんだ…!?」

天才「左大臣…!?」
28 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:17:45.52 ID:2SAE8owo
テクテクテク…ザッ

天才「…人はいねぇようだな。よし…来い!」

戦士「……」

テクテクテク

戦士父「……!?」

戦士「…お、親父…!?」

天才「この通り無事、救出したぞっと」

戦士「な、何が何だか……」

戦士父「…とにかくこの中へ入れ」

ガチャッ

天才「その中に転がってるワーカーとの衣服を剥ぎ取れ」

戦士「お、おう…っ」

天才の指示により、戦士は気絶している無精髭のワーカーから衣服を剥ぐ。

戦士「…これで…いいか?」

天才「…おし、そんじゃお次は俺とお前だ」
29 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:18:36.15 ID:2SAE8owo
戦士「…?」

天才「お前は俺の服を着ろ。んでお前が着てた服をそいつに着させるんだ」

戦士父「ワーカーの服をアンタが着て…完成だ」

天才「急げ。チンタラしてる暇はねぇぞ!」

戦士「わ、分かった…っ」

ゴソゴソゴソッ…ガバッ

天才「…おし、これでオッケー」

戦士「そいつは…どうするんだ?」

天才「地下に置いてくる。お前の身代わりだ」

戦士「み…身代わり!?」

天才「…奴らの驚き顔が楽しみだぜ…はーっはっはっは!」

戦士父「……全く」

天才「ちょっくら行ってくらぁ!」

戦士「あ…っ、おう…」

意識のないワーカーを抱え、天才は再び地下へと駆け降りて行った。
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 00:19:38.42 ID:o9Ql3mgo
>>27-28
な、何が何だか……
31 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:23:31.76 ID:2SAE8owo
〜裏路地〜

ドドッ

青年兵「…まもなく…到着ですね」

エリ−ト「…ああ」

青年兵「大丈夫でしょうか…」

エリート「出来ればあと少し、時間が欲しいところであったが…」

二人が正面を見据えた瞬間、背後の馬車から異音が鳴り響く。

ドガシャアァッ!!…ズザザアアァァ…

エリート「!?」

青年兵「ば…馬車が…っ!」

スタッ…タッタッタッタ

エリート「左大臣殿っ!?」

左大臣「な…何事だァ!?」

左秘書官「ばしゃが突然…っ、何が…起きたのだ…!?」

横たわる馬車から左大臣らが必死に這い出る。
32 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:27:57.12 ID:2SAE8owo
あれ…?なんか飛んでますね…
>>27

戦士「こ、ここはどこなんだ…!?」

天才「左大臣の屋敷だ」

戦士「左大臣…!?」

天才「とにかく、お前は軟禁状態にあったって事だ」

戦士「確か…牢に入れられて…その後…」

天才「その出口の先、地上だ。ちょいとここで待ってろ」

スタッ…キョロキョロ

戦士「……」

>>28
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 00:28:18.17 ID:kS2WxYwo
>>1お疲れか?ww


いきなり寒くなってきたしなぁ
34 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 00:33:07.19 ID:2SAE8owo
左文官「…痛…っつう」

青年兵「い…一体、何が…!?」

ザッ

エリート「……」

左秘書官「…車輪が砕けて破損しているな」

エリート「ええ…」

左秘書官「…これの仕業か?」

左秘書官は脇に落ちる大きめの矢を拾い上げる。

左秘書官「まさかな…。これだけの矢…人間の力では近い距離から放たねば命中すまい」

エリート「……ええ」

左大臣「…落ちていたか何かの物を巻き込んだのだろう」

左文官「…しかし、これでは馬車はもう使えませぬ」

左秘書官「…この忙しい時に…っ」

左大臣「不幸というものハァ、いやに連鎖するものよ…全く」

エリート「仕方ありません。やや時間はかかりますが、歩いて向かいましょう」
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 00:40:09.54 ID:2SAE8owo
お疲れのようです…ほんとすみません…はぁ
しっかり睡眠とって、明日に備えたいと思います
ご支援ありがとうございました!おやすみなさいです!ノシ

〜オマケ〜

ピュウウゥゥ…

盗賊「……」

ヌクヌク

盗賊「……はぁ…幸せ」

タタッ…モゾモゾ

戦士「うぅ…寒みぃ!!」

盗賊「…戦士……狭い」

戦士「仕方ねーだろ。寒いんだから俺も入れろ」

盗賊(戦士とこたつに…!こ、こんな近く……)

戦士「…おっ、みかん食ってんのか?あーん」

盗賊「じ、自分で食わぬかっ!」

戦士「手が凍えてんだよ。いいからほれ、あーん」

盗賊「…し、仕方ないなぁ…もうっ」

スッ…パクッ

戦士「…んー、んまい!!…どした…真っ赤だぞ?こたつでのぼせたか?」

盗賊「……う、五月蠅いっ!」
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 00:45:53.48 ID:o9Ql3mgo
戦士よ、そのままコタツの中に幽閉されていなさい
二度と出てくんな
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 00:48:40.92 ID:NjubNako
前スレも上手く使ってのオマケ最高ですwwwwwwww
乙!
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 01:10:53.41 ID:YuJA80Eo
ふむ、こたつと言えばこたつかがりですね……
こたつで魔道士が悦ぶのか
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 06:00:55.67 ID:xLSf.6AO
>>1いつも更新乙んつん
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 07:51:28.21 ID:nMIInCoo
しえんしえん
>>22同意、ホントすまんかった
41 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:42:30.70 ID:avwfA5go
コオオォォ…

屋根の上から路地裏めがけ矢を放った男が、煙草を吹かし一息つく。

バーテン「……ふー」

ジャキッ

バーテン「久々だったが…照準バッチリだな」

右手に構えたボウガンをポンッ、と一度叩き、バーテンは携帯灰皿へ煙草を押し込む。

バーテン「さーて、あっちはどうなったか…」

タタッ…タッタッタ

バーテン「…こっちもいよいよい大詰めか」

そう言いながら見下ろす左大臣の屋敷内には、国軍が突入を開始していた。

ザザッ…タッタッタッタッタ

国軍兵「負傷したワーカーの搬送が終わりました!」

隊長「ご苦労。……お前らも屋敷の外まで下がりな。あとは俺らの仕事だ」

ワーカー「あ…あぁ…っ」

隊長「さーてと…」
42 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:43:21.98 ID:avwfA5go
ザッザッザ

隊長「そろそろ出られますかい?」

戦士父「ああ…大丈夫だ」

タッタッタ…スタッ

天才「よっと、待たせたな。んじゃ出るとすっか」

戦士父「…行くぞ、立てるか?」

戦士「お、おう…」

男「戦士…っ!」

戦士「おぉ…っ、男隊員に隊長……」

スタスタスタ…ガシッ

隊長「…無事で何よりだ!」

戦士「……すんません…っ」

天才「あ、そーだ。これ被っとけ」

ポイッ…パサッ

戦士「…覆面?これ…っ、マスク・ド・ジーニアスのか!?」
43 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:44:46.85 ID:avwfA5go
ザッザッザッザッザ

男隊員「おらっ、どいたどいた!下がってくれ!」

野次馬「アイツが犯人か…。覆面してて顔分かんねーぞ!」

男「そうだそうだ!んなもん剥いじまえっ!!」

老人「今回の強盗といい先日といい、物騒になってきたのぅ…」

ヨロヨロッ

天才「…お、ナイス演技」

戦士「演技じゃねぇ…。本当にふらつくんだよ…っ」

戦士父「このまま抜けるか?」

天才「だな。左大臣も戻ってねぇし…さっさとトンズラかますぞ」

キラッ…キラキラッ

戦士父(手鏡!?……バーテンか!)

一瞬光り輝いた方向へと戦士父が慌てて振り向き、屋根の上を見つめる。

天才「…どした?」

戦士父「…・・マズイ…っ、戻ってきたようだぞ!!」
44 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:45:35.42 ID:avwfA5go
タッ…タッ…タッッタッ…

左大臣「はァ…はァ…はァ」

左文官「ま、まさか…走る羽目にあうとはな…」

エリート「左秘書官殿は身体が軽そうですね」

左秘書官「ええ。デスクワークですが毎朝ジョギングしてますので」

青年兵「見えてきましたっ!す…凄い人だかりだな…」

左大臣「はァ…はァ…ひぃ…っ」

左秘書官「すまんが通してくれ…!そこ、道を開けてくれっ」

左文官「えぇい、早くどかぬかっ!」

野次馬「おいアレ!左大臣様だ…!」

隊長「…ちっ」

老人「左大臣様、災難でしたなぁ…。しかし犯人は無事、逮捕されましたぞ!」

左大臣「そうかァ。皆にも迷惑をおかけたなァ…。すまぬ」

左文官「して、犯人はいずこに?」

エリート「……」
45 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:50:10.82 ID:avwfA5go
カツカツカツ

隊長「これは左大臣様」

左大臣「…特遊かァ。ご苦労であったァ」

左秘書官「強盗はどちらに…?」

隊長「はい。今しがた護送の準備に取り掛かり…」

左文官「護送…!?我等に説明もなくか…!?」

男隊員「ワーカー数名を病院送りにした猛者です。野放しは危険かと」

左大臣「だがァ、捕らえたのだろう?」

隊長「…それは…そうですが」

左大臣「それで…被害は?」

隊長「…特にありません。敷地内で捕らえましたので」

左大臣「……」

隊長「優秀なワーカーをお雇いのようで」

エリート「被害がなくて良かったですね」

左大臣「…あァ」
46 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:50:46.45 ID:avwfA5go
カンカンカンッ…スタッ

大軍師「…どうでした?」

地上へ繋がる梯子より地下水路へと戻ってきた格闘家に大軍師が問う。

格闘家「脱出は成功のようです。まもなく馬車が来ます」

大軍師「左大臣殿は?」

格闘家「…隊長らが食い止めておいりますが…既に」

大軍師「そうですか。素性を調べられると厄介ですね…」

格闘家「…どうします?」

大軍師「…隊長に、この真上に馬車を止めるよう誘導して下さい」

格闘家「…了解です」

大軍師「それと…怪我はなく、意識のないワーカーを一人…」

格闘家「…?」

大軍師「それをうまく……それで……」

格闘家「…なるほど。行って参ります」

大軍師「…ふふっ。うまくいくといいですねぇ」
47 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:51:28.33 ID:avwfA5go


男隊員「屋敷内はもう安全です。どうぞお入り下さい」

隊長「屋敷外と敷地一部はまだ、国軍の警備と事後処理を行っておりますので…」

タッタッタ

格闘家「…隊長」

隊長「!?おう…どうした?」

格闘家「間もなく護送の馬車が参ります。誘導を…」

隊長「…誘導?ああ、あの辺りでいいか?」

格闘家「…いえ、あちらの方が周囲にも迷惑もかからんでしょう」

隊長「…了解した」

格闘家「…あと…ワーカーは?」

隊長「そこら辺にいるぞ。怪我人は順次、病院へ向かわせてる」

左大臣「おい、屋敷に戻っても良いのだなァ?」

隊長「…どうぞ」

左大臣「…行くぞ」
48 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:51:57.83 ID:avwfA5go
ザッザッザッザッザ

隊長「……ったく」

格闘家「……」

隊長「それで、大軍師殿の手筈か?」

格闘家「はい。意識のないワーカーを一人手配し、予め馬車に積み込めと」

隊長「…またかよ」

格闘家「…?」

隊長「いんや、何でもねぇ。悟られる前に急げ!馬車は西の通りから来るはずだ」

格闘家「…了解です」

タッタッタッタッタ

隊長「……」

ザッザッザ

エリート「順調ですか?」

隊長「ええまぁ…。あとは最後のひと踏ん張りってとこっすね」

エリート「…成程。私達も屋敷内にて待機させて頂きましょう」
49 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:52:34.04 ID:avwfA5go
ザッザッザ

左大臣「戻ったぞ!」

執事長「お帰りなさいませっ!」

左大臣「内部は無事なのだなァ…?」

執事長「一時的に犯人を拘束してはおりましたが…それ以外は特に…」

左大臣「犯人はどんな奴だったァ?」

執事長「それが…覆面を身に着けておりよく分からず…」

左大臣「……地下には誰も通してないだろうなァ?」

執事長「え、ええ…。何かあるので?」

左大臣「…貴様の知るところではない」

執事長「…失礼致しました」

左秘書官「…念の為確認致しましょう。一連の動き…狙いはもしかしたら…」

左大臣「…まさかとは思うがァ…」

カツカツカツカツ…

執事長「っ!!」
50 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 17:57:26.85 ID:avwfA5go
左大臣「……どういう事だァ…!?」

左秘書官「じ…錠が壊れているっ!?」

ダッ!!

左大臣「貴様はここで待て!」

執事長「は、はい…っ!」

左大臣「まさかァ…やはりっ!」

左秘書官「……くっ!」

カンカンカンカンカンッ…タタッ

左大臣「はァはァ…何だァ、ちゃんといるではないかァ…」

左秘書官「ここも壊れて…」

ジャリッ…ザッザッザ

左大臣「おい、どうしたァ?」

左秘書官「…様子がおかしい…っ!?」

左大臣「…?」

グイッ
51 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 18:18:20.01 ID:avwfA5go
左大臣「…こんな…顔してたかァ?」

左秘書官「しまった…っ、すり替えられたんだ!!」

左大臣「…おのれぇ!!」

ダッ!!…カンカンカンカンカンッ

執事長「お、お帰りなさ…」

左大臣「どけぃ!!」

左文官「如何なされました!?」

左秘書官「やられた…!犯人を護送させるな!」

タッタッタッタッタ

男隊員「おっ、馬車が来たな!ここだ、ここで止まれー!」

パッカパッカパッカ…スタッ

格闘家「…何とか間に合いました」

男隊員「ご苦労さん!いいぞー誘導しろぉ!!」

天才「…おっし、行くぜ」

戦士父「……ああ」
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 19:29:48.13 ID:sqO3m.DO
>>1

寒いから体調管理気を付けて!
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 20:14:57.53 ID:CZ6vFf60
1乙
天才はいい加減、戦士に回復魔法かけてやれよ
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 20:53:10.50 ID:NjubNako
戦士を負傷ワーカーとして搬送するのか。。。
やるなwwwwwwwwww
55 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 23:32:38.84 ID:2SAE8owo
天才「立てるか?」

戦士「ああ、もう大丈夫」

男隊員「これより護送すんぞ。各員、道を作れ」

国軍兵「ははっ!」

ザザッ…ザザザッ

戦士父「両脇から支える。衰弱したフリをしておけ」

戦士「…おう」

天才「はいはい通るぜ」

テクテクテク

格闘家「…こちらです。その馬車の中へ」

戦士父「…うむ」

天才と戦士父は格闘家の誘導で戦士を馬車へと導く。

ダダダッ!!

左大臣「その馬車ァ待てぇい!!」

隊長「!?」
56 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 23:34:58.37 ID:2SAE8owo
タッタッタッタ…

エリート「どうされました左大臣殿…?」

左大臣「その馬車を待たせろと言ったのだァ」

青年兵「あの…何か…?」

左秘書官「貴方達には関係のない事だ!」

隊長「そうはいきませんよ。犯罪者ですよ?」

左大臣「だからだァ。当事者同士なのだァ。問題なかろう」

隊長「だからこそです。それに…身の危険もあります」

左大臣「…えぇい、どけい!」

ガッ…ダダッ

エリート「左大臣殿っ!」

隊長「マズイな…っ」

タッタッタッタッタ

男隊員「!!…急げっ、来たぞ!!」

天才「ちっ、早く乗れ!」
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 23:36:01.04 ID:O2jVSYSO
続ききたぁ♪

1乙
58 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 23:36:43.83 ID:2SAE8owo
格闘家「こっちです!馬車の中に…!」

戦士「お、おうっ!」

グイッ…ガバッ

戦士「……コイツは…!?」

格闘家「この男と衣服を取り替えて下さい」

戦士「え…?ま、またかよ…っ」

格闘家「いいから早くっ!」

戦士「お、おう…っ!」

ガバッ…ゴソゴソッ

天才「さーて、俺達はズラかるとすっかぁ」

戦士父「…だな。奴らには顔が割れてる」

天才「んじゃ…またな。例の件頼んだぞ!」

戦士父「…後は頼む」

天才「あいよっ!お疲れさん!!」

二人は馬車の前で左右に分かれ、人ごみの中へと姿を消した。
59 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 23:45:03.36 ID:2SAE8owo
タタタッ

左大臣「…はァ…はァはァ」

男隊員「…ど、どうも」

左秘書官「犯人と引き合わせて頂きたい」

男隊員「…いや、そうは言われましてもねぇ」

ザッザッザ

隊長「…構わん。幌を開けろ」

男隊員「…へいへい。でも衰弱して意識あるか分からんので…無茶せんで下さいよ」

テクテクテク…ガバッ

左大臣「……」

格闘家「…何か?」

左秘書官「…顔をこちらに向けろ」

格闘家「…はぁ」

グイッ

左大臣「……そのふざけたマスクを取れ」
60 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 23:47:52.22 ID:2SAE8owo
格闘家「マスクをですか?……はぁ」

格闘家は倒れる男の覆面を剥ぎ取り、左大臣らに顔を見せる。

グイッ

格闘家「……これで宜しいですか?」

左秘書官「…あの男ではありませんね…っ」

左大臣「他に仲間はァ!?共謀者はァおらんのかァ!?」

隊長「…コイツ一人でしたよ」

左秘書官「間違いないですね?」

男隊員「へぇ。くまなく捜索しましたし、警備もこの通り厳重でしたんで…」

左大臣「……」

エリート「何か問題でもありましたか?」

隊長「あるなら…詳しい事情をお聞かせ頂きたいですなぁ…」

左大臣「…まさか、貴様らァ…!」

エリート「…何か?」

左大臣「……くっ!」
61 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/28(木) 23:59:49.48 ID:2SAE8owo
ザッ…クルッ

左大臣「……もうよいっ!その男の取り調べはこちらで行う…いいなァ!」

隊長「そりゃ構いませんが…お手間を取らさずともこちらで…」

左大臣「こっちでやると申しているのだァ!」

ザッザッザ

左秘書官「…で、では今日のところはこれにて…失礼致します…っ」

タッタッタッタッタ

男隊員「馬車を出せ。真っ直ぐ警備所へ向かわせろ」

格闘家「…出発」

ドドッ…パッカパッカパッカ…

エリート「左大臣殿、念の為王宮で休まれますかな?」

左大臣「…屋敷に戻るっ!明朝向かうと警備所の連中へ伝えておけぃ!」

青年兵「……手品のようでしたね」

隊長「ほれ、アレだよ」

隊長は地面に蓋をされた、地下水路へと続く潜孔を指差し、ほくそ笑んだ。
62 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 00:09:43.66 ID:ljvH0D6o
〜地下水路〜

カンカンカンカンカン…スタッ

戦士「へぇ、街の下にこんな水路があったんだな…」

ザッ

大軍師「ここは下水路ですよ。有事の際の避難路も兼ねてますがね」

戦士「大軍師さんか…。助かったよ…ありがとう」

大軍師「いえいえ、ご苦労様でした」

戦士「しかし…何が何だかさっぱり…」

大軍師「…どうやら利用されたようですねぇ」

戦士「利用…?」

大軍師「まぁ歩きながらご説明致しましょうか」

戦士「…これからどこへ?」

大軍師「このまま地下水路を進み、埠頭まで出ましょう」

戦士「…分かった」

羽扇を仰ぎ微笑む大軍師の後を、曇り顔の戦士がゆっくりと追った。
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 00:13:57.39 ID:ljvH0D6o
>>52>>57
ありがとうございます!皆様もお風邪など引かれぬようお気をつけて!

>>53
心労とか空腹的なものだったと思われます…

>>54
大軍師「ふふっ、ありがとうございます」

〜オマケ〜

魔道士「知ってます!?もうすぐ一年経つらしいですよっ!?」

盗賊「…へぇ、よくもまぁそんなに…やるよな」

召喚士「…あの」

魔道士「はい?」

召喚士「このままだと記念すべき一年に出番無しとか…」

魔道士「えっ?知らないんですか?」

召喚士「…?」

魔道士「この物語はイケメンモテモテ主人公の戦士と、そのお供でオマケの三人が織りなすお話なんですよ?」

召喚士「えっ?」

盗賊「…えっ?」

魔道士「え…っ?」
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 00:24:22.14 ID:3zS.9YAO
>>1
召喚士涙目ww
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 00:55:53.95 ID:RslDHUSO
1乙♪おやすみなさい
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 01:39:04.31 ID:A8.HeQDO
>>1
あえて公で戦士の顔晒して無実への証明に繋げるかと思ってた
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 03:55:41.59 ID:k5qsAOUo
さて、次はドッペル戦士を束縛して話を聞く番だな
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 04:54:09.12 ID:syMPR2DO
>>1
魔道士は腹黒キャラも似合いそうだな
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 07:44:25.48 ID:AUcLQIco
いちおつおつ
戦士のフラグっぷりはなんという主人公
70 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:43:17.73 ID:6CGr9P2o
タッタッタッタ…ザザッ

戦士父「……おう」

バーテン「最後まで見届けねぇのか?」

戦士父「救出さえすれば、あとは問題ないだろう」

バーテン「まぁな。あとは連中がうまくやってくれんだろ」

戦士父「…それもあるが…あとは己との戦いだからな」

バーテン「…?」

戦士父「お前はどうする?」

バーテン「…騒がしい都会はやっぱ苦手だよ」

戦士父「…ならば」

バーテン「…?」

戦士父「久々に飲ませてくれないか?お前のコーヒーを」

バーテン「…はっ、物好きな奴もいたもんだ」

戦士父「……行くか」

バーテン「ああ、しゃーねぇから一杯だけだぞ。オゴってやる」
71 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:44:05.02 ID:6CGr9P2o


青年兵「……終わりましたね」

エリート「…ああ」

青年兵「しかし、大丈夫でしょうか?」

エリート「…ん?」

青年兵「こちらの動きもかなり勘繰られてしまったような…」

エリート「お互い様ってところさ」

青年兵「そう…ですか?」

エリート「奴らとて本物と偽者をすり替え、その上監禁していたなんて漏れてみろ…」

青年兵「そ、そうか…!逆に立場が危うくなりますね」

エリート「追及したくても出来んのさ。……互いにな」

青年兵「…と、言う事は…っ」

エリート「此度に関する事件はしばらく闇の中だろうな…」

青年兵「水面下でどちらが決定打を手に入れられるかですね…?」

エリート「…嫌なものだな。大人の喧嘩というのは…ね」
72 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:44:51.58 ID:6CGr9P2o


男隊員「えぇと…屋敷の東側は通行止め解除…っと。次は…」

ザッザッザ

隊長「ここはお前に任せるぞ」

男隊員「うぇ…っ、もうめんどくさくてやってらんねぇ…」

隊長「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!仕事だ!」

男隊員「そーいやクソアマ見てないすか?さっきから見当たらないんだがよ…」

隊長「あーアイツ、残骸回収から戻ってねぇぞ?」

男隊員「…ったく、チンタラやってんじゃねーっつの」

隊長「本部にいるんじゃねぇか?あとでコッチに回す」

男隊員「頼んまっす!…おーい、そっちじゃねぇ!そこだ!」

隊長「…ふー」

ザッザッザ…

隊長「…ひとまずは…任務完了、か」

隊長はポツリと呟き、国軍本部へと帰路についた。
73 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:45:29.32 ID:6CGr9P2o
〜地下水路〜

戦士「…つまり、偽者の俺とすり替えられた…と?」

大軍師「そういう事です」

戦士「ま、まてよ…!じゃあ…今アイツらといる俺ってのは…っ!?」

大軍師「…貴方が本物なら…偽者という事になりますね」

戦士「俺は…本物だ…っ」

大軍師「…でしょうね。おそらく本物だと思いますよ」

戦士「…信じてくれるのか…?」

大軍師「先程、私に驚きもせず『ありがとう』と申しましたよね?」

戦士「…あ、ああ。助かったよ」

大軍師「私や北方の連中が動いている事を知っているのは本物だけですよ」

戦士「…?」

大軍師「つまり、私が助けた事が当たり前だという認識。それが本物の証です」

戦士「でも…偽者は俺の記憶もあるんだろ?だったら…」

大軍師「偽者と分かれたのは何時です?」
74 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:46:03.72 ID:6CGr9P2o
戦士「…あ…っ」

大軍師「そういう事です。最北の村から本国へ向かう途中…」

戦士「北の村と司令部へ立ち寄った…っ!その時に…話したんだ…!」

大軍師「無論、偽者は真っ直ぐ本国へ向かっておりますので事情は知りません」

戦士「…そ、そっか」

大軍師「明朝、おそらく朱雀先生も本国へ参られるはずです」

戦士「召喚士…」

大軍師「そこで両者の記憶を照らし合わせれば、明白ですよ」

戦士「なるほどな…。しかし……」

大軍師「何か…?」

戦士「偽者の目的は何なんだ?それに…左大臣の奴は…」

大軍師「戦士殿はどう感じてます?」

戦士「……どうにも悪い奴には見えねぇんだよな」

大軍師「…ほう」

戦士「なんか…やる事が小さいっつーか、悪意を感じないんだよ…」
75 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:46:54.55 ID:6CGr9P2o
大軍師「…成程」

戦士「…すまん。勝手な見解だがな」

大軍師「いえ、おそらくその推測で間違いないと思いますよ」

戦士「そうか…?」

大軍師「もし悪意があるのであれば、戦士殿の親しい者は悉く死んでいるでしょう」

戦士「…まぁな。偽者と悟られなきゃ区別付かんしな」

大軍師「それを…何故か平然とパーティーに潜り込み旅を続けている…」

戦士「他に目的でもあんのかねぇ…?」

大軍師「…とにかく、話してみない事には分かりませんね」

戦士「…ああ。それは俺自身でケリを付けさせてくれ」

大軍師「…勿論、お願い致しますよ」

戦士「…おう」

大軍師「左翼の輩についてはこちらにお任せ下さい。色々とややこしいので…」

戦士「すまん…。任せる」

大軍師「…ふふっ。さて、もうじき埠頭に出ますね…行きましょうか」
76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:47:42.58 ID:6CGr9P2o
〜国軍本部〜

ザッザッザ

隊長「…おう、朱雀先生の所在は掴めるか…?」

国軍兵「朱雀先生ですか?少々お待ちを……」

隊長「……」

国軍兵「…乗船名簿に記載がありますね。大陸東のターミナルで降りています」

隊長「東…?あんな所に何かあったっけか…」

――「魔道学校へ向かったぞ」

隊長「…!?」

ザッザッザ

隊長「しょ、初代…っ!」

バーテン「その呼び方、やめてくれよ」

戦士父「今のうちに伝令を飛ばせば朝には間に合うな」

隊長「よ、よし…。魔道学校へ伝令を飛ばす!準備を!」

国軍兵「は、はい…っ!」
77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:48:19.66 ID:6CGr9P2o
ザッ

戦士父「…それでは行くか」

隊長「も、もう行かれるんですか!?」

バーテン「…じゃあな。今の特遊…なかなかカッコイイぜ」

ザッザッザッザッザ

隊長「…ありがとう…ございました…っ!」

ババッ…ザッ

本部を後にする二人の先輩を見送り、隊長は一人静かに敬礼を続けた。

バッ…ザッザッザッザ

隊長「…準備できたか?」

国軍兵「間もなくっ!」

隊長「今、書類を調える。出来次第…大急ぎで魔道学校まで走らせろ!」

国軍兵「了解です!」

隊長「さーてお次は…」

隊長は本部正門前より裏手へと場所を移す。
78 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:48:59.19 ID:6CGr9P2o
テクテクテク

隊長「……」

女隊員「…オッケーッスよぉ!そこでストップするッス〜!」

隊長「……」

女隊員「…それじゃ作業続けるッスよぉ」

隊長「何だ、このゴミの山は」

女隊員「ひゃっ!?……た、隊長…驚かさないで下さいッスよぉ…!」

隊長「このゴミは何だ、と聞いてるんだ」

女隊員「見ての通り、水路の残骸を拾い集めてきたッス!」

隊長「……」

女隊員「ど、どうしたッスか?俯いて…」

隊長「だーれがゴミ拾いまでしろと言ったぁ!!」

女隊員「そんな事言われましても…どれが残骸でどれがゴミか分からないッスよ」

隊長「分かるだろうがっ!こんな石っころやらヘドロが残骸に見えっか?あぁ?」

女隊員「い、いやぁ…まぁ…その…っ、申し訳ないッス…」
79 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:50:07.40 ID:6CGr9P2o
隊長「ったく…。とにかくコッチはいいから、左大臣の屋敷に向かえ」

女隊員「はいッス…」

隊長「残るは事後処理だけだ。男隊員の手伝いしてやれ」

女隊員「行ってくるッス!」

タッタッタッタッタ

隊長「お前らも作業やめて一緒に同行してくれ」

国軍兵「かしこまりました!」

タッタッタッタッタ

隊長「今の特遊…カッコイイのかねぇ…?」

タッタッタッタ…

国軍兵「伝令、準備完了です!」

隊長「よーし、書類はコイツだ。頼んだぞ!」

伝令「はっ!行って参ります!!」

隊長「気を付けてくれ…。ヨロシクな!」

威勢良く飛び出す伝令。それを隊長が無言で見送った。
80 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:50:33.72 ID:6CGr9P2o
一同を混乱に陥れた数日間。その最後の朝が今、訪れた。

召喚士「……」

テクテクテク

魔道士「…おはようございます」

召喚士「あ、おはようございます」

〜学園長の屋敷〜

魔道士「あ、あの…戦士さんは…?」

召喚士「まだ寝てますよ。何かありましたか?」

魔道士「…ちょっと…いいですか?」

召喚士「…?」

テクテクテクテク…

召喚士「あ…あのっ、何か……」

魔道士は無言で召喚士の腕を引き、屋敷の中庭へと場を移す。

魔道士「…連れてきましたよっ」

召喚士「…盗賊さん?」
81 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:50:59.45 ID:6CGr9P2o
ガシッ…グイッ

召喚士「…っ!!」

盗賊「…何故…言わなかったのだ!」

召喚士「…え…っ!?」

盗賊「とぼけるでないっ!戦士の事だ…!」

魔道士「…ごめんなさい。昨晩…話してしまいました」

召喚士「…そう…でしたか」

魔道士「で、でもぉ…。盗賊さんに黙ってるなんてやっぱり…出来なくて…」

盗賊「…ああ。お前は悪くない」

召喚士「…すみませんでした」

盗賊「……」

召喚士「…何だか…どうしても話せなくて」

盗賊「…その程度で……挫けたりはせぬ」

召喚士「…はい」

召喚士の胸倉を掴んだ盗賊の両手が、そっと放れる。
82 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:51:26.26 ID:6CGr9P2o
盗賊「…それで…何がどうなっておるのだ?」

召喚士「…まだ確信はないので分かりませんが…っ」

盗賊「……」

召喚士「おそらく釈放のタイミングで、ドッペンゲンガーと入れ替わったんだと…」

盗賊「……そうか」

召喚士「でも…やはり腑に落ちないんですよね…」

魔道士「何が…ですか?」

召喚士「ドッペルゲンガーの目的です。何をしたいのか見当がつきません…」

盗賊「…確かに。危害も加えず…ただ付いて来るだけだものな」

魔道士「お友達にでもなりたかったんですかね…?」

召喚士「……」

魔道士「じ…冗談です!ごめん…なさい…っ」

盗賊「…ところで…よく気付いたな」

魔道士「そうですよっ!何か違いがあったんですか!?見た目とか…?」

召喚士「あ、えっとですね……」
83 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:51:55.55 ID:6CGr9P2o
魔道士「はいっ」

召喚士「最初に違和感を感じたのは…本国を出る時です」

盗賊「…出る時?」

召喚士「はい。戦士の親父さんに戟を渡した時に…」

魔道士「何か、ありましたっけ…?」

召喚士「いえ…っ、ただ…戟を渡すという行為自体が不思議だなって…」

魔道士「そ、そうなんですか…!?」

召喚士「あの戟は確かに危険な物かもしれません。でも、戦士にとっては…」

盗賊「…騎都尉の形見…か」

召喚士「…ええ。ゾディアックだって事も知ってます」

魔道士「……」

召喚士「戦士の得手は剣や弓ですし…」

盗賊「…その中でも…常に持ち歩いてたもんな」

召喚士「いくら自分の父親で…槍の名手だからって、そう簡単に渡したりしますかね?」

魔道士「…言われてみれば戦士さんにしては珍しい行動ですよね」
84 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:52:28.04 ID:6CGr9P2o
盗賊「…それって…戦士の意思ではないのか?」

魔道士「…?」

盗賊「…アイツは戦士の偽者なんだろう?」

召喚士「記憶や意思は持っていても、やはり核となる部分は違うんじゃないでしょうか」

魔道士「…なるほど」

召喚士「もし完全に一緒なら、本国で犯罪など犯すはずがありませんから」

盗賊「…言われてみれば…そうだな」

召喚士「その後も『仲間のありがたさ』とか『冒険』なんて言葉を口にしてました」

魔道士「確かに…以前は冒険って感じでしたけど…今は…」

盗賊「…旅とか…任務とか、魔王討伐とか」

召喚士「…そこで思ったのが『懐かしいな』って印象でした」

魔道士「懐かしい…?」

召喚士「ええ。みんなと未知の場所へ行ったり、わいわい騒いだり…」

盗賊「…最初は…そうだったもんな」

召喚士「そこで結論です。あの偽者…多分そういう事を望んでいたんじゃないかなって」
85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:53:11.79 ID:6CGr9P2o
魔道士「魔族なのに…ですか!?」

召喚士「色々な魔物を見てきました。中にはいたはずです」

盗賊「…マーマンとかか」

魔道士「た、確かに…っ!」

召喚士「狭い洞窟から抜けて、自由に暮らしたかったんじゃないでしょうかね…」

盗賊「…しかしよく、入れ替わったと気付いたものだな」

召喚士「それはサーカスのお陰です」

魔道士「サーカスですか…!?」

召喚士「ピエロの演じる手品…あのサイコロを入れ替える…」

盗賊「…ああっ!!」

召喚士「あれを見た時、もし…入れ替わっているなら辻褄が合うと感じたんです」

魔道士「…赤いコップから青いコップへ…っ」

召喚士「結局トリックの種はわかりませんでしたけどね…ははっ」

盗賊「…全く…相談してくれれば良いものを」

召喚士「…すみませんでした」
86 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 17:57:08.82 ID:6CGr9P2o
テクテクテク

メイド「あっ、おはようございます」

魔道士「おはようございますっ!」

戦士「みんなしてどこ行ってたんだ?」

盗賊「…戦士」

召喚士「あ、散歩してたらたまたま会って…」

戦士「ふぅん…」

魔道士「せ、戦士さんこそ珍しいですね!一番最後に起きるなんて…」

戦士「朝の稽古しようと思ったらもうメシだって言うからよ…」

テクテクテク

学園長「あら、みんな揃った?それでは朝食に致しましょう。さぁ座って」

召喚士「あ…おはようございます」

魔道士「おはようございます!それじゃあ失礼しましょうかっ」

盗賊「…ああ」

学園長「さぁ、頂きましょ」
87 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 18:00:58.64 ID:6CGr9P2o


盗賊「…ご馳走様でした」

魔道士「美味しかったです〜!」

メイドほんとですかっ!?嬉しい〜!」

学園長「それで、もうお戻りになられるのかしら?」

召喚士「ええ。占い師さんにもいち早くお伝えしたいですし…」

学園長「そう。それなら学園経由で宜しければお送り致しますよ?」

魔道士「い、いえっそこまでは悪いですよ…っ」

メイド「でもぉ〜この辺りだと魔道学校まで行かないと…馬車もないですよ?」

戦士「…うーん」

メイド「遠慮なさらずに!ねっ、奥様!」

学園長「ええ、どうせ通り道ですもの。そこで馬車を拾いと良いわ」

魔道士「それじゃ……」

召喚士「お言葉に甘えるとしましょうか」

戦士「…だな!」
88 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 18:04:12.88 ID:6CGr9P2o


魔道士「色々とお世話になりましたっ!」

メイド「いえいえ!また遊びにいらして下さいね〜!」

盗賊「…うん」

学園長「では、行ってくるわね」

メイド「行ってらっしゃいませ!」

テクテクテク…ガチャッ

戦士「…しかし大丈夫かねぇ」

召喚士「何が?」

戦士「まだほとぼりも冷めねぇうちに本国なんてよ…っ」

召喚士「心配なら変装でもする?」

魔道士「あっ!こんなのありますよ!!」

戦士「…何じゃこりゃ?」

魔道士「マスク・ド・ジーニアスのサイン入りマスクですっ!えへへ!」

戦士「…あのなぁ、こんなモン付けてんのはコスプレヤローか強盗ぐらいのもんだ!」
89 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 18:08:33.23 ID:6CGr9P2o
〜魔道学校〜

魔道士「到着〜!」

ガチャッ…テクテクテク

召喚士「さーてと、馬車はいるかなぁ…?」

生徒「学園長、お早うございます!」

学園長「はい、おはようございます」

戦士「随分礼儀正しいモンだなぁ」

魔道士「健全な心は礼儀から…ですよ!」

学園長「魔道士さんの仰る通り。まずは己を改める事で正しい力が身に付けられるのです」

盗賊「…が、頑張るっ!」

召喚士「…?」

戦士「健全な心…ねぇ」

召喚士「…馬車、拾いに行こうか」

戦士「だな…。んっ?何だ…あれ?」

学園前に集う一同の元へ、軍服に身を包んだ男が駆る早馬が迫る。
90 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 18:21:10.19 ID:6CGr9P2o
召喚士「伝令…!?」

ドドッドドッ…ズサッ

伝令「失礼致します!朱雀先生とお見受け致しますが…?」

召喚士「あ、は…はいっ!」

伝令「良かったぁ…。一度遠目からお見かけしただけだったので…」

召喚士「あの…っ、何か…?」

伝令「はっ、失礼致しました…!特殊遊撃隊、隊長殿よりこちらを早急にと…!」

ガサッ

魔道士「何です…これ?」

伝令「よくは分かりませんが、とにかく急ぎでとの事でした!」

召喚士「ありがとうございます。何だろ…?」

ガサゴソッ…パラパラッ

戦士「何だそれ…?」

召喚士「――っ!!」

伝令「どど、どうです……!?」
91 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 18:28:11.84 ID:6CGr9P2o
戦士「お前は別に見なくていいだろ…」

伝令「はっ、失礼致しました!」

盗賊「……それで?」

召喚士「早急に本国へ戻るようにとの事です」

戦士「何かあったのか?」

召喚士「うん。偽者の所在が分かったって」

戦士「!?」

盗賊「…急ごう。」

魔道士「学園長、ここで失礼致しますね!」

学園長「あっ、魔道士さん」

魔道士「…?」

学園長「…ええ。また後日、お待ち致してますわ」

召喚士「近いうち必ず、占い師さんを連れて来ますのでっ!」

戦士「…んじゃ!」

四人は伝令に促され、慌てて魔道学校を後にした。
92 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/29(金) 18:31:05.95 ID:6CGr9P2o
タッタッタッタッタ

伝令「そこに馬車を待たせてあります!急いで下さいっ!」

戦士「お前に言われんでも…急いでるっての!」

タッタッタッタッタ

伝令「馬車、すぐ出られるか!?」

御者「へいっ!いつでも……ってあれぇ!?」

召喚士「あ、この前の…!」

御者「貴方がたでしたか!それならば…っ」

ギギッ…ガチャッ

御者「飛ばしますぜ!急いで乗って下せぇ!!」

魔道士「お世話になりますっ!」

盗賊「…よし…いいぞ!」

御者「んじゃ行きますぜぇ!っしゃあぁ!!」

伝令「この時間なら本国行きの定期便にも間に合いますねっ!」

召喚士「……ついに…決着か…っ」
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 18:47:04.76 ID:6CGr9P2o
一旦抜けますです〜!
ご支援ありがとうございました!ノシ
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 18:48:55.69 ID:loJzUw2o
1おつ
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 19:10:43.91 ID:oyzEGnso
ちょっぴり切ないラストになりそうでいやん
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 19:31:44.21 ID:rbGu9JA0
1乙
ドッペルちゃんは楽しみたかっただけか…だから戦士なのか
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 23:45:43.17 ID:3zS.9YAO
↓ここで>>1登場
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 23:49:16.47 ID:AGgvXYAO
左大臣にドッペルさせれば失脚させられるんじゃね
変身は一回までだっけ?
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 00:16:42.67 ID:O9WJwk6o
変身は一回までです

これから
斥候 盗賊×1
前衛 戦士×2
指揮 召喚士×1
後衛 魔道士×1

の4人パーティーでお送りいたします。
なお、あちら側では盗賊逆ハーレムの巻にゲフンゲフン
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 01:23:38.60 ID:Z6iQDwQo
ついに本日で一年を迎えました…
これもひとえに皆様のご支援あっての事!!
改めて…まことにありがとうございます!感謝!!↓続き
101 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 01:24:19.85 ID:Z6iQDwQo
カチャッ…チリチリンッ

戦士父「これ…外してもいいのか?」

臨時休業と書かれた札を手に、戦士父が問う。

バーテン「ああ、忘れてたわ。全く使わんからなぁ…」

戦士父「年中無休か。良心的な店だな」

バーテン「別に…閉める理由がないだけさ。ほれ、適当に座ってくれ」

戦士父「……」

バーテン「コーヒーコーヒーっと…お、あった」

戦士父「……」

バーテン「…心配か?」

戦士「…まさか」

バーテン「その割にゃ神妙な顔してっけどな」

戦士父「だから…そうじゃないっての…」

バーテン「・・・へいへい」

戦士父「・・・…」
102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 01:25:34.38 ID:Z6iQDwQo
コポコポコポ・・・カチャッ

バーテン「ほれっ、古い豆だがコクは出てる」

戦士父「自虐か?」

バーテン「人の事言えんだろ・・・」

戦士父「・・・そりゃそうだ」

湯気立つコーヒーカップを口に近づけ、戦士父は一口すする。

戦士父「…渋みの中に熟練された味が引き立ってるな。これはいい」

バーテン「人間もコーヒーも一緒ってか」

戦士父「若い豆は爽やかで口当たりの良い…新鮮味があるな」

バーテン「…だな。刻と共に深いコクが出てくる。これは経験だ」

戦士父「手っ取り早いのは…己を見つめ直す事さ」

バーテン「……ほぉ」

戦士父「自分のケリは自分で付ける。だから気にする事もない」

バーテン「…交えるかね?」

戦士父「交えるさ。戦いに身を置く者なら…尚更な」
103 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 01:27:39.56 ID:Z6iQDwQo
〜本国、港〜

魔道士「着きましたね」

伝令「さぁっ、急ぎましょう!」

盗賊「…元気だな」

テクテクテクテク

召喚士「……」

戦士「…なぁ、召喚士」

召喚士「…ん?」

戦士「……ありがとな」

召喚士「え……っ?」

戦士「さて…と、行くかぁ」

テクテクテク

召喚士「せ、戦士…」

先を急ぐ一同を背後から見つめる召喚士。ふと気付き、自身も足を進めた。

港の埠頭に差し掛かると、見覚えのある人物が召喚士らを出迎える。
104 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 01:29:17.88 ID:Z6iQDwQo
召喚士「…大軍師さん」

大軍師「ご苦労様です」

魔道士「隊長さん…っ!」

隊長「おう、ご苦労だったな」

伝令「いえっ!それでは私はこれで…っ!!」

盗賊「…これで…全員か?」

ザッザッザ

天才「…みてぇだな。他にもいたが任務やら帰還やらでこれが全員だ」

戦士「…んで、偽物ってのは?」

テクテクテクテクテク

――「…そこにいんだろ。偽物がよ」

戦士「!?」

召喚士「せ…戦士っ!!」

天才「戦士戦士って紛らわしいんだよ。おいお前」

戦士「…?」
105 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 01:29:46.67 ID:Z6iQDwQo
天才「お前はサッパリしてっから綺麗な戦士」

綺麗な戦士「…!?」

天才「お前は下水臭せぇから汚い戦士」

汚い戦士「な、何だそのネーミングはよ…っ」

隊長「もうちょい何とかならんのか?」

大軍師「シンプルに服のいろで赤戦士、青戦士で宜しいのでは…?」

天才「んじゃ綺麗な赤戦士と臭い青戦士」

青戦士「臭いに変わってんじゃねーか!」

隊長「そんで青戦士さんよ、偽物がそこにいるってのはどういう事だ?」

青戦士「…だから、ソイツが偽物だってんだよ」

隊長「召喚士らと一緒にいたのに…か?」

青戦士「ああ」

隊長「…だ、そうだが?」

赤戦士「……はっ」

大軍師「確かに外見では…全く区別がつきませんね…」
106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 01:40:44.03 ID:Z6iQDwQo
天才「ドッペルゲンガーってのは怖いえぇモンだな」

召喚士「…方法は…ありますよ?」

盗賊「……」

召喚士「二人の戦士は外見はおろか、記憶まで全く一緒です。ある一定の間までは…」

大軍師「その通りです。ドッペルゲンガーがコピーしたそれ以降は全く別の道…」

隊長「つまりはそこから本国で入れ替わるまでの履歴を照らし合わせばいい」

天才「そーいうこった」

魔道士「そ…そうですよね!そうすれば本物がどちらなのか…」

盗賊「…分かる」

召喚士「では、答えて貰うよ。戦士」

青戦士「ああ。構わんぜ」

赤戦士「…仕方ねぇ」

召喚士「最北の村を出て、途中…人に会ったよね?」

青戦士「…ああ、会った」

召喚士「男と女…だったよね?」
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 01:46:50.30 ID:/IQG7IDO
>>1
おめでとう&いつもありがとう
拙い支援で申し訳ないがこれからも楽しみにしてる!
体には気を付けて!
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 01:52:19.25 ID:kjU5a4Q0
>>1
1年間お疲れ様、ありがとう!
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 01:55:41.68 ID:ZAtEMz2o
祝!一周年!
これからも楽しみにしてます!
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 01:58:41.04 ID:MRNUFQAO
>>1
ずっとROMだったが最初から読ませて貰ってる
1年おめでとう、ありがとう
これからも楽しませてもらうよ
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 02:01:32.06 ID:h7TqIGEo
正直言うとだな…



ドッペルゲンガーの方が、なんか良い
112 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 02:11:14.82 ID:Z6iQDwQo
赤戦士「男と女…?あぁ、そういやそうだな。商人と盗人の女か」

召喚士「…うん」

青戦士「……怪盗黒マントっつったっけか?」

大軍師「黒マント…?」

赤戦士「そうそうっ!あの大女…!黒マントの正体がまさか女とはなぁ…」

魔道士「ビックリでしたよね…」

大軍師「黒マントに会ったのですか…?」

召喚士「あ、いや…それは後ほどご説明を…」

盗賊「…今、何と言った?」

赤戦士「あん…?」

盗賊「…大女…と言ったか?」

赤戦士「え…あ、あぁ」

青戦士「…な、決まりだ。てめぇが偽モンだよ!」

赤戦士「お、おい…っ、どういう……」

召喚士「黒マントは女でしたが……大女ではなく、小柄の女性だったんですよ!」
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 02:31:36.59 ID:Z6iQDwQo
すみません…HDD入れ換えてフォーマットとかデフラグいてるので凄い重い…
このまま放置して寝てまた後ほど現れます!
ご支援多謝!!おやすみなさい!ノシ
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 03:04:37.77 ID:zR7CeUDO
>>1
これからもがんばってください
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 03:08:23.28 ID:YxlnpCc0
>>1
1周年おめでとう!
毎日楽しませてくれてありがとう!
これからも楽しみにしてます
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 03:43:57.41 ID:HSgI.wDO
>>1乙!
一周年おめでとう!

そしてほぼ毎日こんな面白い話を提供してくれてありがとう!
これからも頑張って下さい!楽しみにしています!!
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 04:18:07.66 ID:WvVHqUAO
>>1
1周年おめでとう!そして愛してるぜ!
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 04:34:15.23 ID:zjRi5YAO
>>1一周年お(・∀・)め(・∀・)で(・∀・)と(・∀・)う!
新参者だがこれからも楽しみに読ませてもらいます。
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 04:48:01.82 ID:D0Av0gDO
一周年おめ(・∀・)!!
そして>>1超乙!!
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 06:34:51.74 ID:iEZryJko
一周年おめでとう
まとめから来た新参もいいとこだけど
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 08:14:54.51 ID:WMYeGgoP
1周年、おめでとおおおおおおおおお!!
最初からずっと見てたぜ!
はや1年か・・・おれ自身、結婚もしたし色々あったなぁ
1年続けられるってスゴイ
オレも見習わなければならんなァ
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 08:45:59.64 ID:xMHrqFYo
あっちのスレももうすぐ1周年か
>>1乙!
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 09:10:50.93 ID:KdEqxL.o
゚・:*:・。(〃・ω・)ノ HappyBirthdayヽ(・ω・〃)。・:*:・゚
いいい、一周年んんんんんんん!!!
3スレ目からのリアルタイムで見てます
いちおつおつ、いつもwktkをありがとう
行けクリトリスもハネムーンもいい思い出
これからも召喚士たちの活躍に期待
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 09:44:02.22 ID:PJVOgEDO
>>1
vIpからずっと見てるぜ
一周年おめ!
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 10:19:31.57 ID:PTufB6DO
>>1お疲れ様
初カキコミだが、vipの頃から読んでるぜ!
一周年おめでとう!!
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 12:55:45.82 ID:ThPN7QDO
>>1乙っす
一番最初から見ていたよ〜これからも頑張ってね〜
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 14:00:19.58 ID:qWfTymYo
>>1
1周年おめでとうございます!!!!!
これからも頑張ってください!!!!!
ずっと応援します!!!!
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 14:28:45.78 ID:Tn8bfDso
>>1おつ。
1周年おめでとうなのぜ!
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 15:54:44.07 ID:fFpxTASO
1乙♪
一周年おめでとうございます。
こんなに追いかけてるの初めてです。
体に気をつけて頑張ってください。
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 16:01:37.83 ID:WMYeGgoP
>>125
誰が1年ROMれって言ったww
書き込めよww
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 16:08:36.76 ID:h7TqIGEo
深夜に言い忘れてた
>>1よ、1周年おめでとう&ありがとう
召喚士の言ってた懐かしいってのは、俺も感じてたのかもなー
なんかあの頃の方が、4人共イキイキとしてたのかな…
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 16:41:06.62 ID:.vX297Uo
>>1
お前がガンダムだ
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 16:50:36.65 ID:l4mz5Owo
>>1さん一周年おめでとうございますぞ
一年間ほぼ休み無しでお疲れ様ですぞ
これからも楽しみにしておりますぞ
何卒体に気をつけてくださいですぞ
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 18:15:32.04 ID:lLoSAvYo
>>1
最近見つけて一月かけて過去ログ読んできたとこだ
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 18:36:39.43 ID:yw0egGMo
>>1
1周年おめでとうございます!
vipからずっと追っかけています。
お体に気をつけて頑張ってださい!!!
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 20:07:27.06 ID:Iw9rkQAO
VIPからずっとROMってたよ
身体に気をつけろよな
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 20:35:51.66 ID:ZO5fWcDO
1乙!!

クリトリスからもう1年も経つのかぁ

138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 20:44:45.38 ID:pvwaMXAo
1乙そして1周年おめ

この一年この物語が大きな楽しみだったぜ
100部まで向けて無理せず頑張ってくれ〜
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 22:28:08.60 ID:FmPKvUSO
一年て早いのね…
これからも日々の楽しみにさせて頂きます!
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/30(土) 23:02:21.21 ID:25SGH6DO
一周年おめでとうございます!

もうこのスレを毎日読み出して1年経つのか…

これからもよろしくお願いします(*・ω・)ノ
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 23:40:52.82 ID:Z6iQDwQo
こんばんは!一日外出ですっかり遅くなってしまいました…

一年も飽きずに読んで下さったり、長ったらしい中追いついて頂いたり…
言葉もございません!本当にありがとうございます!
これからも頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します!
142 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:41:31.48 ID:Z6iQDwQo
赤戦士「……は…?」

青戦士「てめぇは知らねーだろ。黒マントの本当の姿をよ…?」

隊長「つ…つまりどういう事なんだ!?」

召喚士「黒マントはその姿から大男と推測されておりました。…そうですよね?」

大軍師「ええ。2メートルを遥かに超える大柄な男と…」

召喚士「そうです。実際、装束に身を包んだ姿はまさにそのように見受けました」

赤戦士「……」

召喚士「でも実際は、盗賊さんのような小柄な女性だったんです」

盗賊「…五月蠅い」

隊長「しかし…どうやって…!?」

盗賊「高下駄のようなものを履いていた」

天才「高下駄…?厚底ブーツみてぇなモンか?」

大軍師「成程…っ、擬態というわけですか。道理で捕まらないわけだ…っ」

青戦士「つまりソイツは本当の姿を見てない。見たのは俺らが会うその前…」

召喚士「そう。一人で逃亡した偽物…その人物だからです!」
143 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:41:58.54 ID:Z6iQDwQo
赤戦士「――ッ!!」

天才「しっかし…よく女だって分かったな?」

召喚士「そ、それは……」

青戦士「その偽モンが黒マントの胸を触ったんだよ。そんで濡れ衣を着させられた」

天才「…はーっはっは!変態が役に立ったな!」

青戦士「俺の意志じゃねぇ!!」

魔道士「……はぁ」

盗賊「……」

隊長「とーにかくだ、これで犯人は分かったな」

天才「んじゃ、ちゃっちゃとブチ殺して片付けるとすっか」

召喚士「ちょ、ちょっと…っ!」

天才「あん?」

青戦士「待ってくれ」

隊長「……」

青戦士「コイツの処遇は俺に託してくんねぇか…?」
144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:42:37.96 ID:Z6iQDwQo
天才「はぁ!?」

大軍師「…どうなさるのです?」

青戦士「ケリをつけたい…。戦ってな」

召喚士「た、戦うって…っ!!」

魔道士「偽物といえど…自分自身なんですよっ!?」

青戦士「……だからこそ、だ」

盗賊「……」

青戦士「自分だからこそ俺の手でケリをつけたいんだ」

大軍師「…成程」

青戦士「お前らも…いいか?」

召喚士「お、俺は別に……」

魔道士「…戦士さんがいいのなら…っ」

盗賊「…構わん。思いきりやってやれ」

青戦士「…お前も……いいよな?」

赤戦士「……」
145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:43:13.85 ID:Z6iQDwQo
ザッザッザッザ…

青戦士「…あん?得物はどうした?」

赤戦士「親父にくれてやったよ」

青戦士「はぁ!?」

赤戦士「仕方ねーだろ…っ、渡したくて渡したんじゃねぇよ!」

青戦士「しゃーねぇ…盗賊っ!」

盗賊「あ、ああ…っ!」

青服を着た戦士の指示に従い、盗賊は雷切を赤服の戦士へ投げ渡す。

隊長「止めなくていいのか?」

天才「お前こそ止めんでいいのか?」

隊長「…止める理由がない」

天才「そーいう事。それに…面白いじゃねぇか」

大軍師「…?」

天才「ぶっちゃけアrバリとか論理とか…まどろっこしいんだよ!」

隊長「…はぁ?」
146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:43:45.55 ID:Z6iQDwQo
天才「戦って…勝った方が本物!分かりやすくて良いじゃねぇか!!」

隊長「あのな……」

大軍師「まぁ…宜しいんじゃないですか?」

隊長「おいおい…。大軍師殿まで……」

大軍師「本人達もやる気満々のようですし…」

天才「そうそう。それにお前だって思わんか?」

隊長「…?」

天才「もし…自分自身と戦えるような機会があったら…どうするよ?」

隊長「…そりゃ当然、戦うわ」

天才「だろ?」

隊長「戦いたくても戦えねぇ…。最強のライバルだからな…!」

天才「…んま、ちょっぴり羨ましいわな」

大軍師「…戦士の性…ですか」

隊長「さぁて…いよいよい始まるぞ!」

天才「一世一代の名勝負だ。高みの見物といかせて貰おうかっ!」
147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:44:17.98 ID:Z6iQDwQo
ザッザッザ

青戦士「…準備はいいか?」

赤戦士「……おう」

チャキッ

青戦士「…しっかし…こうして改めて対峙してみっと…気持ち悪いもんだな」

赤戦士「…ははっ」

魔道士「何だか…戦士さん楽しそう…」

盗賊「…どっちもな」

召喚士「ドッペルゲンガー、多分分かってたと思いますよ…」

魔道士「え…っ?」

召喚士「さっき船を降りる時に『ありがとう』……って」

盗賊「!?」

青戦士「…行くぜ」

赤戦士「……来なっ!!」

戟を構えた青戦士が、雷切を構えた赤戦士へと一気に飛びかかった。
148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:44:53.27 ID:Z6iQDwQo
青戦士「でりゃあぁっ!!」

赤戦士「うおりゃあぁ!!」

先手は青戦士。戟を大きく振りかぶり、捻りもなくただ一直線に振り下ろす。

ググッ…ビュオッ!!

赤戦士「っ!!」

ガキイィィンッ!!

召喚士「受け止めた!」

青戦士「…真正面から受け止めたか」

赤戦士「…分かってて打ったんだろうがっ」

青戦士「まぁな。俺ならまずは真っ直ぐ打ち合ってみたいって思うわな!」

赤戦士「…へっ、そりゃそうだ…!!」

青戦士「…どんどん行くぜ」

赤戦士「こっちもだ!」

青戦士「っりゃああぁぁ!!」

赤戦士「てぇりゃああぁぁ!」
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:45:21.58 ID:Z6iQDwQo
ガキイィンッ!!…キィンキィンッ…チュインッ!!

天才「…なぁ」

隊長「…?」

天才「どっちが勝つと思う?」

隊長「…難しいな」

大軍師「私は当然、本物が勝つと思いますが…」

天才「でもよ、本物は不得手の槍だぜ」

隊長「確かになぁ…。でも身体能力はどうなのかね?」

大軍師「やはり同様なのではありませんか?」

ザッザッザ

盗賊「…少なくとも素早さは同等であったぞ」

大軍師「盗賊殿…」

召喚士「戦士は負けませんよ」

天才「どっちのだ?へへっ」

召喚士「本物ですよ!」
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:45:53.56 ID:Z6iQDwQo
隊長「素早さが同等ならば、他のフィジカルも同等と見て良いな」

魔道士「そうなんですか…!?」

盗賊「…そして…厄介なのは」

大軍師「あの刀ですね…」

隊長「雷切か…!確かにあれがある限り偽物は雷を放てるからな…」」

天才「じゃあやっぱり偽物有利じゃねーか」

召喚士「本物が勝ちますっ!」

魔道士「そうですよっ!!」

盗賊「…無論だ」

隊長「お仲間がこう言ってんだ。あとは黙って見てようぜ」

天才「……へいへい」

魔道士「でも…ちょっと可哀想…」

召喚士「…?」

魔道士「ドッペンゲンガーさんも…悪い魔物ではなさそうなのに…」

召喚士「……戦士」
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:46:45.29 ID:Z6iQDwQo
チュインッ!!…ギギキイイィィ…

青戦士「……やるじゃねぇか!」

赤戦士「お前ぇ…ナルシストかよ…あぁ?」

青戦士「…そりゃそーか」

赤戦士「……なぁ」

青戦士「…あ?」

赤戦士「まだるっこしいのは嫌いだ。サクっと決めねぇか?」

青戦士「……悪くねぇ!」

赤戦士「んじゃ…まずは俺からいかせて貰うぜ!」

青戦士「……おう」

赤戦士「…急に顔つきが真面目になったな」

青戦士「ソイツの面倒臭さは重々承知だからな」

真顔で雷切を指差し、二人の戦士は目を合わせる。

赤戦士「……いっくぜぇ!!」

青戦士「…こいっ!」
152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:47:35.65 ID:Z6iQDwQo
赤戦士は雷切を頭上で大きく振りかぶり、青戦士めがけ一気斬り下ろす。

ヒュオンッ!!

青戦士「く…っ!!」

ギィンッ……ズウウゥゥン!!

青戦士「すっげぇ…力…!」

赤戦士「だからナルシストかっての…!」

ザザァ

召喚士「……」

魔道士「…どうしたんですか?」

召喚士「あ、いや…っ」

天才「……勝負あったな」

テクテクテク

隊長「あっ、おい…!!」

大軍師「そのようですね」

魔道士「え…えっと、あの…っ」
153 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/30(土) 23:48:31.33 ID:Z6iQDwQo
赤戦士「…さっ、次はお前の番だ。来なっ!」

青戦士「…いんや、もう一発お前にチャンスをやるよ」

赤戦士「……はっ?」

青戦士「俺の予想が正しけりゃ…お前の負けだ」

赤戦士「な…何、ワケわかんねー事…」

青戦士「」いいから来いって。ほれっ」

ザクッ

赤戦士「…どういうつもりだ…?」

青戦士「…あ?」

赤戦士「戟を手放して…どういうつもりかと聞いてるんだよ!」

青戦士「そうだなぁ…。お前なんぞ素手で十分って事かな」

赤戦士「……舐めやがって…っ」

青戦士「…さぁさぁかかってきな!」

青戦士は冗談交じりで両拳で突きを繰り出すジェスチャーを見せる。

赤戦士「……いいぜ、そこまで言うなら…もう一発食らわせてやる!」
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 01:13:48.90 ID:YVmrDIDO
これは……いい展開!
ゾクゾクするぜ
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 03:10:05.11 ID:nujzMPk0
1乙
盗賊ちゃんは小柄な女性だったのね……
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 03:58:11.42 ID:HZufaEDO
>>1乙!

ぐおおおおおおおおお!!!!
またまたこんな良いところで生殺しとは…
>>1のドSっぷりにどんどん調教されていってる気分だぜ
続きが読みたい…悔しい…ビクンビクン
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 12:01:18.52 ID:NKQPe2so
一周年おめ

しかし一年で21スレってことは完走まであと四年は楽しめるってことか
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 12:11:45.67 ID:Uvnd4rAo
1周年乙

ドッペル君の額に肉って書いておこうぜ
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 13:10:30.25 ID:bMHZXvYo
もしかしてドッペルちゃんのお陰で乾2本になってたりするのか?

戦士の装備が倍プッシュ・・・
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 13:20:56.42 ID:/ukF3cUo
FF6アドバンスのティナが2人になるバグ技思い出したわん
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 13:23:34.65 ID:75yQ/Iw0
戦士乳の戟ってどうなるんだろ
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 13:33:24.11 ID:GkNdvYYo
2本のゾディアック
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 13:56:39.56 ID:5HWnpwAO
戦士の乳に興味なんて…ゴクリッ
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 18:41:34.38 ID:OKXQv.AO
もう一年とか早いな
165 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:52:02.76 ID:6OhzerIo
ドドドドドォ

魔道士「な…何で戦士さんはあんな…」

大軍師「分かりませんか…?」

魔道士「え…っ?」

隊長「初撃の振り下ろし」

盗賊「……芸当もなき…真っ直ぐな一撃だったな」

隊長「そう。芸当もなき…な」

盗賊「……はっ!!」

大軍師「そういう事です。ふふっ」

魔道士「えっ、えっ?あ…あの……」

隊長「さぁて…始まるぞ!!」

ジャリッ…

赤戦士「……」

青戦士「……」

両手をぶらりと投げ出した青戦士。しかし躊躇なく赤戦士は雷切を身構える。
166 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:52:36.13 ID:6OhzerIo
チャキッ…

赤戦士「……でりゃああぁぁ!!」

青戦士「……っ!!」

それはわずか刹那の出来事であった。

赤戦士「…ん…なっ!?」

青戦士「……やっぱりな」

垂直に振り下ろされた雷切をl、両手で挟むように受け止める青戦士。

盗賊「…真剣…白刃取り!?」

大軍師「な…なんとっ、素手で刀身を受け止めるとは…!」

隊長「聞いた事がある…!東方に刀を使わぬ剣術があると…」

盗賊「ああ…っ」

召喚士「そ…それが、真剣白刃取り…!」

ギチギチギチッ…グイッ

青戦士「…なんで使わねぇんだ?雷切の特殊能力をよ…!」

赤戦士「……く…っ」
167 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:53:27.12 ID:6OhzerIo
青戦士「…いや、使わないんじゃねぇ…使えねぇんだよなぁ?」

赤戦士「……っ!!」

魔道士「えぇ!?」

隊長「…そーいう事だ」

召喚士「一撃目…偽物は雷切を戦士へ振り下ろしました」

魔道士「え、ええ…っ」

召喚士「おかしいと思いませんか?」

隊長「通常ならば、斬撃と同時に雷を放つ。これはアイツにとっての定石だ」

魔道士「あ…っ!」

大軍師「戦士殿の記憶を有しているのであれば、これは当然の事です」

魔道士「で、でも…っ、あえて放たなかったのでは…!?」

盗賊「…それはないな」

魔道士「!?」

盗賊「…あえて放たぬ必要がない」

召喚士「その通りです。それならば居合で十分なはずです」
168 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:54:15.24 ID:6OhzerIo
隊長「つまり…それをしなかったって事は…」

大軍師「至極簡単。魔力を放てなかった…」

魔道士「で、でも…戦士さんを傷つけない為に…手を抜いたって事は…」

隊長「何の為にだ?」

魔道士「そ、それは…その……」

召喚士「仮に放ったとしても…戦士は大丈夫ですよ」

魔道士「え…?」

召喚士「それを今、戦士自身が証明してくれます」

両手で挟み込んだ雷切を捻り取る青戦士を、召喚士は指差す。

カチャッ

青戦士「…そんじゃ、次はこっちの番だな」

赤戦士「…くっ!」

青戦士「本当の雷切の使い方…教えてやるよ…っ!!」

赤戦士「……っ」

青戦士の握る雷切が激しい稲光と雷鳴を轟かせる。
169 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:54:59.66 ID:6OhzerIo
ゴゴゴゴゴオォ…

召喚士「来た…っ!」

大軍師「なんという…威圧…っ!」

隊長「溜まってんだろ…今までの鬱憤がよぉ!」

魔道士「戦士さん…っ」

盗賊「……決めろ!」

青戦士「いっくぜぇ!!」

赤戦士「ぐ…っ!!」

戦士「俺が……戦士だっ!!」

偽戦士「――っ!!」

偽戦士の頭上高く戦士は跳び、雷切を一気に振り下ろした。

ヒュオンッ!!……ガカアアァァッ!!

偽戦士「くお…ぉ!!」

偽戦士は必死で右腕の盾を頭上に掲げ、雷切の刀身を防ぐ。

ズガアァッ!!
170 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:56:12.41 ID:6OhzerIo
偽戦士「ぐぬ…あぁ!!」

隊長「やったか!?」

盗賊「…いやっ」

召喚士「炎の盾は付加攻撃をも防ぎます。直撃ではないでしょう」

大軍師「朱雀先生が先程仰っていた……」

召喚士「ええ。戦士が大丈夫って言うのは…」

魔道士「た、確かに…盾なら防げますねっ!」

偽戦士「ぐあぁ…っ!!」

ドシャアァッ……ググッ

偽戦士「……っ!?」

戦士「……」

ジャキッ

偽戦士「……俺の負けだ。殺せ」

喉元に突き付けられた雷切から目を移し、偽戦士は戦士へ声を発する。

戦士「……」
171 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:57:03.51 ID:6OhzerIo
偽戦士「…どうした?さぁ…ひと思いにやれよ!やってくれ!」

戦士「……」

偽戦士「…お前の勝ち。お前が本物の戦士だ」

魔道士「せ、戦士さん…っ」

大軍師「戦士殿…やりますかね?」

隊長「……アイツにゃ出来ねぇと思うがな」

召喚士「……同感です」

盗賊「…戦士」

偽戦士「どうしたよ?あぁ!?」

戦士「……みんな」

カシャンッ

魔道士「!?」

盗賊「戦…士!?」

戦士「すまねぇ!俺のは…コイツを殺る事は出来ねぇ!!」

隊長「…やっぱりな」
172 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/31(日) 23:58:04.29 ID:6OhzerIo
大軍師「…ふふっ」

タッタッタッタッタ

召喚士「戦士っ!!」

戦士「…召喚士」

偽戦士「何故だ…!?俺はお前に負けたんだ」

戦士「……」

偽戦士「お前が戦士だ!本物の戦士なんだよ!」

戦士「さっき俺はそう言ったが…」

偽戦士「…?」

戦士「俺が……俺達が…戦士だ!」

偽戦士「!?」

戦士「みんな、すまねぇが…コイツは生かしておいても構わんか?」

隊長「生かすって…お前なぁ…」

魔道士「わ、、私は…構いませんよっ!」

盗賊「…色々と…問題はあるがな」
173 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:03:02.89 ID:ZqpGQ82o
ザッザッザ

大軍師「…私は賛成出来ませんね」

隊長「…ああ」

魔道士「そ、そんな…っ!」

大軍師「決して意地を悪くして申しているのではありません…そこは…」

召喚士「…分かってますよ」

隊長「国軍に身を置く以上…危害ある魔物を野放しにするわけにはいかん」

魔道士「でもっ!今はもう悪さだって……」

大軍師「再発の恐れとてあります。やはり放っておくはけには参りませんよ」

隊長「いいかっ、戦士!!」

戦士「!?」

隊長「お前に命ずる!『責任』持って対処しとけよっ!!」

戦士「え…?」

大軍師「国軍、としては放っておけませんからね。しっかり…対処しておいて下さいよ?」

召喚士「隊長…?大軍師さん…!?」
174 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:05:29.23 ID:ZqpGQ82o
隊長「さーて、一足先に失礼すんぞ」

大軍師「はい。それでは…後はお任せ致します」

戦士「お、おい…っ!?」

隊長「……へっ」

戸惑う戦士らを余所目に、隊長と大軍師は埠頭をゆっくりと後にした。

魔道士「あ、あの…っ」

盗賊「…奴ら…ワザとか…?」

召喚士「国軍にいる限り放ってはおけない。しかし個人としては……」

戦士「……ったく」

偽戦士「……」

戦士「…ほれ、立て」

偽戦士「お、お前……」

戦士「言ったろ?俺にはやっぱり出来ねぇよ」

偽戦士「……」

戦士「自分自身を模した姿を殺るなんてな…。それに…」
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:06:46.07 ID:ZqpGQ82o
偽戦士「…?」

戦士「お前は本当に悪党にゃ見えねぇ」

偽戦士「…莫迦じゃねーのか!?」

戦士「…ああ、バカかもな」

偽戦士「分かってんのか!?俺はお前を…」

戦士「それには腹が立ってるさ。ったく…やってくれるよ」

偽戦士「……」

戦士「でもよ、お前…人間を殺したりしなかったよな…?」

偽戦士「……」

戦士「やろうと思えば出来たハズだ。いくらでもな」

偽戦士「…はんっ!フザけたヤローだ!」

戦士「理由を聞かせてくれ」

偽戦士「理由…?」

戦士「何でおれの姿に化けて洞窟を飛び出したりしたんだ?」

偽戦士「……」
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 00:08:39.46 ID:7RB4XtYo
戦士「俺たちがガンダムだ!」
177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:08:43.06 ID:ZqpGQ82o
戦士「もし…もしやっぱりそれが人間を脅かす為のものなら…」

チャキッ

戦士「すまねぇが、それなりんお対処はさせて貰うぞ」

偽戦士「……」

召喚士「…頼む。俺らも無益な戦いはしたくないんだ…っ」

魔道士「…ドッペルゲンガーさんっ」

偽戦士「…別に理由なんて…シンプルなもんさ」

盗賊「…?」

偽戦士「…ただ、俺はただ…あの場所を出たかっただけさ」

戦士「何…?」

偽戦士「お前らには分からんかもな。そんな理由じゃ…」

魔道士「…分かりますっ、分かりますよ!」

偽戦士「はぁ?」

魔道士「籠の中から…飛び立ちたかったんですよね!」

偽戦士「……はぁ」
178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:09:51.53 ID:ZqpGQ82o
盗賊「…元の姿では…出られんのか?」

偽戦士「俺の正体…知ってるよな?」

召喚士「ドッペルゲンガー…ですよね」

偽戦士「…そう。本来の姿はただの影にすぎんのだ」

戦士「影……?」

偽戦士「そうだ。そして、影は影の中でしか生きられん」

召喚士「そうか…っ!だから洞窟の中に…」

魔道士「それで…たまたま戦士さんが来て…」

偽戦士「…たまたまってのはちょっと違うけどな」

戦士「どういう事だ…?」

偽戦士「…さっきの通りだ」

魔道士「さっきのって…?」

偽戦士「化けるとな…魔力が使えねぇんだよ」

盗賊「!?」

召喚士「そういう事…だったのか」
179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:10:51.13 ID:ZqpGQ82o
偽戦士「…まさかそれを逆手にやられるとは…思わなかったけどな」

戦士「…だから俺の様な、魔力のない人間を待ってたって事か…!」

偽戦士「まぁな…。魔力がなくて…強い奴を求めてた」

戦士「強い…?」

偽戦士「…おいおい褒めてんだぜ?喜べよ」

戦士「…自分の顔で言われても…嬉しかねぇよ」

偽戦士「さっきは散々、自分で言ってたくせによ…」

戦士「んだとぉ!?」

召喚士「とっ、とにかく…!事情は分かりましたからっ!」

魔道士「はいっ。これなら……」

盗賊「ああ。当然だ」

偽戦士「ほ、本当に…いいのか?」

戦士「……」

偽戦士「……」

戦士はふと笑みを見せると、取り上げた鞘に雷切を収めた。」
180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:12:21.63 ID:ZqpGQ82o
偽戦士「……本当に…いいんだな?」

戦士「元の姿には戻れねぇのか?」

偽戦士「残念ながら…一度化けちまうともう戻る事は出来ねぇ…」

戦士「…そっか」

召喚士「て事は…一生戦士の姿のまま…って事か」

盗賊「……」

戦士「お前…これからどうするつもりだ?」

偽戦士「…さぁ、どうすっかね」

魔道士「ど、どうせなら…ワーカーになったらどうですか!?」

偽戦士「ワーカー…?」

魔道士「そうじゃなくても…何か人の為に…生きるって…どうですか!?」

偽戦士「人の……為」

戦士「なかなかいいモンだぜ?人の為に生きてくってのもよ」

召喚士「…うん」

偽戦士「この俺がか…?はっ、莫迦莫迦しい!」
181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:15:59.57 ID:ZqpGQ82o
盗賊「…しかし…その姿ではな」

偽戦士「分かってる。迷惑はかけらんねぇしな…」

そう言うと偽戦士は右手の盾を斧状へと変化させ、己の右頬に傷を付ける。

ザクッ!!…ブシュウウゥゥ…

戦士「お前っ!!何をやって……!?」

偽戦士「…へ、へへっ。これで…区別つくだろうがよ…っ」

召喚士「何も…そこまで……っ」

偽戦士「俺なりの償いだ。これで勘弁してくれや…」

戦士「…お前こそ…とんだバカヤローだよ」

偽戦士「…褒め言葉として…取っておくぜ!」

戦士「…ったく」

偽戦士「…それじゃお言葉に甘えて…行かせて貰うぜ」

召喚士「傷…召喚獣で治癒してあげたいところですが…」

偽戦士「魔族にゃ出来ねぇ…だろ?分かってるよ。ありがとな」

魔道士「は、早めに治療して下さいよっ!」
182 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:16:36.02 ID:ZqpGQ82o
テクテクテク

偽戦士「お前の名に恥じぬよう…頑張ってみるわ」

戦士「武器は…それがありゃしばらくは十分か」

戦士は偽戦士の持つ斧を指差し、言葉を続ける

戦士「そいつはご存じの通り、武器にも防具にもなる」

偽戦士「ああ。だな…」

戦士「しかも鉱石のお陰で、魔力無しでも魔法を防げる代物だからな」

偽戦士「…確かに。俺にとっても都合がいいわ」

召喚士「それじゃ…」

盗賊「…達者でな」

偽戦士「…あいよっ!……あ、そうだ」

戦士「…?」

偽戦士「お前の生き様…カッコイイぜ。気に入ったよ」

戦士「…へっ!じゃあな…戦士っ!!」

一人埠頭を後にする偽戦士。四人はそれを姿が見えなくなるまで黙って見送った。
183 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:17:32.93 ID:ZqpGQ82o


戦士「…んじゃ、行くか」

盗賊「…戦士」

戦士「ん?」

盗賊「…おかえり」

魔道士「おかえりなさいっ!戦士さん!!」

召喚士「おかえり…戦士!」

戦士「…ああ、ただいま!」

盗賊「……」

戦士「な、何だよ…ジーっと見て…」

盗賊「…本物だろうな?」

戦士「お前な!いい加減にしろっ!」

盗賊「…冗談だ…バカ者っ」

召喚士「……ん?あれ…?」

召喚士は地面の荷物を拾い上げ、ふと首を傾げる。
184 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:18:19.01 ID:ZqpGQ82o
魔道士「…どうしたんですか?」

召喚士「いえ…これ……」

荷物の隙間に挟まった一通の手紙。

戦士「…これっ、あの偽物が…!?」

召喚士「な、何だろ…」

カサッ

魔道士「……一体…何て…っ」

-----

 この手紙の封が斬られた頃には、俺はもういないかもしれない。
だからまずは戦士の名を語っていた事を謝らせてくれ。済まなかった。

 俺はただ自由が欲しかった。いつまでも狭い洞窟での生活なんかじゃなく、
もっと広い世界を見てみたかった。それだけの事なんだ。

 その夢も叶い、もはや悔いもなくなった。全てはお前らのお陰だ。ありがとう。

 左大臣達にはうっかり捕まっちまって、自分から入れ換わる案を提案したんだ。
だが気を付けろ。アイツらは何か良からぬ事を企んでる節がある。
出来れば手を貸してやりたいが、そうもいかんだろうから忠告だけはさせて貰う。

 もし命が続くのであれば、影は影らしく手助けさせて貰うさ。そうありたいと願うけどな。

 偽物と知りつつ共に過ごしてくれた恩は忘れない。ありがとう。

-----
185 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:19:04.04 ID:ZqpGQ82o
召喚士「……」

魔道士「……」

盗賊「…お前は本当に…文章が下手だな」

戦士「…お、俺だけど…俺じゃねーだろ!」

召喚士「やっぱり…分かってたんだ…」

戦士「みたいだな…」

魔道士「でも…良かったですね」

盗賊「…?」

魔道士「化けたのが戦士で…」

戦士「何だ?弱くて簡単に倒せたってか?」

魔道士「ち、違いますよ!」

戦士「じゃあ…っ、何だよ?」

魔道士「優しくて素直で…頼もしいじゃないですか…」

召喚士「…ええ」

戦士「な、何だよ!気持悪りぃな!褒めても何もねーぞ!?」
186 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 00:20:01.59 ID:ZqpGQ82o
盗賊「…期待しとらん」

戦士「あぁ!?」

魔道士「ふふっ…えへへ!!」

召喚士「あはははっ!」

盗賊「…ふふっ!」

戦士「…ったくよぉ…ははっ!!」

召喚士「…さぁ、行きましょうか!」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…だな」

戦士「久々に四人揃った事だし…次は…」

グキュルルルゥ…

戦士「……腹ごしらえだな」

盗賊「…同意」

魔道士「もうっ!えへへ!!」

召喚士「それじゃまずは…再開を祝して食事に行きましょうか!」

再び合流した四人。白い雲の流れる大空を見上げ、埠頭を後にするのであった。
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/01(月) 00:26:21.85 ID:ZqpGQ82o
遅くなりましてすみません…
第二十四部ももうじき終了です!
一年もかけて全然進んでねぇ…本当すみません…

ご支援ありがとうございました!それではおやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

魔道士「ついに一周年ですよっ!」

召喚士「みたいですね。まさかこんなに長く続くとは…」

戦士「最初は『行けっ!ク』…」

召喚士「わー!わー!!わーっ!!」

戦士「な、何だよ…?」

召喚士「ほ、ほら!よく漫画とかでも方向性変わったりとかあるんじゃん!?だから黒歴史は…」

盗賊「…恥じるような事を申すのが悪い」

戦士「お前も『抱かれ』…」

盗賊「わー!わー!!わーっ!!」

魔道士「と、とにかく今も昔も私達は変わらず元気です…っ!えへへ!」

召喚士「こ、これからもご愛読宜しくお願いします…っ!!」

戦士「あと何だっけ?妙にカタコトで『オジャマシマス』とか…」

盗賊「わあぁー!わああぁぁー!!わああぁぁぁぁーっ!!」
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 00:48:42.77 ID:GUhRCM6o
>>1
黒歴史ェ…
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 00:50:19.82 ID:lVy0nkSO
乙〜
てか盾ってあげちゃったの?
結構大事そうなのに
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 00:54:31.32 ID:DNUhlYAO
盾持ってると鍛治娘が勘違いしそうだな
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 00:57:08.95 ID:b60RSx6o
盗賊は異国の人間だから許してやれよww
むしろここまで流暢に喋れるようになってすごいよ盗賊
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 01:03:21.46 ID:J6iWwJco
さいしょなんてみんな草生やしてたなぁ
成長したもんだ……ww
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 01:10:13.08 ID:eAzjoxso
ドッペルの装備は戦士のコピーじゃないのか?
雷切はコピー時に盗賊が持ってたから一振りしかなくて
盾斧と戟は二本ずつ
・・・って前にも出てたがそれならゾディアックが二つに・・う〜む
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 01:15:41.25 ID:sH2H8Jko
1年の節目に乗り遅れた……おめでとう
>>1


戦士沢山武器持ってたかと思いきやどんどんあげちゃってるなwwwwww
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 01:23:55.02 ID:Nmm27TU0
1乙
ドッペルちゃんは召喚士の故郷の秘密知らなかったのかな…?
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 01:27:57.49 ID:rGqmJS2o
影の中でしか生きられないなら
夜洞窟から出ればいいのにね
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 02:42:11.71 ID:EwTggZMo
>>196
そして朝日で蒸発するわけですね

斧盾の特性がコピーされてるってことはゾディアックもコピー出来るのかもね
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 02:45:14.67 ID:01Y38o20
174で召喚士ら、ではなく戦士ら、と書いてあるのがポイント。
もはや中心人物は召喚士ではなく戦士
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 02:52:54.49 ID:wNoWMmUo
ちょっと遅れたけど
祝!行けっ!コカンのリス一周年!!
>>1おつおめ!
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 03:49:24.28 ID:ySlrwwDO
どうみても戦士が主人公です本当にありがとうございました
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 05:12:02.79 ID:WKfIRAAO
ちょうど1ヶ月前の話なんだけどさ、とある畑に栗の木があったんだ。結構大きな。
その栗の木からガサガサッて音がしたんだ。
よく見ると栗鼠が居たんだ。忙しなくちょこまかと動いてた。

栗の木に栗鼠…
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 06:57:38.79 ID:kF1y3QSO
遅れたけど一周年オメ!
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 07:35:34.61 ID:wDG4KMDO
>>1
一周年おめでとう&お疲れさま!
いつもいつもいつも楽しみにしてます!
体にだけは気を付けて、これからも頑張ってください。
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 07:49:01.16 ID:S25/64Yo
俺の大好きな00ネタ入れてくれるとはなんという僥倖
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 08:31:13.73 ID:3UoY3Wko
一乙です。
盗賊かわいすぎ!
これからも楽しみにしてます。
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 14:10:07.34 ID:hRIkzOU0
いちおつ
毎日楽しく見させてもらってます。
100部まで頑張ってくださいな!
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 15:41:11.14 ID:INLPi/w0
          _____
         / ヽ____//
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       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /     1周年       /ヽ__//
     /    おめでとう☆   /  /   /
     /              /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /             /  /   /
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208 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 17:58:46.72 ID:bT9.ryMo
〜王宮〜

コンコン

エリート「どうぞ」

カチャッ

エリート「…これはこれは。珍しいお客様だ」

大軍師「どうも。失礼致しますよ」

エリート「…終わりましたかな?」

座する大軍師の前に置かれたカップへ紅茶を注ぎ、エリートは問いかける。

大軍師「…はい。終わりました」

エリート「そうでしたか。有難う御座いました」

大軍師「いえいえ。こちらこそです」

エリート「結局…偽者は処刑ですか…?」

大軍師「ええ。処刑致しました。戦士殿が責任を持って…ね」

エリート「…ほう、そうでしたか。それは何より」

大軍師「…ふふふっ」
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 17:59:13.54 ID:bT9.ryMo
エリート「これで、騒動も落ち着きましたな」

大軍師「此方はともかく、其方は大丈夫ですか?」

エリート「まぁしばらくは大丈夫でしょう。互いに握りましたから」

大軍師「下手に動けば共倒れ…ですか」

エリート「最悪は…。しかしまぁ長期戦が妥当なところでしょう」

大軍師「…ふむ」

エリート「決の出ない不毛な争いで年月を費やしたくはありませんからね」

大軍師「互いに…ですね」

エリート「ええ」

大軍師「ならば安心致しました。あ、紅茶ご馳走様でした…美味しかったですよ」

エリート「またいつでも」

大軍師「はい。失礼致します」

カタッ…スタスタスタ

エリート「……一つ、宜しいですかな?」

大軍師「…?」
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 17:59:58.66 ID:bT9.ryMo
エリート「五ヵ年計画も残すところ三年程度…」

大軍師「……」

エリート「…何故、司令官は五ヵ年で事を済まそうとお考えで…?」

大軍師「…さて、私には分かりかねますね」

エリート「…左様ですか」

大軍師「ただ、一つ言える事は……」

エリート「……」

大軍師「…何か、見えたのではありませんか?」

エリート「…占い師殿の予言か」

大軍師「…いち早く回復する事を祈るばかりです」

エリート「……。北へ戻られるのですか?」

大軍師「…はい。まだまだやる事が沢山ありましてね」

エリート「…お気を付け下さい」

大軍師「…?」

エリート「左翼は予算案の廃止にむけて議会を動かすかもしれません」
211 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:00:34.51 ID:bT9.ryMo
〜玉座の間〜

カツカツカツ

青年兵「本日の資料をお持ち致しました」

皇太子「…ありがとう」

パサッ

皇太子「…時に青年兵」

青年兵「はい」

皇太子「戦士君の件、片は付いたのかな?」

青年兵「…!?」

皇太子「隠さずとも良い。裏で動いておるのだろう?」

青年兵「…そ、それは…っ」

皇太子「……済まないな」

青年兵「…殿…下?」

皇太子「私に被害が及ばぬよう、君らが動いてくれたのであろう?」

青年兵「え…えぇとですね……」
212 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:01:22.80 ID:bT9.ryMo
カツカツカツカツ

エリート「…無事、終わりましたよ」

青年兵「エリート様…っ!」

皇太子「…うむ。ご苦労であった」

エリート「殿下に内密で事を動かした事…お詫び申し上げます」

皇太子「…構わぬ。私を思っての事であろう」

エリート「無論です」

皇太子「だがな、勘違いされては困る」

エリート「…?」

皇太子「私が皇太子という立場にいるから護る…というのは筋違いだぞ」

エリート「……」

皇太子「現国王は父上であり、私はあくまで継承権を有する身…」

エリート「それは心得ております。そしてそれは即ち、国民の意思でもあります」

皇太子「国民の…意思?」

エリート「はい。街の人々に耳を傾けてみて下さい。殿下の人望、魅力…」
213 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:02:01.37 ID:bT9.ryMo
皇太子「……」

エリート「権利があるから、ただそれだけではないのです」

皇太子「…だが…私は…っ」

エリート「自信をお持ち下さい。そして皇太子として悠然とお構え下さいませ」

皇太子「エリート…」

エリート「殿下が直々に動く刻は必ず来ます。それまではじっくりとお構え下さい」

皇太子「……」

エリート「それまでは、我らが手足となり…その刻を引き寄せます故…」

皇太子「…分かった。それが国民の意思であり、お前の意思なのだな?」

エリート「はい」

皇太子「ならば…従おう。お前の言う刻が来るまで、頼んだぞ」

エリート「お任せ下さいませ」

青年兵「…か、必ずやっ!」

皇太子「…うむ」

エリートと青年兵は立ち上がり、玉座の間を後にする。
214 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:02:47.89 ID:bT9.ryMo
カツカツカツ…

青年兵「殿下は…」

エリート「…ん?」

青年兵「殿下はいつ、お気づきになられたのでしょう…」

エリート「…昨晩の会合は性急すぎた」

青年兵「まさか…あの時ですか!?」

エリート「左大臣殿を護衛する為に王宮を抜けた」

青年兵「え、ええ…っ」

エリート「あの時…殿下は私に『無事を祈る』と仰った」

青年兵「それが…何か?」

エリート「無事と言うのは誰の事だと思う?」

青年兵「それは…エリート様ですか?」

エリート「まさか。殿下は私の事をそこまで貧弱に思われていると…?」

青年兵「あ、いえっ!し…失礼致しましたっ!」

エリート「自意識過剰かもしれんが、私も殿下も心配されるような弱さではないよ」
215 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:03:39.62 ID:bT9.ryMo
青年兵「で、では…左大臣様の事ですか?」

エリート「それならば本人に申せば良かろう。ましてや私も君もいるのにだぞ?」

青年兵「確かに…魔王軍との交戦ならまだしも…たかが警備で…」

エリート「殿下は『作戦の無事を祈る』と言ったのさ」

青年兵「!?」

エリート「……いや、違うな。最初から分かっていたのかもしれん」

青年兵「……」

エリート「あえて知らぬフリを続け、我らに支障をきたさぬ様…配慮されたのかもな」

青年兵「殿下…」

エリート「そういうお人さ…昔からな。…護りたくもなるだろう?」

青年兵「はい。近くにお仕えしてから、ますます凄い方だと感じております」

エリート「魔力の有無や出生の順など関係ない。天性の国を統べるお方さ」

青年兵「運命…というものですかね…」

エリート「…かもしれんな。私達は私達の運命を全うしようではないか」

青年兵「……はいっ!!」
216 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:04:38.44 ID:bT9.ryMo
〜バーテンの店〜

戦士父「馳走になった」

カチャッ

バーテン「もう行くのか?」

戦士父「やる事が増えてな…」

バーテン「…お前さんも、何だかんだ頼み事が断れないタイプだよな」

戦士父「…お前もだろ。世話焼き」

バーテン「戦士に伝言は?」

戦士父「特にない」

バーテン「…白状な親父だな」

戦士父「あのなぁ…」

バーテン「アイツ…勝ったかね?」

戦士父「…ふざけんな。俺の息子だぞ?」

バーテン「…へっ、さっさと行っちまえ!」

戦士父「ああ…世話になったな」
217 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:06:08.84 ID:bT9.ryMo
カチャッ

バーテン「んで、次はどこ行くんだ?」

戦士父「…久々に、南にでも行ってみるかね」

バーテン「南…?」

戦士父「…何だよ」

バーテン「あ・・いや…っ」

戦士父「…少しずつ動き始めたかな。俺も……お前も」

バーテン「どうだかねぇ。俺の時計は止まったままだぜ?」

戦士父「そのボウガン…手製だろ?今やボウガンなんて使い手が皆無だ」

バーテン「…暇を持て余して作っただけだ。何の意味もねぇよ」

戦士父「痕跡残せばお前も狙われる。…それとも、覚悟の上での決意か?」

バーテン「だから…そんな大層なモンはもう持ち合わせてねぇんだよ」

戦士父「…俺はゾディアックを探しに行く。…じゃあな」

バーテン「!?……お、おい…っ!」

パタンッ…チリチリン
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:06:56.37 ID:bT9.ryMo
バーテン「ゾディアックだと…?あのバカ…っ」

テクテクテク…コポコポコポッ

バーテン「……」

カップから湯気の立つ漆黒のコーヒー。そこへゆらゆらとバーテンの顔が映りこむ。

バーテン「…そうかい。もうとっくに次の時代が来てたのねぇ」

コーヒーに映る顔は徐々に大きくなり、カップはバーテンの口元へと移された。



戦士父「…………」

ザッザッザッザ

戦士父(ドッペルゲンガー取り上げたコイツで二本目。しかし代用は可能なのか…)

ザッザッザ…

戦士父(だが駄目だとしても…それはうまくいけば…)

ザッザッ…ピタッ

戦士父「南…か」

二つの槍を手にした戦士父は、一人南へとその進路をとった。
219 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:08:07.97 ID:bT9.ryMo
〜国軍本部〜

テクテクテク…

秘書官「どうぞ」

隊長「おう」

カチャッ

隊長「…無事、任務完了致しました」

司令官「…ん。ご苦労さん」

隊長「こちらが報告書です」

パサッ

司令官「…偽者は?」

隊長「本人が対処しましたよ」

司令官「…そう」

隊長「…では」

司令官「…あ、そうそう。ちょっと頼まれてくれるかい?」

隊長「…何でしょう?」
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:09:47.08 ID:bT9.ryMo
司令官「東方に通ずる身近な者…知らない?」

隊長「……あー、居ると言えば居ますが」

司令官「彼女かな?」

隊長「…あ、えぇ」

司令官「近々、東方との同盟も締結しておきたいからねぇ」

隊長「急ぎではないのですね?」

司令官「こちらとしては一年以内で構わないけど…」

隊長「…こちら?」

司令官「東方としては…まぁいいや。彼女は東方でも有名なのかな?」

隊長「詳しくは知りませんが、東方では高貴な家柄と…」

司令官「…成程ね。分かった…下がっていいよ」

隊長「…では、失礼致します」

司令官「…うん。しばらく休むといいよ」

カツカツカツ…パタン

司令官「……」
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:11:48.60 ID:bT9.ryMo
カツカツカツカツ…

女隊員「あっ、いたいた!終わったッスよ〜!」

隊長「…おう。こっちも終わったところだ」

男隊員「報告書はいるかい?」

隊長「強盗事件のか?要らん。どうせ消されるだろ」

男隊員「だよな。まぁ形だけ資料室に保管しとくわ」

隊長「左大臣は?」

女隊員「朝早く経済機関へ向かったみたいッスよ」

隊長「そうか…。格闘家は戻ったか?」

女隊員「会ってないッスけど…もう戻ってるみたいッス」

隊長「…そうか。ご苦労」

男隊員「しばらく休みでいいのか?」

隊長「おーう。久々の休暇だ。ゆっくり休んでおけ」

男隊員「よっしゃ!羽を伸ばすとすっか…ヒャハハ!!」

女隊員「ほーんと久々ッスねぇ…!ありがたいッス!」
222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:13:21.01 ID:bT9.ryMo
ザッザッザ

隊長「…おう、ご苦労サン」

格闘家「…お疲れ様です」

隊長「報告書か?マメだねぇ…」

格闘家「…早い内に処理しておいた方が…後々楽でしょう」

隊長「…素晴らしい!どっかのバカにも見習って貰いたいもんだわな」

格闘家「……」

隊長「・・・死者は?」

格闘家「おりません。重傷と呼べる者も出てはおりません」

隊長「…優秀優秀」

格闘家「事件はワーカーと強盗の交戦がメインです。処罰は特にありません」

隊長「…屋敷に雇われたワーカーは全員開放されたか?」

格闘家「はい。屋敷側の者も、地下に居たワーカーについては知らぬと…」

隊長「ふぅん。警備の最中に迷い込んだと証言、か…」

隊長は手にした報告書に目を通し、再びデスクへ書類を戻す。
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:14:27.30 ID:bT9.ryMo
隊長「…こっちは?」

格闘家「え…えぇと、地下水路が謎の爆発を起こし、路地が破損したので…」

隊長「……無茶しやがんぜ」

格闘家「ど、どうしましょうか?」

隊長「大軍師殿は何て?」

格闘家「報告書を纏め、経済機関へ提出しろと…」

隊長「んじゃそれでいいよ。どうせ自業自得だ」

格闘家「は、はぁ…」

隊長「お前も終わったら上がれ。しばらく休暇だ」

格闘家「…ありがとうございます」

隊長「……」

右手を上げ、隊長はそのまま部屋を後にする。

カチャッ…テクテクテク

隊長「今の特遊もカッコイイ…か」

ふと大空を見上げ、隊長はにんまりと微笑んだ。
224 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:15:28.62 ID:bT9.ryMo
〜経済機関〜

左秘書官「……」

左文官「……」

左大臣「……」

左秘書官「…如何、なさいますか?」

左大臣「如何もクソもあるかァ」

左文官「……っ」

左大臣「わが屋敷に強盗が忍び込み、騒動を起こした偽者とその本物をすり替え…」

左秘書官「……」

左大臣「挙句、奪還されてどこぞのワーカーに入れ替えられましたァ」

左文官「……」

左大臣「そう奴等に言えとでも申すかァ!?」

左文官「い、いえ…っ!そのような事は…あの…」

左秘書官「…今日のところは痛み分けと言う事で納めておきましょう」

左大臣「当たり前だァ。これ以上事を大きくしてどうする」
225 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:17:16.38 ID:bT9.ryMo
左文官「ごご…御尤も…っ!」

左秘書官「裏で国軍や右翼が絡んでいるのは明白です。裏を取りましょう」

左大臣「…あァ。頼むぞ」

左秘書官「それまでに出来る手は打つと致しましょうか」

左文官「…予算案の修正ですか?」

左大臣「議会を開く」

左文官「…議決でカタを付ける算段ですな…っ!?」

左大臣「右翼に動かれると厄介だァ。近日中に事をすませい!」

左秘書官「御意に…」

左文官「早速…あ、左大臣様」

左大臣「…?」

左文官「高官の処遇は如何なさいますか?」

左大臣「…今は大事な駒だァ。議会後に決定する」

左文官「…了解致しました!」

左大臣「……せいぜい束の間の休息を楽しむがいいわァ。フッハハハハァ!」
226 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:18:12.81 ID:bT9.ryMo


戦士「いやぁ〜食った食ったぁ!!はあぁ〜!!」

魔道士「そんなに…嬉しいですか?」

戦士「…あのな、お前は牢屋のメシ食った事あるか?冷めてるわ少ねーわ…」

召喚士「ぶ、無事に出られて良かったね…っ」

戦士「ホントだよ…。感謝してるぜ…あんがとな!」

盗賊「…ま、まぁ…お前が居ないとみんな静かで…こ、困るからなっ!」

魔道士「……」

盗賊「なっ、何だよ…その目はっ!?」

魔道士「盗賊さんてば〜えいえいっ!」

盗賊「…や、やめろっ!バカ者っ!!」

戦士「さて…と、そんじゃ占い師さんとこに行くとすっかね」

召喚士「うん。病院で事情を説明して…魔道学校へだね!」

魔道士「盗賊さんたら〜真っ赤っ赤ですよ〜?」

盗賊「う、五月蝿いな!もうっ!」
227 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/01(月) 18:19:11.94 ID:bT9.ryMo
古来、ドッペルゲンガーはその不気味な姿から悪意ある者として伝えられている。

しかし、その素性はあまり知られておらず、今回騒ぎを起こした者も

本人の性格なのか、はたまたドッペルゲンガーの修正なのかは全くの謎である。



召喚士達や数々の人々を惑わした一連の騒動はひとまず終息を得た。

しかし、この一件により新たな運命が生まれたのだが…それはまた後の話である。



〜第二十四部、完〜
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/01(月) 18:34:28.30 ID:bT9.ryMo
こんばんは。これにて二十四部終了にございます!

>>189-190
盾はドッペルゲンガーがコピーしたものですよー
>>193さんのレスが正解っす!

>>198
召喚士「ち、違いますよっ!俺は把握してたから驚かなかっただけで…」

戦士「…強がっちゃって…まぁ」

召喚士「ほ、本当だって!!」

そして本日もご支援&お祝いレスありがとうございました!
引き続き二十五部でお会い致しましょう!それでは!ノシ
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 19:05:44.31 ID:uDNH82DO
>>1乙!
24部も面白かったぜー
日常パートかと思いきや緊張する場面も多くて
先が気になって早く続きが読みたくなる展開だった。
25部も楽しみにしてるぜー
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 19:07:41.64 ID:1GLVK.so
>>1
三週間ぐらいネットつながらなくて必死に追いついた

今更ながらも一周年おめでとう!
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 22:17:24.45 ID:GUhRCM6o
>>1
ついに次の章で物語の4分の1か…先は長いな
あと3年分はどういった話が描かれるんだろう…
この世界で行ってない場所って、北以外にあんのかなー?
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 22:54:30.08 ID:HA9UeyIo
これはほんとに100スレ目指すしかなさそうだな
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 00:36:32.83 ID:2I3beESO
のんびりかまえましょうな
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 02:44:35.02 ID:oXM2sIAO
ドッペルって物質すら特性ごとコピーとか・・・
そりゃ魔翌力も空になるわなぁ
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 04:55:47.84 ID:aYmHcQAO
>>1乙んつん
世界中のドッペルたんを集めて魔道士たんと盗賊たんを大量生産。
ハーレムワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノハーレムワッショイ
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 06:13:11.38 ID:iUZ6f2AO
>>235
想像したらおっきした
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 12:42:02.81 ID:PTBuSa6o
>>236
おはようございます
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/02(火) 17:49:38.99 ID:DqJbk9Mo
こんばんはー!本日もご支援感謝感謝でございます!
ななばつ様も細かなところまでまとめて頂き大変感謝!

あの…100部まで書かないと駄目な感じですか…!?
そんなにもたないというか…ネタがないというか…
100スレは無理ですよ!!しんでしまいます↓続き
239 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:50:10.38 ID:DqJbk9Mo
召喚士「あ……あれは…っ」

東方司令「…ボクの言った事が分かったかい?」

盗賊「…な、何なのだ!あれはっ!!」

東方副司令「竜脈から魔力が流れ出しているのだ…っ」

魔道士「魔力が…!?」

戦士「その魔力ってのが流れ込むとどうなるんだ…?」

東方司令「…竜脈を伝わり、活性化させ…魔物の糧となるよ」

魔道士「っ!!」

召喚士「そ…それを防ぐ為に…っ」

東方司令「そう。そしてボクらはあれを食い止めるのに精一杯って事」

戦士「……あれを無くすには?」

東方副司令「元凶を絶つしか…ありませんな」

東方参謀「…そーいう事よ!分かったかぁ!?小僧共っ!!」

召喚士「元凶…というのは…?」

東方司令「核となるは……ヤマタノオロチ」
240 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:50:37.50 ID:DqJbk9Mo

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第二十五部〜
241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:51:04.66 ID:DqJbk9Mo
テクテクテクテク

戦士「…そんで、占い師さんは治るのか?」

召喚士「うーん…どうだろ。学園長はとりあえず診るだけ診ると言ってたけど…」

盗賊「…ああ」

戦士「じゃあ治ると完璧に決まったわけじゃないんだな…?」

魔道士「はい…。でも診て貰わないよりは診て貰った方が…」

戦士「そりゃそうだ。だがまずは、本人の意思を確認してみねぇ事にはなぁ」

盗賊「…だから来たのであろうが」

戦士「…だわな」

四人は病院のドアをくぐり、陽の当たる階段をゆっくりと上っていく。

コンコンコン

占い師「…はい?」

カチャッ

魔道士「お邪魔しますーっ」

召喚士「こ、こんにちはー」
242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:51:33.33 ID:DqJbk9Mo
占い師「…あら、貴方達…!?」

戦士「…おっす。元気そうで何より!」

占い師「ちょっと…見たわよっ。大丈夫なの…!?」

占い師は新聞の一面を召喚士と戦士に突きつけ、心配そうに問いかける。

戦士「…おぉ」

占い師「おぉ、じゃないわよっ」

召喚士「先程、無事終わりましたよ」

占い師「…そう。良かったぁ…心配しちゃったわよ…っ」

召喚士「すみません…。ご心配をお掛け致しまして…」

占い師「いいえ。それで今日はどうしたの…?」

魔道士「あ、えっと…実はですね…」

占い師「……?」

召喚士は訪れた経緯を占い師へと話す。

占い師「学園長が……!?」

召喚士「…はい」
243 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:53:54.07 ID:DqJbk9Mo
魔道士「ど、どうでしょうか…?」

占い師「でも……」

召喚士「学園長も是非にと…」

盗賊「…ああ」

占い師「……」

戦士「あんまり深く考えずに…診て貰えばいいんじゃねぇの?」

占い師「……そうね」

魔道士「良かったぁ!!」

占い師「あとは…病院が出られるかどうか…っ」

スタタスタ

ドクター「…構いませんよ。許可致します」

召喚士「ドクターさん!?」

ドクター「すみません…。立ち聞きする気はなかったのですが…」

召喚士「いえっ、それで…外出の許可は…」

ドクター「問題ありませんよ。こちらで手続きしておきます」
244 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:55:12.54 ID:DqJbk9Mo
魔道士「ありがとうございますっ!」

戦士「いいのか?病院を出しちまっても…?」

ドクター「外傷や病というわけではありませんからね。それに…」

盗賊「……」

ドクター「少し環境を変えたり、外出する事で変化があるかもしれませんね」

召喚士「…助かります!」

ドクター「但し……」

盗賊「…?」

ドクター「長期間…というわけには参りません。期限は一週間です」

戦士「…十分だろ。なぁ?」

召喚士「…ええ!」

ドクター「…分かりました・それでは今日から動けるよう、手続きしておきますよ」

魔道士「良かったですね、占い師さんっ!えへへ!!」

占い師「うんっ。ありがとね」

盗賊「…良かった」
245 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:56:01.98 ID:DqJbk9Mo


占い師「じゃあ…準備するからちょっと外で待っててくれる?」

魔道士「はぁい」

テクテクテク…パタン

ドクター「手続き後は国軍へ連絡しておきますので」

召喚士「ありがとうございます…何から何まで…」

ドクター「いえいえ、気にしないで下さい。それでは…」

ドクターはニッコリと笑顔でその場を立ち去る。

戦士「…何モンなんだ?アイツ……」

盗賊「…?」

戦士「確か前、今年医者になった新米…って言ってたよな?」

魔道士「そういえばそうですね。こんな大きな病院にも手伝いに来てますし…」

召喚士「外出許可まで出せる権限まで持ってる……」

戦士「…ワケあり…ってカンジだな」

盗賊「…ああ」
246 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:56:45.43 ID:DqJbk9Mo


占い師「ごめんなさい。お待たせっ」

召喚士「それじゃ行きましょうか!」

戦士「んだな」

魔道士「わぁ…!そのネイル素敵ですねぇ〜!」

占い師「久々の外出だから頑張っちゃった!」

盗賊「…ふぅん」

占い師「盗賊ちゃんもすればいいのに〜。こんなのどうっ?」

魔道士「あっ!カワイイかも…似合うとおもいますよ〜!えへへ!」

盗賊「…こ、こんなの邪魔だよ…っ」

召喚士「……行こっか」

戦士「……んだな」

占い師「これなんかも似合うんじゃない!?」

魔道士「ホントだぁ〜!これいいですね〜!」

盗賊「…だ、だから…っ!」
247 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:58:48.53 ID:DqJbk9Mo
〜王宮〜

コンコン

エリート「どうぞ」

青年兵「失礼致します。間もなく定例会議のお時間です」

エリート「今、行く」

青年兵「はいっ」

タッタッタッタッタ

右文官「エ、エリート殿っ!!」

青年兵「右文官様…っ!?」

エリート「…どうなされました?」

右文官「お、お客様が…!!」

エリート「……客?」

カツカツ…コツ

高官「……」

エリート「こ…高官殿!?」
248 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 17:59:27.11 ID:DqJbk9Mo


エリート「それで…此度はどのような…」

神妙な面持ちで座る高官へ、エリートは問いかける。

右文官「まさか…あの件ならばつい先程…」

高官「存じております。その事では御座いません…」

青年兵「では…一体…!?」

高官「……近々、議会が開かれるでしょう」

エリート「予算案修正についての…ですね?」

右文官「既に存じておるわ。それが何か?」

高官「…どうなさるおつもりですか?」

右文官「どう?…知れた事、いつも通り数を纏めるだけの事よ」

高官「…間に合うのですか?期限までに…?」

エリート「……?」

右文官「間に合うも何も…過半数を纏めるなど困難ではあるが可能…」

エリート「…いや、待て…っ」
249 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:01:01.46 ID:DqJbk9Mo
右文官「…どうなさいました?」

エリート「先日の会議で…軍事費を増強したが為に研究費が削減となった…」

右文官「そ、それが何か…?」

高官「予算を大幅に削減した為、機関としての機能を失いました」

青年兵「失った…?」

エリート「機関でなくなったという事は……」

右文官「議決権が…ないではありませんか!!」

高官「……やはり」

青年兵「それは…問題なのですか?」

右文官「大問題だ!我らに賛同する議決権を大幅に失った…!」

青年兵「ほ、他に確保は出来ないのですか…!?」

エリート「……難しいな」

右文官「今、我ら右翼側の国軍関係と左翼側の文官できっちり半分…」

エリート「そう。今までは研究機関のお陰で上回っていたが……」

青年兵「しかし半分なら何とかのるのでは…?」
250 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:02:00.78 ID:DqJbk9Mo
エリート「ところがだ。肝心の国軍関係者の議決権なのだが…」

右文官「全てがこちら側というわけではないのだ…」

青年兵「!?」

右文官「高官殿…。お主、こちら側へ協力しては頂けぬか…?」

高官「山々ですが…私が動かせる票はたかが知れております…」

青年兵「で、では…やはり国軍の票を…」

エリート「……」

青年兵「国軍ならば協力して頂けるのでは!?一体どちらの方々が…」

右文官「国軍において議決権がある者は本国の仕官…いや、幹部以上…」

青年兵「あ…あとは…っ?」

エリート「各司令部、及び拠点のの上層部だ」

右文官「我らに協力的な北、南、西の司令部や拠点は問題ない…」

青年兵「…ま…さか!?」

高官「…そう。左翼側に協力的な国軍…それは……」

エリート「……東方司令部さ」
251 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:03:50.81 ID:DqJbk9Mo


エリート「…すまんな。では、頼んだぞ」

青年兵「はっ!」

右文官「いきなり諭す必要はないまずは話を通してきてくれい」

青年兵「了解です!それでは…行って参ります!」

ザッザッザ

エリート「高官殿、此度はまことに有難う御座いました」

高官「……あ、いえ」

エリート「…何か?」

高官「娘が…世話になっていると聞いたもので…」

エリート「…ええ。王宮にて仕えておりました。今はもういません…」

高官「…旅へ?」

エリート「今度は自分の意思で、再び羽ばたきましたよ」

高官「…そうでしたか。どちらへ向かったのですか?」

エリート「…わかりません。ただ、初心に戻りやり直すと仰ってましたよ」
252 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:04:18.42 ID:DqJbk9Mo
〜港〜

魔道士「あっ、来た来た!」

召喚士「あの船ですね。定期便なのですぐ乗船出来ますね」

戦士「何だそれ?」

盗賊「……食料」

占い師「船も久々だわぁ〜。しかも…任務以外でなんていつ以来だろ…」

召喚士「たまには息抜きにいいんじゃないですか?」

占い師「ほーんと。ずっと任務任務でちょっと疲れてたのよね…」

盗賊「……」

戦士「よーし、んじゃ乗ろうぜ」

魔道士「占い師さんっ!行きましょ!」

占い師「はいはいっ、そんな引っ張らなくても行きますってば!」

魔道士「えへへ!!」

占い師「ふふっ」

船着場へと舵を降ろした定期船に五人は乗り込んだ。
253 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:06:00.19 ID:DqJbk9Mo
ザザーン…

戦士「……はぁ」

召喚士「…どしたの?」

一呼吸吐く戦士に、召喚士は酒の入ったグラスを手渡す。

戦士「お…っ!サンキュー!!これこれ!!」

召喚士「溜息なんて吐いちゃって…」

戦士「違う違う。ずっと狭いとこに入れられてたからよ…気持ちいいなぁって」

召喚士「…そっか」

戦士「…お前こそどした?」

召喚士「え…っ!?」

戦士「…悩んでんだろ、洞察でなんとなく分かるって」

召喚士「…そっかぁ」

戦士「あ、そーいやさ…」

召喚士「…?」

戦士「偽者とは洞察出来なかったのか?」
254 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:06:28.79 ID:DqJbk9Mo
召喚士「一応試したけど…戦士と変わらなかった…かな」

戦士「…ふーん。そっか」

召喚士「やっぱり戦いの最中とかじゃないと…分かりにくいね…」

戦士「集中力の問題かもなぁ」

召喚士「戦士はいつでも出来るの?」

戦士「前よりはな…」

召喚士「す、すご…っ」

戦士「これも修行の成果だよ!ははっ!」

召喚士(…そういえば、俺も修行で似たような事やったけど…駄目だなぁ)

戦士「んーで、何を悩んでるんだ?まさか……恋…」

召喚士「違うよっ!!」

戦士「んじゃ何だよ?話せねーのか?」

召喚士「…占い師さんの事」

戦士「ああ…。とりあえず診てからでないと何ともなぁ…」

召喚士「それもあるけど……マジシャンさんの事、話すべきかな…って」
255 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:08:18.02 ID:DqJbk9Mo
戦士「……あぁ」

召喚士「…どう…思う?」

戦士「……難しいわな」

召喚士「うん…」

戦士「…こっちから言う必要はないんじゃねぇか?」

召喚士「…やっぱ…そうかな?」

戦士「聞きたいなら向こうから聞いてくるだろ」

召喚士「そう…だよね…」

戦士「下手に話してまた体調悪く……」

テクテクテク

占い師「そーんな心配しなくても…大丈夫よっ」

召喚士「占い師さん…っ!?」

戦士「今の…聞いて…」

占い師「お姉さんをあんまりナメないで頂戴よっ?」

召喚士「……」
256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:11:20.16 ID:DqJbk9Mo
占い師「……ありがとね」

戦士「…お、おう…っ」

召喚士「あ…っ、占い師さんも一杯どうですか?」

占い師「ありがたく…といきたいところだけど、止められてるの」

戦士「医者にか…?」

占い師「そうなのよ〜最悪…」

戦士「俺…入院しないように気を付けよ……」

占い師「うふふっ、ホントよ〜。気をつけなさいね?」

召喚士「何だか…すみません」

占い師「ううん、気にしないで。少し海風に当たりたかっただけよ」

戦士「……召喚士」

召喚士「…うん。先に、戻ってますね」

占い師「はいは〜い」

スタスタスタスタ

占い師「……ほんと…ありがとね」
257 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:12:52.79 ID:DqJbk9Mo
――……

ザザーン

占い師「……」

テクテクテク

マジシャン「お嬢ちゃん一人かい?」

占い師「お嬢ちゃんて…。こう見えても19です!」

マジシャン「…ほぉ。ならば尚の事都合が宜しい!ハッハ!」

占い師「はぁ!?」

マジシャン「どした?一人で海風なんかに当たって。冷えるぞ?」

占い師「いいの。こうしている方が……心地良いから…」

マジシャン「船酔いってワケでもなさそうだな…」

占い師「船酔いだったら余程マシよ…」

マジシャン「理由は知らんが…一人で抱えても解決しねーぞ?」

占い師「……」

マジシャン「どうだ?お兄さんに相談でもしてみっか?」
258 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:13:37.33 ID:DqJbk9Mo
占い師「お兄さん…どこにいるのかしら。近いの?」

マジシャン「…あのね、目の前にいるでしょ。お兄さんがっ!」

占い師「…オジサンの間違いでしょ?」

マジシャン「……こう見えてもまだ30代なんですけど!」

占い師「予言って信じる?」

マジシャン「あん?予言…?占いの類か?」

占い師「未来が見える…。もしそんな力があったら?」

マジシャン「そりゃ最高!ナンパの成功率も分かるしギャンブルも…」

占い師「真面目に答えてっ!!」

マジシャン「……辛いな。知りたくもない事まで…ってまさか…お前…っ!?」

占い師「私なんかと関わらないで。お願いだから……」

ギュッ

占い師「……ち…ちょっと…っ!?」

マジシャン「一人で抱えるなって言ったろ…?辛いよな…」

占い師「……加齢臭くさいわよ……馬鹿っ」
259 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:14:04.40 ID:DqJbk9Mo


占い師「…国軍へ?」

マジシャン「ああ、話はつけておいた」

占い師「嫌よっ、国軍だなんて……」

マジシャン「お前は危険だ。力を知られれば利用しようとする輩も大勢いるだろう」

占い師「だからって…」

マジシャン「俺だって軍の奴らは好きじゃないさ…でも、中には良い奴もいる」

占い師「……勝手に決めないで」

マジシャン「それに…その力、人々の為に使ってみねぇか?」

占い師「人々の…為?」

マジシャン「ああ。何も絶望ばかりが見えるわけじゃない。希望だって見える」

占い師「……」

マジシャン「希望の光を世界の為に…使ってみようじゃねぇの…ハッハ!」

占い師「……希望の…光」

……――
260 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/02(火) 18:14:40.81 ID:DqJbk9Mo
ボーッ…ボーッ

伝声管より到着を知らせるアナウンスが響く。

船員「間もなく本国東ターミナルへと到着致します!」

占い師「は…っ!」

タッタッタッタ

魔道士「占い師さ〜ん、もうすぐ着きますよ〜!」

占い師「…え、ええっ。今行くわっ!」

タッタッタッタッタ…

船員「ターミナルです。お降りのお客様は左側の甲板より〜」

魔道士「到着〜!!」

戦士「ここがターミナルかぁ」

召喚士「そっか。戦士は初めて何だね」

戦士「偽者のヤローが成りすましてやがったからな…」

盗賊「…あとは…馬車か」

キョロキョロと辺りを眺める一同の元へ、一人の男が駆け寄ってくる。
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/02(火) 18:36:25.37 ID:tMPEkYI0
1乙
東方司令部がやっと出てきた
東方参謀は白虎嬢のお父さんだったよね
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 18:40:24.93 ID:ZOt0TEs0
大佐だろ?<白虎嬢父
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 20:02:09.39 ID:y0Zkoaoo
1乙!

確かに100部は無理だろうな
500部ぐらいないと収まりきらないだろうし
264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 20:34:29.12 ID:PTBuSa6o
>>1

ヤマタノオロチ→日本武尊→女装→召喚子

なるほどな
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 20:51:52.89 ID:UG67lSQ0
そこに気づくとは…やはり天才か


>>1
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 22:37:14.69 ID:2n69Heoo
>マジシャン「……こう見えてもまだ30代なんですけど!」

嘘をつきました
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 22:49:12.49 ID:aYmHcQAO
いつもいつも素敵な話乙んつん
>>1には是非とも ライフワーク って言葉をググってほしい。
つまりここは>>1のライフワークだ。

棺桶に足を突っ込むまで続けてくれなきゃ私、泣いちゃうんだからからね!

私、男だけど。
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 23:27:18.60 ID:2FvB5.AO
>>1
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 07:36:49.08 ID:NiMkPwDO
>>266
占い師が19歳って言ってる回想シーンなんだから嘘じゃないんじゃない?
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 17:29:07.06 ID:JasVAFUo
東方司令部で大佐っていうから指パッチンで炎でも出すのかな
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 18:10:51.24 ID:3.4W39k0
>>270
鋼のほうか
指パッチンって言うから十結集のお方だと…
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:22:23.66 ID:TnqJfHA0
 ./彡川川川川川川彡彡彡彡彡ュ-,
 .ミミ川川川川川川彡彡彡彡彡彡彳
 ;ミr>川川川川川 ヽ' -、;彡彡彡彡;l
 .;;j r'"^ー-- '""'ヽル'  ';彡彡彡彡;;リ
 .;;j  ::           ;彡彡彡彡〈
 .;;j  ::          :;彡彡彡ミ;l/
 .;l  ::          ヽ;;ミ三三彳
 ..i' ー=:、   _,,ュ=-ー'    ヽ;ミミミミ;
  !.弋i;。ュ、  ィ モ。iラ     kミ;;ー、
  ;    :            ;j/ j
   ;   :;            :;;-;'
   ;  :;            / |
   ..;  `,-'          /   !、_
     : 'ー -―-'      /   !ノヽ、
     :; : ̄      .,/    /:::::::::i
     :〉、_____ , - '"    /::::::::::::::::!
   /;;;;;;j :::::: :: :    ,/::::::::::::::::::::::::!
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:31:27.61 ID:z2IFwESO
>>1がハイテンションで登場
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:45:04.80 ID:boOyyO6o
  __
  /。 \
 |ノ ゚|
 ノ ゴ ハ
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:59:14.07 ID:w5/XuUDO
懐かしいなそれ
276 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:23:16.84 ID:nbfZy02o
御者「ややっ!これはやはり…旦那じゃごぜぇませんかっ!」

召喚士「…旦那はよして下さいよ」

御者「いやいや…聞けば旦那、ご大層なワーカーだそうで…」

召喚士「そんな事ないですって…」

御者「何を仰います!朱雀先生と言えば、東奔西走…目まぐるしいご活躍とか…」

戦士「どこに行っても有名人になっちまたな…」

御者「仕事仲間の間でも有名でしたぜ?お陰さんであっしも分かったんでさぁ!」

盗賊「…成程な」

御者「魔道学校までですかいっ?」

魔道士「あ、ええ…っ。お願い出来ますか?」

御者「モッチロンです!さぁさぁ乗って下さいませ!」

戦士「…いいんじゃねぇの?本人もこう言ってる事だし」

召喚士「それじゃ…お言葉に甘えて…」

御者「さぁさぁ、お乗り下さいまし!」

占い師「うふふっ、ありがと」
277 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:24:14.22 ID:nbfZy02o
ドドッドドッドドッ…

御者「しっかしここ毎日…何か任務ですかい?」

召喚士「いやっ、そういうわけではないんですけど…」

御者「そうですかぁ。いやはや安心しました」

魔道士「…?」

御者「いやね、この辺は魔物も少ないでしょ?何か物騒な事になってのかと…」

戦士「魔物少ないのか…」

召喚士「そういえば東側での依頼とかって見た事ないね」

占い師「まぁね。他の地域とは色々と違うから」

盗賊「……ほう」

御者「それもこれも東方司令部のお陰ですわ」

召喚士「東方…司令部」

御者「…さ、飛ばしますぜ!」

戦士「おうっ!」

魔道士「宜しくお願いしますっ!」
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:25:04.00 ID:nbfZy02o
〜魔道学校〜

御者「到着〜!お待たせしやした!」

魔道士「ありがとうございましたっ」

御者「帰りはどうしますかい?」

召喚士「あ、いえいえ。お気にせず…!」

御者「そうですか…。分っかりました!それではまた…っ!」

占い師「ありがと」

笑顔でお辞儀そ、御者は馬車を反転させ魔道学校を去って行った。

戦士「…ここが魔道学校か」

召喚士「俺達は昨日、色々と見せて貰ったんだ。戦士も良かったらどう?」

戦士「まぁ日も暮れちまうし…時間あったらな。先に事を済ませようぜ」

召喚士「そうだね」

魔道士「それじゃ早速、学園長の所へ行きましょう!」

占い師「そうさせて貰おうかしらね」

五人は魔道学校の内部へと足を踏み入れ、学園長室へと真っ直ぐ向かった。
279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:25:43.87 ID:nbfZy02o
〜学園長室〜

コンコン

学園長「はい」

魔道士「失礼致します〜」

学園長「あら、早かったですわね。無事連れて来られたようね」

魔道士「はいっ!えへへ」

テクテクテク

占い師「……」

学園長「…お久しぶりね、占い師さん」

占い師「学園長…っ」

召喚士「お、お知り合いなんですか…!?」

学園長「知り合いも何も…彼女も此処の卒業生よ」

魔道士「そうだったんですか!?」

戦士「なーんだよ。そうならそうと言ってくれりゃ良かったのによ」

占い師「隠してたわけではないんだけど…言いそびれちゃって。ごめんなさいね」
280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:26:37.84 ID:nbfZy02o


学園長「それでは、診させて貰うわね」

占い師「…はい」

学園長「皆様は少し外してて貰っても宜しいから?」

召喚士「はい」

戦士「そんじゃ今のうちに校内見学させて貰うかね」

学園長「……?」

召喚士「い、いえっ…こっちの話です!」

魔道士「じゃあ失礼致します」

テクテクテク…パタン

学園長「…どう?元気でやってらっしゃった?」

学園長は紅茶を差し出しながら問い訪ねる。

占い師「…はい。何とか元気にやってます」

学園長「…そう。貴女が卒業してからどれくらいかしら…?」

占い師「そうですね、もう19年になりますか…」
281 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:27:40.78 ID:nbfZy02o
学園長「時が経つのは早いものね…」

占い師「でも学園長はお変わりなく…お若いですね」

学園長「そんな事ないわよ。毎日お手入れが大変…ふふっ」

占い師「あー分かります…」

学園長「まだ早いわよ、これからはもーっと大変なんだから…」

占い師「…頑張ります」

学園長「…ふふっ」

占い師「うふふっ」

コトッ

学園長「…それで、具合はどう?」

占い師「お陰様で力を失った以外は特に…」

学園長「…そう、良かったわ。魔力はあるの?」

占い師「はい」

学園長「……それならば、精神的なものからくるショックが原因かしらね」

占い師「……」
282 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:28:31.49 ID:nbfZy02o
学園長「何か心当たりは…ある?」

占い師「……あー、あると思います」

学園長「…貴女自身が把握しているのなら、解決は割と簡単かしらね」

占い師「……」

学園長「貴方自身が心の傷を癒すしかないわね」

占い師「…ええ。そうです…よね」

学園長「……」

占い師「分かってるんです…自分でも、ちゃんとしなきゃなって…」

学園長「焦る必要はないわ。慌てても良い事はないですもの」

占い師「…はい。ありがとうございます」

学園長「…でも、良かったのではない?」

占い師「……?」

学園長「予言の力が消えて、これでようやく普通の生活に戻る事が出来るじゃない」

占い師「……」

学園長「貴方の望み…だったのでしょう?」
283 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:29:30.60 ID:nbfZy02o
占い師「…はい。そうでした」

学園長「……」

占い師「…以前はそうでした。でも、今はもう違います」

学園長「占い師さん…」

占い師「この力を人の為に役立てる事が出来て…その…」

学園長「それでも…貴女が辛い事に変わりはなくて?」

占い師「私の辛さなんて…。もっと苦しんでいる人が世の中にはいますもの…」

学園長「……」

占い師「その人達を救う為になるのなら、私の苦しみなど些細なものです」

学園長「……強くなったのね」

占い師「…そ、そんな事は…っ」

学園長「良い人々との出会いがあったのでしょうね…」

占い師「…はい。沢山の出会いと…別れがありました……」

学園長「それは貴女の力になるわ。それだけは忘れてはなりませんよ…?」

占い師「……はい…っ」
284 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:30:23.71 ID:nbfZy02o
〜校内〜

戦士「…うへぇ、このだだっ広い建物全部が魔法関係だってのか…」

魔道士「そうなんですよ〜。凄いですよね!」

盗賊「……あれ?」

召喚士「どうしました?」

盗賊「…あ奴は」

テクテクテク

賢者「……ふぅ」

魔道士「あ、賢者さんっ!」

賢者「……やぁ、何か用かい?…ふぅ」

戦士「あれ…?コイツ…もしかして…」

召喚士「うん。北の港で詩人さんの演奏を聞いていた時の…」

戦士「……」

魔道士「賢者さんはこちらで何を教えてるんですか?」

賢者「…色々さ、色々……ふぅ」
285 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:31:17.31 ID:nbfZy02o
戦士「……変な奴だな」

盗賊「…ああ」

召喚士「あ、あの…賢者さん」

賢者「…?」

召喚士「賢者さんは攻撃とと回復…双方の魔法が使えるんですよね?」

賢者「…ふぅ。まぁね、僕だからこそ成せる技…とでも言うべきかな…ふぅ」

召喚士「それって…誰でも出来るわけではないって事ですか?」

賢者「…まぁね」

魔道士「攻撃魔法には五行を使いますが、回復はまた別の力なんですよ〜」

戦士「…そうなのか」

召喚士「それって…資質さえあれば、例えば俺でも出来るって事ですか?」

賢者「…君、召喚士だね?」

召喚士「え、あ…はい」

賢者「召喚士は召喚術に全て力を取られているから…駄目だね。…ふぅ」

盗賊「……成程」
286 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/03(水) 23:32:42.96 ID:nbfZy02o
戦士「じゃあ魔道士は使えるようになったりすんのか?」

魔道士「いえ…っ。私は駄目でした…」

盗賊「…どのぐらいいるんだ?」

魔道士「ど、どうなんでしょう?100人に1人とか…1000人に1人とか聞きますけど」

賢者「…ふぅ。まぁね」

戦士「す、すげぇんだな…」

魔道士「本当は…回復魔法も使えれば、皆さんのお役にも立てるんですけど…」

召喚士「でも、魔道士とプリーストで専属もあるわけですしね」

戦士「なんかコツでもあんのかね」

賢者「強いて言うなら…信仰心と愛の力、かな…ふぅ」

盗賊「…愛の力?」

戦士「信仰心て神様とかそういう事か?」

賢者「…僕は自分自身かな……ふぅ」

召喚士「は、はぁ…」

賢者「自分を信じ、愛する力が魔力を生み出しているのさ……ふぅ」
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 00:26:09.02 ID:XJNxqUAO
ナルシで賢者とか、かなりの強者だな…
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 00:39:42.22 ID:WUtgzYSO
きっと鏡見ながら事を済まして賢者モードに変態するんだろうな
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 04:08:25.21 ID:J9ajt6DO
うっ・・・ふぅ・・・
今日も明日も安全第一で自宅警備に勤しみます!
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 06:07:35.09 ID:.EY4CIAO
>>289
(´・ω・`)やあ同業者
友に自宅の平和を護ろうじゃないか


…ふぅ。
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 07:00:41.53 ID:.wiblUco
ここは賢者が多いいんたーねっつですね^^
292 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:24:19.53 ID:mzK3kMso
召喚士「……」

戦士「……」

盗賊「……」

魔道士「…え、えっと…とにかくそういう力が必要って事ですよねっ!」

賢者「……ふぅ。まぁね」

戦士「なんか疲れてきた…次行こうぜ」

テクテクテク

召喚士「あ、ちょっと戦士…っ」

魔道士「賢者さん、そ…それじゃ失礼しますねっ!」

盗賊「…じゃあ」

スタスタスタ

賢者「……」

戦士「なんかよく分からん奴だな」

召喚士「でも凄い事には変わりないよ」

戦士「…まぁな」
293 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:26:02.39 ID:mzK3kMso


魔道士「…と、ここで実戦するわけです」

戦士「なーるほどな。これで一通りか?」

魔道士「はいっ。どうでした?」

戦士「んー、なんか…すげぇな」

魔道士「でしょー!」

召喚士「俺らには縁がないと言うか…ほんと凄いよね」

盗賊「…ああ」

魔道士「それじゃそろそろ学園長室に戻りましょうか」

召喚士「ですね。そうしましょう」

四人は校内見学を終え、時間を見計らい、学園長室へと戻る。

コンコン

学園長「どうぞ、終わりましたわ」

魔道士「失礼しまーす」

占い師「ごめんなさいね。遅くなってしまって…」
294 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:26:28.37 ID:mzK3kMso
召喚士「いえ、お気にせず」

魔道士「ど…どうでした?」

占い師「やっぱりダメ。治らなかったわ」

召喚士「そうでしたか…」

学園長「ごめんなさいね。折角きて貰ったのに力になれなくて…」

占い師「いえ、いいんです」

盗賊「……」

占い師「学園長とお話させて貰って、だいぶ楽になりました」

学園長「…そう?」

占い師「はいっ」

学園長「…それなら…良かったわ」

戦士「一応、解決か?」

占い師「みんなもありがとね。本当に…」

魔道士「い…いえっ、私達はその…っ」

占い師「本当に助かったわ。ありがとう…!」
295 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:27:24.17 ID:mzK3kMso


学園長「…さて、と」

召喚士「お帰りですか?」

戦士「んじゃ俺らもそろそろ帰るとすっか」

学園長「いえね、今日はこの後も仕事があるのよ」

魔道士「だってもう夜になりますよ…?」

占い師「もしかして…当方司令部へ?」

学園長「そうよ。今日は満月ですもの」

召喚士「満月…?」

学園長「貴方達、もし良かったら私の家に泊まっても良いのよ?」

召喚士「いやいや、そう立て続けにお世話になるわけには…」

占い師「…宜しければ、私もご一緒しても…?」

学園長「司令部に?それは構わないけど…」

召喚士「あ、あの…司令部に何かあるんですか?」

学園長「……」
296 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:28:48.31 ID:mzK3kMso


ドドッドドッドドッ

占い師「別に貴方達まで同行しなくても良かったのに」

召喚士「すみません。でも興味本位でつい…」

学園長「貴方が居れば大丈夫じゃない?軍の人間なわけだし…」

占い師「いや…まぁ、私が居なくとも朱雀先生なら大丈夫でしょうけど…」

戦士「んで、満月の夜はその…何だっけ?」

学園長「月の宴?」

戦士「そうそう、月の宴ってのをいつもやるのかい?」

学園長「ええ、そうよ。これはとっても大事な事なの…」

占い師「宴って言っても酒宴じゃないわよ?」

戦士「んな事ぁ話の流れで分かるっての」

学園長「…さ、もう間もなく当方司令部ですわよ」

盗賊「……」

召喚士「東方司令部…かぁ」
297 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:29:31.99 ID:mzK3kMso
ターミナルより北に位置する魔道学校。その更に北東に位置する要塞。

広い草原に佇むそれは周囲の景色とは浮いた存在であり、不気味さを醸し出す。

〜東方司令部〜

ドドッドドッ…ドドォ

学園長「着いたわ。さぁ降りましょう」

召喚士「ここが…東方司令部」

戦士「ここは北方並の防備だな…」

盗賊「…ああ」

占い師「…さぁて中に入りましょ。…あら?」

正門前に停められた一台の馬車。それを見て占い師は眉をひそめる。

占い師「この馬車……本国の?」

魔道士「どうかしたんですか?」

占い師「なんだか本国からお客様が見えているようね」

召喚士「本国…?」

学園長「貴方達、早くいらっしゃいな。手続きを済ませて頂戴」
298 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:30:20.03 ID:mzK3kMso
テクテクテクテク

戦士「…へぇ、内部も立派なもんだな」

召喚士「他の司令部より随分頑丈な作りだね」

――「それは海風でやられないようにだよ」

ふと、一同の背後より声が聞こえる。

学園長「あら、これはこれは。こんばんは」

学園長が挨拶した男は、車椅子を押しながらゆっくりと近づいてくる。

東方副司令「こんばんは先生。今宵は生徒の皆様とご一緒かな?」

学園長「ええ。と言っても、元生徒…。今は立派な国軍やワーカーよ」

東方副司令「国軍…?おや、占い師殿か…っ!!」

占い師「東方参謀、お元気そうで」

東方副司令「実は参謀ではなくなってしまったのだよ」

占い師「あら…!?そうなんですか?」

東方副司令「これがだいぶ悪くなってしまってね…」

そう言いながら、東方副司令は両足の太腿ををぽんと叩く。
299 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:31:03.53 ID:mzK3kMso
占い師「…そう…ですか」

東方副司令「昨年までは船上にも何とか出られたんだが…今はお荷物さ」

学園長「…そういう言い方やめてくださいな」

東方副司令「いやいや良いんです。本当の事ですからね」

占い師「……」

東方副司令「戦場で参謀役を務めるのも限界。今後は拠点で防衛に勤めますよ」

召喚士「……」

東方副司令「それで、其方の四人がワーカーの…?」

召喚士「あ…っ、始めまして。召喚士と申します」

占い師「彼は朱雀先生よ」

東方副司令「朱雀先生!?…そうかぁ、君が朱雀先生か…っ」

召喚士「…一応、名乗らせて頂いております」

東方副司令「そうかそうかぁ…いやね、娘から話は伺ったよ!」

召喚士「……娘?」

東方副司令「白虎嬢…知らないかな…?」
300 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:31:39.18 ID:mzK3kMso
魔道士「えぇ!?」

盗賊「む…娘ぇ!?」

戦士「白虎嬢って…南方の…あの?」

東方副司令「白虎嬢は私の娘なんだ」

召喚士「そ、そうだったんですか…。ん…!?という事は…」

東方副司令「そう。私も召喚士…だったのさ」

召喚士「今は…違うのですか?」

東方副司令「この身体ではね…。最早、前線で働ける程の力はないよ」

召喚士「……そう…ですか」

占い師「ちなみに白虎長、知ってるわよね?」

戦士「…あぁ、あの酒癖悪い姉ちゃんか」

占い師「彼女の叔父に当たる人よ」

魔道士「へっ!?じゃあ…白虎嬢ちゃんと白虎長さんは…」

東方副司令「従姉妹という事だね」

召喚士「そ…そうか!だからベヒーモスを……」
301 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:32:21.86 ID:mzK3kMso
東方副司令「……」

召喚士「あ、あの…」

東方副司令「…ん?」

召喚士「ベヒーモスって…白虎なら誰でも召喚出来るものなんですか?」

東方副司令「…誰でもってわけではないかな」

召喚士「…そうですか」

東方副司令「何かあったかい?」

召喚士「あ、いえ……実は…」

カツカツカツ

――「副司令、何をしておる」

魔道士「…女の子…?」

――「…誰が女の子だ!この小娘が!」

召喚士「!?」

学園長「これはこれは…東方司令」

目の前に立つ少女のような女性。学園長は確かに東方司令と呼んだ。
302 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:33:37.34 ID:mzK3kMso
戦士「と……東方司令!?」

召喚士「こ…この人が…!?」

東方司令「…ボクが東方司令で何か文句でもあるのか?」

盗賊「…い、いや…っ」

東方司令「人を見かけで判断するとは…たかが知れた連中だな」

戦士「…いや…誰でもそう思うぞ」

東方司令「副司令、油を売ってないで準備せんか」

東方副司令「これは失礼致しました」

学園長「私もご一緒致しますわ」

東方副司令「それでは参謀と合流し、先に準備を進めておきます」

学園長は東方副司令の車椅子に手をかけ押し始める。

東方司令「それで占い師、コイツらは誰だ?」

占い師「朱雀先生。聞いた事あるでしょ?」

東方司令「朱雀…?あぁ、噂の……」

じっと見つめながら、東方司令はゆっくりと召喚士の元へ近づく。
303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:34:42.36 ID:mzK3kMso
カツカツカツ…

東方司令「確かに噂通り…」

ガシッ

東方司令「女に縁のなさそうな顔だな」

召喚士「…!?」

グイッ…ブチュウゥ

戦士「はっ?」

盗賊「ひ…っ?」

魔道士「……へっ!?」

ババッ!!

召喚士「――っ!!」

東方司令「…キスは初めてか?ウブな奴だな」

召喚士「ち…ちょ……」

東方司令「動揺するな…挨拶だろうが。童貞がバレるぞ?」

召喚士「あ…あのですね…っ!」
304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 17:35:37.02 ID:mzK3kMso
ズイッ

東方司令「なんなら…童貞もボクが貰ってやろうか?」

召喚士「――!?」

東方司令「はっはは!ジョーダンだよっ、ジョーダン!」

カツカツカツ

東方司令「あんまり司令部内をウロつくなよ。占い師、案内任せたよ」

占い師「え…あ、うん…っ」

召喚士「……」

戦士「だ、大丈夫か…?」

召喚士「…う、うん…っ」

盗賊「…魔道士?」

魔道士「……」

盗賊「…おーい、魔道士ー」

魔道士「…えっ!?あ…あ、あぁ」

盗賊「…大丈夫か?」
305 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 18:26:59.80 ID:mzK3kMso


占い師「…ごめんなさいね。ああいう性格なのよ」

戦士「顔馴染みなのか?」

占い師「…まぁね」

戦士「盗賊、どうだ?」

盗賊「……」

盗賊は首を左右に振り、二人を指さす。

召喚士「…………」

魔道士「…………」

戦士「…ったく、何時までもポケーっとしてんじゃねぇ!」

召喚士「…え、あ…うん」

占い師「…えっと、あ…ここが応接室ね」

カチャッ

占い師「あら?誰かいるのかしら…?」

中より人の気配を感じ、占い師が開けたドアをそっと覗きこむ。
306 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 18:32:51.20 ID:mzK3kMso
占い師「…あらっ」

召喚士「せ、青年兵くん!?」

青年兵「召喚士さん!?」

戦士「…しっかし…よく会うよなぁ」

召喚士「ど、どうしたの…!?こんな所で…」

青年兵「こちらの台詞ですよ!ビックリしました…!」

占い師「月の宴…ってわけではなさそうね…」

青年兵「ええ、別件なのですが…面倒な日に来てしまいましたね…」

占い師「一ヶ月で一番忙しい日ですものね…」

戦士「その宴っての、具体的に何をするんだ?」

占い師「そうねぇ…お祈りってとこかしら」

盗賊「…祈り?」

占い師「うん。満月が一番魔物の力が強くなるって言うのは知ってるわよね?」

召喚士「…はい」

占い師「その力を少しでも押さえ込もうって言うのが、月の宴よ」
307 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 18:38:22.97 ID:mzK3kMso
召喚士「押さえ込む…?」

戦士「そんなん途方もない話じゃないのか?」

占い師「抑えると言っても全てじゃないわよっ」

盗賊「……」

占い師「外部から流れ込む一定のものを抑えるだけ」

盗賊「…外部?」

占い師「…そ。まぁ百聞は一見に如かずよね。あとで見に行きましょ」

召喚士「ぜ、是非っ!」

青年兵「あの…東方司令見ませんでしたか?」

占い師「さっき…上へ向かって行ったけど…」

青年兵「……はぁ、そうですか」

占い師「何かあった?」

青年兵「いや…立て込んでいるからここで待てと。かれこれ1時間以上…」

召喚士「ひ、ひどい…」

占い師「……全くっ!直接行きましょ。用があるんでしょ?」
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 18:57:37.40 ID:.EY4CIAO
東方司令! 私にも是非!
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 19:43:49.05 ID:AITAZkDO
ロリで僕っ娘で痴女で僕っ娘で男勝りで僕っ娘とか俺得過ぎる
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 20:35:52.55 ID:wB5y9Rs0
1乙
ここでようやく、いただきまんこを回収か……
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 20:38:13.16 ID:fD59Ulw0
魔道士ざまああああああああああああああああ
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 20:53:23.05 ID:sdyNu/ko
占い師「お姉さんをあんまりナメないで頂戴よっ?」

召喚士「……」

占い師「お姉さんをあんまりナメないで頂戴よっ?」

召喚士「……」

占い師「お姉さんをあんまりナメないで頂戴よっ?」

召喚士「……」

占い師「お姉さんをあんまりナメないで頂戴よっ?」

召喚士「……」
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 22:08:04.71 ID:./lamvso
あざといさすが>>1あざとい
314 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 23:53:30.96 ID:CkVPFbgo
テクテクテクテクテク

召喚士「ここは…?」

占い師「司令部の東側。城壁…というより壁かしらね」

魔道士「凄い…!」

盗賊「…あ、生き返った」

戦士「アイツらは何をしてるんだ?」

城壁の上で慌ただしく動き回る兵達を指差し、戦士が訪ねる。

占い師「月の宴の準備よ。もうすぐ始まるみたいね」

ザッザッザ

東方司令「何だ?お前らも手伝ってくれるのか?」

青年兵「東方司令っ!」

東方司令「…おぉ、何だっけ…えぇと少年兵君だったか?」

青年兵「青年兵です!司令っ、お話を…」

東方司令「分かった分かった。とにかく今は見ての通り忙しい。後にしてくれ」

青年兵「……はい」
315 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 23:54:32.66 ID:CkVPFbgo
カラカラカラッ…キィ

東方副司令「司令、魔道兵の準備は整いました」

東方司令「ありがと。ボクももう少ししたら行くよ」

東方副司令「ワーカーの者らが遅れているようです」

東方司令「…全く。だからワーカーは面倒で嫌なんだ」

戦士「……」

東方副司令「あと…東方参謀殿も見当たりません…」

東方司令「……」

占い師「そう言えば、東方参謀ってどんな人なの?」

東方司令「あー例のあのむさ苦しいオッサンだよ」

占い師「…?」

東方司令「知らない?武闘派軍師とか言われてるヒゲの…」

占い師「あぁ!あの人か。頼もしいじゃないっ!」

東方司令「…そうか?」

召喚士「ぶ…武闘派軍師…!?」
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 23:54:55.12 ID:0wfT6lYo
………ショタ兵もありかもしれんな
317 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 23:55:07.68 ID:CkVPFbgo
東方司令「…まぁいいわ。ヒゲが来たらすぐ始めるよ」

東方副司令「ワーカーは宜しいので?」

東方司令「いざとなったらそこの連中にでもお願いするよ」

戦士「え…?俺らかよ…っ」

東方司令「とは言っても…使えそうもないけどね…」

テクテクテク

戦士「なんて生意気な女だ…」

盗賊「…同意」

東方副司令「まぁまぁ。ああ見えても腕は確かですから」

召喚士「司令…ですもんね」

東方副司令「ええ」

占い師「副司令も大変ね。あんなじゃじゃ馬の世話なんて」

東方副司令「いえいえ、娘で慣れておりますから」

占い師「そうは言っても階級は同じでしょ?」

東方副司令「それはそうですが、司令は司令ですよ」
318 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 23:55:50.42 ID:CkVPFbgo
タッタッタ

東方兵「副司令、ワーカーの一団が到着致しました!」

東方副司令「おぉ、来ましたか…。それでは準備に取り掛かりましょう」

ザッザッザッザッザ

OB「待たせてすまんな。コイツがチンタラしてっからよ…」

魔道ワーカー「そうだぜ。俺らは時間通りだったんだぞ?」

召喚士「け、賢者さん…!?」

賢者「……ふぅ」

魔道ワーカー「賢者だか愚者だか知らんが…毎度毎度…」

戦士「…なんかいつもの事みてぇだな」

魔道士「え、ええ…っ」

東方副司令「それでは皆さん、城壁の上に移動して下さい」

OB「へいへい」

東方副司令「あとは…東方参謀殿か…」

占い師「どこに言ったのかしら…」
319 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/04(木) 23:56:43.63 ID:CkVPFbgo
その時、突如塔の一角より声が響き渡る。

――「ワシはここだっ!ココにおるっ!!」

盗賊「!?」

戦士「な…何だぁ!?」

東方副司令「参謀殿…!」

東方参謀「はあぁっ!!」

ババッ!!…クルクrクルッ…スタッ!!

魔道士「あっ!!あなたは…!!」

東方参謀「…ほう、ワシを知っておるのか?」

魔道士「東方先生じゃありませんか!」

東方参謀「如何にも。娘、お主…魔道学校の者か?」

魔道士「そうですっ!」

召喚士「こ…この方は?」

魔道士「東方先生は魔道学校に国軍の臨時講師といして来られてた方なんですっ」

召喚士「…へぇ!そうでしたか!」
320 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 00:02:21.06 ID:GPLq4lQo
東方副司令「参謀殿っ、司令がお怒りでしたよ…?」

東方参謀「…ふん。あんな小娘…偉そうに」

テクテクテク

東方副司令「さ、参謀殿…っ」

占い師「私達も城壁へ行きましょうか」

召喚士「そ、そうですね…!」

戦士「なんか…各司令部の奴らって…なんていうか…」

盗賊「…濃いな」

戦士「そうそう…」

魔道士「た、楽しくていいんじゃないですか…?」

召喚士「青年兵くんは月の宴、参加した事あるの?」

青年兵「いえ、僕も実際見るのは初めてでして…」

召喚士「そうなんだ」

占い師「ほらっ、早く行くわよ〜」

召喚士「は、はいっ」
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 00:06:01.55 ID:jtaW5o.o
しぃぃぃぃしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 00:23:38.98 ID:5kyNuHMo
マスターアジアで固定されたのは俺以外にもいるはずだ
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 00:52:05.00 ID:CMem02.o
脳内再生余裕でしたwwww
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 01:54:29.79 ID:FESLswAO
盗賊の兄貴のシュバルツとか師匠とか>>1はGガン好きだなww
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 02:57:50.13 ID:Z1k.EEAO
東方副司令「まぁまぁ。ああ見えても胸は確かですから」

に見えた、死にたい
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 04:31:33.92 ID:hu/N1EAO
>>325
大丈夫、死ぬな 俺も胸に見えたから
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 04:36:13.39 ID:7j7OT6DO
ああああああああああ
ろりろりおっぱいペロペロしたいよおおおお
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 04:43:16.16 ID:Z1k.EEAO
問題は巨か貧か…
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 07:33:12.63 ID:5mIzwh2o
賢者の語尾がそろそろうざい
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 08:54:26.12 ID:90rpz0Uo
>>329
賢者「… チラッ… … … …ふぅ」
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 11:19:05.06 ID:YeUD5sgo
東方参謀と南方司令は気が合いそうだな


最初スレ間違えたかと思った・・・ふぅ・・・
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 12:35:34.39 ID:y069lk20
>>322
あれ?俺がいる。
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 14:42:42.09 ID:QYIm4nAP
オレだった・・・
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:22:02.20 ID:Qk7Epu.o
――月の宴。満月の夜に行われる東方司令部恒例の儀式。

東方司令部に配属された連隊規模の魔道兵達。更には、

各方面から集められたワーカーや魔道学校のOB達。

おおよそ月にたった一度、この者らは東方司令部東の城壁へと集うのである。

〜東の城壁〜

戦士「す…すっげぇ人数…っ」

魔道士「これ……皆さん魔道士何ですか!?」

占い師「そうよ〜。彼らが一斉に魔力を解き放ち、遮断するの」

盗賊「…遮断?」

召喚士「魔族の攻撃…ですか?」

占い師「…うーん、。攻撃って言えばいいのかしらねぇ」

学園長「竜脈から入り込む魔力をここで遮断しているのですよ」

テクテクテク

魔道士「学園長っ!」

戦士「竜脈…?何だっけか?」
335 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:23:18.49 ID:Qk7Epu.o
学園長「竜脈と言うのは、補給線のようなもの」

盗賊「…補給線」

学園長「そう。そしてそのエネルギーは満月の夜に流れ込んでくるの」

召喚士「流れ込むって…まさか…っ」

占い師「…そう。ここから東に位置する場所」

盗賊「…東方!?」

東方司令「そういう事。さぁ無駄話は終わりだ」

青年兵「司令…」

東方司令「学園長、始めるぞ。準備をしてくれ」

学園長「ええ、今行きますわ」

テクテクテク

東方司令「お前らも手伝うのか手伝わんのかハッキリしろ」

召喚士「いや…手伝いたいところですが…魔力は…」

東方司令「期待しとらん。それに召喚士だろうが魔力があれば問題ない」

青年兵「それじゃ僕らでも…?」
336 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:23:53.99 ID:Qk7Epu.o
東方司令「メインとなるのはごく一部。あとはただの補助だ」

戦士「んじゃ俺でも問題ないって事か…」

東方司令「…いないよりはマシだな」

戦士「……あのな」

占い師「はいはい。手伝えばいいんでしょ」

東方司令「…副司令っ!参謀!準備は!?」

カラカラッ

東方副司令「魔道兵、全員配置につきました」

東方参謀「ワーカーも揃っておるぞ!」

スタスタスタ

学園長「…あら、貴方…また遅刻したの?」

賢者「……」

学園長「…全く。フラフラフラフラと」

東方参謀「聞けぃ、皆の者っ!これより月の宴を始める!!」

東方参謀の声が響き渡る中、城壁には大歓声が沸きあがる。
337 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:24:26.66 ID:Qk7Epu.o
ワアアァァッ!!

召喚士「あの…っ、それで俺達は何を…?」

東方司令「何もしなくていいよ。その辺に立ってれば勝手に吸い取られるから」

魔道士「えっ!?」

東方司令「簡単に言うとだな、城壁の前に更に魔法の壁を作り出すんだ」

東方副司令「はい。高魔力の持ち主がまずは基礎となる壁を作り…」

東方司令「それを他の者の魔力で強化してくのさ」

青年兵「…な、なるほど」

東方司令「あとはその壁で竜脈経由で侵入しようとする魔力を防ぐだけ」

戦士「こんな作業を各司令部でやってんのか?」

占い師「まさか。月の宴は東方司令部のみよ」

魔道士「そうなんですか!?」

東方副司令「簡単に言いますと、東方かが入り口となっているのですよ」

盗賊「……」

東方司令「…そういう事だ。東方から流れ込み、竜脈を流れる」
338 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:25:06.85 ID:Qk7Epu.o
召喚士「それって…行き着く先は…」

ヒュオッ…スタッ

東方参謀「魔王だ。全ては魔王へと通じておる」

東方副司令「参謀殿、始まりましたか…?」

東方参謀「うむ。あとは魔力を集めるだけよ」

城壁の中心では学園長や賢者を始め、高魔力を持つ術士が

東側の海上、つまりは東方側めがけて壁を作り始める。

魔道士「ぼんやりと…少し光ってますね…っ」

戦士「…なーんも見えねぇぞ?」

盗賊「…ああ」

魔道士「ほらっ、そこ…!」

東方参謀「…ほう、なかなかの魔力を持っているようだな!」

東方司令「…ふぅん」

青年兵「た、確かに…何か壁のようなものがうっすらと…」

召喚士「…本当だ。なんとなくだけど…分かるかも…」
339 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:26:05.32 ID:Qk7Epu.o
戦士「それで、入り込んだ魔力ってのはどうなるんだ?」

東方副司令「竜脈を流れ、各魔王…ひいては魔物らの元にと到達します」

東方司令「満月の夜は最もそれが溢れ出る時だからね」

落ち着いた声で語りながら、当方司令は暗い東の海を指差す。

東方司令「間もなく共鳴して見えてくるハズだよ」

召喚士「……?」

東方司令「作り上げた魔力の壁に押し出され、立ち上るそれ、がね…」

東方参謀「…いよぉし、一気に魔力を吸い取り、形を作るのだ!」

魔道兵「さぁて…行くぞっ!」

学園長「…もう一人くらい壁がいれば楽なんですけどねぇ…」

賢者「……ふぅ」

OB「おんめぇ…っ、サボってんじゃねーよ!」

東方司令「ほら、ハッキリ見えてきただろ?」

盗賊「……!?」

作り出された壁に共鳴するように、竜脈より溢れ出る魔力が浮かび上がった。
340 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 16:30:45.05 ID:Qk7Epu.o
召喚士「あ……あれは…っ」

東方司令「…ボクの言った事が分かったかい?」

盗賊「…な、何なのだ!あれはっ!!」

東方副司令「竜脈から魔力が流れ出しているのだ…っ」

魔道士「魔力が…!?」

戦士「その魔力ってのが流れ込むとどうなるんだ…?」

東方司令「…竜脈を伝わり、活性化させ…魔物の糧となる」

魔道士「っ!!」

召喚士「そ…それを防ぐ為に…っ」

東方司令「そう。そしてボクらはあれを食い止めるのに精一杯って事」

戦士「……あれを無くすには?」

東方副司令「元凶を絶つしか…ありませんな」

東方参謀「…そーいう事よ!分かったかぁ!?小僧共っ!!」

召喚士「元凶…というのは…?」

東方司令「核となるは……ヤマタノオロチ」
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 16:44:07.64 ID:hu/N1EAO
キタ─wwwwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwwwヘ√レvv〜─!!
342 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 17:46:22.16 ID:Qk7Epu.o
戦士「ヤマタノオロチ…?何だそりゃ?」

盗賊「…聞いた事がある…っ」

青年兵「…!?」

盗賊「…古より伝わる妖だ」

召喚士「その、ヤマタノオロチというのが元凶なのですか?」

東方司令「竜脈の根源となる場所に居座る魔物だ」

戦士「そいつを倒せば魔力ってのは流れ込まなくなるのか?」

東方副司令「そう言われています。おそらく完全に…ではありませんが」

召喚士「…なるほど」

魔道士「た、倒せないんですか…?」

東方参謀「馬鹿者。奴がどこにいると思うておる」

青年兵「東方…ですね」

東方司令「勝手に武力介入は出来ん」

魔道士「じゃ、じゃあ……」

東方司令「東方の連中に何とかして貰うしかない」
343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 17:47:17.87 ID:Qk7Epu.o
盗賊「……」

東方司令「別にこっちも傍観してるわけじゃないんだぞ?」

召喚士「…?」

東方副司令「何度も打診してはいるのですが…なにぶん鎖国的なもので…」

戦士「…つまり、東方側が受け入れてくれないって事か」

東方司令「ま、あっちも何か動きがあったみたいだし、今後は分からんがな」

魔道士「動き…?」

東方参謀「こちらの要望を撥ねていた宰相だかが失脚したみたいでな…」

東方副司令「今は王自ら国政を為しておられるとか…」

召喚士「それって……」

盗賊「……ああ」

占い師「…何?」

召喚士「あ、いえ…っ」

東方司令「…さて、戻るとするか。宴は終わりだ」

魔道士「もう終わりなんですか…?」
344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 17:48:36.59 ID:Qk7Epu.o
東方司令「あとは核の連中が踏ん張るだけ。ボクらは用無しさ」

青年兵「あまり魔力を座れた気がしませんが…」

東方副司令「こう人数も多ければ、各々は微々たるものですからね…」

東方司令「副司令、参謀、あとは任せた」

東方副司令「は、はいっ」

東方参謀「……」

スタスタスタスタ

青年兵「あっ、司令…お話をっ!」

東方司令「司令室で聞く。付いて来い」

青年兵「は、はいっ」

タッタッタッタッタ

占い師「私達も戻りましょうか」

魔道士「はいっ!」

召喚士「あ、あの…副司令さん」

東方副司令「ん?」
345 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 17:50:22.90 ID:Qk7Epu.o
召喚士「さっき聞きそびれてしまったんですけど…」

東方副司令「何でしょう?」

召喚士「あの…ベヒーモスというのは…」

東方副司令「ああ、さっき言いそびれていたね」

召喚士「はい…」

東方副司令「簡単に言えば、我ら一族のみの召喚獣…かな」

召喚士「一族…ですか?」

東方副司令「そう。私や白虎嬢…それに白虎長といった…」

召喚士「以外に使い手はいないと…?」

東方副司令「門外不出だからね。何と言っても白虎の最上級だし…」

召喚士「そうですか…」

東方副司令「何かあった?」

ザッザッザ

戦士「白いコートを着た召喚士だ。心当たりはないかい?」

東方副司令「コート…?」
346 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 17:51:58.12 ID:Qk7Epu.o
召喚士「はい。顔は分かりませんが…確かにベヒーモスを…」

東方副司令「その召喚士とはどこで…?」

戦士「最北の村だ。いや、北方の他の村でも目撃したな…」

召喚士「しかも…どうやら魔王軍に加担しているような、そんな素振りでした」

東方副司令「……」

戦士「ベヒーモスを使ってた。今の話を聞くところ一族のモンに間違いないだろ」

東方副司令「まさかとは思うが……」

召喚士「やはり心当たりが…?」

東方副司令「おそらくそれは…」

東方参謀「副司令っ、何をしておる!早くせんかっ!!」

東方副司令「あ、申し訳ない…!今行きますっ」

キィ

東方副司令「すまない。また後ほど話をしよう」

召喚士「……分かりました」

会釈する召喚士に微笑み、東方副司令は車椅子の車輪に手をかけ移動させた。
347 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/05(金) 17:52:47.25 ID:Qk7Epu.o
召喚士「……」

戦士「あのコート男、やっぱり何かありそうだな」

召喚士「…うん」

戦士「…門外不出か。ベヒーモスはゲット出来なさそうだわな」

召喚士「うん。あわよくばと思ったけど…」

戦士「…貪欲で何より」

召喚士「や、やめてよっ」

戦士「ははっ、冗談さ。さ…行こうぜ」

召喚士「…うん」

テクテクテクテク

占い師「司令と青年兵クンは話があるみたいだから、私達はこっちで待ちましょ」

魔道士「はいっ」

戦士「今日の寝泊りはここでさせて貰えんのか?」

占い師「うん。それも相談してみる。問題ないと思うわ」

魔道士「良かったぁ!ちゃんとお風呂入れますねっ!えへへ!」
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 17:53:29.32 ID:7tJ0IcMo
きっと召喚士、ヤマァタノオロゥティみたいな発音したんだろうな
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 18:08:17.49 ID:XSXQf2AO
ヤマタノオロチ、ゲットだぜ!
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 18:46:34.12 ID:S5nvbrc0
1乙
ヤマタノオロチは生娘しか食べないみたいじゃない…
魔道士ちゃんと盗賊ちゃんが危険になるから
召喚士と戦士は退治しにいく前に何をすべきかわかってるな?
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 18:53:08.69 ID:3uYkSmgo
そういえば最近召喚士あっちの世界行ってないね
満月だとイキやすいんだっけ?
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 19:43:00.40 ID:C5C3kIDO
そもそも最近戦士が主人公だから召喚獣が出てない
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 21:27:34.12 ID:hu/N1EAO
あ… 思い出しちまったぜ… 巫女ちゃん… だから狙われて…
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 22:25:40.97 ID:YeUD5sgo
巫女ちゃんのかわりに召喚子さんに期待しよう・・・
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 00:01:34.09 ID:nW3/WcSO
>>354

召喚子ちゃんを颯爽と救う青年兵ですね
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 00:33:32.98 ID:6wHjKAAO
ここからは濃厚なホモスレへ
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/06(土) 01:09:17.38 ID:ocuwMMwo
召喚子×青年兵…大いにありだ

>>356
男の娘とただの男を一緒にするのは止めようか
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 01:18:20.31 ID:ijvVt7k0
            _, -――- .._    _
          , '   . : : : : : : : : : : `<   \
     ,-、 ノヽ/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \__ ∧
     }/  ̄ ミ/ヽ: : : / : : : : : : : :ヽ: : : : : :.ヽ{  |
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   }      /ヽ : : /: :/: : :ハ:.:l: : : : :|:l\/: : :',/
   |l    /ヽノ.: .:i: : l\/  }: |: : : : :lノ‐-ヽ: : :| ̄ `ヽ
   廴 __,/´(:. : : .:l: : |: :.| -‐ヽl : : .: :|    l: : :iー<´
   /ノl⌒.: .:. .:.|: : ヽ/    _\{ヽノ,ィ示ヾ:.|.:|\, 〉
  く ./,イ |l : : : : : |l : : :|,ィf芹ミ、    ヒ::リi :リ.:|  )/
   )/ '/: : : : : :|: : : {{ ヒ:::リ      ""ムイ:.:|
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        Vi.:.:{   \: :\:. :.\::::/:::::',从}ル′
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           `ヽ          ',  } __つ
、          \        }_}_ノ

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359 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:08:33.35 ID:rTl3gXUo
〜司令室〜

東方司令「…それで、何?ボク忙しいんだけど」

青年兵「……これを」

カサッ

東方司令「何これ?」

青年兵から紙を受け取り、おもむろに広げる東方司令。

東方司令「……!!」

青年兵「殿下からの文です」

東方司令「で、殿下が…!?」

青年兵「単刀直入に申し上げます。右翼に力を貸して頂きたいのです」

東方司令「……」

青年兵「……今、我々は劣勢に立たされております」

東方司令「…劣勢?」

青年兵「詳細は書面にある通りです」

東方司令「……」
360 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:09:16.46 ID:rTl3gXUo
カサッ

青年兵「…?」

東方司令「…分かった」

青年兵「ではっ…」

東方司令「分かったが、同意するかは話が別だ」

青年兵「な…っ」

東方司令「お前も分かっているだろう?ココの異端さを」

青年兵「……」

東方司令「さっきも見たと思うが、8割が魔道兵…それは一個連隊に値する」

青年兵「…え、えぇ」

東方司令「魔道兵のほとんどが左大臣の息がかかった連中だ。当然、ここもな」

青年兵「……」

東方司令「あとは言わずとも分かるよな?」

青年兵「司令のお力だけでは…どうにもならないと…?」

東方司令「そう言う事だ…他を当たれ。ボクの力じゃどうにも出来ん」
361 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:09:44.84 ID:rTl3gXUo
青年兵「せめて…上層部だけでも…っ」

東方司令「下の連中ですらどうにもならんのに上層部が動かせると思うのか?」

青年兵「……っ」

東方司令「殿下の申す事もよく分かる。それに…わが師の意向だ…」

青年兵「…どうにも…なりませんか?」

東方司令「…ふっ、いっその事人事異動でもして一掃したらどうだ?」

青年兵「……」

東方司令「…まぁ、魔道士が消えればどうなっても知らんがな…」

スッ…カツカツカツ

青年兵「あ、あの…っ」

東方司令「話は終わりだ。ボクは忙しいと言ったろ?」

青年兵「司令…」

東方司令「…風呂だ。なんならお前も来るか?坊や…?」

青年兵「……いえ…っ」

東方司令「…ふふっ、お前も童貞臭いな。ダメ元で参謀にでも相談してみろ」
362 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:10:16.67 ID:rTl3gXUo


カポーン

魔道士「……はぁ〜」

盗賊「…また『はぁ〜』って言ってるぞ」

魔道士「あ……っ」

盗賊「…いや…別にいいけどさ」

ガチャッ

魔道士「!?」

東方司令「…ほぉー、ボクより先に一番風呂とは…いい度胸だな」

盗賊「…す、すみません」

東方司令「…まぁいい。客人だ、大目に見てやろう」

盗賊「…ありがとう…ございます」

魔道士「すみません…っ」

スタスタスタ

東方司令「…お前、なかなかいい身体をしているな」
363 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:11:31.16 ID:rTl3gXUo
グイッ

盗賊「!?」

東方司令「…ふむ。細身ではあるが、無駄のない筋肉だ」

魔道士「し、司令こそ…凄いですね…っ」

東方司令「日々の鍛錬の賜物だ。……それにしても」

ムニュッ

東方司令「…邪魔じゃないのか?」

盗賊「…邪魔だ」

東方司令「…だろうな。切ってしまえばいいのに」

魔道士「!?」

東方司令「冗談だよ。邪魔するぞ」

ザプンッ

東方司令「……はぁ〜」

魔道士「……」

東方司令「…ん、何だ?」
364 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:12:10.32 ID:rTl3gXUo
盗賊「…い、いえ」

東方司令「…お前ら歳は幾つだ?」

魔道士「今20です」

盗賊「…もうすぐ…22だ」

東方司令「…処女か?」

盗賊「!?」

魔道士「ななっ、何を言い出すんですか!?」

東方司令「…ふぅん、処女だな。その慌てよう…」

魔道士「何の関係があるんですかっ!」

東方司令「…いやな、気を付けろよ」

盗賊「…?」

東方司令「魔物の中には生娘の肉を好む奴もいる…」

盗賊「…なるほど」

東方司令「それにいつ死ぬか分からん。…済ませておいた方がいいんじゃないか?」

魔道士「よ、余計なお世話です…っ」
365 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:12:57.94 ID:rTl3gXUo
盗賊「…お前は…ち、違う…のか?」

東方司令「…ボクか!?」

盗賊「…ああ」

東方司令「……あ、当たり前だろ。幾つだと思っている…っ」

魔道士「……」

東方司令「…まぁ……100人は固いかな、うん」

盗賊「……」

東方司令「…何だよ、その目は…っ」

魔道士「い、いえ…っ」

盗賊「……本当に…」

東方司令「しつこいな!殺すぞっ!!

盗賊「…ご、ごめんなさい」

ユラァ〜ッ

占い師「へぇ〜。アンタ……まだ、なの」

東方司令「お、おまっ…いたのか!?」
366 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:13:30.39 ID:rTl3gXUo
占い師「あらぁ〜、さっきからずーっといますわよぉ〜?ねっ、うふふっ」

東方司令「……出るっ!」

ザバッ

占い師「あら、いじけちゃった…」

東方司令「――っ!あのな、いい加減にしろっ!」

占い師「あら、何よ…?」

東方司令「お前なんか予言がなけりゃ、ただのババアだ!」

占い師「はぁ!?自分の事を棚に上げて何言ってんのよ!このロリババア!!」

東方司令「ボクのどこがロリババアだ!!」

占い師「どこをどう見たってロリババアよっ!!」

東方司令「……ふんっ!」

ザバッ…スタスタスタ

占い師「あっ…逃げる気!?待ちなさいよっ!!

魔道士「…ちょっと…カワイイ人なのかもしれない…っ」

盗賊「……ああ」
367 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:14:00.38 ID:rTl3gXUo


カポーン

戦士「しっかしいいのかね?俺らが先に入っちまって…」

召喚士「司令部の人達はまだ任務中だし…遠慮するのも逆に失礼かなぁ」

戦士「…だな。お、ここか…」

ガラッ

戦士「……」

召喚士「……」

賢者「…………ふぅ」

召喚士「…何…してるんですか?」

賢者「…見ての通りさ。鏡に映る肉体美…美しいとは思わないかい?…ふぅ」

戦士「…そうっすか」

スタスタスタ…ヌギッ

戦士「…ああいうのは関わらん方が身のためだと思うぞ」

召喚士「……う、うん…っ」
368 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:14:37.08 ID:rTl3gXUo


召喚士「…はぁ〜。サッパリしたぁ!」

戦士「…風呂上がりは牛乳に限るな…はははっ!」

召喚士「…ん?あれ…青年兵くん?」

青年兵「……あ、召喚士さん…っ」

召喚士「こんな所でどうしたの!?」

青年兵「あ、いや…っ」

戦士「何かワケありだな…。牛乳飲むか?」

青年兵「い、いえ…大丈夫です」

召喚士「良かったら…聞かせてくれないかな?」

青年兵「……」

召喚士「無理にとは…言わないけど……」

青年兵「…ありがとうございます」

戦士「また殿下絡みの話か?」

青年兵「実は…ですね……」
369 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:15:19.16 ID:rTl3gXUo


戦士「……なるほどなぁ」

召喚士「そっか…。議会で過半数を取らないと…」

青年兵「ええ…。せっかく屯田制もうまく回り始めたというのに…」

召喚士「…でも…それは困ったね」

青年兵「ええ。まずは話だけで良いと言伝でしたが…これでは…」

戦士「…でもよ、そんなに深刻なのか?」

青年兵「…?」

戦士「だってよ、その屯田…ってのは普通の連中が主体なんだよな?」

青年兵「まぁ…そうですね」

戦士「だったら自分らで自炊したり村を作ったりしてるんだろ?」

召喚士「そうか…。それならお金を稼ぐのだって…」

戦士「そうそう。作物売ったり鉱物掘ったり出来るんじゃねぇの?」

青年兵「……」

召喚士「確か北方は鉱石の産地でもあるんだよね?」
370 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/06(土) 02:15:48.88 ID:rTl3gXUo
青年兵「た、確かに……」

召喚士「まぁ…微々たるものかもしれないけどね」

戦士「ないよりましだろ。北の生活なんて質素なもんさ」

青年兵「…すっかり予算の事ばかりに目がいってましたね…っ」

召喚士「一度、大軍師さんと相談してみたら?」

青年兵「…いや、ありがとうございます。目から鱗ですよ…!」

戦士「俺らは北の出身だからな。こんぐらいはな…」

召喚士「うん。北の事なら色々とアドバイス出来ると思うよ」

青年兵「…なんだか胸の痞えが取れました!」

戦士「あんま深刻になってもしゃーない。前向きにいこうぜ!」

召喚士「そうそう!」

青年兵「…そう…ですよね。あははっ」

戦士「そーそー。ポジティブシンキングってやつだ!ははっ!」

召喚士「戦士…難しい事知ってるね!」

戦士「バカにしてんのかお前はっ!!」
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 09:36:17.03 ID:.b2gvkDO
東方司令はどこまで俺を魅了すれば気が済むんだ……
可愛すぎる……
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 19:34:40.40 ID:ojjpB4.o
貧しい村の開拓ならぷにぷにの魔おゲフンゲフン、学士様に尋ねると良いべ
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 19:48:34.61 ID:/aCnnUDO
>>372懐かしいな
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 21:33:30.01 ID:KSiJydMo
まおゆうかww
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/06(土) 21:41:21.63 ID:ocuwMMwo
召喚士は笑顔でヒデェこと言うな…だがそこがいい
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/06(土) 21:42:26.62 ID:ocuwMMwo
おっと笑顔とは表記されてないな
笑顔で言ってるように再生されてたから、つい間違えちまったぜ
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 23:16:31.33 ID:TtnsrYDO
賢者が下キャラだったがこれは仲間フラグか!?


…ふぅ



ちゃんと考えたらそんなわけなかった

白虎嬢は大きくなるのかなあ…ふぅ
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 01:45:14.62 ID:8EnyAoSO
ダメだ、東方司令がどうしても釘宮で脳内再生される
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/07(日) 01:48:50.68 ID:RfL8x3Eo
俺は田村ゆかりかな
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/07(日) 08:04:35.88 ID:0HSThYAO
>>378
俺もwwww神楽の声wwww
381 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:27:31.39 ID:0P3Ra76o


魔道士「それじゃおやすみなさいですー!」

占い師「はいはい。おやすみ〜」

盗賊「……おやすみ」

テクテクテク…パタン

占い師「……ふーっ」

〜司令室〜

占い師「…それで、青年兵クンは何だって?」

東方司令「大体の見当はついているんだろ?」

ピラッ

占い師「…ふぅん、殿下からねぇ」

カサッ…

占い師「…んで、断ったわけ?」

東方司令「…ああ」

占い師「……全く、あんた司令でしょ?何とかなさいよ」
382 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:28:04.41 ID:0P3Ra76o
東方司令「出来ればとっくにしている」

占い師「……」

東方司令「ただでさえ、先日の人事異動で左翼色が強くなったのだ」

占い師「…参謀?」

東方司令「今は左翼の軍事介入を食い止める事で精一杯だ」

占い師「……」

東方司令「更に議決権なんて…。これ以上はボクの首がヤバイ」

占い師「…そっかぁ」

東方司令「ボクだって我が師の為に動きたいさ。でもこれが精一杯だ」

占い師「…分かったわよ。まぁ無理はしないで頂戴」

東方司令「……」

占い師「…さぁて、お酒ある?飲みましょっ」

東方司令「……そこ」

占い師「あ、でもアンタは少しだけね」

東方司令「…少しで…いい」
383 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:28:39.21 ID:0P3Ra76o


東方参謀「…あー、やっと終わったわい」

カツカツカツ…ザッ

東方参謀「…むっ?」

青年兵「東方参謀様」

東方参謀「お主…青龍の。それに朱雀先生も一緒とは何用か?」

召喚士「……」

青年兵「はい。少しお時間宜しいでしょうか…?」

東方参謀「…ふむ。構わん…付いて来い」

青年兵「…はい」

カラカラッ

東方副司令「…参謀、魔道兵の…おや?」

戦士「…どーも」

東方参謀「丁度いい。お主も付いて来い」

東方副司令「…はっ?」
384 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:29:05.30 ID:0P3Ra76o
〜参謀室〜

東方参謀「…して、何の用かな?」

青年兵は、先程交わした東方司令との会話の件を東方参謀へ伝えた。

東方参謀「…ほぅ。殿下がか」

青年兵「はい。それで東方参謀様にもと……」

東方参謀「…ワシは同意出来んな」

青年兵「……」

東方参謀「まず勘違いするでないぞ?ワシは派閥などというものが大嫌いだ」

召喚士「……」

東方参謀「だがな、左大臣様の国政については…指示しておる」

東方副司令「…私もです」

青年兵「何故……」

東方参謀「あの方は多少、強引なところはあるが…何より国を思うておられる」

戦士「……」

東方参謀「民の安全を一番に考えた国政、それこそがあの方の掲げるものだ」
385 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:29:42.62 ID:0P3Ra76o
召喚士「民を…第一に…」

東方参謀「左様。殿下や本国の申す五ヶ年計画とやら、あれは危うすぎる」

戦士「危うい…?」

東方参謀「そうであろう?予言なんぞに頼った…根拠も何もない愚策」

青年兵「しかし…っ、今日まで作戦の遂行は全て順調で…」

東方参謀「しかしだ、その為にどれ程の命が犠牲になっておる」

召喚士「でも…今のままでも民に平和とは…」

東方参謀「古来何百年と今のままでやってきておるのだ。何を今更変える必要がある」

東方副司令「その通りです。古よりの確立された国政で問題はない…」

青年兵「現状のままでは未来に何ものこりませぬ!新しい試みを…一歩を踏まねば…」

東方参謀「それでもし誤ったら、取り返しはつくのか?」

青年兵「……」

東方副司令「失敗した時の損害は計り知れません」

東方参謀「東が力を抑え、他が魔物を抑える。これで平和が維持出来ておるのだ」

青年兵「…一概に平和と申しましても、本当の平和ではございません」
386 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:30:21.97 ID:0P3Ra76o
東方参謀「いいか青二才、口で言うのは簡単だが…実際に行うのは困難なのだぞ?」

青年兵「……心得ております」

戦士「…まぁ本国の連中はそれで安泰かもしれんな」

東方副司令「……?」

戦士「北に住む奴らは…そりゃもう毎日、魔物を警戒しながらの生活だよ」

東方参謀「…お主は北の生まれか?」

戦士「ああ。生まれも育ちも北の村よ」

召喚士「確かに…ここ数年で魔物の数は減ってきましたね」

東方参謀「……」

青年兵「それも殿下や本国の努力による賜物とは思いませぬか?」

東方副司令「…確かに…魔物の数はだいぶ減りはしましたね」

戦士「お陰でワーカーにとっちゃ仕事が減る一方だけどな」

青年兵「北だけではありません。南に西に…ここ、東。それから…」

東方参謀「…東方や西方も、とでも言うのか?」

青年兵「はい。他国も含めた世界中の平和の為に…です」
387 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:31:17.03 ID:0P3Ra76o
東方参謀「そう言えば先日、西方と手を結んだと聞いた」

青年兵「西方だけではありません。今後は東方や南東国とも…」

東方参謀「…いつの話だ?」

青年兵「近いうちには必ず…。東方とは特にです」

東方参謀「バカバカしい。何年も動かぬ東方が動くとでも?」

青年兵「…我らが成し遂げます!」

東方参謀「……」

青年兵「……」

東方参謀「…お前は何を目指しておる?」

青年兵「……?」

東方参謀「お前自身は何を目指しておる、と聞いているのだ」

青年兵「それは…人々から魔物の恐怖を取り除き、世界を…」

東方参謀「そうではない。お主自身の身の在り方だ」

青年兵「……大元帥になります」

東方参謀「大元帥…!?」
388 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:31:44.63 ID:0P3Ra76o
青年兵「はい」

東方参謀「……うわはははっ!ハッタリがデカすぎるぞ!小僧っ!」

青年兵「…本気です」

東方参謀「……」

青年兵「……」

東方参謀「小僧、お主がもし…大元帥になった暁には…」

青年兵「…はい」

東方参謀「我が主と経緯を表し、この命預けてやるわっ!」

青年兵「…ありがとうございます。参謀として迎えさせて頂きます」

東方参謀「…良いよるわ!精々頑張るがいいわ!うわっははは!」

東方副司令「…参謀殿、お時間が。明朝にまた…」

東方参謀「うむ。すまんな副司令」

青年兵「…今日はありがとうございました。では…」

召喚士「で、では失礼しますっ」

青年兵の後に続き、召喚士と戦士も参謀室を慌てて離れた。
389 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:32:15.19 ID:0P3Ra76o
テクテクテク…パタン

東方参謀「……」

東方副司令「…若いですなぁ」

東方参謀「…ああ。考えも態度も若い」

東方副司令「…これでは右翼も先が思いやられますな…」

東方参謀「…だが、いい目をしていたな」

東方副司令「…目、ですか?」

東方参謀「時代が変わりつつあるのかもしれんな…」

東方副司令「参謀殿…?」

東方参謀「だが、この東方司令部…そう易々と変えられんぞ?」

東方副司令「…で、ですね」

東方参謀「さぁて、宴の報告書をまとめなくてはな」

東方副司令「え、ええ…っ。まずはこの資料と…これを…

東方参謀「…うむ」

東方副司令「……」
390 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:32:47.31 ID:0P3Ra76o


テクテクテク

戦士「…ったく、青二才だの小僧だの…腹が立つヤローだな」

青年兵「まぁ参謀様の言う事もごもっともですよ」

戦士「悔しくねーのか?」

青年兵「そりゃ悔しいです。でも…今、急には変えられませんから」

召喚士「青年兵くん…」

青年兵「宗教と同じです。人間の考えを変える事は難しい事ですよね」

戦士「……まぁなー」

召喚士「…そうだね」

青年兵「…とにかく、時間はありませんがゆっくりと頑張りますよ!」

召喚士「…うんっ」

青年兵「それでは、おやすみなさい。ありがとうございました!」

召喚士「こっちこそ!おやすみ…!」

戦士「また明日な!!」
391 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:33:16.20 ID:0P3Ra76o
テクテクテクテク

戦士「…シツも強くなったなぁ」

召喚士「…うん。俺らも負けてられないね」

戦士「…だな!」

召喚士「さて、寝よっか」

戦士「だな。部屋は…あっちだっけか?」

召喚士「うん」

テクテクテクテク

召喚士「……あっ」

賢者「……ふぅ」

召喚士「賢者さん…まだ寝ないんですか?」

賢者「…魔力を使った後は…気持ちが昂ぶってね……ふぅ」

戦士「だからって…バスローブにグラス片手で廊下うろつくなよ…」」

賢者「これは僕の寝巻さ。問題あるかい?ないだろう?……ふぅ」

召喚士「……お、おやすみなさい…っ」
392 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:33:48.01 ID:0P3Ra76o
〜寝室〜

魔道士「……んっ」

モゾモゾッ

魔道士「……あれ、盗賊さん?」

モソッ…テクテクテク…

魔道士「…どうしたんです?窓縁に座ったりしてると…風邪引きますよ?」

盗賊「…魔道士」

魔道士「いないから、ちょっと心配しちゃった…へへっ」

盗賊「…すまんな。……寝付けなくて」

魔道士「星を見てたんですか?」

盗賊「…ああ、見えるか?」

魔道士「…あ、東の空」に見える双子星ですねっ」

盗賊「…ああ。東方では…二つ星と呼んでいた。…冬の風物詩だな」

魔道士「ええ。あの星が出ると、冬なんだなって…感じますね」

盗賊「……さて、寝るとするか。布団へ戻ろう」
393 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:35:03.69 ID:0P3Ra76o
〜司令室〜

占い師「……」

東方司令「……にゃによぉその目は〜。にゃんか文句あるわけぇ〜?」

占い師「…だから少しって言ったのに」

東方司令「ボクお酒だぞぉ〜?にゃんで門k言われにゃいといかんだぁーっ!」

占い師「昔っからアンタら二人の解放させられる私の身になってよね…っ」

東方司令「にゃんだよぉ〜お世話ににゃってますよぉ〜」

占い師「…ほーんと、国軍でも酒癖の悪さ1、2を争う二人が身近なんて…災難だわ」

東方司令「おーうっ!ボクがイチバンだぁ〜」

ガシッ…グイッ

占い師「ちょっと、それ私の……」

東方司令「白虎長には負けないにゃあ〜!!」

占い師「あーもうヤダヤダ。アンタが一番…あ、いや…一番って言えばあの人がいたわね」

東方司令「にゃに〜ぃ?じゃあ国軍一は誰だにゃ〜!」

占い師「えーほら、いるじゃない。年中いつでもどこでも酒飲んでる……」
394 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:48:45.67 ID:0P3Ra76o
〜船上〜

西方参謀「……ぶぇーっくしょい!!うー誰だ噂話してる奴はぁ」

ザッザッザッザ

隊長「真夜中に甲板で酒煽ってりゃ、風邪も引くだろうに……」

西方参謀「なんだぁ〜?お前も飲むか?……ヒック」

隊長「バッカヤロウ!いい加減控えねぇか!」

西方参謀「うるせぇな〜。俺は酒が入らないと力が出ねぇんだよ」

隊長「……ったく」

西方参謀「それは馴染みのお前がよーっく知ってんだろ」

隊長「分かったよ。酒は良いが仕事ハキチンとこなしてくれよ?」

西方参謀「んな事ぁ分かってるっての。だからこうしてわざわざ東方くんだりまで来てんだろ」

隊長「……なら、いいけどよ」

西方参謀「んで、俺を引っ張ってきたって事ぁ、大物か?」

隊長「大物だ。とびっきりのな」

西方参謀「……東方の王か?ヒック」
395 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:49:41.75 ID:0P3Ra76o
隊長「……そういう事だ」

西方参謀「かぁー、やだやだ。俺の一番嫌いな仕事だよ……」

隊長「まぁそう言うな。お前しか頼れるヤツはいないんだよ」

西方参謀「左翼にでも頭下げりゃいいだろうが。外交官なんぞ腐るほどいる」

隊長「出来ればしている」

西方参謀「なんだ?左右のケンカに首つっこんでんのか?ロクな事ねぇぞ?」

隊長「突っ込みたくて突っ込んだわけじゃねぇ!」

西方参謀「そらお前の性格からは考えられんもんなぁ……」

隊長「とにかくだ。それとこれとは別件。頼むぞ!」

西方参謀「頼まれても確約は出来んよ。やるだけはやってみっけどな」

隊長「お前なら問題ないだろ」

西方参謀「……へっ。んで、今回の資料は?よこしな…着く前に目を通しておく」

隊長「……ん?そんなモンねぇぞ?」

西方参謀「…………はっ?」

隊長「……だから、ねぇって。行き当たりばったりだ」
396 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:50:21.95 ID:0P3Ra76o
〜次の日〜

魔道士「おっはよーございます!」

戦士「…おう、今日も元気だな」

魔道士「はい!えへへっ!!」

召喚士「あっ、副司令さん…おはようございます」

東方副司令「これはこれは、お早うございます」

盗賊「……おはようございます」

東方副司令「食堂で朝食をご用意しております。宜しければ皆様も…」

戦士「いいんすか!?」

東方副司令「勿論。質素なものだが宜しければ是非……」

盗賊「……いただきます」

東方副司令「それならば、食堂はこちらだ。付いておいで」

魔道士「は〜い!良かったですねぇ!」

召喚士「ええっ!」

魔道士は東方副司令の車椅子を押し始め、一同はそれに付き従い食堂を目指す。
397 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:51:18.24 ID:0P3Ra76o
〜食堂〜

ザワザワザワッ…ワイワイ

戦士「……おぉー」

盗賊「…食べ放題…?」

東方副司令「朝食はビュッフェ形式です。自由に食して構わないからね」

魔道士「おぉ〜美味しそうです〜!」

テクテクテク…

占い師「おはよ〜」

魔道士「おはようございますっ」

東方司令「……うぅ〜頭痛い」

戦士「そんじゃ取りにいくか」

盗賊「……うん」

魔道士「私達も行きましょ、召喚士さんっ」

召喚士「そうですね……あれ、青年兵くん?」

長テーブルの間を縫うように進み、座する人々に声をかける青年兵。
398 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 20:52:07.40 ID:0P3Ra76o
青年兵「あの……」

魔道兵「いや、いきなりそう言われてもなぁ…」

青年兵「……とにかく、この資料だけでも受け取って下さい。すみません」

テクテクテク

青年兵「あの……」

東方兵「……はぁ。まぁ後で見てみるわ」

青年兵「ありがとうございます」

召喚士「何…してるんだろう?」

ザッザッザッザッザ

東方参謀「……一人一人、直接声をかけておるようだのう」

戦士「直接って……まさか、昨日のあの話をか!?」

東方参謀「議決権のある者だけでなく、一兵卒にまで話をしているようだな……」

東方副司令「いやはや、気の遠くなる話だなぁ」

召喚士「青年兵くん……」

必死に声を懸け続ける青年兵。召喚士はそれを見て下唇をぐっと噛み締めた。
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 21:55:33.03 ID:jiVcDfo0
1乙!
いつも楽しく読ませてもらっています。
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 22:12:21.09 ID:E63y1HUo
占い師「昔っからアンタら二人の解放させられる私の身になってよね…っ」

占い師ちゃんにはいったいどんな隠された能力がwwwwww
401 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 23:03:56.20 ID:0P3Ra76o
青年兵「……はぁ」

コトッ

溜息に似た息を一つ吐きながら、青年兵が席に座ると、一人の男が近くに歩み寄る。

東方伍長「やっぱりお前か、青年兵っ!」

青年兵「……!?先輩っ!!」

東方伍長「久し振りだなぁ!」

青年兵「いつ以来ですかね!?」

東方伍長「んで、何やってんのお前?」

青年兵「あ…っ、先輩も良かったらこれ……」

東方伍長「……?」

カサッ

東方伍長「お前……これ…っ」

青年兵「先輩もお力を貸しては頂けませんか……?」

東方伍長「……あっははははっ!!」

青年兵「!?」
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 23:11:01.28 ID:lUYqodA0
1乙ー!
理性を開放させてんじゃね
403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 23:20:42.53 ID:lLURgmso
青年兵までしっかりしてきて・・・それに比べて主人公は・・・
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 23:34:44.81 ID:0P3Ra76o
東方伍長「協力ってお前なぁ……殿下っつったら右翼だぞ?」

青年兵「……ええ」

東方伍長「それに、そんな話は俺らみてーな下っ端にゃ関係ねぇだろ」

青年兵「……」

東方伍長「お前が右翼に擦り寄ってんのかは知らねーが、ここじゃ控えとけって」

青年兵「……し、しかし」

東方伍長「あんまり暴れてっとそれこそ……」

魔道兵「あ、いたいた!アイツですアイツ!」

東方伍長「……ほら見ろっ、お…俺は知らねぇぞっ!!」

ザッザッザ

東方魔道長「……貴様か、食堂内で戯言を申しているとか言う輩は」

青年兵「……」

東洋魔道長「聞けば左大臣様を侮辱し、殿下推進派への移り変わりを強要しているとか……」

青年兵「強要んくぁどしておりません!それに…侮辱も誤りです」

東方魔道長「……ここ東方司令部で左大臣様を否定する事が既に侮辱なのだよ」
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 23:35:45.57 ID:bkKQ202o
青年兵落ち着けwwwwwwww
406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/07(日) 23:36:42.10 ID:X8b3BF6o
青年兵おちつけww
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 23:40:13.32 ID:0P3Ra76o
青年兵「……」

東方魔道長「部外者が好き勝手するのを見逃してはおけんのでな。やめて貰おうか」

青年兵「……出過ぎた真似を致しました」

東方魔道長「ふん、分かれば宜しい」

青年兵「しかし……お言葉ですが、本国の頂点は左大臣様ではございません」

東方魔道長「……あ?」

青年兵「陛下を差し置いて、左大臣様を優先するのが東方司令部なのですか?」

東方魔道長「貴様……言わせておけば……」

カラカラカラッ

東方副司令「まぁまぁ、朝から何を揉めておるかね?」

東方魔道長「副司令様……」

東方参謀「ここは双方、身を引くという事で鞘を納めようではないか」

青年兵「……ご迷惑をお掛け致しました」

東方魔道長「むむむ……」

口惜しそうな表情で、東方魔道長は食堂を後にする。
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/07(日) 23:42:38.14 ID:0P3Ra76o
>>393
×占い師「昔っからアンタら二人の解放させられる私の身になってよね…っ」
○占い師「昔っからアンタら二人の介抱させられる私の身になってよね…っ」


>>404
×青年兵「強要んくぁどしておりません!それに…侮辱も誤りです」
○青年兵「強要などしておりません!それに…侮辱も誤りです」

自分でワロタww
どういう打ち間違いしてんだ……はぁ…すみませぬ…
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 23:45:07.72 ID:oWpNiV2o
テンションが低いな、ちゃんと休んでくれよ
410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 23:47:15.50 ID:0P3Ra76o
戦士「なーにがむむむ…だ。ムカつくヤローだな」

召喚士「…戦士、それは言い過ぎだって」

青年兵「……」

東方参謀「……身を以って分かったであろう?ここは異質なのだ」

青年兵「……」

東方参謀「そもそもが、月の宴含め左大臣様の提言された国政に基づいて動いておる」

東方副司令「東方司令部とは、左大臣様ありきの場所なのですよ」

ザッザッザッザ

東方司令「……朝から何を騒いでいる。頭に響くからやめろ」

東方副司令「これは司令、失礼致しました」

占い師「いいのよ。自業自得の二日酔いなんだから」

東方司令「……五月蠅い」

召喚士「青年兵くん、食事は?」

青年兵「……いえ、まだです」

召喚士「そっか。なら良かったらさ、一緒に食べようよ!」
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/07(日) 23:52:12.13 ID:0P3Ra76o
カチャッ

魔道士「……何の騒ぎだったんですか?」

召喚士「え、ああ…いやっ……その……」

青年兵「……」

戦士「…まぁいいからよ、食べようぜ」

盗賊「……モグモグ」

召喚士「なかなか…難しいもんだね」

青年兵「ええ……」

戦士「昨日も話した通りよ、焦ってもロクな事はない。焦らずいこうぜ!」

青年兵「そうなんですけど…ついつい我を忘れて走ってしまうんですよね…」

召喚士「良い事だと思うよ。でも…行き過ぎる前に一度立ち止まって考えてみるのも必要かもね」

青年兵「…そうですよね、ありがとうございます」

召喚士「うん…っ!」

魔道士「…よく分かりませんが…良かったですね!」

盗賊「……モグモグ」
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/08(月) 00:03:41.86 ID:4kJWJAo0
1乙
召喚士って、すぐ秘密にしたがるよね
そんなに仲間が信頼出来ないのか……
だから戦士に主人公を奪われたんだな
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 00:10:20.84 ID:gnItLwQ0
>>1乙!
バラムガーデン思い出した
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/08(月) 02:19:47.08 ID:Apobf0Qo
召喚士≠主人公
召喚士=ヒロイン
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 03:22:34.32 ID:xJkcgREo
召喚士「そっか。なら良かったらさ、一緒に食べようよ!」

召喚士マジヒロイン
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 07:43:26.20 ID:.RK/5uQo
>>412同意
確かに召喚士PTでしか知らないこと多いよな、ちょっと魔道士盗賊戦士かわいそす
あ、いちおつおつ
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 11:06:01.03 ID:OTQDHEwo
>>393
        冒
        | |
        ハ    。
       /  ヽ 。∵ 。
      / (#゚Д゚)    <ボクお酒だぞぉ〜?にゃんで門k言われにゃいといかんだぁーっ!
      |∪ 本 |つ []
      |   醸 |
      |   造 |
      ヽ.___ノ
        U U
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 13:17:05.63 ID:3.lRZgAO
今回の誤字っぷりにはワロタwwwwww
これからも無理せず誤字ってくらはい。
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 13:27:00.44 ID:R6eWcIAO
>>413
お前はマスター派か?学園長派か?
420 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:09:48.16 ID:i2dp6ego


盗賊「……なるほどな」

魔道士「じゃあ、ここの方々を説得しないと、過半数に満たない……」

青年兵「そうなのです……」

戦士「まぁ、いきなり言われてもなかなか難しいわな」

召喚士「そうだね。もっと決定打があればいいんだけど……」

魔道士「殿下直々、演説とかしてはどうでしょうかね?」

戦士「演説…?あーそれはいいかもなぁ」

召喚士「確かに…。インパクトもあるし、何より直に声が聞けるっていうのは」

盗賊「……大きいな」

戦士「でもよ、ここでいきなりってのは難しいだろうな…」

青年兵「ええ。左翼も良い顔はしないでしょうし……」

魔道士「そっかぁ…残念…」

青年兵「でも、後々は試みたいですね。ありがとうございます」

魔道士「良かったです。えへへっ!」
421 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:10:26.46 ID:i2dp6ego
テクテクテク

占い師「しっかり食べてる?ビュッフェなんだから楽しまないと」

魔道士「はいっ!でもぉ、朝なんであんまり食べられません…」

盗賊「……モグモグ」

占い師「朝から頑張ってるみたいじゃない」

青年兵「…お恥ずかしい」

占い師「よいっしょ」

スゥッ…コトッ

占い師「…ごめんなさいね。私のせいで」

青年兵「え…?」

占い師「私の予言さえ戻れば……」

青年兵「い、いや…っ!占い師さんのせいでは…」

戦士「んな事行ったら左大臣との亀裂が深まったのは俺のせいだ」

召喚士「戦士は悪くないよ、あれは結果論であって…俺だって…」

東方司令「……なんだこの辛気臭い奴らは?」
422 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:11:00.19 ID:i2dp6ego
スタスタスタ…コトッ

魔道士「少食ですねぇ…」

東方司令「二日酔いで食えんだけだ」

盗賊「……モグモグ」

東方司令「…お前はよく食うな。だから発達するのか」

盗賊「…か、関係ないだろ!」

魔道士「そうですっ!関係ありません…っ!」

戦士「なに膨れてんだお前?」

東方司令「…それで、参謀には話したのか?」

青年兵「ええ。しかし手ごたえはありませんでした」

東方司令「…そうか、じゃあ無理だな」

青年兵「…はい。今日のところは一先ず引き下がると致します」

東方司令「賢明だ」

占い師「もう戻るの?」

東方司令「もう食べ終わった。それに…お前らと違ってボクは忙しいのだ」
423 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:12:59.61 ID:i2dp6ego
カチャカチャカチャッ…スタスタスタ

占い師「全く…可愛げのない奴ね」

召喚士「そう言えば、お二人は知り合いなんですか?」

占い師「ん〜まぁね。腐れ縁って奴?」

青年兵「それでは、僕も失礼致します」

戦士「俺らも行くとすっか」

占い師「そうね。なら…魔道学校に寄って学園長に挨拶してから行きましょう」

魔道士「はいっ!」

戦士「そんで……また本国かぁ」

召喚士「も、もう大丈夫だって…」

戦士「なんかトラウマだよ…ははっ」

占い師「それじゃここは昼過ぎに出るとしましょ」

戦士「まだちょい時間あるな」

魔道士「ウロウロしてるとなんだか悪いですから部屋にいましょうか」

盗賊「……だな」
424 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:13:46.65 ID:i2dp6ego
〜海上〜

隊長「……」

西方参謀「……」

海兵「あの…隊長……」

隊長「ああん」

海兵「進路をターミナルで宜しいですね…?」

隊長「あー」

西方参謀「…ったく。だから行き当たりばったりはイヤなんだよ」

隊長「あぁ!?てめぇが酔っ払ってフラフラしてっからだろうが!」

西方参謀「何ぃ!?外交なんだから書面の一つや二つ持ってこいや!」

隊長「それが出来ねぇからテメーに頼んだんだろうがっ!けっ!!」

西方参謀「けっ!!……ヒック」

隊長「しっかし…まさか、突っぱねられるとは思わなかったわ…」

西方参謀「だからよぉ、東方は特殊なんだって。言ったろ?」

二人は甲板の上に仰向けで寝そべり、青空を見上げ放心する。
425 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:15:10.14 ID:i2dp6ego
〜数時間前〜

タッタッタッタッタ

足軽頭「何!?間違いなく本国の軍船なのだな!?」

関所番「へ、へい!間違いなく……!」

ザザッ

足軽頭「こ、これはまた巨大な軍船が来たものだな…っ」

関所番「ほれっ、どけどけ!そこを通さぬか!!」

ザッザッザ

足軽頭「本国の方だなーっ!このような早朝に何用かぁ!!」

ザッザッザッザッザ

隊長「…えぇと、お初におめにかかりまする」

足軽頭「…このような軍船にて、何用か?」

隊長「これは失礼。勘違いなさらないで頂きたい」

関所番「そそ、それで…っ、何の用かね!?」

隊長「東方の国王に面会したく……」
426 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:15:52.11 ID:i2dp6ego
足軽頭「国王…?上様にか!?」

隊長「此度はご挨拶に参った次第です」

足軽頭「挨拶とな…?」

隊長「はい。そして…いずれは我が国との同盟を…と」

関所番「……!?」

足軽頭「……関所番、代官様を呼んで参れ」

関所番「へ、へいっ!」

タッタッタッタッタ…

足軽頭「お手数ですが、しばしお待ちを…」

隊長「痛み入ります」

テクテクテク

西方参謀「うぉーい、終わったかぁ?」

隊長「…見て分かるだろ、これからだよ」

西方参謀「東方の酒…楽しみだなぁ〜ヒック」

隊長「お前な、ちょっとは空気読めよ!」
427 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:16:24.46 ID:i2dp6ego
タッタッタッタッタ…

関所番「代官様っ、こちらです」

隊長「……」

テクテクテク

代官「本国の…軍の方ですかな?」

隊長「はい。国軍特殊遊撃隊の隊長、と申します」

西方参謀「西方司令部参謀、西方参謀と申しますわ」

代官「…どうも。私はこの本島港の関を管理する代官と申します」

隊長「事情はお話した通りです。何卒、国王に面会を」

代官「結論から申し上げますと、難しいですな」

隊長「……」

代官「観光や小規模ならいざ知らず…このような軍船でお越しになられては…」

足軽頭「何かあるのでは、と勘繰ってしまいますよ」

隊長「確かに無礼でしたな。我が軍で動ける船がこれしかなかったもので」

代官「ましてや、南の島を通さず、直接本島へお越しになられては…」
428 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:17:06.65 ID:i2dp6ego
西方参謀「本国もバタついておりましてな。書面がないんですわ…」

代官「やはり書面か相応のご身分を持たれた方でないと…」

隊長「……うぅむ、困った」

西方参謀「どうしても…無理ですかい?」

代官「…貴殿、酔っておられるのか…?」

西方参謀「酒は入ってますが素面ですよ」

足軽頭「……」

代官「申し訳ござらんが、此度は一度、お引取りを」

西方参謀「……」

代官「どうかお引取りを」

隊長「……分かりました。また、改めましょう」

代官「相応の訪問であれば、我らは歓迎致しますよ。では…」

ザッザッザッザッザ

西方参謀「あーあ、こりゃいかんわな…」

隊長「……一度、出直すぞ。くそ…っ」
429 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:17:32.41 ID:i2dp6ego
〜海上〜

西方参謀「……んで、どーすんだよ」

隊長「……」

西方参謀「船の燃料も酒も切れかけ。全く…イヤになるぜ」

隊長「…書面か相応の身分、か」

西方参謀「殿下に一筆貰えねぇんか?……ヒック」

隊長「出来りゃやってるよ。てか、司令が済ませてんだろ」

西方参謀「左翼に睨まれてるってか」

隊長「事を急ぎすぎたかな」

西方参謀「司令からの期限は?」

隊長「近いうち、としか言われてねぇ」

西方参謀「本部がそんなんでどーすんだよ…。さから各司令部が苦労するんだ」

隊長「……うるせぇな。悪かったよ!」

西方参謀「相応の身分てのはどれぐらいが相応なんだろうなぁ」

隊長「そりゃお偉いさんって事だろ。そうでないなら……」
430 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:18:12.20 ID:i2dp6ego
〜東方司令部〜

召喚士「……」

戦士「…どした?考え事か?」

ベッドに転がる戦士は、室内をうろうろする召喚士を見て問い尋ねる。

召喚士「…昨日の話、やっぱり聞いて来ようかなと思って」

戦士「昨日の話?」

召喚士「副司令の白虎の話」

戦士「あぁ、でもよ…一族限定じゃお前に伝授は無理だろ」

召喚士「そうなんだけど、それより……」

戦士「…?」

召喚士「あの、コート男の事」

戦士「…あんまり首突っ込まない方がいいんじゃねぇか?」

召喚士「まぁ…そうなんだけど、気になってさ」

戦士「……ふぅん」

召喚士「ちょっと行ってくるよ!」
431 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:19:37.39 ID:i2dp6ego


召喚士「えぇと……」

テクテクテク

召喚士「ここか」

コンコン

東方副司令「はい、どうぞ」

召喚士「失礼します」

東方副司令「朱雀先生か…!どうした?」

召喚士「すみません、昨日のお話が途中だったもので…」

東方副司令「…ああ、ベヒーモスの件かな?」

召喚士「はい…」

東方副司令「……コートの男、だね」

召喚士「…何者なんです?」

東方副司令「…彼は、私の兄だよ」

召喚士「兄…!?」
432 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:20:15.47 ID:i2dp6ego
東方副司令「そう。つまりは白虎長の父親さ」

召喚士「――っ!!」

東方副司令「私は三兄弟の末っ子でね。彼が長男さ」

召喚士「…と、いう事はもう一人…?」

東方副司令「ああ。次兄も白虎召喚士さ。三兄弟揃ってね」

召喚士「そう…でしたか……」

東方副司令「しかし…長兄もいまだにそんな事をなぁ…」

召喚士「何か…あったんですか?」

東方副司令「…古い話さ。召喚士達のクーデターって聞いた事あるかい?」

召喚士「クーデター?……あぁっ!!」

東方副司令「流石だね、知ってたかい」

召喚士「生前、師匠に聞きました!なんでも上級召喚獣を国が独占しようと…」

東方副司令「そう。その時にクーデターを起こした召喚士達…」

召喚士「ま…さか…っ!?」

東方副司令「長兄はその中心人物の一人だったんだ」
433 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:21:25.27 ID:i2dp6ego
召喚士「……!!」

東方副司令「詳細は私も知らないんだが、それから長兄は国を憎んだ…」

召喚士「……」

東方副司令「…いや、国だけではない。人間に憎しみを抱くようになってしまった」

召喚士「そんな事が…」

東方副司令「それからは失踪し、行方知れずさ」

召喚士「……なるほど」

東方副司令「たまに軍へ入るベヒーモスを率いた召喚士の噂…」

召喚士「……」

東方副司令「魔王軍に組し、国軍に歯向かっている、と…」

召喚士「……っ」

東方副司令「彼女の耳にも当然入る…。辛いだろうなぁ…」

召喚士「白虎長さん…」

東方副司令「彼女は今、白虎先生を名乗っているのかな?」

召喚士「え、あ…えぇ」
434 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:21:52.52 ID:i2dp6ego
東方副司令「そうか…」

召喚士「本人はあまり、名乗りたくはないようですが…」

東方副司令「だろうね。先代の白虎先生は長兄だったからね」

召喚士「なんと…!!」

東方副司令「私らの父が初代さ。そして長兄が……いや」

召喚士「…?」

東方副司令「本当は父も次兄に継がせたかったようだけどね…」

召喚士「二番目のお兄さんに…ですか?」

東方副司令「…うん。三兄弟での才能は次兄がずば抜けていたからね」

召喚士「そうだったんですか…」

東方副司令「それに長兄は勝気な性格と自負心が強くてねぇ」

召喚士「…それがそのような結果を」

東方副司令「だろうね。逆に次兄は勤勉で穏やかな男だったよ」

召喚士「次兄さんは今、どちらに…?」

東方副司令「亡くなった、と聞いたよ」
435 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:23:20.56 ID:i2dp6ego
召喚士「!?」

東方副司令「次兄とは久しく会ってないからね。手紙は交わしたりもしたが…」

召喚士「そうなんですか…」

東方副司令「父である初代白虎先生が亡くなり、二代目をどうするか…」

召喚士「後継者問題ですか…?」

東方副司令「うん。三兄弟それぞれに支持者が現れて…大変だったよ」

召喚士「……」

東方副司令「まぁ私は20にもならぬ小僧であったから無関係に近かったけど」

召喚士「長兄さんと次兄さんが争っていたんですか?」

東方副司令「争っていた、というよりは当人同士は長兄で一致してたみたい」

召喚士「それでは、支持者の人達が…?」

東方副司令「そうなんだ。当時は今と違って、先生も地位と名誉があったから」

召喚士「そうか…!それに便乗してのし上がろうとする人達が…」

東方副司令「そういう事さ。とにかくその時から二人の兄は姿を消してしまったよ」

召喚士「…二人とも…ですか?」
436 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:23:46.92 ID:i2dp6ego
東方副司令「身の危険を感じた次兄は放棄するように北へと逃げた…」

召喚士「……」

東方副司令「結果的に長兄が襲名はしたが…知っての通りさ」

召喚士「クーデターですか……」

東方副司令「実は私もその時、足を悪くしてね…」

召喚士「じゃ、じゃあ…その時から…」

東方副司令「いや、車椅子になったのはもう少し後だが…年々悪くなる一方さ」

召喚士「……」

東方副司令「噂では長兄も既に亡くなり、アンデッドと化しているらしいしね」

召喚士「…魔王軍に組しているなら、可能性はありますね」

東方副司令「次兄も北で死んだと聞いた。もうアレは娘らに託すしかないのさ」

召喚士「ベヒーモス…ですね…」

東方副司令「私がまだ戦う事さえ出来れば、先生の名も引き受けるのだがな…」

召喚士「でも…白虎長さんも、今は頑張っておられますよ」

東方副司令「彼女は強い娘だよ。頼もしい限りさ」
437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:24:16.64 ID:i2dp6ego
召喚士「それに…白虎嬢さんだって実力は計り知れません」

東方副司令「あの子もいずれは国軍に入って…戦うのだろうなぁ…」

召喚士「……次兄さんには、お子さんはいらっしゃったんですか?」

東方副司令「…確か男の子がいたようだが…一緒に亡くなったよ」

召喚士「そうでしたか……」

東方副司令「村を魔王軍に襲われ、次兄は最後まで戦ったが…」

召喚士「……」

東方副司令「あえなく村人も家族も…全滅だったらしい…」

召喚士「……」

東方副司令「早く、平和な世が訪れて欲しいものだね」

召喚士「…ええ、頑張りましょう」

東方副司令「そうだね…。すまないね、長々と引きとめてしまって」

召喚士「こちらこそ…。色々聞けて…ありがとうございました」

東方副司令「また何かあったら立ち寄りなさい」

召喚士「はいっ。ありがとうございます!」
438 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:24:43.33 ID:i2dp6ego


青年兵「……」

東方参謀「…小僧、このような所で何をしておる?」

塔の最上部で海を見つめる青年兵に、登ってきた東方参謀が声をかける。

青年兵「東方参謀様…」

東方参謀「…ふん、奇特な奴だな」

カツカツカツカツ

東方参謀「東方の難しさ、身に染みたであろう?」

青年兵「ええ」

東方参謀「諦めたか?」

青年兵「……まさか」

東方参謀「……わっははは!懲りぬ奴よっ!」

青年兵「難しいからこそやり甲斐があります。それに…」

東方参謀「…?」

青年兵「簡単では…大した手柄になりませぬ」
439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:25:10.24 ID:i2dp6ego
東方参謀「……うわはははっ!言いよるわ!」

青年兵「出直し、新たな策を以って…再び訪れます」

東方参謀「…待て、小僧」

青年兵「…?」

東方参謀「何も東方だけではないぞ?」

青年兵「え…っ?」

東方参謀「左翼に立てつきり、各地に飛ばされた魔道兵らは数知れぬ…」

青年兵「……」

東方参謀「彼らを使えば、此処の連中も多少は動かせるかもしれんぞ」

青年兵「っ!!」

東方参謀「世話になった恩人や先輩も多数おるだろうしなぁ」

青年兵「…ありがとうございます!!」

東方参謀「ここまで来たら、成ってみせい…大元帥っ!!」

青年兵「…はいっ!!」

青年兵は敬礼の後、深く頭を下げ塔の階段を駆け下りて行った。
440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:25:37.55 ID:i2dp6ego
〜東方司令部、正門〜

戦士「さーて、魔道学校に寄るんだっけか?」

魔道士「はいっ!」

占い師「さて…馬車はいるかしら……」

ドドッドドッドドッ

青年兵「皆さんもこれからお戻りですか!?」

召喚士「青年兵くん!」

占い師「あーら、丁度いいところに…うふふっ」

青年兵「……?」



魔道士「な、何だかすみません…っ」

召喚士「…本当に」

青年兵「いえいえ、気にしないで下さい。どうせ方向は同じです」

盗賊「……」

青年兵「それに、魔道学校は僕もついでに寄りたかったので…」
441 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:26:34.12 ID:i2dp6ego
戦士「そうなのか?」

青年兵「母校ですから」

召喚士「え!?青年兵くんも…!?」

占い師「そりゃあそうよ。国軍に属する術士のほとんどは魔道学校出身よ」

召喚士「あ、そうか…!スカウトが来るんでしたっけ?」

魔道士「まぁ…上のクラスだけですけど…」

盗賊「…ん、という事は…お前ら同級生!?」

青年兵「…あっ、そういえばそうですね…っ」

魔道士「同級生ですけど…上のクラスとしたのクラスでは関わりが…」

戦士「まぁあんだけ広くて人数いりゃなぁ…」

青年兵「昨日、学園長にご挨拶出来なかったので…」

占い師「そっか。じゃあちょうど良かったって事ね!」

戦士「無理矢理な解釈すんなよな…」

青年兵「いや、本当にいいんですよ…ははっ」

占い師「ほら、本人もこう言ってるんだし…。なんなら途中で降りる?」
442 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:28:24.29 ID:i2dp6ego


ドドッドドッ…ドドォ

盗賊「…着いた」

青年兵「…うわぁ、久々だなぁ!!」

占い師「さぁさぁ、行きましょ!」

〜学園長室〜

コンコン…カチャッ

魔道士「失礼しま〜す」

学園長「あら、皆さんお揃いで。もう本国へ帰られるの?」

占い師「はい。その前にご挨拶に…と思いまして」

学園長「わざわざ良かったのに…。ごめんなさいね、気を遣わせてしまって…」

召喚士「こちらも昨日はご挨拶出来ませんでしたから。ねぇ、青年兵くん」

青年兵「学園長…お元気そうで何よりです…っ!」

学園長「…あらあら、ここのところ懐かしいお客様が沢山ね!…嬉しいわ」

魔道士「…ふふっ!」
443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:40:24.07 ID:i2dp6ego


学園長「へぇ、貴方達は同級生なの」

魔道士「みたいです!まぁ…クラスは真逆ですけど…」

青年兵「面識はないですけどね…」

学園長「…おかしいわねぇ。貴方とウィッチさんは誰でも知っていそうですけれど…」

盗賊「…?」

学園長「なんたって…手のかかる二人でしたからねぇ」

魔道士「が、学園長っ!もう…っ」

戦士「ははっ!そうだろうそうだろう」

魔道士「どういう意味ですかっ!」

青年兵「…うーん、やっぱり記憶にないですね…」

学園長「それなら名簿を見てみましょ。それになら記載があるでしょう」

盗賊「…名簿?」

占い師「当時の生徒や行事、詩なんかもまとめたりしてたわねぇ…

召喚士「それはぜひ見てみたいですね」
444 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/08(月) 18:43:16.14 ID:i2dp6ego
ゴソッ…

学園長「……おかしいわねぇ」

占い師「どうしました?」

学園長「その年の名簿だけ見当たらないのよ…」

召喚士「…?」

青年兵「あれ…?」

ガタッ…ゴソゴソッ

青年兵「僕の名簿はこっちです!…あ、そういう事か」

魔道士「あれ…?じゃあ青年兵さんは一つ上…?」

青年兵「生まれ年が同じでも入学した時期が違うんですよ!」

戦士「なんだ、そーいう事か…」

占い師「それにしても魔道士ちゃんの代だけないなんて…残念ねぇ」

召喚士「それなら占い師さんの代を代わりに…」

占い師「それはダメ!絶対に…ダメ!!」

召喚士「……は、はい…っ」
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 19:27:30.98 ID:KIIGuUAO
白虎次兄は召喚士の父親じゃないかと思うでござる
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 19:40:35.18 ID:JLyGKLso
思ってても黙ってるのが普通と思うでござる
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 19:41:08.80 ID:ZdkyBiMo
>>445
てめぇは俺を怒らせた
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/08(月) 19:41:39.93 ID:N1EhP72P
私も黙っているべきと思うでござる
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 19:57:17.21 ID:IFbbDoDO
AUだしいつも予想している奴だろう
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 23:27:27.15 ID:.RK/5uQo
>>445
同じ携帯として恥ずかしい
考えるのは自由だが発言には気配りが必要うでは?
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/08(月) 23:33:39.38 ID:Apobf0Qo
もはやこれは荒し
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 00:09:08.09 ID:SkN0KQSO
おっと今日はあっちか
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 00:31:30.32 ID:f7eMpgDO
乙です。連日連投おつかれさまです。

>>445さん
五訓十則を覚えなさい。
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 03:01:27.25 ID:Jhd0oMUo

まぁいいじゃん。

今後を予測してニヤニヤしたり、1乙してようぜ。
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 03:52:37.27 ID:E847yKo0
予想してもいいけど、書きこんじゃだめじゃね?
1乙
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 03:56:19.35 ID:F8XZTcAO
軽率すぎるだろ…
分かってても言うもんじゃない
あ、>>1乙です
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 04:03:24.87 ID:if.Hs6DO
>>1乙乙
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 07:35:02.24 ID:0qQwNV60
>>445

これだからもしもしは・・・
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 08:26:55.73 ID:eyeYr2AO
>>1

魔導師ちゃんの名簿がないのは俺が取ってしまったからかもしれん…
深すぎる愛故に無意識に魔導師ちゃんに縁のあるもの全てを次元の壁を飛び越えて引き寄せる能力を手に入れてしまったのかもな、非常に申し訳ない

あとはパンティを具現化する能力さえ手に入れれば…ゴクリ
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 08:40:45.44 ID:ICTLTEQo
真・スルー 何もレスせず本当にスルーする。簡単なようで一番難しい。
偽・スルー みんなにスルーを呼びかける。実はスルーできてない。
予告スルー レスしないと予告してからスルーする。
完全スルー スレに参加すること自体を放棄する。
無理スルー 元の話題がないのに必死でスルーを推奨する。滑稽。
失敗スルー 我慢できずにレスしてしまう。後から「暇だから遊んでやった」などと負け惜しみ。
願いスルー 失敗したレスに対してスルーをお願いする。ある意味3匹目。
激突スルー 話題自体がスルーの話に移行してまう。泥沼状態。
疎開スルー 本スレではスルーできたが、他スレでその話題を出してしまう。見つかると滑稽。
乞食スルー 情報だけもらって雑談はスルーする。
質問スルー 質問をスルーして雑談を続ける。
思い出スルー 攻撃中はスルーして、後日その思い出を語る。
真・自演スルー 議論に負けそうな時、ファビョった後に自演でスルーを呼びかける。
偽・自演スルー 誰も釣られないので、願いスルーのふりをする。狙うは4匹目。
3匹目のスルー 直接的にはスルーしてるが、反応した人に反応してしまう。
4匹目のスルー 3匹目に反応する。以降5匹6匹と続き、激突スルーへ。
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 09:27:35.19 ID:ckPRpAAO
>>1乙です

>>444
コレってつまり同じ学年の生徒の年齢がバラバラってこと?
ということは年下の上級生とかもあり得るのかな?
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 13:19:35.33 ID:ToxpfADO
>>461
早生まれと遅生まれの違いじゃないん?
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 14:33:35.58 ID:peTmxYko
>>461,462
義務教育と違って特定の年齢からってのがなさそうだから、
年下同級生がありえそうな気がする。
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/09(火) 15:33:13.63 ID:nGQi6t6o
こんにゃちは。本日もご支援ありがとうございます!

>>445
クク…ッ、そいつは召喚士の父親の中でも下っ端よ!

予想や雑談ウェルカムですが、そこは皆様、兼ね合いで臨機応変に…!
まぁ予想は色々とアレなので…よそう!なんちゃって!…ごめんなさい

>>461-463
厳密に言えば答えはYESですが、これについてはただの早生まれです…
分かりにくくてすみませんです…

↓続き
465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:33:52.69 ID:nGQi6t6o
学園長「それにしても…一冊だけ抜けてるなんておかしいわねぇ」

魔道士「どうしちゃったんでしょうね…」

戦士「…おっ、これが青年兵のか!なになに…?」

青年兵「ちょっと…!戦士さん!?」

戦士「…へぇ、この頃から召喚隊を熱望してたんだなぁ〜」

召喚士「偉いなぁ……」

学園長「この子は昔からしっかりしてたものね」

占い師「そうよ〜。若くして士官…青龍召喚隊の隊長だもの!」

学園長「あらまぁ、それは素晴らしい事っ」

青年兵「や、やめて下さいよ…もう」

戦士「母親への仕送りも欠かさないしぃ〜」

青年兵「召喚士さん!校内案内しますよ!!」

グイッ

召喚士「えっ!?あ…う、うん…!」

占い師「…照れちゃって…まだ若いわねぇ〜」
466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:34:21.74 ID:nGQi6t6o
テクテクテク

青年兵「……はぁ」

召喚士「でも、本当の事だし良いじゃない」

青年兵「それはそうですけど、当たり前の事をしているだけで…」

召喚士「それがなかなか出来ないものだよ?」

青年兵「そんなものでしょうか…?」

召喚士「うん。俺も偉いと思うよ」

青年兵「召喚士さんまで……」

スタスタスタ…

召喚士「あ…っ、賢者さん!」

賢者「……やぁ」

召喚士「どこか行かれるんですか?」

賢者「仕事は終わったからね。北に戻るよ。……ふぅ」

青年兵「北へ…?」

賢者「ここへは月に一度、宴の時だけさ……ふぅ」
467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:34:48.57 ID:nGQi6t6o
スタスタスタ…

青年兵「ふ、不思議な人ですね…」

召喚士「う、うん…。何を考えてるのか全く分からない……」

二人は賢者を見送ると、そのまま屋上へと足を運ぶ。

青年兵「…んーっ、久々だなぁ!」

召喚士「海が一望出来て…気持ちいいね!」

青年兵「ええ!ここでよく昼食をとりましたよ!」

召喚士「いいなぁ〜。そういうの憧れるよ」

青年兵「……」

召喚士「俺は食べても師匠と二人だったからね」

青年兵「あ…っ」

召喚士「いや、いいんだ。それに…今は仲間…ううん、親友達がいるし」

青年兵「…僕にとっては召喚士さんが羨ましいかもしれません」

召喚士「自分の持っていないものこそが、羨ましいのかもしれないね」

青年兵「…ええ、そうだと思いますよ」
468 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:35:20.78 ID:nGQi6t6o
〜学園長室〜

戦士「あははははっ!!」

占い師「魔道士ちゃんて…意外と抜けてるのね〜」

魔道士「学園長っ!もうやめてくださいよぉ!!」

盗賊「…魔道士が…死にかけてる」

学園長「ウィッチさんとは会っているの?」

魔道士「はいっ!この前、久々に再開しましたよ〜」

戦士「あー。…だな」

魔道士「ウィッチちゃんも来ればいいのになぁ…」

学園長「あら?先日彼女も見えられたわよ…?」

魔道士「えっ!?そうなんですか…!?」

盗賊「……」

学園長「ええ。初心に戻る、と仰ってたわ」

占い師「そっかぁ…。初心である魔道学校を訪ねて……」

戦士「んで、アイツは何をやってるんだ?」
469 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:40:07.04 ID:nGQi6t6o
学園長「さぁ。すぐに旅立たれてしまったけれど…」

盗賊「…見つかったのかもな」

占い師「……」

盗賊「…自分自身が」

学園長「そうねぇ。私もそう思うわ」

魔道士「盗賊さん…いい事言いますねっ!!」

戦士「ワーカーとして再出発…かな?」

占い師「アンタ達もウカウカしてられないわねぇ〜」

盗賊「…全くだ」

占い師「…ま、ライバルは多い方が、成長は早いものよ」

魔道士「そうですかぁ…?」

占い師「そうよ〜。互いに切磋琢磨出来る相手がいるんだもの」

戦士「…だわな。俺も俺自身に負けるわけにゃいかねーし」

盗賊「…だな」

魔道士「頑張りましょう!うんっ!!」
470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:40:42.90 ID:nGQi6t6o


青年兵「…ただいま戻りました」

ソローッ

魔道士「あ、おかえりなさい−っ!」

占い師「安心なさいな。もう終わったわよ」

青年兵「は、はぁ…」

占い師「それじゃ…ボチボチ帰るとしましょうか」

召喚士「はい」

占い師「学園長、お忙しいところありがとうございました」

学園長「良いのよ。皆の元気な顔が見られる事こそ…幸せですもの」

青年兵「また来ます…。近いうちに必ず!」

学園長「いつでも待ってますわ」

魔道士「それでは…失礼しますっ」

盗賊「…また」

優しく微笑む学園長の姿。一同は深く礼をし、魔道学校を後にするのであった。
471 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:42:31.54 ID:nGQi6t6o


ドドッドドッドドッ…

召喚士「良い所でしたね…魔道学校」

盗賊「……ああ」

占い師「でしょ〜」

戦士「…ま、俺には無縁な感じだけどな」

魔道士「そんな事ないですよ〜」

青年兵「またきっと…訪れましょう!」

召喚士「…うんっ」

占い師「…ありがとね、みんな」

盗賊「…?」

占い師「とっても良いリフレッシュになったわ!ほんと感謝してる」

戦士「俺らは別になーんもしてねぇって」

占い師「そんな事ないわよ。今度何か…お礼しなくっちゃね」

召喚士「と、とにかく…リフレッシュになって何よりです」
472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:47:52.12 ID:nGQi6t6o
〜ターミナル〜

戦士「到着〜っと」

盗賊「…本国行きは…まだみたいだな」

青年兵「…ん?あ、あれ…?」

召喚士「どうしたの?」

占い師「国軍の軍船じゃない…!」

タッタッタッタッタ

占い師「あらぁ!何、わざわざのお出迎え?」

隊長「あん…?何でお前らこんな所に…!!」

占い師「何だ出迎えじゃないの…。ってか、珍しい組み合わせね……」

西方参謀「よう、予言のネーチャンじゃねぇか…ヒック」

魔道士「あの人…確か、西方司令部の参謀さん…!?」

青年兵「何かあったんですか…?」

隊長「…あー、まぁヤボ用でなぁ」

召喚士「……?」
473 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:48:48.36 ID:nGQi6t6o


占い師「……バッカじゃないの?」

隊長「あのな、仕方ねーんだよ!こっちだってなぁ…」

占い師「下準備ってものがあるでしょ!外交が険悪になったらどうすんのよ!」

西方参謀「がはははっ!違げぇねぇや!」

占い師「貴方もですっ!!」

戦士「そっかぁ。いよいよ東方とも同盟をねぇ……」

召喚士「何だか思い出すね。西方での事」

西方参謀「そうそう。お前らにも世話になったもんな」

盗賊「……」

占い師「んで、書面かそれ相応の身分の人間を連れてかなきゃいけないわけ?」

隊長「そういう事だ。東方に通じている人間がいりゃ…良いんだけどなぁ」

チラッ

戦士「…東方に通じてる奴?」

召喚士「……それ相応の身分?」
474 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:56:37.49 ID:nGQi6t6o
ジーッ…

盗賊「…な、何だよ…!?」

西方参謀「…いた」

占い師「いるじゃない」

隊長「盗賊ちゃんよ、アンタ…確か当方の姫様なんだよな?」

盗賊「…!!」

ガバッ!!

隊長「後生だ!なんとか…力を貸しては貰えないだろうか!」

西方参謀「がっははは!大の男が土下座たぁ滑稽……」

隊長「てめぇもだよ!!」

グイッ!!

西方参謀「あ痛ぇ…っ!」

盗賊「…い、いや……その…っ」

隊長「……頼む!!」

盗賊「……うぅー」
475 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 15:58:41.74 ID:nGQi6t6o


海兵「まもなく出航致します!」

青年兵「では…お気を付けて!」

占い師「全く…。まぁ軍船は任しておいて頂戴。じゃあ、頑張ってね!」

隊長「おうっ、そっちも頼むぜ!」

戦士「東方かぁ…久々だなぁ」

西方参謀「悪いなぁ〜。何だかお前らまで付き合わせちまって…ヒック」

船員「東方行きの船、まもなく出港致します。お乗りのお客様は――」

召喚士「さて、では…行きましょうか」

戦士「盗賊…?」

盗賊「…あ、うん」

先発した西の本国へ向かう軍船の背後。東へ向かう船がゆっくりと動き出す。

大陸東での新たな出会いと発見。四人はそれを胸に東方へと向かった。

待ち受けるは、幸か、不幸か…。



〜第二十五部、完 〜
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 16:08:23.62 ID:6CFUHAAO
二十五部も乙!
東方にパーティー全員が行くのは久しぶりだな
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 16:45:50.72 ID:iQJ3E1.0
1乙
この頃、魔道士ちゃんも召喚士の「うんっ」がうつってきたな
自然と好きな人の影響を受けるもんなんだなあ…うんっ
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 17:06:15.78 ID:bDdeLNso
召喚士「…えへへっ」
479 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:04:42.35 ID:nGQi6t6o
――雪空に 雷鳴止みて 輝くは 東の空の 二つ星かな



召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第二十六部〜
480 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:05:24.57 ID:nGQi6t6o
ザザーン…ザザーン…

松の木の立ち並ぶ港の関。その浜や街道には、

下船する観光客を待ち受ける行商らの姿で大いに賑わう。

魔道士「着きました〜!」

隊長「ここが東方、南の島か……」

召喚士「ここで確か本島行きの船に乗り換えて…」

西方参謀「おぉーすっげぇな!なんだありゃ!?」

魔道士「あ、えぇと……何でしたっけ?」

盗賊「…舞妓」

隊長「うおぉ!?なんじゃこの食べ物…!」

戦士「それ旨いんだぜ!」

盗賊「……わたあめ」

召喚士「やっぱり…みんな同じ反応なんだなぁ…ははっ」

盗賊「…そんなに…珍しいかな?」

召喚士「俺らにとっては珍しいですよ。盗賊さんは大陸に来た時、どうでしたた?」
481 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:06:47.37 ID:nGQi6t6o
盗賊「…ああ…そっか」

召喚士「国や環境が違えば、色々と変わりますからね」

盗賊「…そうだな」

隊長「うぉ!?船ってあれか…!?」

西方参謀「なかなかシャレたデザインしてんなぁ〜ヒック」

召喚士「あ、行きましょう」

盗賊「…うん」

戦士「本島行きかい?」

船乗り「いんや、都直通よ」

盗賊「都に…?」

船乗り「都も最近じゃ平穏になってなぁ…。船も安心して通せるようになったのよ」

召喚士「へぇ…っ」

船乗り「こう言っちゃなんだが、先代の老中様が亡くなってからだわな…」

戦士「……」

船乗り「おっと…6人でしたな。さぁ、どうぞどうぞ!」
482 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:07:25.39 ID:nGQi6t6o
ザザーン…ザザーンッ

隊長「……そうか。東方司令部へ、ねぇ」

西方参謀「どうだったよ?気味悪いとこだろ?がはは!!」

召喚士「気味悪いと言うか…異色ですね」

隊長「だろ?しっかし…青年兵も無茶しやがる。焦りすぎだ」

戦士「……人の事言えんのか?」

隊長「う…っ」

盗賊「…それで、上様と…話すつもりか?」

西方参謀「だなぁ。もしくは代理人かだな…ヒック」

魔道士「盗賊さんなら大丈夫ですよねっ?」

盗賊「…どうだろうな」

隊長「とにかくこうして観光で入国するからな。プライベートでアポるしかねぇ」

西方参謀「そういう事だわな」

召喚士「ですね……」

盗賊「……」
483 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:07:54.68 ID:nGQi6t6o
戦士「んでよ、同盟結んでどーするつもりだ?」

隊長「決まってんだろ。共同作戦でヤマタノオロチを叩く」

魔道士「!?」

戦士「叩くって…。そんな簡単に出来んのか?」

隊長「出来るわけねーだろ。だからこその同盟だ」

西方参謀「いいか?ヤマタノナンタラを倒すだろ?」

隊長「ヤマタノオロチだ」

西方参謀「そうするとどうなる?」

戦士「どうって…。東方が平和になる?」

召喚士「竜脈が…途絶える…!?」

西方参謀「正解。送り込む主が消えるわけだぁな」

隊長「そーすると?」

魔道士「あ…っ!?月の宴…っ!!」

西方参謀「正解。次の宴が必要なくなる。それはつまり…」

盗賊「…東方司令部が…不要になる!?」
484 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:08:39.04 ID:nGQi6t6o
隊長「厳密に言や、不要ってわけでもないんだが…」

西方参謀「少なくとも大量の魔道兵は用無しってこった…ヒックゥ」

戦士「な、なぁ…それってよ……」

隊長「ヤマタノオロチが終わりじゃあねぇ。その先には魔王がいる」

西方参謀「その為にゃ今みてぇな偏った編制じゃ勝てねぇからなぁ」

召喚士「大幅な…人事異動が…っ」

隊長「左大臣派も…残念ながら散っちまうだろうなぁ」

西方参謀「そいつは残念だ。がっははは!!」

戦士「いい事づくめじゃねーかよ…っ」

魔道士「ほ、本当ですね…!」

隊長「だーから必死になってんだろうが」

西方参謀「それもこれも…同盟が成立せにゃ話にならん」

召喚士「……ですね」

盗賊「……」

夕暮れ染まる海上。まもなく一同を乗せた船が、都へと到着する。
485 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:09:59.39 ID:nGQi6t6o
〜東方、都〜

隊長「……へぇっ、こりゃすげぇわ」

西方参謀「なんつうか…街並みに妖艶さを感じるなぁ〜」

三味線や琴の音色が響き、左右の店からは香や食物の匂いが漂う。

召喚士「盗賊さん」

盗賊「…ん?」

召喚士「このまま城へ…?」

盗賊「……時間が時間だからなぁ」

戦士「明日一番に改めた方がいいんじゃねぇか?」

召喚士「俺も、それがいいと思います」

西方参謀「おぉ、わざわざ悪いね〜観光の時間作って貰っちまってよぉ」

召喚士「違います!!」

魔道士「ま、まぁまぁ…。先に宿を手配しましょっか!」

戦士「…ったく。そうすっかねぇ」

盗賊「……それなら、あそこだな」
486 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:11:12.48 ID:nGQi6t6o
〜旅籠〜

魔道士「こんばんはー」

シズシズシズ…

仲居「ようこそおいで下さいましたぁ」

召喚士「6人なんで…部屋でいいかな」

仲居「はいはい。ご案内致します」

隊長「宿もいい作りしてんなぁ…」

西方参謀「あれ、着物ってんだっけか?いいよなぁ〜」

戦士「おいオッサンども。目的忘れんなよ?」

隊長「わーってるよ。今日は観光だ、明日から本気出す」

盗賊「……」

仲居「さぁさ、どうぞ。こちらです」

魔道士「はぁい!」

戦士「いよっと。んじゃ俺と召喚士はこっちの部屋だな」

隊長「しゃーねぇな。んじゃ俺は盗賊ちゃんと……」
487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:12:26.61 ID:nGQi6t6o
〜隊長と西方参謀の部屋〜

隊長「……一緒になるわけないわな」

西方参謀「あぁ〜うんめぇなこれ!」

隊長「…くっせぇな。お前よ、室内では酒控えろよな」

西方参謀「だってよ、これ…すんげぇ旨いぜ!?」

隊長「おま…っ、何時の間に買ったんだよ!?」

西方参謀「東方の酒も悪くねぇな……ヒック」

隊長「……ったく」

ゴロンッ

西方参謀「まぁまぁ、お前も飲んでみろって!イケるぜ?」

隊長「あぁ?」

西方参謀「飲んでみてーんだろ?ほれ、遠慮すんなって!」

隊長「……」

西方参謀「……あっそ。んじゃ、一人で全部頂い…」

隊長「だぁー!分かったよ!飲めばいいんだろ飲めばよぉ!」
488 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:13:13.46 ID:nGQi6t6o
〜魔道士と盗賊の部屋〜

魔道士「はぁ〜。お疲れ様でした!」

盗賊「…うん、お疲れ」

ズイッ

魔道士「ありがとうございます。えっと……」

盗賊「…浴衣」

魔道士「そうそう!パジャマですよね!」

盗賊「…まぁ…そうかな」

魔道士「でも…この時期はちょっと寒いかなぁ…」

盗賊「…ん」

魔道士「これは?」

盗賊「……半纏」

魔道士「はんてん…ですか?」

盗賊「…着てみろ。暖かいぞ」

魔道士「……んっ、本当だ!あったかぁ〜い…!」
489 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 18:14:51.99 ID:nGQi6t6o
ゴソゴソッ…モゾッ

魔道士「久々の東方ですねぇ」

盗賊「…私はこの前来たけどな」

魔道士「あ、そっか…。修行で……」

盗賊「…うん」

魔道士「……」

盗賊「…あ、いや…すまん」

魔道士「大丈夫ですよ!」

盗賊「……」

魔道士「…お兄さんもきっと無事です!」

盗賊「…死んでるけどな」

魔道士「あっ!えっと…そ、その…っ」

盗賊「…気にしなくていいよ。……ありがと」

魔道士「……盗賊さんっ!!」

ダキッ!!…ギュウウゥゥ

盗賊「な、何をするっ!?馬鹿者っ!!」
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 18:43:24.62 ID:ypGyazgo
召喚士PT4人でおこたでヌクヌクされたら・・・いいなそういうの
491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 18:57:25.09 ID:j72d7cAO
東方不敗参謀の脳内再生率がやばい
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 20:22:50.29 ID:e8IGoswP
申し訳ないが、どうでしたた?で爆笑してしまった
493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 20:26:19.00 ID:xso5M3so
なんだろう、最近魔道士に萌えず、盗賊にも萌えず、召喚士ばかりに目が行ってしまう…
俺…どうしたんだろう?
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 20:59:01.14 ID:6Rk/yOg0
変なのかなこの気持ち……?
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 22:04:22.48 ID:Il7/nYAO
いつも更新>>1おつです
496 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 23:14:14.67 ID:s.ptjNUo
〜召喚士と戦士の部屋〜

戦士「さーて、明日はいよいよ東方の国王と会うわけだ」

召喚士「うん……」

戦士「会えるかね?」

召喚士「どうだろうね。場合によっては…」

戦士「…?」

召喚士「名代さんあたりに頼むしかないかもね…」

戦士「あーそうだなぁ…。もしくは盗賊の親父さんか…」

召喚士「……だね」

スッ

仲居「失礼致します。お食事の準備が整いました」

戦士「お〜!待ってましたぁ!」

召喚士「すぐに行きます〜!」

仲居「では、一階の広間にてお待ちしております」

召喚士「他のみんなを呼びに行こっか」
497 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 23:15:22.20 ID:s.ptjNUo
テクテクテク…スッ

戦士「……くっせぇ!!」

隊長「おーう、なんだぁ?お前らも飲むかぁ?」

西方参謀「……何だぁ、もう空じゃねーか…っ」

戦士「……コイツら」

召喚士「あ、あのー食事の準備が出来たそうです…」

隊長「食事ー?おぉー楽しみだわぁ」

西方参謀「んじゃあ行くかぁ」

呆れ顔の召喚士と戦士を余所に、千鳥足で部屋を出る中年二人。

テクテクテク

召喚士「あ、魔道士さん盗賊さん。ちょうど良かった!」

魔道士「夕食ですよねっ、今聞きましたよ!」

隊長「おう〜食事だ食事〜!

盗賊「……大丈夫か?」

戦士「……ほっとけ」
498 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 23:15:49.50 ID:s.ptjNUo
〜広間〜

魔道士「うわぁ〜!豪華ーっ!!」

隊長「コイツは美味そうだ!頂きまーす!」

戦士「全員座ってからに……おいっ!食うなって!!」

召喚士「は、はは……っ」

シズシズシズ

女将「この度は当旅籠をご利用頂き、ありがとうございます」

西方参謀「……」

ポロッ

女将「この宿の主、女将…と申します」

隊長「……う、美しい…っ」

魔道士「お久し振りです!女将さん!」

女将「……はて?以前もお越しに…?」

召喚士「覚えてらっしゃいませんか…?……武士さんの…」

女将「……あ…っ」
499 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 23:16:50.88 ID:s.ptjNUo


女将「……そうでしたかぁ。あの節は色々と…」

召喚士「こちらこそ、お世話になりました」

女将「此度はどのような?観光でいらっしゃいますか?」

隊長へ酌をしながら、女将は問い訪ねる。

隊長「いえ…っ、我らは大事な国家の任務を携えて参りました」

女将「…まぁ、そうでしたの」

隊長「はい…!この国の…未来の為に!!」

ズイッ

西方参謀「そうそう。この私めが大役を仰せつかりましてね…ははっ」

女将「それはそれは…。頼もしい限りですわ、うふふふっ」

戦士「……何だコイツら」

盗賊「……放っておけ」

魔道士「女将さんも元気そうで何よりです!えへへ!」

召喚士「あれからお変わりはありませんか?」
500 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/09(火) 23:18:40.41 ID:s.ptjNUo
女将「ええ。私も皆も元気でございますよ」

召喚士「…良かった」

女将「特に…あれ以来、都も平和になりました」

戦士「そいつは何よりだ」

女将「何でも大橋に佇む鬼が妖怪を退治してくれているとか……」

戦士「……ほぉ!」

女将「そんな噂が流れる程、ここも平和になりましたわ」

隊長「しかし、この平和は仮初に過ぎません!その為に我らが……」

盗賊「…さっき…聞いたよ」

西方参謀「明日…私が国王に会見し、和平交渉を進める所存です!」

女将「まぁ!東方と皆様が…!?これは頼もしいわぁ」

隊長「……その暁には、更なる平和が…いや、魔物などいない太平の世をですね…」

西方参謀「まぁこの者は前線で朽ち果てるのでお構いなく。私がですね…」

女将「は、はぁ…。面白い方々ですねぇ」

戦士「ブン殴ってもいいいすよ」
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 23:32:04.30 ID:SkN0KQSO
おっさん達も男やもめが長いから…
502 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:12:43.91 ID:zvcwho6o


魔道士「ご馳走様でした〜!美味しかったぁ!!」

仲居「お酒などはどうなさいます?」

西方参謀「ありますか!?そりゃもう是非っ!!」

戦士「まだ飲むんかい……」

召喚士「先に部屋、戻ろっか……」

盗賊「…だな」

魔道士「お風呂行きましょっ!温泉温泉〜!!」

盗賊「あ、あぁ…」

戦士「俺らもひとっ風呂浴びてくっか」

召喚士「だね!」

隊長「女将さん、貴方は一人でこの旅籠を切り盛りされてらっしゃるので…?」

女将「え、えぇ…まぁ……」

隊長「そうかぁ…。そいつは偉いっ!素晴らしいっ!!」

女将「ど、どうも……」
503 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:15:52.56 ID:zvcwho6o
カポーン

盗賊「……は……あぁいやっ、何でもないぞ!何でも…!」

魔道士「温泉の時はセーフです!ありです!」

盗賊「……そ、そうなの?」

魔道士「少し寒いぐらいの方が、露天風呂は気持ちいいですねぇ」

盗賊「……だな」

魔道士「あっ、双子星。東方では二つ星でしたっけ?」

盗賊「…うん。東の空に輝く…二つの星だ」

魔道士「……いいですねぇ。こうしてお風呂に浸かりながら夜空を見るのも」

盗賊「……ああ」

魔道士「……欲しい」

盗賊「へ…っ!?」

魔道士「自分の家を持ったら…温泉が欲しいですっ!」

盗賊「…う、うん。そう…だね」

魔道士「温泉…高いのかなぁ……」
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/10(水) 00:16:51.42 ID:vQz2AS.0
1乙
女将は「〜でありんす」とは喋ってくれないのね…

505 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:18:29.64 ID:zvcwho6o
カポーン

戦士「あー、気持ちいい〜」

召喚士「…だねぇ。はぁ」

戦士「俺らもすっかりオッサンだな」

召喚士「えー、そう?」

戦士「お前も今年で25だろ?オッサンの仲間入りだよ」

召喚士「……そっかぁ」

戦士「将来とか…全然想像出来ん…」

召喚士「……分かる」

戦士「…つーか、何でこんな家庭的な話してんだ俺ら…?」

召喚士「さ、さぁ…。戦士が言いだしたんじゃん…」

戦士「……召喚士は結婚とか考えてんのか?」

召喚士「結婚…?まさか。まだそんな事まで考えられないよ…」

戦士「だよなぁ…。結婚かぁ…」

召喚士「結婚だねぇ……」
506 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:20:37.89 ID:zvcwho6o


戦士「おっ、お前らも出たところか」

魔道士「いいお湯でした〜」

召喚士「気持ち良かったですね〜!」

魔道士「夜空見ました!?星が綺麗でしたよ〜!」

召喚士「本当ですか!?しまったなぁ……」

盗賊「……」

スタスタスタ

戦士「どこ行くんだ?」

盗賊「……飲み物」

戦士「あぁ、俺も行くわ」

盗賊「…うん」

スタスタスタスタ

魔道士「……あれ?盗賊さん?戦士さんも…」

召喚士「飲み物でも取りに行ったのかな…?」
507 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:22:39.15 ID:zvcwho6o
スタスタスタ

戦士「……思ったより元気そうで良かったわ」

盗賊「…んー?」

戦士「いや、東方でさ……」

盗賊「…ああ、クヨクヨしてても仕方ないし」

戦士「…だな!」

盗賊「……ああ」

戦士「…おっと、ここか。えぇと……」

盗賊「……これかな?」

ゴソッ

盗賊「…ん……取れない」

ドキィッ!!

戦士「……」

盗賊「……どうした?」

戦士「い、いや…っ!何でもねぇ!!」
508 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:25:21.25 ID:zvcwho6o
飲み物を取る為にしゃがみこむ盗賊。

戦士(……ドキッって何だよドキッって)

盗賊「……戦士?」

戦士「え…?あ、あぁ!」

盗賊「……ほら」

戦士「お、おうっ!サンキュ!!」

盗賊「……?」

戦士「い、いやぁ…しっかし暑いな!はははっ!」

盗賊「……そうか?」

戦士「し、しかし…その何だ、浴衣…だっけ?ってのは結構その…大胆だよな…っ」

盗賊「……」

チラッ

盗賊「っ!!」

盗賊は浴衣をきつく締め直し、ちらりと戦士を見上げる。

盗賊「……ト、トイレ行ってくるっ!!」
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 00:27:27.07 ID:44wKfcEo
>>504
花魁言葉使ったら、隊長たちが勘違いするだろ!
510 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 00:30:35.40 ID:zvcwho6o
タッタッタッタッタ

戦士「…見えたわけじゃあないんだが…目のやり場に困る」

タッタッタッタッタ

盗賊「……はぁ…っ」

女将「…姫様?」

盗賊「…あ、女将…さん」

女将「どうなさいました?」

盗賊「…いやっ、別に……」

女将「今宵も冷え込みます故…お早めに暖かくなさいまし」

盗賊「…う、うん。ありがと」

女将「あ、姫…っ」

盗賊「……ん?」

女将「お身体には十分、気を付けて下さいまし」

盗賊「……ああ。ありがとう」

女将「それでは、おやすみなさい」
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 00:31:08.77 ID:HrXiJ8Mo
>>509
花魁とか東方独自文化を隊長たちが知ってるわけ無いだろwwwwwwww
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/10(水) 00:34:28.51 ID:zvcwho6o
>>504
女将「もう引退致しました故…。若い花魁には叶いませんわぁ」

それでは、おやすみなさいです!ご支援ありがとうございました!!ノシ

〜オマケ〜

謎の順位表 Ver2.0

【神クラス】
白虎長、盗賊、女侍

【トップクラス】
女王、おかみ、北方女兵、女隊員←キョNEW!

【それなりクラス】
占い師、弓使い、南方弓長、女剣士、白虎嬢、鍛冶娘、ウィッチ

【あーうん…クラス】
魔道士、東方司令、王女、朱雀嬢、玄武娘、幼女
      ↑ヒンNEW!



東方司令「下らぬ!!殺すぞ!!」

女隊員「まぁまぁ…落ち付くッスよ!」

東方司令「ボクは常に冷静だ!冷静な上で……殺すっ!!」
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 00:39:44.97 ID:HrXiJ8Mo
>>512
乙!!!

あれ?目が疲れてるのかな…順位表に召喚子がいないぞ?????
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 00:43:18.54 ID:GR6/rIAO
乙〜
盗賊は何を言いよどんだんだ?
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/10(水) 00:43:23.88 ID:NwhXP8A0
偶然かもしれないけど召喚士ってあーうん…クラスにやけに好かれてないか?
516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 07:48:53.72 ID:0oVzP.DO
戦士が巨乳に好かれ過ぎだろ……
517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 08:32:35.76 ID:GzF7YsAO
自分にコンプレックスを抱くおなごってのは、そんな自分でもまだ優位に立てそうな相手に無意識のうちにアタックしたくなるものなのさ…

つまり召還士はよほど冴えないのであろう
おお主人公よ、情け無いとは情け無い…
518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 09:02:48.02 ID:3O9V61Ao
いずれ謎のランキング男版も出てくるのか…?
王子はまだ被って小なのは当然だろうが戦士はどうなんだろうか?
あと召喚士はありやなしや?
519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 09:36:46.14 ID:xwsJlgAO
>>1乙っ
キョNEWワロスwww
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 11:20:05.84 ID:PM.60wDO
乗りがキメェな此処
そんなに馴れ合いしたいなら他所でやれよ
521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 11:45:23.54 ID:S/ZsJIAo
何を求めて此処へ来た 答え  

                 なくていいから帰ってください
522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 12:08:44.79 ID:nvv3eTMo
>>520
ここは、VIPでもパー速でもない
義務でないから無理して読むな
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 14:37:55.58 ID:QWIykl6o
名前欄がみえねーのか?
524 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:55:24.65 ID:bNfltIco
ホーッ…ホーッ

〜大橋〜

餓鬼「…ケケッ、あのクソ鬼の気配はない。好機好機ッ!」

テッテッテッテッテ

餓鬼「むっ!?笛の……音?」

〜♪

餓鬼「何だぁ人間?食っちまうぞぉ?」

――「餓鬼が一匹…迷い込んだだけ、か」

餓鬼「……いい度胸だぁ!!」

チュインッ!!…ザシュウゥ!!

餓鬼「ぐぎゃああぁぁーっ!!」

バタッ

刀を納める覆面の者。足元に転がる餓鬼から背後へと目線を移す。

覆面「……」

振り向くとそこには、袈裟姿の巨体。背には無数の武器を背負っている。
525 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:55:50.27 ID:bNfltIco
鬼丸「グハハッ!餓鬼を始末してくれたかぁ、コイツはありがてぇ」

覆面「……」

鬼丸「……お前、何者だ?」

覆面「…名乗る名は持ち合わせておらぬ」

鬼丸「なら、始末する事になるなぁ」

ゴトッ

鬼丸「分かるか?ここに999本の刀や槍がある」

覆面「……」

鬼丸「こりゃ全部、お前みたいな不審な奴から奪い取ったモンだ」

覆面「…へぇ。それは凄いな」

鬼丸「お前の腰のそれ…。そいつが記念すべき千本目よ」

覆面「……」

鬼丸「抜きな。相手してやるよっ!グハハッ!!」

覆面「……良いだろう」

鬼丸の挑発に乗るように、覆面の者が腰の刀を抜いた。
526 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:56:16.94 ID:bNfltIco
ジャリッ…ジリジリジリッ

覆面「…………」

鬼丸「…………」

先手は鬼丸。手にした長得物を大いに振りかぶる。

頭上より水平に繰り出された一撃を、覆面は軽快にかわす。

鬼丸(…ちぃ、誘われたか…っ!)

思わず舌打ちし、ピクリと身体が反応した覆面に、仕掛けた事を悔やむ鬼丸。

ヒュンヒュンヒュンッ…チャキッ

鬼丸「反撃してこねぇのは恐れか?余裕か?」

覆面「……両方かな」

鬼丸「けっ!!」

鬼丸の二撃目。今度は頭上に構えた槍を一気に突き降ろす。

螺旋の突風を巻き起こしながら放たれた豪快な一撃。それは空を振る。

ブオンッ!!…ゴオォンッ…

槍の穂先のまた更に奥。欄干の上へ覆面がひらりと空から舞い降りる。
527 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:57:09.02 ID:bNfltIco
覆面「……凄い一撃だな」

鬼丸「今のをかわすのかよ……」

覆面「さて、そろそろ……こちらから参ろうか」

欄干の上で下駄を脱ぎ捨てる覆面。同時に裾をぐいっと捲り上げる。

鬼丸「……」

覆面「……いざ」

鬼丸「尋常に……っ」

覆面「勝負っ!!」

ダンッ!!…フワリ…

鬼丸「……!?」

欄干を大きく蹴り上げた覆面は、反対側の欄干まで大きく、高く飛跳ぶ。

頭上を舞う姿に鬼丸もしばし目を奪われ、硬直する。

タンッ

鬼丸「は…っ!」

着地音と同時に鬼丸は素早く槍を薙ぎるが、覆面の姿はそこにはない。
528 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:57:38.30 ID:bNfltIco
鬼丸「……」

グッ

鬼丸「……?」

槍を手元に引き戻す際、鬼丸はふと、違和感を感じ背後を振り向いた。

鬼丸「……てんめぇ!」

目に飛び込んできたのは、槍上へ器用に立つ覆面の姿。

鬼丸「……っらあぁ!!」

挑発的なその態度に逆上する鬼丸。怒りに任せ、槍を振り上げる。

覆面「……ふっ」

鬼丸「……ッ!!」

振り上げた槍を下ろす間もなく、鬼丸は己の行為に後悔を抱く。

懐に飛び込んだ覆面の刀身が鬼丸の腹部へ、ものの見事に一閃放たれる。

鬼丸「……ちっきしょ…う」

覆面「勝負あったな」

腹部を押さえ悶絶する鬼丸。覆面は振り返り、下駄を拾い上げ、履き直した。
529 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:58:11.97 ID:bNfltIco
鬼丸「…何だぁ、その刀…。斬られたのに血も出ちゃいねぇ……」

覆面「……十束剣」

鬼丸「トツカノツルギ?何だそりゃ?」

覆面「強い妖を斬れば斬る程、その切れ味を増すという代物だ」

鬼丸「!?」

覆面「お主、巷で噂の妖であろう?」

鬼丸「……」

覆面「隠さずとも良い。証拠に……」

十束剣を鬼丸の眼前に鬼突き出し、刀身を返す。

チャキッ

覆面「…見えるか、切れ味が大層増しておる」

鬼丸「……ちっ」

覆面「主のお陰で大いに力を得たわ。有難う」

鬼丸「…利用しやがったな?」

覆面「そうともとれるかな」
530 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:58:39.49 ID:bNfltIco
鬼丸「…元から俺にゃ扱えねぇ代物ってワケかよ」

覆面「そうふてくされるでない。しかし、負けは負けだぞ」

鬼丸「この俺を破るたぁ、油断したとはいえ面白い奴」

覆面「……ふっ」

鬼丸「なーんで俺が妖怪だって分かったんだ?」

覆面「色々と調べたさ。それに……」

ズイッ

覆面「その覆面より覗かし目。とても人のものとは思えぬ」

鬼丸「こんな近くで覗き込む奇特な奴はお前ぐらいのモンだ!」

覆面「…そうなのか?」

鬼丸「……グッハハハハ!面白い奴ッ!!」

覆面「……?」

鬼丸「なぁなぁ、さっきの笛…もう一度聞かせてくれよ!」

覆面「…気に入ったか?」

鬼丸「あぁ!歌の事ぁ分からんが、心地良かったぜぇ!」
531 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:59:09.30 ID:bNfltIco
〜♪

欄干の上に腰掛け、笛を奏でる覆面。

その背後にて雲の隙間より現れし月が、あたり一面に光を照らす。

鬼丸「……」

〜♪

覆面「……」

鬼丸「…見事だ!」

覆面「そうか?それは何より」

奏で終えた覆面は再び口元を布で覆い、欄干を跳び下りる。

鬼丸「……俺もお前の事、少し分かったぜ」

覆面「……?」

鬼丸「お前……人間のメスだな。臭いがするぞ」

覆面「……そんなに臭うか?」

覆面は自分の衣服を嗅ぎ、首を傾げる。

鬼丸「グハハ!人間にゃ分からんさ!」
532 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 17:59:39.74 ID:bNfltIco
覆面「妖と言う輩は、鼻が利くのだな」

鬼丸「……グハハッ!!」

覆面「うぅむ、人がぼちぼち増えてきたな。退散するか」

鬼丸「お前、名前は…ないんだっけか?」

覆面「……いずれ会う事もあるだろう。その時に改めて、な」

鬼丸「気に入った。力が必要な時は言ってくれ!」

覆面「有難う」

タタッ…カッカッカッカッカ…

鬼丸「チビのくせになかなかやりやがるわ…。グハハッ!」

鬼丸は顔の覆面を締め直し、大橋の下へと戻って行った。

シュバッ

雷忍「…カカッ、取り越し苦労だったか」

女剣士「……」

雷忍「念の為、見回りして戻るぞ」

女剣士「……ああ」
533 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:00:10.96 ID:bNfltIco


足軽「はぁ…はぁ…っ、はぁ…はぁ」

ザッザッザ…ザスッ

足軽「はぁ…はぁ……うぅ…っ」

ワーカー「早くしろぉ!来るぞ…っ!!」

足軽「雪で足ぃ…取られて……」

ザザッ

足軽「ひぃっ!!」

ワーカー「……く…っそおぉ!!」

ザシィッ……ボシュッ!!

ワーカー「…か……は…っ」

ドサッ…

足軽「いい…い、一撃でぇ…っ」

それが足軽にとって、最後の言葉となった。

首の無い巨馬がその大きな蹄で踏みつけたからである。
534 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:00:52.62 ID:bNfltIco
バサッ…バサッ…バサァ

ヤタガラス「ほぉー。流石、夜行さんやなぁ」

賞賛を述べられ口元を歪めるは、夜行と呼ばれた首なし馬に跨る片目の鬼。

夜行「……ヒヒッ、何だぃ…鴉かい」

ヤタガラス「チョイと肩で休ませて貰うよ」

夜行「停まってから言っても遅いんだなぁ」

ヤタガラス「そいつは悪かった。それよりも……」

夜行「……あぁ、これかぃ?良かったら食いな」

ヤタガラス「男かよ…。あんまウマそうじゃあねぇわ」

夜行「俺もたらふく食っちまってよぉ、腹ぁ一杯なんだわ」

ヤタガラス「せや、アイツ……見んかったか?」

夜行「アイツ?……あぁ、見とりゃあせんわ」

ヤタガラス「まぁーったく、この忙しい時にどこ行ったのやら……」

夜行「ん?もしかして、いよいよかぃ?」

ヤタガラス「あぁ、いよいよやでぇ!!」
535 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:02:03.17 ID:bNfltIco
チチュン…チュンチュンッ

霜が薄く張る旅籠の中庭。その奥に佇む露天風呂より水音が響く。

テクテクテク

召喚士「……?」

バシャッ

召喚士「おはようございます。早いですね!」

西方参謀「おーう、おはようさん!」

洗顔を済ませ顔を拭く西方参謀は、召喚士を見上げ挨拶を返す。

西方参謀「そりゃ今日は大切な日だ。気合い入れねーとな!」

召喚士「そう…ですよね」

西方参謀「お前さんは、会った事あるのかい?」

召喚士「…国王ですか?いえ、ありません」

西方参謀「ふぅん。どんな奴なんだろうなぁ」

召喚士「まだ幼いと聞きましたけど……」

西方参謀「そうなのか…?」
536 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:02:55.41 ID:bNfltIco
西方参謀は真面目な表情で問いただす。

召喚士「えぇ…」

西方参謀「……」

テクテクテク

隊長「…あー気持ち悪りぃ」

召喚士「おはようございます」

西方参謀「何だぁ?二日酔いか?」

隊長「……お前の身体はどうなってるんだよ」

ザーッ…バシャバシャバシャッ

西方参謀「そういや相棒はどした?寝坊か?」

召喚士「戦士なら俺より先に起きて、部屋を出てたみたいですけど…」

西方参謀「……散歩か?」

召喚士「剣の稽古かもしれませんね」

フキフキフキッ

隊長「勤勉なヤローだな。あ…痛っつう……!」
537 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:04:32.58 ID:bNfltIco


都の大通り、早朝にはまだ霧がかかり、人通りもそう多くはない。

場違いな洋装の男はまだ霧掛かり、人の少ない道をゆっくり歩く。

農民「聞いたか?昨晩の大橋での話……」

町民「聞いた聞いた!凄かったらしいじゃねぇか!」

戦士「…?」

農民「何でもあの大男をねじ伏せたってんだろ!?たまげたなぁ!」

町民「大層な笛の腕前で、旗本あたりの倅じゃねぇかってさ!」

戦士「……」

〜大橋〜

戦士「…ふぅん。東方、剣の使い手…ねぇ……」

ノソッ

戦士「!?」

欄干から川を見下ろす戦士の背後に、突如巨体が近づく。

戦士「……お前っ!」
538 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:11:17.81 ID:bNfltIco
鬼丸「よぉ!!やっぱりそうだったか……相棒っ!!」

戦士「鬼丸…っ!?てめぇかよ!このっ!!」

鬼丸「グッハハハ!元気そうで何よりだぜ!」

戦士「しかし…よく分かったなぁ?」

鬼丸「お前の臭い、忘れるわけねーだろうよ!グハハッ!」

戦士「……あれ?もしかして昨晩の騒ぎって」

鬼丸「…んだよ、もう話題になっちまってんのか」

戦士「お前、負けたのか?」

鬼丸「んーまぁな……」

戦士「お前を倒すたぁ、相当の腕前だな」

鬼丸「あぁ。女ながら大した使い手だったわ」

戦士「女…?」

鬼丸「ああ。笛も上手かった。ありゃ美人だな!グハハッ!」

戦士「東方の女ってのはどいつもこいつもどうなってんだ…?」

鬼丸「……?」
539 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:14:49.67 ID:bNfltIco


戦士「ほぉ〜。ここで妖怪退治ってか!」

鬼丸「おうよ!んで、お前はどーしたんだ?」

戦士「…あぁ、ちょいと付き合いでな。国王に会いに行くんだ」

鬼丸「国王?あー帝か」

戦士「ミカド…?あぁ、東方じゃそう言うのか」

鬼丸「帝にあってどーすんだ?」

戦士「俺らの国と東方が手を結ぶんだよ」

鬼丸「何?すると…みんなで手を組んで魔王倒すってのか!」

戦士「まぁ極端に言えばそうだわな」

鬼丸「ほー!なかなか面白そうじゃねぇか!」

戦士「そん時はお前も力貸してくれよ?」

鬼丸「……しゃーねぇな。貸してやるよ!」

戦士「…助かるぜ!!」

鬼丸「なぁなぁ、お前らの国ってのは楽しいか?」
540 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:16:51.34 ID:bNfltIco
戦士「んー、こことは全然違うなぁ。人も物も……」

鬼丸「ほぉ、いっぺん見てみてぇな〜!」

戦士「なんなら今度来いよ!色々案内してやるぜ!」

鬼丸「このカッコでか?退治されちまうわ!」

戦士「ははっ!そういやそうだわな」

鬼丸「俺は東方から出れねーからよ、お前が遊びに来てくれよ!」

戦士「…そうだな。こまめに来るようにするわ」

鬼丸「おぉ!楽しみにしてるぜ!!」

戦士「はは…っと、結構時間経っちまったな……」

鬼丸「行くのか?」

戦士「そろそろ戻らんとな。また後で来るわ!」

鬼丸「おーう。いねぇ時は橋の下で寝てっからよ!」

戦士「分かった!んじゃ、また後でな!!」

鬼丸「おーう!」

旅籠へと戻る戦士を見送った後、鬼丸は欄干を撫で、橋の下へと歩いて行った。
541 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:17:49.63 ID:bNfltIco
〜旅籠〜

女将「お早う御座います」

魔道士「おはようございます!」

盗賊「…おはようございます」

女将「いよいよですねぇ〜」

隊長「…はい。必ずや……あ痛たたっ」

女将「あらあら、病でらっしゃるの?」

西方参謀「ただの二日酔いです。放っておいて下さいや」

隊長「などと言いつつ近くで酒を飲むなっ!……痛ぇ」

西方参謀「自分で大声出してりゃ世話ねぇわ…」

テクテクテク

召喚士「あ、戦士!どこ行ってたのさ?」

戦士「おう、ちょいと散歩にな」

盗賊「…また偽者でも出たらどうする。じっとしていろ」

戦士「……仰る通りで」
542 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:19:06.78 ID:bNfltIco


女将「本当に握り飯も要りませんの?」

隊長「お気持ちは嬉しく…しかし、いや…やはり貰っておくべきか…」

召喚士「だ、大丈夫です!すぐに戻ってきます!」

仲居「お気を付けて〜」

魔道士「行ってきまーす!」

戦士「しっかしアンタはよく飲むなぁ……」

西方参謀「迎え酒だ」

戦士「このあと帝に会うんだろ?大丈夫なのかよ…?」

西方参謀「ちょっとくらい酒入ってたほうが…テンション上がるってモンよ!」

召喚士「盗賊さん、城はこのまま真っ直ぐでしたよね?」

盗賊「…ああ。案内するよ」

召喚士「ありがとうございます」

魔道士「助かりますねぇ」

盗賊「…まぁ、目の前に見えるあれ…だけどな」
543 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/10(水) 18:30:05.35 ID:bNfltIco
〜城〜

テクテクテクテク

門番壱「おぉ、久々に奇天烈な格好…!」

門番弐「止まれ止まれぃ!ここから先は帝の居城なるぞ!」

召喚士「あ…あのー、その帝に会いたいのですが…」

門番壱「何用で?何か書状は?」

召喚士「い、いえ…特に……」

戦士「……何でアイツはいっつも真っ直ぐ行っちまうんだ?」

魔道士「正直なんですよっ」

盗賊「…そうか?」

戦士「…ほれ、呼んでるぞ」

盗賊「…?」

手招きする召喚士の元へ、小走りで盗賊が駆け寄る。

盗賊「…どうした?」

召喚士「…ほらっ、こちらが藤蔵の姫……盗賊さんですっ!」
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 19:31:46.48 ID:VjDzz1U0
ΩΩΩ<な、なんだってーーーーーーー!?
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/10(水) 19:34:11.30 ID:xZhlvIE0
1乙
帝は男の娘だったっけ…うむ
546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 22:32:45.97 ID:fWsvloDO
青年兵「召喚士君っていい人だけど、いい人過ぎて逆にそこまでってタイプだから一生童貞なんだよ。戦士さんは童貞じゃないのにね。ああ可哀想に、ほらほらお酒でも飲みなよ。あ、実は僕この前魔法学校で魔導士さんのこと知らないって言ったけど実は知ってたんだ。え?なんでって言われてもなあ…本当に聞きたい?いいの?じゃあ話そう。実は当時魔導士さんって言えば凄い噂があって、なんでも幻覚を見せる魔法が得意でそれを使っていろんなことしてたらしいんだ。いろんなこと?ああ、言うのも憚られるなあ。でも酒の勢いに任せて言ってしまおう。逆レイプだよ。逆レイプ。…大丈夫?顔が真っ青だけど。心配だなあ、お酒飲みすぎたんじゃない?トイレでも行こうか、大丈夫、僕が や さ し く 介抱してあげるから」
547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 00:11:15.16 ID:UBnflsDO
今日はもう来なそうだから寝よっと
548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 00:30:50.00 ID:MxlC1Sco
俺の脳内では鬼丸は郷里さんヴォイスで再生される;ww;
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 00:33:23.60 ID:y2.Qc2AO
>>546
なんのコピペ?
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 00:34:48.47 ID:4F4P6hwo
もしもしって横の文字数制限ってないんだ…
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 02:32:49.10 ID:0Kc.nr6o
>>520同意wwww
馴れ合いは利より害が大きいから勘弁してくれ

あっ>>1
552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 02:34:26.91 ID:4F4P6hwo
ほどほどなら書き手にとってもモチベーション維持にいいんだぜ?
ま、性格によるけどなwwwwww
553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 02:38:16.43 ID:0Kc.nr6o
せめてほどほどにしてくれ
554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 10:17:34.42 ID:2BeowWAo
以前の魔導師ちゃんネタも最近じゃ見ないし
書き込み見ても単発ネタ多いし
馴れ合いってほどのものが見当たらないが…
程々の馴れ合いってのは1乙のみの発言しか認めないってことか?
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 10:20:03.14 ID:goQSA2so
くだらない議論はじめるなアホ
556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 11:08:58.14 ID:n4z0UsSO
新キャラ増えてきたなあ〜
557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 14:06:05.06 ID:2IicEkAO
そろそろキャラの見分けがつかなくなってきた
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/11(木) 17:42:05.33 ID:l08VjtYo
キャラについてはこちらでまとめて頂いてます!ご参考に!
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/settei.html

今はあんまり余裕ないので、完結したらまとめますね!多分…↓続き
559 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:43:17.13 ID:l08VjtYo
門番壱「…………」

門番弐「…………」

召喚士「…あ、あれ…?」

門番壱「そう言われても…存ぜぬしなぁ」

門番弐「そうそう…」

盗賊「……」

門番弐「あれ?そういえば…どこかで…」

門番壱「つい先日も来ませんでした?」

盗賊「…来ました。雷忍を…呼んで貰えないだろうか?」

門番弐「…あれ?何だか既視感…」

門番壱「ちょっと…待ってて」

門番弐「その台詞も……あれ?」

タッタッタッタッタ

門番弐「あれ?…あれぇ!?」

召喚士「あ、あのぉ……」
560 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:44:25.94 ID:l08VjtYo
門番弐「は、はいはい。何だい?」

召喚士「武士さん……覚えてらっしゃいますか…?」

門番弐「武士様…!何故、その名を…!?忘れるわけ……あれ?」

召喚士「あの時、一緒に居たのが我々でして……」

門番弐「えぇと……あ、あれぇ…!?」

タッタッタ…タタッ……スタッ

盗賊「……雷っ!!」

雷忍「……カカッ、これはこれは…本物の姫ではありませんか」

タッタッタッタッタ

門番壱「はぁはぁ…はぁ…っ、連れてきましたけど」

召喚士「あ、ありがとうございます」

雷忍「此度はどうなされました?まさかまた密航……」

盗賊「違うっ!少し…頼みがある…」

雷忍「…伺いましょう」

盗賊「実は、だな……」
561 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:45:03.90 ID:l08VjtYo


門番壱「……行ってしまわれたな」

門番弐「なぁ、俺の頭でも分かるように説明してくれ。何が何だか…」

門番壱「俺だって分からんよ……」

〜城内〜

雷忍「…カカッ、成程。同盟…ですかぁ」

盗賊「うん」

雷忍「その使者がこちらの御仁とな?」

盗賊「そっちは私の仲間」

雷忍「おっと…そうでしたか!カカッ」

魔道士「始めまして!」

召喚士「召喚士と申します。こちらが戦士と魔道士さんです」

戦士「よろしく!」

雷忍「こりゃどうも。……カカッ、なかなか男前な方々だ!」

戦士「は…?」
562 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:45:53.72 ID:l08VjtYo
雷忍「ではこちらのお二方が……」

西方参謀「使者として参った。西方参謀だ」

隊長「護衛のようなもので隊長と申す。アンタ…ニンジャか?」

雷忍「…カカッ、如何にも」

西方参謀「それで、ミカドには会わせて頂けるのかな?」

雷忍「事情が事情ゆえ、おそらく問題ないかと…」

盗賊「…本丸はこっちじゃないのか?」

雷忍「目立ちますからね。一応藤蔵門から入ります」

魔道士「藤蔵門…?」

盗賊「西門の事だ。藤蔵の詰所があるからそう呼ばれている」

雷忍「今の時間帯なら火もいますよ?」

盗賊「そっか」

雷忍「奴は一番、姫に会いたがっておりますからねぇ……カカカッ」

盗賊「……はぁ」

一同は雷忍の案内に従い迂回し、西門より本丸を目指す。
563 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:46:45.78 ID:l08VjtYo
テクテクテクテク

雷忍「……火」

火忍「んー?」

詰所の瓦屋根に寝そべり、生返事を返す火忍。

モゾッ

火忍「どした、異国のモンなぞ連れて…ははぁ、さては……」

スタッ

火忍「密入国者だな?ほぉ、女もいるな……どーれ俺様がおしお…」

ジーッ

盗賊「……」

火忍「おしお……おし…し…」

盗賊「……」

雷忍「…火?」

火忍「おか……し……いな」

盗賊「……?」
564 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:47:29.39 ID:l08VjtYo


火忍「……」

盗賊「お前はよく土下座するなぁ」

雷忍「カカッ、自業自得です。放っておきましょう」

火忍「姫っ!まさか戻られているとはつゆ知らず…っ」

盗賊「わ、分かったよ…!」

魔道士「ふふっ、面白い方達ですねっ!」

火忍「…?」

雷忍「姫と旅をされている方々だ」

火忍「何…っ!?」

戦士「……?」

火忍「……まさか…姫の事を…っ」

ボウッ!!

戦士「あ、あっちぃ!!」

雷忍「ほぉ、自ら発火するとは……新技か?カカッ!」
565 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:48:10.74 ID:l08VjtYo
〜本丸〜

雷忍「帝は最奥にある御殿におられまする」

西方参謀「なるほど」

雷忍「まず、手前の広間へ案内致します」

隊長「……」

雷忍「そこで武器の一切をお預かりし、謁見はお一人にてお願い申し上げます」

召喚士「……」

雷忍「皆様方は広間にてお待ちを」

隊長「護衛もなしですかい?」

雷忍「広間にてお待ちを」

隊長「……了解だ」

雷忍「……こちらが広間です。どうぞ、お入り下さい」

襖を開く雷忍の誘導により、一同が順に広間へと入室する。

スッ

召喚士「……?」
566 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 17:48:49.98 ID:l08VjtYo
テクテクテクテク

広間に入る直前、横の通路を歩く一人の男を見つめ、召喚士の足が止まる。

召喚士「名代……さん!!」

名代「……?おぉ!!これは召喚士殿か……っ」

召喚士「お久し振りです!!」

名代「まさかこのような所で再開するとは……なんたる奇遇か」

召喚士「全くです!」

雷忍「どうなさいました?……これは名代様ではございませんか」

盗賊「…名代、その節は……」

名代「成程…ご一同お揃いのようですな。して、目的は…帝かな?」

召喚士「ええ…。本国との同盟を持ちかけに参りました」

名代「……同盟、か。すると本国の目的も……」

西方参謀「龍脈にゴザル。始めまして、使者の西方参謀と申します」

名代「これはご丁寧に。……話を聞かせて頂いても宜しいかな?」

西方参謀「…無論です」
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/11(木) 17:51:07.68 ID:niERyEsP
盗賊とのやり取り、周りのヤツの顔が見たいww
568 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:04:35.30 ID:l08VjtYo


名代「……」

雷忍「つまり…急ぎというわけではないのですな?」

二人は同盟についての詳細を聞かされ、唸り声をあげる。

西方参謀「早いに越した事はないのだが、それは我が国の事情…」

隊長「今回はお顔だけでも拝見出来ればとね」

名代「…双方にとって有意義な結果となる事、祈っております」

スゥッ

家老「お待たせ致しました。どうぞお入り下さいませ」

西方参謀「そんじゃ行ってくるかね」

魔道士「頑張って下さいねっ!」

隊長「頼むぞ!」

西方参謀「へいへい。頑張りますわ……ガハハ!」

テクテクテク…パタンッ

召喚士「……」
569 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:05:55.21 ID:l08VjtYo
戦士「大丈夫かね、あんあ酔っ払いでよぉ」

盗賊「…大丈夫だと思うぞ」

戦士「…?」

盗賊「…飲んではいたが…あれは水だろう」

魔道士「そうなんですか!?」

盗賊「…朝から酒の臭いが…全くなかった」

隊長「アイツがか!?珍しい事もあるもんだわな……」

召喚士「あの、名代さん」

名代「…何か?」

召喚士「帝はまだ幼いと伺いましたが……」

名代「…如何にも」

召喚士「最終的な決定は名代さんがするのですか?」

名代「私や家老殿、それに御館様などとも話はする事になるだろう」

盗賊「……」

名代「だが決断は帝次第だ」
570 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:06:41.40 ID:l08VjtYo
戦士「マジかよ……」

名代「何も幼いからとて、飾りではない。あのお方はそれ程に聡明…」

魔道士「凄い…っ」

隊長「なーるほどな」

戦士「あん?」

隊長「あのクソ酔っ払いが素面で挑んだ理由が何となく分かった」

魔道士「え……?」

〜本丸御殿〜

家老「こちらにお座り下され」

畳上に置かれた一枚の座布団。西方参謀は無言で会釈し、

その上に胡坐をかいて腰を落とす。

西方参謀「……」

チラリ

女剣士「……」

西方参謀(刀を持った女が一人。護衛か…)
571 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:09:03.80 ID:l08VjtYo
家老「上様のお成りであるっ!」

響く家老の声に反応し、西方参謀は頭を垂れる。

西方参謀(東方の情勢は以前より変わりつつある……)

ススッ…ススッ…ススッ

帝「……表を上げい」

西方参謀「……はっ」

着座し声をかける帝。西方参謀はそれに従い姿勢を戻す。

西方参謀(やはりお一人か…。これはかなりの人物と見えるわなぁ)

帝「話は伺った。はるばるよく来てくれた」

西方参謀「はっ。こちらこそこのような場を設けて頂き、恐悦至極に存じまする」

帝「楽にしてくれ。無理に東方の風習に従う必要はないぞ?」

西方参謀「……ははっ」

帝「して、本国は我らと手を結びたいと申すのか?」

西方参謀「はい。行く行くはそれを所望致す次第であります」

帝「…成程。同盟を結び、為すべき事とは…?」
572 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:10:55.33 ID:l08VjtYo
西方参謀「……互いに長年の悲願を成し遂げる事かと」

帝「…出来るのか?」

西方参謀「確信は持てませぬ」

家老「!?」

帝「…ふふっ、正直よの」

西方参謀「我らは既に、西方との同盟を締結しておりまする」

帝「ほぉ、左様であるか」

西方参謀「はい。東方国と同盟の暁には、三国が合致する事となりまする」

帝「……ふむ」

西方参謀「いえ、何れは南東国とも手を結ぶ事も決めております」

帝「すると、全ての国が一つに纏まると…?」

西方参謀「如何にも。魔王軍と個別の戦い…そんな時代は終わりました」

帝「……」

西方参謀「これからは、魔王軍と人間の戦いです」

帝「…それが本国の望む未来の展望であるわけだな」
573 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:12:01.93 ID:l08VjtYo
家老「なんと…まぁ…」

女剣士「……」

帝「して、それは近い将来の話であるか?」

西方参謀「早ければ早い程、効果的です」

帝「何故に?」

西方参謀「東方には龍脈の根源が存在致します」

帝「……」

西方参謀「失礼ながら、これは我が国の調査により明白で御座います」

帝「…それで?」

西方参謀「根源を叩けば、魔王軍の力は減少致します」

帝「つまり、東方のみではそれを為しえぬ故、力を貸そうと?」

西方参謀「い、いえ…っ。決してそのような意味では……」

帝「…ふふっ、冗談だ」

家老「上様…っ、御戯れなさいまするな」

女剣士(上様も意地が悪い……)
574 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:13:12.10 ID:l08VjtYo
帝「済まぬ済まぬ。……一つ、伺いたい」

西方参謀「何なりと」

帝「何故このような機なのだ?」

西方参謀「……」

帝「以前より申し入れておったのか?」

西方参謀「申し入れていたとは伺っておりまする」

帝「…そうなのか?」

家老「先代の老中が管轄致しておりましたので…何とも……」

帝「成程、そういう事か」

西方参謀「強いて挙げるならば……」

帝「……」

西方参謀「昨今の東方国に於いては、やや開放的になられたかとお見受けを…」

帝「…ほぉ、外からでも分かるか」

西方参謀「経済の流通や観光などにおいての緩和が見えました故」

帝「…なかなか調べておるのう」
575 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:13:54.33 ID:l08VjtYo
西方参謀「それ故に、この機会であればお会いする事程度は叶うかと…」

帝「…ふむ。他国にまで苦労をかけてしまっておったとはな」

西方参謀「いえいえ、これは本国の勝手でございますので……」

帝「同盟の話、まこと申し訳ないがすぐには返答が出来ぬ」

西方参謀「無論、心得ておりまする」

帝「しばし時間を頂きたい。そう長くはないうちに回答したいと思っておる」

西方参謀「ありがとう御座います」

帝「……こちらこそ。さて…折角の客人だ、宴を催すとするかのう」

家老「上様っ」

帝「良いではないか。西方参謀殿は酒が好きな顔をしておるのう?」

西方参謀「……!?がっははは!いやはやお見事…っ」

帝「これは是非とも一献傾けねばな」

女剣士「上様はまだ13でございましょう?無茶言いなさいますな」

西方参謀「……13!?」

帝「仕方ない、茶で我慢するか…ふふっ」
576 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 18:14:24.45 ID:l08VjtYo


カラッ

西方参謀「……」

隊長「何だその顔?まさかしくじりやがったんじゃねーだろうな?」

テクテクテク

女剣士「これより宴だ、下の大広間にて待て」

戦士「……あれ…?」

盗賊「あ…っ!」

女剣士「ん…?おぉ…!」

家老「名代殿、宜しいか?」

名代「……はい」

隊長「んで、どうだったよ?東の大将は」

西方参謀「想像以上だ。あれはヤバイぞ…」

隊長「…そうか」

西方参謀「なんつーか……何かこう、神秘的なものすら感じるよ」
577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 18:45:11.43 ID:BiAUxEAO
>>1

何かと盗賊ちゃんの故郷が話に出る機会が多いな
その度に親方様のツンツンときどきデレが恋しくなる
578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 18:45:44.06 ID:GlNPG4so
でも帝って雷に掘られてるんだよね
579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 19:54:08.80 ID:fiV3D.DO
帝13歳か……
男の娘でも女の娘でも雷忍は変態だな
580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/11(木) 21:03:30.18 ID:zuexV6g0
1乙
帝も西国の王子も華国の皇帝もみんな若いね
本国の皇太子だけはいくつくらいかわからないけど…
581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 23:10:46.17 ID:UM0PdlYo
皇太子は40くらいじゃなかったっけ
582 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:28:34.73 ID:o.4cTIAo
〜大広間〜

ガヤガヤガヤ…

魔道士「すっごぉい……」

戦士「こないだの司令部といい、持て成されすぎだな」

名代「さぁ、お座り下され」

召喚士「ありがとうございます」

西方参謀「こりゃ魚ですかな?」

家老「ええ、酒によく合いますぞ」

隊長「こいつは楽しみだ」

ザワザワザワ…

名代「一同、着座されましたかな?」

家老「では上様」

帝「うむ。此度は本国からわざわざお越し頂いた客人に感謝の意を述べる」

召喚士「……」

帝「今宵は双方の交流を深めるものである。大層楽しむが良い」
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:31:13.65 ID:o.4cTIAo
名代「それでは……」

戦士「カンパーイ!」

ゴクッゴクッ…ゴクッ

西方参謀「……ぷっはああぁぁ!うめえぇ!!」

隊長「お前、飛ばすなぁ」

西方参謀「朝から酒絶って、溜まってんだよ!」

盗賊「…雷、飲まぬのか?」

雷忍「帝のお傍に居る際は任務中ゆえ…」

盗賊「そっか」

コソコソッ

雷忍「…姫には酒を飲まさぬよう」

召喚士「え?あ、はい……」

戦士「んー、コイツは美味い!」

魔道士「本当ですね!レシピ聞きたいなぁ…」

召喚士「ほんと美味しいですねっ!」
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:32:23.68 ID:o.4cTIAo
ワイワイワイ

家老「むむ、なかなかいけますなぁ」

西方参謀「なぁに、まだまだこれからですぞぉ!ガハハッ!」

隊長「……ったく」

女剣士「……ふー」

チビッ

隊長「……アンタ、東方の生まれか?」

女剣士「何だ?ナンパなら殺すぞ?」

ノソッ

戦士「…どした?」

盗賊「…トイレ」

テクテクテク…カラッ

火忍「雷っ!!」

ドスンッ…ムニュッ

盗賊「ひゃあ…っ!?」
585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 23:33:21.25 ID:5lBzCkk0
>>1


近くオマケか何かで今現在のキャラの年齢を纏めてもらっても良いですか?
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:33:33.81 ID:o.4cTIAo


火忍「…………」

盗賊「だ、だから…土下座はもういいよ…」

火忍「不注意とは言え、姫のむ…む…ね、そのっ…」

雷忍「カカッ。何か用があったんじゃないのか?」

火忍「そうだ!!今すぐ来いっ!!」

雷忍「……?」

名代「どうなさいました?」

火忍「…いえ、その……っ」

帝「構わぬ。申してみよ」

火忍「……はっ。最北の警備が……全滅と…」

家老「何ぃ!?」

名代「それは一体どういう……」

火忍「かろうじて落ちのびた下忍が、城門にて待機しておりまする」

召喚士「……っ」
587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 23:34:28.65 ID:jdJFzVEo
火忍が美味しすぎて憎しみがマッハ
588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:37:07.18 ID:o.4cTIAo
タッタッタッタッタ

名代「皆様はお越しにならなくとも……」

召喚士「そうはいきませんよ。あんな話を聞いてしまっては…」

戦士「乗りかけた船だ、付き合うさ!」

名代「…すみません。皆様にご用意致した宴であるのに」

隊長「気にしないで下せぇや。親睦っつー事で」

西方参謀「そうそう!」

タッタッタッタッタ…ザザッ

下忍「…ら、雷忍様っ。……ひ、姫様っ!?」

雷忍「何があったか申してみよ」

下忍「申し訳ありません…。あっという間に壊滅致しました……」

盗賊「…魔物か?」

下忍「おそらくは…。それも把握出来ぬうちに…一瞬で……」

召喚士「……」

名代「敵の数は?」
589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:38:18.37 ID:o.4cTIAo
下忍「私が見た限りでは……」

魔道士「……っ」

下忍「一匹でした……」

火忍「はぁ!?たったの一匹にあれだけの数が壊滅したってのかよ!?」

下忍「申し訳…ありません…っ」

名代「……」

隊長「どう…みます?」

名代「妖でしょう。それもかなりの……」

西方参謀「最北ってのは」

名代「本島の陸伝いに、その名の通り最北に位置する要所です」

戦士「なにがあるんだ…?」

盗賊「…塔だ」

召喚士「塔…ですか?」

盗賊「…かつて……ネクロマンサーがいた」

召喚士「!?」
590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:39:55.21 ID:o.4cTIAo
魔道士「ネ、ネクロマンサーって……」

戦士「あのクソ野郎か…っ!」

隊長「……」

名代「そこから北へ、船で離れ島へ行く……」

西方参謀「……」

名代「そこには……魔王が棲むと言われております」

西方参謀「…しまったな。そいつは龍脈の根源だ」

戦士「…って事は!」

隊長「……ヤマタノオロチ!!」

ザッザッザ

帝「兵を出すぞ。急ぎ来たの城へ入る」

名代「上様っ!?」

帝「行くのであろう?私も行くぞ」

雷忍「危険です。どうか待機を……」

帝「他国の者が行くというのにか?私に恥をかかせるな」
591 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/11(木) 23:41:09.05 ID:o.4cTIAo
女剣士「…だってさ」

雷忍「……」

女剣士「アンタは上様の護衛がし仕事だろ?」

雷忍「……分かりました。但し、戦には交わらぬよう」

帝「……」

名代「速やかに兵をまとめよ。一刻後に北の城へ進発する」

門番壱「ぎょ、御意に…っ!!」

火忍「お前は藤蔵へ早急に言伝しろ。直に最北にむかうように頼む」

下忍「ははっ!」

シュバッ!!

戦士「面倒な事になりそうだな…」

召喚士「うん…。でも放ってはおけないよ」

戦士「…だな」

魔道士「盗賊さんっ、東方の為に私達も頑張りましょう!」

盗賊「……ああ!」
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/12(金) 00:16:49.41 ID:2GU.GZko
本日もご支援ありがとうございました!ノシ

>>585
了解致しました!!

〜オマケ〜

ソワソワ

侍女「……御館様、どうしました?落ちつきない……」

御館様「…何か、感じるのだ」

風忍「感じる…?殺気か何かですかな?」

御館様「いや……こう、なんというか…な」

水忍「……?」

御館様「貴様らは感じぬか?」

土忍「…いえ、特に」

御館様「…ふっ、未熟者め。愛が足りぬわ」

侍女「愛!?」

風忍「愛とは…これ如何に…!?」

御館様「……何でもないわ!たわけが!」
593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/12(金) 00:47:01.55 ID:CS82FZ.o
>>1
愛の前には、距離も関係ないのか…
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 03:06:37.04 ID:.GVpB2DO
いちおちゅ
何だか胸が熱い!熱い!熱い!
もう一回言わせて!熱い!

魔道士ちゃんが可愛すぎて肺が痛い。
これが恋か・・・?
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 07:39:20.37 ID:1bPNjgDO
>>594
肺が痛いのは病気だ
596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 08:28:55.83 ID:/9WAfUAO
>>1

頑固キャラの行き着く先はやはりネタキャラなのか…
愛とか、もはや電波…

ああ親方様よ、あなたは何処へ行かれるのか
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 13:02:31.06 ID:hqfdTE2o
>>596のせいで親方様が登場する予感
598 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 17:53:46.89 ID:tO.UBcIo
本国時間にして21時頃。都の城より陣太鼓が鳴り響く。

ドーン、ドーンという重い音が余韻を残し、都中へと伝わり抜ける。

やや時が過ぎるにつれ、城から続く大通りの脇には、多数の民が、

帝の出陣を拝もうと、妖怪退治の期待と不安を織り交ぜた眼差しで見送った。

ザッザッザッザッザ…

戦士「すっげぇ人だかり……。本国ん時みてぇだな」

召喚士「やっぱり、どこの国でも王の出陣というのは大きいみたいだね」

戦士「……西も、かねぇ?」

召喚士「……ははっ、どうだろう」

魔道士「でも、いいんですかねぇ」

盗賊「……?」

魔道士「その、このような待遇までして頂いちゃって……」

盗賊「…豪華な…馬車だな」

戦士「東方でも馬車使うんだな」

盗賊「…昔は…輿だったけど」
599 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 17:55:47.07 ID:tO.UBcIo
魔道士「輿…?」

パッカパッカパッカ

名代「皆様には馬車が慣れているかと思い…。輿の方が宜しかったか?」

馬車の隣に馬を付けた名代が、覗き込みながら伺う。

召喚士「お気遣いありがとうございます」

戦士「輿ってどんなんだ?」

名代「背後、見えますかな?」

盗賊「…あの、人が担いでるのが…輿」

魔道士「へぇ〜。人が担いで運ぶんですねぇ」

戦士「なかなか重労働だな」

召喚士「あの輿には誰が乗っているんです…?」

名代「上様が乗られる輿」

雷忍「輿は身分の高い方や、重要な客人しか乗らないのですよ。ね、姫?」

盗賊「何故、私に振るか」

名代の更に横へ馬を並べ話す雷忍に、盗賊が膨れっ面で返答する。
600 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 17:57:24.13 ID:tO.UBcIo
雷忍「カカッ、これは失礼!」

名代「ところで雷忍殿、どうされました?」

雷忍「都を出る前に、助っ人を拾っておこうかと思いましてね」

名代「……ああ、奴ですか。私も考えていたところです」

魔道士「奴…?」

名代「はい。皆様にも馴染み深い……」

召喚士「あ…っ、もしかして…!!」

雷忍「このまま大橋で進軍を止めるのは好ましくありません」

名代「ですな。お任せして宜しいですかな?」

雷忍「ええ、このまま先に北の城を目指して下され」

名代「……上様は?」

雷忍「城を出る際に、既に入れ替えておりまする」

名代「……成程」

召喚士「……?」

雷忍「では、また後ほど」
601 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 17:58:23.32 ID:tO.UBcIo
ヒュバッ…タタタタタッ

名代「……」

召喚士「どうしました?」

名代「あ、いえいえ…。それでは先に進みましょうか」

〜大橋〜

タタッ…スタッ

雷忍「待たせた」

女剣士「……」

大橋のふもとにそびえ立つ松の木に寄りかかり指を差す女剣士。

雷忍「…橋の下、か」

テクテクテクテク

鬼丸「おーう、久々だなぁ」

近づく雷忍に顔も見せず、背を向けたまま寝転がりながら、鬼丸は話を続ける。

鬼丸「戦かぁ?ずいぶんと数が多いけど、何かあったのか?」

雷忍「そんな事まで分かるのか?」
602 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 17:59:37.52 ID:tO.UBcIo
鬼丸「別に、人間の臭いが急に増えりゃあ察しはつくだろ」

ゴロン

雷忍「相変わらず怖い顔だな、カカッ!」

鬼丸「んで、手伝えってのか?面倒事はまっぴらだぜ?」

雷忍「そう言うな。お前の主人や上様のご命令だぞ」

鬼丸「俺には上様なんぞ関係ないね。それに旦那は旦那だが、主人じゃねぇ」

雷忍「…そ、それに異国の友人方…覚えておるかな?」

鬼丸「戦士だろ?朝方会ったよ」

雷忍「彼らも手を貸してくれる。どうだ!?」

鬼丸「うーん…。まぁそれなら……」

〜♪

鬼丸「…ん?何……」

テクテクテク

鬼丸「……っ!!」

帝「……」
603 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 18:00:37.19 ID:tO.UBcIo
ガラガラガラッ

隊長「……」

西方参謀「……ぷはぁ」

火忍「…くっせぇ」

西方参謀「おーっと、すみませんねぁ…がははっ」

火忍(姫の連れでなければ馬車から蹴落としているところだ…!)

隊長「…東方も魔物は多いのかい?」

火忍「…さぁ。比較対象がないから知らん」

隊長「それは失礼」

火忍「……最近は減ったよ。山奥や辺境に逃げ帰っちまったさ」

隊長「……そうか」

西方参謀「そいつは何より…ヒック」

火忍「……」

隊長「……」

火忍(……馬車、変わりてぇ…!)
604 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 18:06:32.83 ID:tO.UBcIo
本国時間にして0時直前。都からの兵が北の城へと入城する。

召喚士「……」

魔道士「ここって…確か……」

盗賊「…ああ」

戦士「……」

ザッザッザ

城主「長旅、ご苦労様です」

召喚士「…?」

城主「北の城を任せれておる、城主…と申します」

魔道士「始めまして!」

名代「藤蔵の姫君とそのご一行だ」

盗賊「…どうも」

城主「おぉ、そうでしたか!先の戦いでもご活躍なされたとか……」

戦士「手助けしただけっすよ。武士さんや名代さんが頑張ったんだ」

城主「いえいえ、そんな事が御座らぬ。ご謙遜なされまするな」
605 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 18:09:21.06 ID:tO.UBcIo
魔道士「……工事中…ですか?」

名代「ええ。先の戦いでの修復と、縄張りの変更も兼ねて…」

魔道士「縄張り…?」

盗賊「…城のレイアウトの事」

召喚士「なるほど…」

城主「元々、人間同士の争いに備えた縄張りでした故…」

戦士「それも不要になったってか」

城主「何よりも、今は北からの妖怪が脅威です」

盗賊「…確かにな」

ザッザッザ

火忍「どうですかな?これが堅城と謳われた北の城です」

隊長「東方の要塞か…。凄いもんだな」

西方参謀「うむ。本国でも役立つ技術はありそうだわな」

名代「上様は後ほど到着なされる。予め手筈を」

城主「畏まりました。それでは失礼致しまする」
606 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 18:27:34.73 ID:tO.UBcIo
テクテクテク

名代「さて、上様が到着なされるまで我々は……」

召喚士「…?」

名代の案内で、四人は城の裏手に回る。

テクテクテク

魔道士「ここは…?」

暗闇の中、ひっそりと佇む墓石。武士の名が刻まれている。

名代「武士殿の墓だ。本来は本丸に置いてあったのだが……」

戦士「……」

名代「改修が始まる前にと思ってね…。此処へ移させて貰ったのだ」

盗賊「…そうか、名代殿が…」

名代「…?」

盗賊「あ、いや……」

名代「晴れた日は海も見渡せ、なかなか良い場所だ」

召喚士「…武士さん」
607 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/12(金) 18:31:57.23 ID:tO.UBcIo


魔道士「……」

召喚士「……」

戦士「……」

名代「……では、参ろうか」

盗賊「…ああ」

墓前で手を合わせた四人は、ゆっくりと目を開け立ち上がる。

召喚士「……戦士?」

戦士「武士さんの分も、頑張ろうぜ」

召喚士「……うんっ」

ザッザッザ

城主「名代様、まもなく上様がご到着なされまするぞ」

名代「左様か。では、出迎えると致しましょう」

城の正面、正門へと場を移し、一同は帝らの入城を見守る。

時刻はまもなく本国時間にて1時。馬の蹄と共に、数頭の騎馬が北の城へと到着した。
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/12(金) 21:38:42.83 ID:R0xPO4c0
1乙
ここはぜひ、召喚士に式神を使役してもらいたい
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 22:05:02.98 ID:PUhtS2oo
乙と言わざる得ない!
式神ならカワイイ猫又がよい
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 23:04:48.91 ID:5pQEiLQo
乙!
火忍は登場するたびに不憫さに拍車がかかるな…
611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 03:56:07.50 ID:mscNNgI0
>>1
612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 06:17:04.42 ID:pD56MISO
たけしの墓か…
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 11:55:19.85 ID:HMgd6IAO
ダンカンこのやろう
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 21:07:28.19 ID:eN7DDuko
しまった……仮眠を取っていたらこんな時間に…
先にお風呂と食事をば……
615 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:50:43.91 ID:eN7DDuko


ザッザッザッザッザ

名代「上様、長旅ご苦労様に御座います」

帝「そんなに長い距離ではない。気にするな」

足軽「おぉ、上様だ!本当に上様が…っ」

雑兵「ありがたや…!命を懸けて励むぞぉ!」

雷忍「兵の士気も上がり、活気に満ちておりますなぁ…カカカッ」

帝「……その為の存在だ。多少は役に立つであろう?」

雷忍「何を仰います。誰も上様をそのような目で見ておる者はおりませぬよ」

女剣士「全くです。卑下になさいますな」

帝「私も小さな戦には参陣致したが、これ程の大戦は始めてじゃ」

雷忍「……」

帝「実戦はその方らに頼る事となる。任せたぞ」

雷忍「御意に」

女剣士「この命に代えても……」
616 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:51:19.65 ID:eN7DDuko
テクテクテク

鬼丸「おーいたいたぁ!!」

戦士「鬼丸!!」

魔道士「鬼丸さん!お久し振りです!!」

鬼丸「おーおー、相変わらず美味そうだなぁ!」

盗賊「!?」

隊長「お、おい…っ、そいつ……魔物か!?」

召喚士「ええ。でも、とても頼もしい仲間ですよ!」

西方参謀「……お前らってホント変わってるよな」

ザッザッザ

名代「これで全員揃ったようだな」

鬼丸「旦那ぁ!」

名代「これより軍議に入る。鬼丸はすまんが城門の警備に当たっててくれ」

鬼丸「あいよ、任しときな!」

名代「では皆様、参りましょうか」
617 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:51:54.90 ID:eN7DDuko
テクテクテクテク

魔道士「鬼丸さんは参加しないんですか?」

名代「全員が妖怪を良しと思っているわけではありませんので……」

戦士「そっか…」

名代「何れは分かってくれるはずです。今はその過渡期に過ぎませんから」

召喚士「……ええ」

〜本丸〜

名代「お待たせ致しました」

ゾロゾロゾロ

隊長「ここでいいですかい?」

名代「ええ、お好きなように着座下され」

帝「それでは軍議を始めるとしよう」

名代「まずは敵の規模。本当に一匹なのか?」

城主「早馬の話では左様に。ただ……」

火忍「ただ?」
618 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:52:35.47 ID:eN7DDuko
城主「それはあくまで、確認出来た数で御座い理まする」

召喚士「確認…?他にもいるのですか?」

城主「分かりませぬ。可能性は高いと言う事で御座る」

雷忍「……」

名代「一匹に全滅したわけではないと…?」

城主「最北の塔から北へ進んだ部隊が音信を絶ちまして御座る」

帝「……」

魔道士「行方不明って事ですか?」

城主「おそらくは……」

帝「つまりは、最北の塔手前で妖怪一匹に壊滅せしめ…」

女剣士「……」

帝「塔より北で消息不明、と言うわけだな?」

城主「左様にて」

名代「……どう見受けられますかな?」

西方参謀「一匹とは考えにくいですな」
619 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:53:10.94 ID:eN7DDuko
盗賊「……」

名代「塔より手前の妖とは、どういったものです?」

城主「首無しの馬に跨った刀を持った妖怪と聞いておりまする」

帝「知っておるか?」

名代「……いえ。後ほど鬼丸に伺ってみましょう」

帝「頼む」

隊長「どうします?」

名代「現地に赴いてみなくては何とも言い難いですが……」

召喚士「……」

名代「二手に分かれての殲滅が理想的かと…」

西方参謀「苦肉の策…ですなぁ…」

名代「ええ。しかし已む無しでしょう……」

魔道士「……っ」

帝「作戦開始は?」

名代「……半刻後に出陣致しましょう」
620 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:53:57.52 ID:eN7DDuko


足軽頭「右っ!固まりすぎだぞ!もっと展開せよ!」

タッタッタッタッタ

隊長「…見事な統率だな」

西方参謀「あぁ。特に輜重隊の動きは格段に優れてらぁ」

隊長「……本国以上、か」

ザッザッザ

名代「お二方は本陣にて備えて頂けますか?」

隊長「了解致しました」

名代「召喚士殿達は私と鬼丸と共に先陣を……」

召喚士「分かりました」

名代「では、すぐに出陣の準備に取りかかりますので」

テクテクテク…

戦士「ん…?一緒じゃねーのか」

隊長「あー、あれだ……」
621 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 21:54:30.43 ID:eN7DDuko
魔道士「……?」

西方参謀「主力を二つに分ける事で、分散してんだよ」

戦士「分散…って」

隊長「どっちかが全滅しても、片方は残るだろ?そういうこった」

西方参謀「苦肉の策だが用兵の常套手段だわな」

召喚士「……」

隊長「それだけ重い戦いって事さ。東方にとってもな……」

召喚士「…ええ」

戦士「まだ戦うって決まったわけでじゃねーしな」

鬼丸「俺は戦えた方が楽しいけどな……グハハ!」

ザッ

帝「……では、出陣!」

先陣には召喚士ら四人に加え、名代、鬼丸。そして斥候を迎えた800名。

中軸には、帝を始め隊長や女剣士を含む本体1100名。最後尾には輜重隊100名。

本国時間午前2時。北の城より帝を筆頭とした、総勢2000名の兵が最北へと進軍した。
622 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 22:01:03.48 ID:eN7DDuko
――……

兄様「…大丈夫。お前なら出来るさ」

雷忍「……若…っ」

兄様「頼んだぞ、雷」

雷忍「本当に…行かれるのですか、若?」

兄様「お前も分かっているだろう?」

雷忍「……し、しかし…っ」

兄様「お前だからこそ、任せられるのだ」

雷忍「何度も言わせるな。お前なら出来る。自分を信じろ」

雷忍「……」

兄様「済まぬな」

雷忍「い、いえ…っ、私は……」

兄様「俺はお前を誇りに思う。そして…弟のように。勝手すぎるか…ははっ」

雷忍「わ……若…っ!」

……――
623 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 22:01:56.28 ID:eN7DDuko
パチッ

雷忍「……」

帝「始めてだな」

雷忍「……上様」

帝「お前の寝顔、始めて見た」

雷忍「…夢を…見ておりました」

帝「…・・そうか」

雷忍「上様のお傍に仕えて、このような日が来る事を想像出来ませんでした」

帝「私もだ。これからも頼るぞ、お前には」

雷忍「……御意に」

帝「私はな……」

ザッザッザ…

女剣士「先陣が出ました。間もなく動きます」

帝「……行くぞ」

雷忍「……はっ」
624 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 22:03:31.90 ID:eN7DDuko


戦士「しっかし……ずいぶんとまぁ、冷えるなぁ」

盗賊「…かなり北上したからな」

召喚士「…魔道士さん、どうしました?」

魔道士「……雪が…降りますね」

召喚士「月読…ですか?」

魔道士「ええ…っ、何だか風がそう伝えているような、そんな感じです…」

盗賊「…確かに」

戦士「あん…?」

盗賊は目の前の宙に浮いた、白い物体を指で優しく掴み、掌へと乗せる。

戦士「なんだそりゃ」

盗賊「……雪虫」

召喚士「雪虫…ですか?」

盗賊「…冬の始まりに舞うと言われている虫だ」

魔道士「…ほんとだ。粉雪のような…真っ白でふわふわした虫さんですね!」
625 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 22:04:13.46 ID:eN7DDuko
ザッザッザッザ…

火忍「…名代様」

名代「…何か?」

火忍「降雪の恐れがございますね」

名代「……ふむ」

鬼丸「寒いのは勘弁だぜ……」

火忍「視界が狭まる前に、斥候を出されてはいかがか?」

名代「任されて頂けますか?」

火忍「無論。その為の……我らです」

名代「では、お願い致します。人数は必要かな?」

火忍「まずは藤蔵の者のみで結構です。……では」

シュバッ…タタタタッ

鬼丸「忍びってんだっけ?」

名代「……なぁ」

鬼丸「んー?」
626 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/13(土) 22:04:41.12 ID:eN7DDuko
名代「首の無い馬に乗った妖…というのを、存じておるか?」

鬼丸「首のない馬…?そりゃバケモンじゃねぇか」

名代「……お前が申しても説得力がないぞ」

鬼丸「グッハハハ!違げぇねえわ!」

名代「それで、存じているのか?」

鬼丸「あー、そりゃおそらくだが夜行だな」

名代「夜行…?」

鬼丸「片目の鬼だ。巨体ながら速さと硬さもある。相当強えぇぜ」

名代「…お前よりか?」

鬼丸「……ああ、以前はな。んで…夜行がどうした?」

名代「首無し馬の目撃証言がある。それに全滅させられたらしい」

鬼丸「…夜行ならあり得る話だな。こりゃ簡単にはいかねーぞ?」

名代「……」

鬼丸「夜行に八岐大蛇かぁ。生きて帰れるといいなぁ〜」

名代「生きて帰る。いや…帰らせるさ」
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 22:40:53.41 ID:oEYxewAO
東方編が去年の11月22日からで今年も11月に東方編やってるのは狙ってやってたりすんのかな?
628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 22:48:17.92 ID:ajvgR7E0
> 雷忍「何度も言わせるな。お前なら出来る。自分を信じろ」

不覚にも
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/13(土) 22:49:10.39 ID:BJWiwvko
そこに気づくとはやはり天才か・・・
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/13(土) 23:21:44.27 ID:/8Ufudk0
1乙
何か女剣士の性格が変わったね
……これが愛なの…
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/14(日) 00:03:44.56 ID:kfi7b0k0
俺も思った女剣士変わりすぎだろww
帝の徳に当てられたってなら、相当の有徳者だぞこりゃ
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 01:21:14.28 ID:xB/s/YAO
女剣士にショタ属性でもあったんだろ
633 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:27:05.48 ID:2iwiF9go
本国時間にて3時30分頃。帝の軍は最北の平原に布陣を始める。

最北の塔より南と西へ、大きく二つに分かれるような形での陣形を取った。

〜最北の平原〜

侍大将「酷い雪だな…。おい、もっと視界が確認出来る位置に布陣せよ」

足軽頭「御意に!」

西方参謀「……寒っ。東方の北ってのは凄いモンだな」

隊長「ああ…」

ザッザッザ

帝「お陰でこの辺りは…人も住みつかぬ」

隊長「……」

帝「すまぬな。このような戦いへ巻き込んでしまって……」

西方参謀「気になさいますな。手を貸す時間が早くなっただけですわ」

隊長「一つ、宜しいか?」

帝「……何だ」

隊長「先程の行軍、なぜあのような隊列で?」
634 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:27:53.71 ID:2iwiF9go
帝「……」

隊長「いや、北の城からここへの道のり…不自然はなかったのですが…」

西方参謀「都から北の城まで、ありゃ輿…でしたっけか?あの中身は空でしたな」

帝「よく見ておる…。流石だな」

隊長「少し…気になったもので」

帝「本国はどうであるか存じぬが、ここ東方は決して一枚岩とは言えぬ」

西方参謀「……」

帝「老中の話は伺っておるか?」

西方参謀「詳しくは知りませんが、魔物と通じていたとか…」

帝「……私は傀儡に過ぎなかった」

隊長「……」

帝「手を貸してくれる者もいたが、あっという間に遠方へ飛ばされ…最悪、手討ち」

西方参謀「老中派が実権を握っていたというわけですな?」

帝「今、ようやくそれも終わった。だが各地には未だにその連中も残っておる」

隊長「……」
635 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:28:48.51 ID:2iwiF9go
帝「そして古くより国家に従わぬ豪族も少なくはない」

隊長「その連中が、貴方のお命を狙っておられる。そういうわけですな」

西方参謀「輿はブラフ。実際は側近と別行動…というわけかぁ」

帝「最北は無人。その心配もないというわけだ」

ザッザッザ

隊長「どちらへ?」

帝「最北での敵は妖怪だ。前線へ移動させて貰う」

西方参謀「御大将自らですかい!?」

帝「貴公らのお力、あてにしておるぞ」

ザッザッザッザッザ…

隊長「これまたなんつう……」

西方参謀「前にゃアイツらもいるし…心配はないだろうが…」

ザッザッザ…

雷忍「ああいう御方なのだ。許されよ…カカッ」

女剣士「こちらは命が幾つあっても足らんがな…」
636 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:30:43.13 ID:2iwiF9go
〜南の陣〜

戦士「う〜、寒っむぅ……」

メラメラメラッ…パチッ

火忍「……あー暖けぇ…」

戦士「……」

魔道士「私も…火を起こしましょうか?」

戦士「…いや……いい」

盗賊「……」

召喚士「マントで凌ぐしかないね…」

戦士「他に何かあったかな…。厚着するか」

名代「火忍殿。何か動きは…?」

火忍「今のところなし。視界は最悪ですが塔までは真っ直ぐ進めますよ」

名代「承知した」

鬼丸「さーて、どーすんだ?」

名代「……」
637 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:31:12.99 ID:2iwiF9go
本国時間4時頃。南の陣へ帝が到着する。

ザッザッザ

名代「上様っ!?」

帝「……首尾は?」

名代「まさか…上様も参戦なさるおつもりか!?」

帝「…まさかここまで来て傍観していろと…?」

名代「し、しかし……っ」

帝「私が先頭に立つ事で皆の士気も上がる。後々には豪族への印象にもなるだろう」

召喚士「……」

帝「それに、これ程の手練がおるのだ。守る自信がないのか?」

名代「万が一の話です」

帝「……お前のそういう所は非常に助かるぞ」

名代「……っ」

雷忍「カカッ、まぁ上様の護衛はお任せ下され」

帝「それで、策はあるのか?」
638 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:32:05.05 ID:2iwiF9go
名代「……少数精鋭で最北の塔へと進みまする」

盗賊「…最北の塔へ?」

魔道士「塔に…ヤマタノオロチが?」

名代「いえ、そうではありませんが…それは後ほどご説明致す」

帝「…して、その後は?」

名代「ヤマタノオロチを殲滅、最悪…封じまする」

戦士「そいつを倒しゃ、魔物は攻めて来ないんだな?」

鬼丸「八岐大蛇が起きたなら、んな簡単な問題じゃねぇな」

戦士「…?」

鬼丸「東方なんぞ三日で火の海だ。グハハッ!」

魔道士「そ…そんな…っ!!」

名代「だからこそ、早急に食い止めねばならないのです」

召喚士「それ程の力を持っているという事ですね…」

名代「龍脈の根源ですから。その力は計りしぬものがある…」

盗賊「……」
639 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 01:34:09.47 ID:2iwiF9go
名代「塔まで進軍する最大の問題が……」

女剣士「…?」

名代「報告のあった首無し馬の妖怪…。鬼丸、皆に説明を」

鬼丸「夜行って鬼だ。コイツがまたとんでもなく強えぇ」

戦士「…ほぉ」

名代「まずは夜行をなんとか引き離せばなりませぬ」

帝「西に誘引するか」

名代「その隙を突いて、一気に塔へ入り込みます」

戦士「まずはその夜行って奴を相手にすりゃいいんだな?」

名代「交戦は最低限。西の陣へ誘いこめば後は……」

帝「あれだけの人数だ。問題なかろう」

火忍「だいぶ吹雪いてきちまったなぁ……」

魔道士「もっとひどくなりそうですよ…っ」

雷忍「……早めに動くと致しましょう」

名代「…うむ。皆の者、準備を整えて下され」
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/14(日) 01:43:41.37 ID:1E1sG5oo
今回の相手は、勝てるかどうか微妙だな…
これは誰か死ぬぞ
641 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 04:34:23.83 ID:B5NqiwSO
巫女さんまだ寝てるの?
642 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 10:12:15.21 ID:Q1L3gYDO
鬼丸にフラグがたってるような……というか戦士が立てやがったというか……
643 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 10:21:06.15 ID:4qglqlQo
戦士は一級フラグ建築士だからな
644 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 12:07:57.17 ID:Gjdd5aEo
ここに来て雪か

東方の最北は本国の北より緯度が高いのかな?
それとも季節的なものか…

イメージしてる地図が日本はそのままのサイズでユーラシア大陸がミニマムになった感じなんだけど
どうなんだろうな。。。。
あと、その地域の文化にあわせて魔物の種類が変わるのも不思議wwwwwwww
645 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 17:01:10.98 ID:GGPFEQAO
名前見て思ったが、冬にこれの薄い本は出るのだろうか
というか前の夏と冬にそういうのはあったのだろうか
646 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 20:48:24.04 ID:Q1L3gYDO
向こうのスレが公式同人みたいなものだろう
647 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:52:34.27 ID:2iwiF9go
本国時間、4時過ぎ。先陣が最北の塔へと進軍開始。

ビュオオォォッ…

召喚士「視界が……」

魔道士「凄い…吹雪ですね…っ」

先陣に名を連ねるは召喚士、魔道士、戦士、盗賊、名代、鬼丸…。

更には帝、女剣士、雷忍、火忍の10名とそれに従う足軽、約300名。

雷忍「上様、いつでも申して下され。背負いまする故……」

帝「皆が歩いておるのに、一人楽を出来るものか」

雷忍「……し、しかし」

帝「身分か?年齢か?……気を遣う必要はない。周囲を気遣え」

雷忍「……御意に」

進む事数十分。吹雪の中うっすらと最北の塔が雪の中にその姿を映し出す。

盗賊「…あれが…最北の塔だ」

戦士「……思ったより小さいな」

名代「……」
648 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:53:10.71 ID:2iwiF9go
本国時間、4地30分頃。先頭の火忍と鬼丸の足が止まる。

名代「……どうした?」

鬼丸「…何か…臭いがするな」

ザッ

雷忍「雪上にうっすらと足跡があるな…」

召喚士「この雪の中、足跡が残るという事は…近くに何者かが…!?」

火忍「この足跡…人間だな。……ってかこれ」

ザッ!!

女剣士「っ!!」

戦士「誰だっ!!」

物音に気付いた女剣士と戦士が素早く武器を構える。

ザッザッザ

風忍「失礼……。脅かしてしまったか」

土忍「火急の知らせを受け、藤蔵より参陣仕りました」

帝「‥おぉ、これはご苦労」
649 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:53:48.15 ID:2iwiF9go
水忍「……姫…っ」

盗賊「みんな…っ!」

水忍「防寒具をお持ち致しました。ご必要な方は申し出て下され」

戦士「おぉ!こりゃ助かる!!」

召喚士「うんっ」

名代「藤蔵の五忍が揃うとは…。これはまた珍しい……」

土忍「…五忍が揃うは慶弔時か……」

火忍「余程の事態の時だけ…だな」

帝「……」

鬼丸「……違うな」

名代「…?」

鬼丸「さっきの臭いとコイツらの臭い…。全然違げぇ」

召喚士「っ!?」

名代「まさか…妖怪かっ!?」

鬼丸「いんや…。人間の臭いなんだが…血生臭せぇんだよなぁ……」
650 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:54:33.85 ID:2iwiF9go
魔道士「ど、どういう事ですか…?」

鬼丸「こりゃ死臭だな。人間が死んだ臭いだ」

戦士「何っ!?」

雷忍「……近いのか?」

鬼丸「近いっつーか……モロなんだがなぁ」

盗賊「……しかし…それらしき姿など」

名代「ま…さか!?」

ガバッ

土忍「…私が掘ろう」

雪の上に座り込みかき分ける名を起こし、土忍は印を結び始める。

土忍「……むんっ!!」

ドボォッ!!

土忍が地面へ両手を当てると、その上に積もった雪が激しく上空へと舞い上げられる。

帝「……」

風忍「…雪が……赤いな」
651 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:55:09.37 ID:2iwiF9go
名代「…間違いない。血ですね」

魔道士「っ!!」

水忍「降雪量と水分の状態から推測するに…半日以上経っているな……」

火忍「下忍の伝令で聞いたやつだな」

雷忍「……死体がないな」

風忍「大方、食われたのではないか?」

召喚士「待って下さい…っ」

名代「……?」

召喚士「血の痕が…続いています…っ」

戦士「ほんとだ…」

名代「西の方角……あの崖のあたりか」

魔道士「どっ、どういう事でしょうか…!?」

土忍「……食糧として…蓄えておるのか…っ!?」

雷忍「若しくは罠か……」

名代「……これより再編成致す。各々指示に従うように」
652 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:55:57.24 ID:2iwiF9go
本国時間5時前。先遣調査隊が西の崖に進む。

ザッザッザ…ビョオォォ

戦士「防寒具のお陰でだいぶ暖かくなったな」

召喚士「動き辛くはない?大丈夫?」

戦士「問題ねぇ。それに四の五の選んでる境遇じゃねーしな」

名代「どうした、鬼丸?」

鬼丸「いんや、チョイと不思議に思ってなぁ」

名代「不思議…?」

鬼丸「相手が夜行なら、餌なんぞ蓄える必要ねぇってな」

名代「……」

鬼丸「腹が減ったら人の住む村まで言って、食せば済む話だかんな」

名代「……!?」

火忍「どうだー?何か見えっかぁ?」

風忍「視界が悪過ぎて何とも言えんな…」

火忍「……ん?」
653 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:56:30.12 ID:2iwiF9go
本国時間5時。調査隊は崖の麓へ到着し、正面に洞穴を発見する。

ザッザッザ

火忍「……奥もありそうだぞ、棲み処かもしれねぇ!」

風忍「こちらですっ!」

ザッザッザ

名代「…各自、左右に分かれよ。まだ中には入るでないぞ」

戦士「了解!!」

召喚士「……」

鬼丸「……いるぞ」

名代「!?」

鬼丸「この臭い……人間じゃねぇ!!」

召喚士(血の跡は…この穴の奥へと続いている。しかし……)

パラッ

召喚士「…?」

パラパラと落ちてきた小石に、召喚士はふと崖の上を見上げる。
654 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:56:59.19 ID:2iwiF9go


魔道士「大丈夫ですかね…。たった6人で……」

盗賊「……」

雷忍「隠密行動ですからな。こういう時は少ない方が良い」

水忍「足軽隊は前に出て、上様を護衛致せ!」

足軽頭「御意に!!」

帝「……」

女剣士「上様、もう少しお下がりを……」

帝「…ああ」

ドオオォォンッ…

土忍「!?……何の音だ!」

水忍「分からん…っ!だが西の方角からなのは間違いない!!」

盗賊「……まさか」

雷忍「……ちぃっ!」

帝「動くなっ!!」
655 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/14(日) 20:57:49.69 ID:hBZ2nDk0
エロゲかエロアニメか忘れたけど雪が降ってる中遊廓の女が首チョンパされて背中に翼植え付けられてるシーンが頭にふとよぎった
656 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 20:59:39.64 ID:2iwiF9go
魔道士「っ!?」

帝「……調査隊に任せるのだ」

盗賊「……っ」

帝「ここで動けば、折角の策が台無しになる」

水忍「上様…っ」

帝「それに、仲間を信じぬのか?彼らでは勝てぬとでも申すのかっ!?」

土忍「上様の申される通りだ。調査隊に任しておけ」

盗賊「……だな」

土忍「それに、我らとて油断は出来ませぬぞ」

魔道士「え…っ!?」

水忍「今の音が妖怪とは限らぬ。本体のこちらが落ちる事とてあるのだからな」

水忍「そうならぬ為の……我らです」

女剣士「……」

帝「頼りにしておる。……周囲の警戒を怠るなっ」

雷忍「……聞いたか、各自警戒を強化。最北の塔からも目を離すな」
657 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 21:05:22.02 ID:Gjdd5aEo
最近

>召喚士「うんっ」

って多いな…可愛すぎだろwwwwwwww
658 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 23:05:45.32 ID:xB/s/YAO
初期の頃はこんな萌えキャラになるとは思わなかったな
659 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:26:18.58 ID:2iwiF9go
パラパラと落ちてきた小石に、召喚士はふと崖の上を見上げる。

そこに見えるは、首無し馬と、それに跨る異形の者。

召喚士「上だっ!!」

風忍「っ!?」

名代「散れぇーっ!!」

火忍「……ちっ!」

戦士「鬼丸ぅ!!」

ドオオォォンッ!!

鬼丸「……夜行ッ!!」

夜行「…ヒヒッ、今の一撃を受け止めるかぃ…」

鬼丸「……グハハッ!」

夜行「それに、俺っちの名前まで知ってるたぁ…」

鬼丸「勇名じゃねぇぞ?小汚ねぇ三下で有名だからな!」

夜行「アンタァ…人間じゃあないね」

鬼丸「…さぁな!」
660 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:26:52.16 ID:2iwiF9go
崖上から強襲する夜行の一刀。鬼は金棒でそれを防ぎ、鍔迫り合う。

夜行「口は達者だが…腕は大した事ないねぇ」

ググッ

鬼丸「……ぐ…うぉっ!」

名代「鬼丸っ!!」

鬼丸「心配はいいから…次の手打てや!!」

ドズウウゥゥンッ!!

召喚士「戦士っ!」

戦士「分かってる!前衛は任しとけ!!」

ドオオォォ…

夜行「……頑丈さはあるみたいだなぁ」

金棒ごと地面へ押しつけ、雪中に埋もれた鬼丸に対し、声を掛ける夜行。

ガシッ

鬼丸「…てめぇが非力なだけだろ…っ!」

夜行の跨る馬の前足を掴み、鬼丸は言葉を返す。
661 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:27:24.21 ID:2iwiF9go
夜行「……アンタのその臭い、妖怪どころか……同族か?」

鬼丸「……だったら何だ?」

ババッ

風忍「風遁……旋風!!」

火忍「火遁…っ、焔!!」

夜行「む…っ!?」

ドズウウゥゥンッ!!…ゴゴオオォォ…

火忍「当たったか!?」

風忍「分からんっ!おい、鬼…!立てるか!?」

鬼丸「背後に跳んだ、もいっちょ来るぜ!」

グイッ

鬼丸「!?」

戦士「立て、俺とお前で前衛張るぞ!」

鬼丸「……久々だなぁ!相棒ッ!!」

戦士「……足引っ張んなよ?」
662 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:27:55.91 ID:2iwiF9go
鬼丸「……グハハッ!言ってくれるじゃねぇか!!」

戦士「来るぞ!!」

風忍「頼むっ!我らは左右より援護する!」

戦士「頼むぜ!!」

ドスッ…ドスッ…ドスッ…

夜行「ヒヒッ、俺っちと戦うってかぁ?」

召喚士「名代さん、俺らも援護を……」

名代「ああ、だが忘れるな。目的は倒す事ではない」

召喚士「分かってます!何としても西の陣へ誘い込みましょう!」

名代「うむ」

ザッ

夜行「……ヒヒッ!」

不気味な笑い声と共に、夜行は馬を勢いよく駆る。

戦士「来たぞっ!!」

鬼丸「おーう!」
663 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:34:06.32 ID:2iwiF9go
ガギイイィィンッ!!

鈍い音が辺りに響く。夜行の刀を鬼丸が金棒で再び防いだ。

夜行「懲りないねぇ……」

鬼丸「……んにゃろぉ!」

戦士「でりゃあ!!」

すかさず戦士が両者の間に割り込み、戟を振り上げる。

ビュオッ!!

夜行は刀を引き、戟を刀身で受け止めるが、その威力に右手ごと跳ね上げられた。

鬼丸「隙ありぃ!!」

自由となった金棒を力任せに振りかぶり、鬼丸は一気にそれを叩きつける。

鬼丸「まずはその偉そうな馬を……潰す!!」

グオォッ……ズッガアァァッ!!

鬼丸「ちっ!」

戦士「上だっ!!」

金棒は無常にも空振り、頭上の夜行はニタリと笑う。
664 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:38:19.84 ID:2iwiF9go
夜行「甘い甘い……ヒヒッ!」

グオッ!!

風忍「はぁっ!」

三度、刀を振り下ろす夜行の左後方より、突風が巻き起こり身を襲う。

夜行「ぬ…っ!」

風忍「此方も忘れて貰っては困るな」

夜行「……ほぉ〜」

凝縮された風は、馬ごと夜行の体を右方へ押しやる。

ズザァ…

火忍「…ようこそっ!!」

夜行「ッ!?」

火忍「火遁……焔ぁ!!」

火忍が素早く印を結ぶと、両手の火球が一つに合わさり、夜行へ迫る。

夜行「く…ぬっ!」

火球は夜行の頭上で大きく弾け、頭上より火の雨が降り注ぐ。
665 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:43:39.19 ID:2iwiF9go
ゴウウゥゥッ!!

夜行「小賢しい…!!」

左手の手綱を引く夜行の合図で、首無し馬がその場で大きく地面を蹴りつける。

ドズウウゥゥンッ!!

風忍「舞い上がった雪で…消化をっ!?」

火忍「…くそっ」

ババッ

夜行「ヒヒッ、逃がさんよぉ〜」

舞いあがる雪の中より首無し馬が威勢よ良く火忍へと迫る。

火忍(早い……っ!!)

夜行「一刀にて葬ってやろう…ヒヒッ!!」

ドウンッ!!

夜行「――ッ!!」

突如、目の前に現れた見た事もない巨鳥。夜行は一瞬仰け反り、笑った口を閉じた。

召喚士「……行けっ!コカトリス!!」
666 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:54:52.07 ID:2iwiF9go
コカトリス「……おう!」

ドシュウゥゥッ!!

夜行「…何だあれは!?」

火忍「……」

タタッ…

夜行「…ちっ、すばしっこい奴だねぇ」

火忍「…すまねぇ、助かった」

召喚士「思ったより早いですね」

火忍「あれをどうやって誘い込むってんだ!?」

名代「……骨が折れそうですね」

火忍「……っ」

召喚士「とにかく…まずはあの機動力を奪いましょう!」

言葉を発すると同時に、召喚士は上空のコカトリスを見上げる。

召喚士「…この吹雪じゃ、細かな指示は難しそうだな…っ」

なおも勢いの衰えない吹雪。それは空と共に、上空を飛ぶであろうコカトリスの姿をも白く包み込む。
667 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 23:59:14.43 ID:wTd/1KYo
召喚士かっけええええええ
668 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/14(日) 23:59:26.14 ID:2iwiF9go
ゴオオォォ…

コカトリス「雪にこの風…。こうも悪天候ではな」

ぼやくコカトリスは低空を旋回しつつ、再び夜行へと照準を合わせる。

コカトリス「…互いに臭いで嗅ぎ取るしかない、か」

ドシュウゥゥ…

戦士「鬼丸!」

鬼丸「あん?」

戦士「まずはあの馬を潰すぞ!足を止める!!」

鬼丸「賛成だ!んで、どうする?」

戦士「……作戦なんてねぇ!ガチンコだ!」

鬼丸「…グッハハハ!悪くねぇ!!」

戟をその場に突き刺し、戦士は腰の雷切りをゆっくりと抜き、歩き始める。

ザッザッザ…ザッザッ…

戦士「俺が囮になる。馬はお前がなんとかしてくれ」

鬼丸「……あいよ!」
669 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 00:06:26.77 ID:u486TrQo
夜行「あのヘンテコな鳥は…後回し後回し」

ドズンッ

夜行「まずはこの人間から…頂くか」

ザッ

戦士「…来な!」

夜行「……ヒヒッ、嫌いじゃないぜぇ…そういう態度!」

両者の間合いが切迫した刹那、首無し馬の上体が一気に縮まる。

夜行「ヒャアーッ!!」

身を乗り出した夜行が刀を振り下ろす。

戦士「っらあぁ!!」

同時に戦士の雷切も雪中を一閃した。

風忍「早いっ!!」

僅かに戦士の一刀が夜行の速度を勝る。

夜行「……甘いねぇ」

鍔迫り合いを嫌ってか、夜行の右手が止まると同時に、首無し馬が左方へ大きく跳ねた。
670 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 00:11:59.23 ID:u486TrQo
鬼丸「まずいか…っ!?」

夜行「……そうれっ!!」

空振る戦士の隙だらけの身に、夜行が構え直した刀を振り下ろす。

風忍「っ!!」

戦士「これで…いいんだよぉ!!」

夜行「――ッ!?」

ガキイイィィンッ!!

夜行「……盾…だとぉ!?」

雷切を振った反動でその左腕を大きく突き出した戦士。

夜行の刀はその左腕に備えられた盾により呆気なく防がれた。

夜行「…小…癪うぅ…っ!!」

戦士「鬼丸ーっ!!」

鬼丸「おうよ!!」

グオォッ…ブンッ!!

下段に構えられた金棒が首無し馬の胸部めがけ大きく振り上げられた。
671 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/15(月) 00:18:31.52 ID:u486TrQo
今日はここまでにて!ご支援ありがとうございましたー!!

>>627
もちろん狙って……ません!

>>628-629
orz

>>630-632
自分の国の帝ですし、まぁあれですね…追々…

>>640>>642-643
トトカルチョ

>>641
起きてます!

>>644
東方の最北は本国の北より緯度は高いです!あとは地域的なものですかね
まぁ正確な地図は最初からあまりイメージしてなかったので…適当にイメージして頂ければ…

>>645-646
本人はとても無理です!まずは完結させねば…
他の方でしたら有休取ってでも買いに行かせて頂きます!

それでは、おやすみなさい!!ノシ
672 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/15(月) 00:24:21.91 ID:u486TrQo
〜忘れてたオマケ〜

ボーッ…ボーッ

女隊員「隊長おかえりッスって……あれぇ!?」

男隊員「何でアンタらが乗ってんだ?」

青年兵「い、いや…ちょっと事情がありまして……」

占い師「そのうち連絡来ると思うけど、観光で東方入りしたわ」

女隊員「観光ッスか!?」

男隊員「あんのヤロー。コソコソしてると思ったらやっぱりそういう事か!」

格闘家「…いや、違うんじゃないでしょうか」

女隊員「東方とか、超行ってみたいッスよぉ!いいなぁ〜」

男隊員「何だっけ?ゲイシャとか言う偉い美人がいるんだろ!?チクショー!」

女隊員「見るッス!この東方ガイドブックによると食べ物は……」

格闘家「何でそんな物を…!?」

男隊員「くっそー!!お土産なかったらブッ殺す!」

青年兵「あ……あのぉ」

占い師「……放っておきましょ」
673 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/15(月) 04:54:59.62 ID:xULYJHw0
1乙
久々の戦闘シーン、いきなり強敵だね
674 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 06:26:19.97 ID:mgHfaADO
しかしほのかに香るかませ臭が何ともいえん
675 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 08:42:00.34 ID:kAzCYYDO
>>1
合戦パートいいな!
大規模戦闘のwwktk感やべぇwwwwww
676 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:00:49.01 ID:wTmnkO6o
ブンッ!!

火忍「取った!」

鬼丸の豪快な一撃が吹雪を切り裂く。

戦士「…いやっ、これは……!?」

首の切れた馬は即座にその身を屈ませ、騎乗主を背より離す。

分離した両者の間、鬼丸の金棒が空を切る。

鬼丸「ちいぃ…っ!」

足元を通り過ぎる金棒をゆっくりと見据え、夜行は体制を曲げる。

夜行「……ヒヒッ」

戦士「!?」

前方に伸ばした両足で戦士を力強く蹴り上げ、夜行はその反動で宙へ身を移す。

グッ…バキィッ!!

戦士「ぐ…っ!」

召喚士「戦士!!」

後方へ蹴り飛ばされる戦士へ一同の目線が集まる隙に、首無し馬が高く跳躍した。
677 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:03:03.26 ID:wTmnkO6o
ドウッ

鬼丸「ちっ…。戦士、大丈夫か?」

戦士「それより上だ。もう一度来るぞ!」

上空で首無し馬へと再度跨ろうと試みる夜行。

ゴウッ!!

夜行「来たか…!」

コカトリス「……」

ザッザッザ…ザザッ

召喚士「両者が交わる瞬間を……叩くっ!」

名代「……」

騎乗のタイミングを狙い、コカトリスが大きく口を開く。

コオオォォッ…

コカトリス「食らえ…っ!!」

夜行「吐息系かぃ。成程ねぇ〜」

突如夜行は首無し馬の背を掴み、コカトリスの正面へと投げつける。
678 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:06:12.21 ID:wTmnkO6o
コカトリス「!?」

召喚士「な…っ!!」

ゴオオォォッ…ビキキッ…イィ

火忍「う…馬を盾に…!?」

ドウッ!!

コカトリス「!!」

召喚士「まずいっ!」

飛びかかる夜行がコカトリスめがけ刀を振り下ろす。

ブオッ……バシュッ!!

夜行「……?」

振り下ろした刀は数枚の羽を落とすのみに留まり、夜行の一撃は不発に終わる。

突如消えた眼前の者。消え入る羽を見つめつつ、夜行は地上へと着地した。

ズザッ

夜行「…なーんか、嫌な感じだねぇ」

召喚士「……」
679 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:07:14.74 ID:wTmnkO6o
ザッザッザ…

戦士「直前で召喚解除したか」

召喚士「視界が悪くて…少しかすったけどね……」

戦士「でも、これで馬は叩いたぜ!」

夜行「ヒヒッ!!」

風忍「……?」

夜行「勘違いしとらんかぃ?」

名代「……」

夜行「俺っちがあんな馬に頼らんといけねぇとでも…?」

火忍「こっからが…本番てかぁ!?」

夜行「ひひっ、ご名答〜!」

ドンッ!!

火忍「風ぇ!!」

風忍「くぅ…っ!」

反転し、後方の風忍へと迫る夜行。風忍は慌てて印を結ぶ。
680 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:10:20.59 ID:wTmnkO6o
夜行「……そぉれぇ…っ!!」

風忍「風遁……颪!」

ギュルルルッ…ググオォ…

両手を突き出す風忍の前に巻き起こった風の壁。

そろえは夜行の持つ刀身を包み込み、動きを制す。

夜行「……ほー」

火忍「風っ!耐えらんねーぞ!?」

風忍「……っ!」

グググッ…

夜行「もう終わりかぃ?」

風忍「…………ちっ」

ドズズウウゥゥンッ!!

戦士「!?」

名代「な、何だ…っ!?」

風忍と夜行を突如襲った爆風。雪が舞い上がり視界は更に不良となる。
681 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:11:42.42 ID:wTmnkO6o
召喚士「風忍さん…!?」

火忍「待て、今のは風の攻撃だ!」

召喚士「!?」

火忍「まだ視界が悪い。下手に踏み込むな」

オオオオォォ…

風忍「…はぁ…はぁ……はぁ」

ズシャッ

夜行「…ヒ、ヒヒッ。何を…した?」

腹部を苦しそうに押さえ、距離を取る夜行。

夜行「一瞬、息が止まっちまったわぃ……」

それを睨みつける風忍。押さえた左肩からゆっくりと右手を離す。

ポタポタポタッ…ポタタッ

名代「……っ」

火忍「食らいやがったか…。おい風!退がれ!!」

風忍「……はぁ…はぁ」
682 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:13:28.36 ID:wTmnkO6o
ザスッ…ザスッ…ザスッ…

夜行「今のはなかなかだったわ。次はかわすけどねぇ」

ザッ

鬼丸「……隙だらけぇ!!」

夜行「……っ!?」

ガキィッ!!

鬼丸「今だ!!さがれよ!!」

風忍「……お、鬼丸…っ?」

ババッ…ガシッ

火忍「掴まれ…!おい、意識ねーのかコラ!?」

風忍「……火か」

朦朧とする風忍を担ぎ上げ、火忍は素早く後退する。

チュイン!!

鬼丸「……さーて、さっきの続きだ!!」

夜行「やれやれ。雑魚の相手は手間だねぇ……」
683 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:35:41.05 ID:wTmnkO6o
戦士「鬼丸!一人で突っ走んな!」

鬼丸「わーってるって。美味しいところは取っておいてやるよ!」

戦士「そうじゃねぇよ!!」

タタッ

火忍「……これで」

隙を見計らい、風忍を連れ逃亡する火忍。その最中、枝を拾い集め発火する。

ボウッ……ブンッ

夜行「……なんだぁ?こんなもので目くらまし…まさか、攻撃かぁ?」

火忍「…風、意識はあんだな!?」

風忍「…すまん、大丈夫だ。この寒さで止血したよ」

火忍「名代様!すぐ戻る!!」

名代「上様に報告をっ。ついでに兵を動かしてくれ」

火忍「了解っ!」

鬼丸「でっりゃああぁ!!」

夜行「……っ」
684 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/15(月) 18:41:01.69 ID:wTmnkO6o
ガイィンッ!!

夜行「……んっ!?」

鬼丸「どうしたどうしたぁ!?」

夜行「…やるねぇ」

鬼丸「…グハハ!まだまだこれから……」

バキャアァッ!!

夜行「お前さんじゃあ…ねぇよ」

鬼丸「いっちちち…っ」

夜行「枝を燃やした臭いで…奴らの臭いが途絶えちまったわ」

戦士「鬼丸、退がるぞ」

鬼丸「あん?」

ザザッ……ボソッ

戦士「コイツを倒すのが俺達の仕事じゃねぇ。そろそろ……」

鬼丸「お、おぉ…。そうだな!!」

夜行「……まぁいい、後回し後回し。まずはこの弱っちぃ人間からだわな」
685 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 20:14:30.54 ID:6GiFJS20
さるよけぇ
686 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/15(月) 21:06:35.41 ID:G7GNHoY0
1乙
名代は何もしてないね、適当な式神がいないのかな…?

687 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 21:25:44.19 ID:dakNWiQo
さるよけとかいってるやつなんなの?
ゆとり?
688 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/15(月) 21:50:40.37 ID:imgJTHoo
きっとここに来たばかりなんだろう
689 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 22:05:44.98 ID:hwh4w32o
誤爆じゃね?
690 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/15(月) 22:21:52.52 ID:iUSFYp2o
こまけぇこたぁいいんだよ
691 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 22:52:16.81 ID:DBucNMAO
1さん乙です、明日は師匠の一周忌ですね、という事で師匠他数名をUpしましたのでお納め下さい
692 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 01:16:25.01 ID:vyoquck0
>>691 何処に?


資格試験も終わったし久しぶりに登場人物のまとめをしようと考えてるんだけど、
需要ある?
693 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 01:28:17.17 ID:rC4CWP6o
需要あるある
694 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 01:47:26.31 ID:xPe/0AAO
>>692
是非お願いしますm(_ _)m
>>691のはたぶん>>1のろだに
695 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 16:04:41.39 ID:FCa.KEko
えらい屈強な師匠とマジしゃんだったwwww
696 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 17:02:25.07 ID:vyoquck0
需要あるっぽいのでまとめて来る。
前回の手直しもできればしたいので金曜までにはなんとかできれば

俺、登場人物のまとめが終わったら資格の自己採点するんだ…
697 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/16(火) 17:08:21.97 ID:m0SBHIAO
まとめってこれを改良するってこと?

http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
698 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:15:55.09 ID:ii7MFeMo
ピキッ

戦士「おいおい、そりゃ誰の事だよ?おい?」

鬼丸「グハハ!安い挑発だろ、乗るなって……」

夜行「そこの弱っちくて、人間界に落ちぶれた奴もなぁ」

鬼丸「……殺すっ!」

戦士「ははっ、安い挑発だろ?乗るなよ」

召喚士「…あの夜行って魔物、一気に仕掛けてこないですね」

名代「ああ。考えている事は何となく分かるよ」

召喚士「…?」

名代「奴は疑問を抱いている。何故、たったの6人なのか…」

召喚士「……」

名代「そもそも最北には百名以上の警備がいた……」

召喚士「ええ」

名代「それを一人で壊滅させるような妖に、たった6名などと…」

召喚士「確かに…不思議に思いますよね」
699 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:16:23.33 ID:ii7MFeMo
ビュオッ!!

夜行「…さぁさぁ、こっちから行こうかぃ」

鬼丸「来なっ!!」

戦士「……っ」

ジャリッ…

名代「おそらく奴は本隊の位置を掴もうとしている」

召喚士「本隊を…一気に叩くつもりか…っ」

名代「こちらにても好都合、誘い込んでやりましょう」

召喚士「はい!」

名代「奴は執拗にあの二人を狙っている…」

召喚士「そういえば…そうですね」

名代「戦士殿と鬼丸を護衛だと思っているのだよ」

召喚士「護衛…?」

名代「ああ。私達のね」

召喚士「…なるほど」
700 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:17:11.79 ID:ii7MFeMo
シュバッ…ガキィンッ!!…ギキイィ…

戦士「…なんつう……力…っ!」

夜行「それそれ、このまま圧し斬ってやろうかねぇ?」

鬼丸「させっか!!」

ブオンッ!!…バキィッ!!

夜行「…ほぉ、かすったかぃ」

鬼丸「戦士、立て!」

戦士「悪りぃっ!!」

名代「まだ手の内を見せておらぬ私と、未知の力を持つ召喚士殿…」

召喚士「…俺らが本命と!?」

名代「あの二人を倒せば、我らが本隊へ退くと踏んでいる」

召喚士「……ど、どうします!?」

名代「あの二人を捨て置き、隙をみて本陣へ後退するか…」

召喚士「そ、そうはいきませんよ!」

名代「ならば、共に交戦し…折を見て本陣へ退くと致そう」
701 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:18:02.08 ID:ii7MFeMo
二対一にも関わらず、夜行は優位に立ち、乱撃する。

チュイン…チュイン!!…キィンッ!!

戦士「く…っ、この……!」

鬼丸「こんの…ヤロー」

ザッ

召喚士「――!!」

名代「……では、手筈通りに」

召喚士「わ、分かりました!!」

ガインッ…チュイン…ギチチチッ!!

夜行「勝ち目はないぜぇ…!」

戦士「うる…っせぇ!!」

防戦一方の戦士と鬼丸。夜行は更に攻め立て、ほくそ笑む。

夜行「・・・ヒヒッ、そろそろ一匹ぐれぇ葬……」

名代「妖っ!!ここで成敗してくれるわ!!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」
702 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:19:23.51 ID:ii7MFeMo
シュイィィン

コカトリス「……」

夜行「……ヒヒッ」

名代「…鬼丸、一度退く!護衛を頼むぞ」

鬼丸「退くのか!?……仕方ねぇ」

走り去る名代と召喚士。それを受けて戦士と鬼丸も続く。

夜行「おやおや、逃げるってかぃ?」

バサァッ

コカトリス「貴様の相手は…この私だ!」

夜行「……アンタぁ、何者か知らないが…ちょいと危険だねぇ」

コカトリス「……」

夜行「強いとは思わねぇが…石化は厄介だわ」

コカトリス「ほざけっ!!」

問答無用と言わんばかりに、コカトリスは上空へ舞い、急降下を始める。

コカトリス「はあぁ!!」
703 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:27:43.55 ID:ii7MFeMo
ギュオオォォ…ゴオオォォ

夜行「そうら……よぉ!!」

地面へ突き刺した刀を大きく斬り上げる夜行。その衝撃で足元の雪が

大量に舞い上がり、コカトリスの石化を防ぐ壁となる。

ボゴオォ……ザシャアアァァ

夜行「甘い甘い…」

召喚士「コカトリス!!」

コカトリス「……ちぃ…っ」

ゴウッ

夜行「もう打つ手なしかい?」

召喚士の元へと舞い戻るコカトリス。夜行は誇らしげに問いかける。

コカトリス「……っ」

夜行「…おっと、人間共が逃げちまう」

仕掛けて来いと言わんばかりに笑みを見せ、夜行は召喚士の元を後にする。

コカトリス「……逃げるのは性に合わぬ」
704 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:28:32.20 ID:ii7MFeMo
召喚士「…でも…作戦だから」

コカトリス「……分かっておる」

召喚士「…こっちも行こう!」

コカトリス「かなりの吹雪だ。振り落とされるなよ?」

召喚士「…うん!」

召喚士がコカトリスの背に乗ると、吹雪く空へ一気に飛び立った。

ザスッ…ザスッ…ザスッ

夜行「…ヒヒッ、護衛を始末しておくかねぇ」

名代「……」

迫り来る夜行を一睨みすると、名代は四枚の札を手に反転する。

夜行「……やる気かぃ?」

名代「逃げ切れそうもないな…っ」

夜行「本隊はこの先かねぇ?」

名代「……どうだろうな」

夜行「…まぁいい。お痛めつけて確かめるとしよう」
705 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:30:10.89 ID:ii7MFeMo
名代「そう簡単に……」

夜行「まずは腕を…貰うとしようかねぇ!!」

バッ!!

名代「させはせんよ!!」

飛びかかる夜行を前に、名代は一枚の札を指で弾き飛ばす。

ピンッ……ボウゥンッ!!

夜行「っ!?」

名代「これだけあれば…打って付けであろう?」

雪女「うふふ…っ」

夜行「貴…っ様、陰陽師かぁ!?」

叫ぶ夜行に対し、猛吹雪が襲いかかる。

雪女「うふふふふっ」

夜行「ぐぬ…っ!」

ゴオオォォォォ…

召喚士「あそこだっ!!」
706 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:31:33.22 ID:ii7MFeMo
コカトリス「吹雪が竜巻状に…!?名代の式神とやらか」

バサッ

召喚士「名代さん!」

名代「召喚士殿、これを…っ!!」

ピラッ……ボウンッ!!

召喚士「…座敷っ!?」

座敷「……おー召喚士、久々だのー!」

名代「手筈通り、上様と戦陣へ!!」

召喚士「……承知しました!行くよ、コカトリス!座敷!」

コカトリス「飛ばすぞ!振り落とされるなよ!!」

座敷「分かったー!」

ドウンッ!!…バサッ…バサッ…

名代「鬼丸、戦士殿!!」

戦士「……?」

鬼丸「…なんだ?」
707 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:32:26.20 ID:ii7MFeMo
名代は手元に残った二枚の札を同時に上空へ投げる。

ヒラヒラッ……ボウゥンッ!!

猫又「…寒っ!!」

分福「どこだい?ここは…?」

戦士「何だ…コイツらは!?」

名代「猫又、分福。早う頼む」

猫又「はいはーい」

分福「ほいさっ!!」

ボウウゥゥンッ!!

戦士「こ、これは…っ!?」

名代「二人は今のうちに……」

バシィッ!!

鬼丸「!?」

雪女「くぅ…っ!」

名代「さぁ、急いで!!」
708 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:33:57.91 ID:ii7MFeMo
戦士「お、おう…っ!」

鬼丸「旦那!死ぬなよ!!」

名代「お互い様よ」

ザッザッザッザ…

雪女「名代様ぁ…。もう持ちませぬ…っ」

シュバッ!!

雪女「あ……っ」

ドドオオォォ…

竜巻上に吹き荒れる竜巻の中より一閃する夜行の刀。

雪女を真っ二つに裂き、再び元の札へと姿を変えさせる。

夜行「……ヒヒッ、こんなもんかぃ」

納まる竜巻の内部より、片目を光らせた鬼が姿を現す。

名代「……」

クルッ…ザザザザッ…

夜行「…ヒヒッ、逃がすかぃ!」
709 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:35:34.80 ID:ii7MFeMo
再び逃走を始める名代。両脇の戦士と鬼丸も無言で後に続く。

名代(……あとは…南下するのみ)

ザザザッ…

名代「これならば…いけるか」

名代を追う夜行。その差は縮まらず、だが遅れる事もなく追い続ける。

夜行「……少し、速度を落として貰うかぃ」

右腕を大きく振りかぶり、夜行は手にした刀を名代へと一気に投げつける。

ググッ……ビュオォッ!!

名代「何っ!?」

ギュオオォォ……ザシュウゥ

名代「……っ」

名代の前へ立ちはだかり、その身で庇う鬼丸。刀は腹部を貫き、止まる。

夜行「…へぇ、ご立派ご立派」

ボウウゥゥンッ!!

夜行「っ!?」
710 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:37:51.59 ID:ii7MFeMo
分福「……ここまでだぁ」

鬼丸は突如煙に包まれ、その姿を分福へと変えた。

夜行「まさか偽者かっ!!」

ボウウゥゥンッ!!

消滅する分福を見つめ、舌打つ夜行。

名代「……ふっ」

夜行「……この野郎っ!!」

夜行は刀を拾い上げ、再び逃走づる名代の後を追う。

夜行(……するってぇと…あっちも)

クルッ…ザザザッ

名代「…見破られたか。だが、これで時間は稼げたな」

ザザッ…

夜行「…ふんっ!!」

ブォンッ……ザシュウゥッ!!

夜行「……やっぱりねぇ」
711 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:38:47.56 ID:ii7MFeMo
ボウウゥゥン

猫又「名代様の薄情者ーっ!」

夜行「…本物はどこ行った?まさか別に本隊がいるのかねぇ?」

クンクンッ

夜行「凍った鼻がようやく効き出したかぃ。あの…雪女め」

クンクンクン

夜行「…いや、やっぱりこっちで間違いねぇ。人間の臭いが大量にするわ」

ザッ

夜行「…観念したかい?もう近いんだろう?」

名代「……」

夜行「案内ご苦労さん。ここで全滅だわな」

名代「大した自信だ」

夜行「自信じゃあないねぇ。確信だわな」

名代「先日とは数が桁違いだぞ?」

夜行「百も千も…俺っちにとっちゃあ変わらんよ!ヒヒッ」
712 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:40:04.23 ID:ii7MFeMo
ゴオオォォ…

召喚士「確か…この辺りのはずだけど…」

座敷「雪で何も見えぬー」

召喚士「コカトリス、嗅ぎ取れない?」

コカトリス「こう吹雪いていてはな…微かにしか…」

ピクッ

コカトリス「血の臭いがした…!東南だ!」

ゴウッ!!…バサッ…バサァ

コカトリス「あそこだっ!!」

召喚士「いたっ!間違いない!!」



土忍「……これで応急処置は済んだ」

風忍「……すまぬ」

帝「夜行…。それ程か」

盗賊「…何か…来る…っ?」
713 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:40:47.28 ID:ii7MFeMo
魔道士「えっ!?」

盗賊「上だっ!」

火忍「…妖怪か!!」

雷忍「……いや、あれは…っ!」

バサッ…バサッバサッ…

魔道士「召喚士「さんっ!!」

召喚士「夜行は名代さんがうまく誘い込みました!」

帝「ご苦労であった。先陣を動かせい」

足軽頭「御意に!!」

雷忍「これでうまく、挟み撃ちの形が築けますな」

帝「うむ。あとは指揮次第…か」

水忍「名代様。それに城主殿と旗本衆で何とかなりますかね?」

土忍「……幾ら総勢二千の兵と言えど」

盗賊「……」

帝「本国の二人にも、頑張って貰う事になるかの…」
714 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 17:42:44.81 ID:ii7MFeMo
女剣士「…して、我らは?」

召喚士「このまま最北の塔へ向かいましょう」

火忍「アイツらはいいのか?」

召喚士「戦士と鬼丸も既に向かっているはずです。心配ないですよ」

帝「……相分かった。では、塔へ向かう」

雷忍「上様も行かれるおつもりか?」

帝「無論だ。ここまで来て退けるか」

風忍「…確かに、これだけの者がおれば心配はないとは思うが…」

雷忍「カカッ、説得力ないなぁ」

土忍「…おい、揉め事はやめろよ」

風忍「…分かっている。今はそれどころでない」

雷忍「上様を頼む。絶対に離れるなよ?」

女剣士「言われんでも分かっておるわ!」

帝「…すまぬな。頼むぞ」

女剣士「……は…っ、ははぁ!!」
715 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:28:48.03 ID:ii7MFeMo
召喚士「ではこのまま塔へ向かいましょう!」

帝「先陣の指揮は頼んだぞ」

足軽頭「はは!先陣300名と残る南の陣の者ら、本陣へ急行致します!」

火忍「何だコイツ?」

座敷「座敷わらしじゃ。よろしくなっ」

盗賊「…塔はこのまま…真っ直ぐだな」

風忍「ええ…っ」

盗賊「風、傷は大丈夫か?」

風忍「この程度……大した問題では御座いませぬ」

盗賊「…無理はするなよ?」

風忍「ははっ」

火忍「んじゃ、行きましょうかね」

帝「うむ」

召喚士「コカトリス、上空から魔物がいないか見てくれ」

コカトリス「承知した」
716 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 18:33:19.83 ID:FCa.KEko
分福ってタヌキかwwwwww


雪女ちゃんが俺の中でスパークした
717 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:33:34.82 ID:ii7MFeMo
ザッザッザッザ…

帝「あの鳥は…?」

召喚士「俺の召喚獣です」

帝「召喚獣……」

召喚士「式神のようなもの、ですかね…」

帝「…ほぉ。詳しく聞きたいものだな」

召喚士「…喜んで!」

帝「此度の戦が終わったら、時間を設けてくれるかの?」

召喚士「はい!!」

帝「……ふふっ」

女剣士「……」

ザザッ

火忍「この林を抜ければ目の前に出ます。正面から行くか?」

土忍「…下手に遠回りしても仕方なかろう。このまま行こう」

水忍「…だな。火は正面、土は後方。俺と雷で左右を見張るぞ」

雷忍「カカッ、りょーかい」
718 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:41:59.51 ID:ii7MFeMo
本国時間で6時20分頃。吹雪の中、暁の空が広がり始める。

帝を中心とした少数の者らが、最北の塔入り口へと到着した…。

〜最北の塔〜

魔道士「ここが…最北の塔…っ」

盗賊「……ああ」

火忍「…姫」

盗賊「大丈夫。落ち込んだりしてないから」

火忍「……っ」

土忍「……外壁と…上部の損壊が酷いな」

召喚士「入り口は…ここ一箇所だけですか?」

風忍「ああ。それは間違いない」

バサァ

コカトリス「周囲に魔物の気配はない。…まぁ、安心は出来んがな」

召喚士「ありがとう、コカトリス!」

返答仕掛けたが、コカトリスは無言のままその姿を消した。
719 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:46:25.76 ID:ii7MFeMo
〜最北の塔、一階〜

ザザッ

雷忍「……」

正面を担う雷忍と火忍。そのやや後ろに盗賊と土忍が続く。

土忍「……」

盗賊「……」

最後尾の水忍と風忍が周囲をきょろきょろと見渡し、瓦礫を端に寄せる。

魔道士「……っ」

召喚士「大丈夫…そうですね……」

ドゴオオォォンッ!!

女剣士「!?」

帝「左だっ!!」

ザザザッ…

召喚士「……敵…か!?」

左方からの物音で一斉に身構える一同。そこには見覚えのある一人と一匹が姿を現した。
720 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:49:47.54 ID:ii7MFeMo
テクテクテク

戦士「よぉ、お待たせ」

火忍「……ふーっ」

盗賊「普通に出てこれんのか!お前はっ!」

戦士「い、いや…。道に迷っちまって……」

女剣士「だからって…外壁壊して入る阿呆がおるか…っ」

鬼丸「グハハ!面倒くせぇ事は嫌いだ!!」

召喚士「と、とにかく…あとは名代さん待ちか」

帝「名代はどうするのだ?」

召喚士「座敷わらしがいるので、問題ないとは思いますが……」

魔道士「……」

召喚士「座敷、そろそろ名代さん…いいかなぁ?」

座敷「知らぬっ。あたしはいつでも大丈夫だぞ!」

召喚士「……だ、そうですが…っ」

帝「……」
721 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:54:18.10 ID:ii7MFeMo
雷忍「で、では…良いのでは?」

召喚士「じゃあ…座敷、名代さんを呼んでくれ」

座敷「いいぞ!」

戦士「……」

召喚士「……」

帝「……」

召喚士「……あ、あの…まだかな?」

座敷「早よう、斬れ!」

召喚士「!?」

座敷「あたしを斬らねば、名代殿は来ぬ!」

魔道士「き、斬るって…!?」

水「お主を……か?」

座敷「そうだぞ!早よう早よう!!」

戦士「む…無理だろ…」

召喚士「……斬れない…っ」
722 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 18:57:38.54 ID:ii7MFeMo
帝「だ、誰か斬れる者はおらぬのか?」

雷忍「おまえ、斬れよ」

女剣士「はぁ!?お、お前が…斬れ!!」

召喚士「……し、仕方ない…っ」

ザッ

鬼丸「なーに躊躇してんだ?俺がやってやるよ!」

戦士「鬼ま……」

ブンッ!!……ドッゴオオォォッ!!…グシャアアァッ!!

魔道士「きゃあっ!!」

火忍「躊躇…ねぇ…っ」

鬼丸「これでいいか……んっ!?」

金棒にて押し潰された座敷わらしのふだが激しく破裂する。

ボウウゥゥンッ!!

召喚士「!!」

名代「……ふーっ、無事辿り着いたようですね」
723 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/16(火) 20:37:17.90 ID:1falaNUo
なんか帝がフラグを立ててらっしゃるwwww
724 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 20:39:30.37 ID:vyoquck0
>>1

>>697 そこの11部の最後にある「人」って項目に手を加える。

スレも長くなって登場人物も新たに増えたり以前より成長したり落ちぶれたりしてるからそろそろやったほうがいいかなー、と思った次第で。
前回はおふざけが過ぎた感もあるから…

725 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 23:57:57.09 ID:sXQOcLgo
魔道士「名代さんっ!」

召喚士「ご無事でしたか。良かった…!」

名代「いや…っ、実に素晴らしい時期でした…!」

盗賊「…?」

水忍「誘引は成功致したのですか?」

名代「ええ。問題ありません」

戦士「んじゃ、何のタイミングが良かったんだ?」

名代「え、ああ…。夜行と交戦中でしたので……」

帝「終わったのか?」

名代「……いえ。まだ継続中かと」

女剣士「……?」

召喚士「じゃ、じゃあ……」

名代「彼らなら大丈夫でしょう」

召喚士「……?」

名代「見させて頂きましたよ。本国の方の強さを…」
726 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/16(火) 23:58:57.92 ID:sXQOcLgo
――……

遡る事数十分前。本陣にて。

夜行「……ヒヒッ。腕もいじまえば、お得意の式神も打線わなぁ…」

名代「……っ」

ザザザッ…ザスッ

夜行「逃がしはせんよぉ。……そうれ…っ」

シュシュシュンッ…シュシュンッ!!

夜行「……矢、だとぉ?」

名代「……!?」

ザザッ…ズザァ

弓隊「名代様!ご無事で!?」

足軽「今の内にお退き下さいませ!本陣はもう目の前ですぞ!」

夜行「……やっぱりそうかぁ。ヒヒッ」

名代「本陣へ伝えよ。鶴翼で迎え撃てい!」

足軽「御意にっ!」
727 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 00:13:21.87 ID:BjXW3oQo
い、い、いちおつおつ
眠気に勝てないがコカトリスだけは読む!
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 00:15:06.36 ID:s6IdLvwo
弓隊「妖怪はこ奴、一匹のみですか!?」

名代「油断するでない。千にも匹敵する妖怪ぞ!」

足軽「……っ!」

夜行「ヒヒッ、千じゃあねぇよ。万だよ……万」

弓隊「ええいっ!射かけよ!!」

シュシュシュンッ!!

夜行「他愛ねぇや」

一斉に射かけられる矢を物ともせず、夜行は前進を続ける。

弓隊「矢が…効いていない!?」

足軽「なんだこの化物は…っ!後退っ、退け退けぇ!!」

夜行「逃がさねぇよ」

ザザザッ……ズバュウゥッ!!

足軽「ぐぎゃあぁーっ!」

名代「無暗に近づくな!本陣まで下がるのだ!」

夜行の一振りで数名の兵が無残にも命を落とし、雪上を赤く染め、息絶えた。
729 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga sage]:2010/11/17(水) 00:15:33.49 ID:7NHs0EDO
寝る前に来てみたら、深夜更新ktkr!!

>>1乙!
いつもありがとう。
730 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/17(水) 00:30:37.72 ID:s6IdLvwo
>>691
ありがとうございます!相変わらずカッコよすぎる!
ぜひプレイしてみたいですね!!

>>692>>696>>724
うおおぉぉ!!需要ありまくりです!!
いつもありがとうございます〜!とても助かっております!

>>723
そ、そんな事は…!!

>>727>>729
もう全然、無理せず寝て下さい!かく言う>>1も失礼致します
ちょっと展開忘れそうな部分だけ投下したまでなので…

前日も23時前にねてしまい、最近やたら眠いです…すみません
それではご支援ありがとうございました!おやすみなさい!

〜オマケ(次回予告)〜

占い師「東方で死闘を繰り広げる召喚士達…」

占い師「夜行を、そしてヤマタノオロチを倒す事は出来るのか!?」

占い師「そして今…動き出す、あの者達……」

占い師「次回、第383話【盗賊、心のむこうに】」

占い師「この次も、サービス、サービスゥ!」
731 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 00:33:18.28 ID:g.f8MyMo
1乙
次回予告久しぶりだな
732 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga sage]:2010/11/17(水) 00:34:50.88 ID:7NHs0EDO
おやすみなさい(・ω・)ノシ
733 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/17(水) 02:45:12.89 ID:/.QA.AAO
おやすみ〜(^з^)
734 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 08:24:58.49 ID:W2qwcIAO
>>1

頻繁に訪れる魔導師ちゃんの出番皆無な時間…
それでも、こんな手ごわそうな敵がいても傷つく心配が少ないから、悪いことだらけって訳ではないが…
心配してる自分と安心してる自分、この気持ちが混ざり合ってもどかしい
735 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 11:01:33.86 ID:6zNSNAQo
イけクリ面白いなぁ
736 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 11:18:41.96 ID:B5ZVL3wo
第383話って適当な数字かと思ったら始まってからの日数なのね…乙
737 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 18:03:16.82 ID:k6bRegDO
始まってからの日数≒実際に>>1が書いてきた話数なのがすごいところ
738 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/17(水) 18:03:32.24 ID:ohr8Dsso
こんばんは!です!

>>734
なんだか…お久し振りなカンジが…

>>735
略が間違ってますよ!ありがとうございます〜!

>>736
お気気付き頂けましたか!でも、意味はありません

↓続き
739 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:04:20.29 ID:ohr8Dsso
ワアアァァ…

隊長「何の騒ぎだ!?敵襲か…?」

西方参謀「おいおい、まさか本陣まで押し込まれたってのか!?」

隊長「まさか。あれだけの精鋭が居てか?」

西方参謀「つー事は、」

ワアアァァ…ザザザッ

隊長「本隊で迎え撃つってか」

タッタッタ

城主「お二方、後方へお退がり下され」

西方参謀「……だってよ。ヒック」

隊長「そうはいきませんって」

城主「!?」

隊長「助太刀させて貰いますぜ!」

西方参謀「まずは情報収集を。敵の数と大将、判れば能力も知りてぇな」

城主「……ぎ、御意に…っ!!」
740 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:04:47.36 ID:ohr8Dsso
ドボッ!!……ズズウウゥゥンッ

夜行「こんなもんかねぇ…ヒヒッ」

名代「……やはり一筋縄ではいかぬか」

弓隊「足じゃ!足を狙え!!動きを止めるのだ」

バシュシュシュッ……キィン

弓隊「だ、駄目じゃ…!やはり効かぬ!!」

後退する名代と先方の弓隊、足軽隊は、間もなく本陣まで押し込まれる。

名代(南の陣が来るまで…もう少し稼ぎたかったが……)

夜行「…ようやく見えたぁ。あれが本隊だなぁ?」

ザスッ…ザスッ…

隊長「うお…っと。何やら慌しくなってきたぞ!」

西方参謀「ああ。敵さん、ここまで来やがったかな?」

タッタッタ

斥候「敵は一匹じゃあ!一匹だが…えらい強い!矢も効かぬ!!」

隊長「一匹!?」
741 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:05:14.38 ID:ohr8Dsso
西方参謀「…城で聞いた奴だな」

城主「長槍隊と足軽は左右に開き、鶴翼で迎え撃てい!!」

西方参謀「俺達ゃどうすんだ?」

隊長「他人様の軍を勝手に指揮するわけにゃいかん」

西方参謀「そらそうだ」

隊長「個別で支援すんぞ!手伝え!!」

西方参謀「へいへい……」

ダダッ!!

城主「あっ!!ど、どちらへ…っ!?」

隊長「中央へ誘い込む!うまく兵を動かしてくれ!!」

城主「えっ?あ、御意に…っ!!」

タッタッタッタッタ

西方参謀「う〜さみぃ……」

隊長「いたぞ!あれか…っ!!」

西方参謀「大きさはねーな。しかし初めて見る…。何だアイツは?」
742 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:05:42.22 ID:ohr8Dsso
隊長「東方の魔物だろ?まずは手の内を……」

ザッザッザ

名代「お二方っ!?」

隊長「おぉ、こりゃどうも!他の連中は?」

名代「先にヤマタノオロチの元へと向かいました」

西方参謀「なーるほど。うまくいったようですなぁ」

名代「問題はあの夜行という妖怪です」

隊長「単体ですかい?」

名代「ええ。しかし恐ろしく強いです」

西方参謀「矢も刀も弾き返してやがる。防御する気もねぇってか…」

隊長「……」

名代「お二方は……」

隊長「退がれなどと申さんで下さいよ?微弱ながら協力致します!」

名代「しかし…っ」

西方参謀「まぁまぁ。同盟の材料にでも活用下され!」
743 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:06:26.03 ID:ohr8Dsso
名代「……かたじけない」

隊長「さーて、行こうか」

西方参謀「んで、どうするよ?」

隊長「まずは攻撃が効くのかどうか。それが問題だな」

西方参謀「どれ、試してみるか。…名代殿!」

名代「!?」

西方参謀「矢を一斉射撃するよう、指示して下され」

名代「矢を…ですか?」

西方参謀「寒いんでね…。キャンプファイアーといきましょうや」

名代「……きゃんぷ…ふぁー?」

ゴソゴソッ…キュポン

西方参謀「…そんじゃあいきますぜ!……ゴクッゴクッ」

名代「…ゆ、弓隊!一斉に矢を放てい!」

弓隊「しかし…矢は効きませんぜ!?」

名代「良いから指示に従うのだ。射かけよっ!」
744 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:08:18.11 ID:ohr8Dsso
ググッ…バシュシュシュッ

吹雪の中を飛び交う無数の矢。夜行は嘲笑うかのように口元を緩める。

夜行「ヒヒッ、無駄だっての」

夜行めがけ放たれた矢は猛吹雪を切り裂くが、夜行に空しくも弾き落とされた。

弓隊「やっぱり…効かねぇよぉ」

ボッ……ボボッ

夜行「……?」

弓隊「弓が…燃え……」

名代「火矢!?いや…これはただの火矢ではない…っ!」

名代は横に立つ、炎を両手で操る西方参謀を驚きの表情で見つめる。

西方参謀「たーだの火じゃないですぜ。火行をありったけ凝縮した……」

隊長「見た目は小せぇが…威力は相当!」

名代「何を見とれておる!矢を射続けぬか!」

弓隊「そ、そうだ…!どんどん射かけろぉー!」

鏃だけではなく矢、全体が炎を纏い、雪中を一直線に切り裂く。

夜行は初めて、刀で払い落とすという『防御』を見せた。
745 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:10:49.47 ID:ohr8Dsso
夜行「……」

隊長「見たか!?やはり付加は有効的のようだぞ!」

西方参謀「そんじゃお前さんの出番だな」

名代「私も参戦致しましょう」

西方参謀「お手並み拝見、ですな……ヒック!」

西方参謀は燃えさかる両手を合掌すると、徐々にそれを頭上に掲げる。

ボボッ…ゴオオォォッ!!

足軽「な、なんと…っ!?炎が…!!」

西方参謀「……ほれ、早く準備しろよ」

隊長「……へいへい」

腰の長剣を抜き眼前で構えると、隊長は一つ、大きな呼吸を吐く。

隊長「……はぁ」

パキンッ

両手で握った長剣が左右へ真二つに分かれる。

柄と柄を繋げ合わせると、両端に刀身を持つ異形の剣が誕生した。
746 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:13:37.85 ID:ohr8Dsso
ジャキッ

西方参謀「…おぉ、本気じゃねーか」

隊長「最近、色々と触発される事が多くてなぁ…」

西方参謀「ふーん。まぁ何でもいけど…ヒック」

隊長「おらっ!来な!!」

双刃の剣を頭上で振り回し、身構える隊長。

ヒュオンッ…チャキッ

西方参謀「んじゃ、いっくぜぇ!!」

それを確認した西方参謀は口元へ酒瓶を運び、一気に口内へ流し込む。

名代「……っ」

西方参謀「ブフウゥーッ!!」

口に溜め込まれた酒が、頭上の炎え一気に吹き付けられる。

西方参謀「よっしゃ!受け取れぇ!!」

隊長「でかいな…!!力加減が難しいぞ、おい!!」

更に肥大した炎の塊が、隊長の元へと投げつけられた。
747 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:15:36.45 ID:ohr8Dsso
ゴウッ!!

名代「…な、何という…っ」

西方参謀「酒を呑めば呑む程、魔力を溜め込める…ヒック」

名代「不思議な術ですね…」

西方参謀「酔拳…なーんてな。ガハハッ!」

名代「あれ程の炎を…まさか……」

西方参謀「剣へ付加させ…魔法剣として攻撃するってわけですわ」

ジャキッ…ガシィ!!

隊長「…喰らい…やがれぇ!!」

夜行「っ!!」

跳躍した状態より夜行の頭上へ双刃剣を振り下ろす隊長。

ヒュッ…ブオォッ!!

夜行「避ける…と思ったかい?」

隊長「!?」

隊長の振り下ろした炎を纏わぬ側の刀身。夜行は刀でそれを受け止める。
748 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:17:51.64 ID:ohr8Dsso
夜行「よけて空振った着地際に…炎を叩き込もうってハラだろ?」

隊長「ちぃ…っ!」

夜行「浅はかだねぇ……ヒヒッ」

名代「マズイ!?」

西方参謀「……?」

名代は大慌てで札を取り出し、前方へと投げつける。

ボンッ…ボシュウゥッ

夜行「そうれ…!!」

受け止めた刀身を押し返すように、夜行は隊長を剣ごと押し出す。

隊長「……っ!」

空中でバランスを取り直し、隊長は雪上へと着地し、素早く立ち上がる…が。

夜行「ヒヒッ!!」

その瞬間を狙いすまし、夜行の一刀が一気に迫る。

グググッ…グッ…ビュオオォォ

夜行「っ!?」
749 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 18:31:23.93 ID:ohr8Dsso
隊長「……?」

前進する夜行の速度が突如速まり、両足が宙を離れる。

夜行「な…っ!?」

それは前進ではなく、背後からの突風に煽られてのものであった。

天狗「……もう一つ!」

名代の札より現れた天狗は、手にした扇子のようなものを一つ扇ぐ。

フォンッ……ビュオオォォ!!

夜行「く……ぁ!!」

再び風に煽られる夜行。立ち上がり態勢を戻した隊長の目の前へ無防備に迫る。

隊長「助かった!!」

クルクルクルッ…ジャキッ!!

先程と同様、鋭さを見せる双刃剣。今度は炎を纏った刀身が迫り出す。

隊長「……でえぇりゃあぁ!!」

夜行「立て…直……」

がら空きとなった腹部へ、炎を得た双刃剣が深く突き刺さった。
750 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/17(水) 21:35:24.08 ID:gCYxAQDO
>>1
毎回的確なポイントでお預けでSなおれには耐えられない
751 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 21:39:20.55 ID:/wpHRPEo
隊長ダースモール的な戦い方か
アレいつ見ても自分の腹にさくっといきそうでハラハラする
752 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 21:50:40.03 ID:nAa.yEoo
>>1おつです。
炎+「喰らいやがれー」に勝手にwktkした。
753 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 22:09:18.16 ID:Hf4uNjgo
東方は忍術以外の魔法の概念がないのかな?
754 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/17(水) 22:15:11.56 ID:rDz8ml20
1乙
盗賊ちゃんの心のむこうはまだだね
755 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/17(水) 23:13:22.76 ID:umN/hw20
乙です。
756 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 23:56:30.47 ID:s6IdLvwo
ドズゥ…

夜行「……ッ!!」

隊長「へっ」

ガシッ

隊長「!?」

夜行「…なんてぇな」

隊長「き、効いてねぇのかよ…っ」

グッ…グッ

隊長「抜…けねぇ…っ!」

夜行「いんや、効いたよ。痛い痛い……」

懸命に剣を抜こうとする隊長だが、夜行に阻まれ刀は抜けない。

夜行「こりゃ倍返ししてやらんとねぇ」

隊長「っ!!」

夜行「そうれ…。こいつでも喰らいな!」

隊長「……くっ!!」
757 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 23:57:40.74 ID:s6IdLvwo
バシュシュシュッ!!

夜行「!?」

刀を振りかぶる夜行は、左右からの火矢に気付き、攻撃の手を止める。

隊長「……っ」

バキンッ!!

夜行「な…!?」

双刃剣は隊長の手により二つへ分離され、その片方が隊長の手へと戻る。

ザザッ

西方参謀「大丈夫か!?」

隊長「剣の片方、持ってかれちまった」

夜行「おいおい、自分でブッ刺しといて…ひでぇ言いようだな」

西方参謀「…だとよ」

隊長「うるせぇ!さっさと何とかすんぞ!!」

名代「天狗!!」

天狗「……」
758 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/17(水) 23:59:27.57 ID:s6IdLvwo
ゴウッ!!…ビュオオォォッ

夜行「天狗たぁ…小賢しいねぇ!」

弓隊「続けぇ!!」

バシュシュシュッ…シュシュンッ

夜行「ちぃ…っ!」

名代「退きますよ!」

隊長「……?」

名代「本陣の展開が終わりました。誘い込みます!」

西方参謀「……おっしゃ!」

一同の後方にて、城主率いる本陣がUの字を描くように兵を展開させている。

隊長「……剣はぜってぇ回収すっからな!」

西方参謀「自業自得だ!てめぇで頑張れや…がははっ!」

夜行「…仕方ないねぇ。まずは……お前さんからっ!」

天狗「!?」

夜行は背後に身構える天狗へ急反転し、一刀の元に斬り伏せた。
759 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 00:20:51.05 ID:Ib6Lg.2o
ボウゥンッ!!

名代「天狗がやられたか…っ」

弓隊「退くぞぉ!牽制しながら急いで退けぇ!!」

ザザザッ

隊長「……」

西方参謀「直撃したんだよなぁ?」

隊長「ああ。間違いなく刺さったはずだ」

西方参謀「まさか火の属性か…?」

隊長「だったら矢を避ける必要はねぇ。何かある気がするぜ……」

西方参謀「……」

ザザザッ

城主「ご無事で!?」

隊長「こっちは問題ない!それよりも……来ますぜ!」

隊長の指差す先、吹雪の中より夜行がゆっくりと姿を現す。

夜行「……ヒヒッ、さぁて本番といこうかねぇ…!」
760 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/18(木) 01:35:38.27 ID:5EclEj20

夜行強いね、軍団長クラスかな…?

761 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 08:05:27.65 ID:Meo5fJ6o
いちおつおつ
ツインブレードにwktkした‼
…な、に?刺さったまま、だ、とw
762 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 09:15:39.41 ID:QzqoSwAO
>>761
こういうレスってどうなのよ
763 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/18(木) 09:35:45.43 ID:ebH8GgMo
安価つけちゃうきみも含めて
764 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 09:43:07.27 ID:QzqoSwAO
>>763
好きです
765 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/18(木) 09:56:44.47 ID:ebH8GgMo
ばか///
766 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 10:33:09.12 ID:Meo5fJ6o
>>762
目障りだったらホントスンマソン
767 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 11:38:59.74 ID:.Bjo9.oo
目障りだから黙れ
768 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:02:40.81 ID:JjxB3bko
ザスッ…ザスッ…

隊長「考えられる事は?」

西方参謀「…アンデッドじゃねぇか?」

隊長「…はぁ、めんどくせぇ」

西方参謀「結界石は?」

隊長「あるわけねぇだろ」

西方参謀「合体五行は?」

隊長「…足りねぇ。お前、水行出来るのか?」

西方参謀「……お手上げだな」

隊長「……っ」

名代「お気にせず。東方は我らが国」

城主「あとは我々にお任せ下され!」

西方参謀「…だってさ」

隊長「それじゃ、俺らは支援しつつ…何とか一手考えるとするか」

西方参謀「おうよ」
769 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:03:29.21 ID:JjxB3bko
ザザザッ

夜行「…コイツはすげぇすげぇ。大した数だわ」

城主「躊躇せず陣内へ入り込んでくるとは…!」

名代「それだけ自信があるのだろう……」

キョロキョロ

夜行「…さーて」

足軽「…う、うぅ…っ」

足軽頭「怯むな!陣を乱すでないぞ!」

ザザッ…ダダダッ

弓隊「包囲完了」

城主「…よし。足軽隊、長槍隊……突撃ぃ!!」

足軽「わああぁぁーっ!!」

中央に一人佇む夜行に対し、周囲を取り囲む兵が一斉に襲いかかる。

城主「続けて…弓隊、援護射撃ぃ!!」

弓隊「射てぇ!!」
770 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:07:48.37 ID:JjxB3bko
ワアアァァ…

夜行「…ヒヒッ、烏合の衆が…何するものぞ」

刀や槍を手に夜行へ掴みかかる足軽隊と長槍隊。

ある者は足へ掴みかかり踏み潰され、ある者は顔へしがみ付きあしらわれる。

隊長「なんつう…戦いだよ…っ」

西方参謀「ただ…がむしゃらに突っ込んで、命をぶつけてやがる」

隊長「……あれが東方の戦いなのかよ」

西方参謀「あれも一つのチームワークだわな」

隊長「誰かが犠牲になってでも…一人がトドメを刺しゃいいってか?」

西方参謀「サムライの美学ってヤツかねぇ」

隊長「…確かに部外者だがよ、散っていく命を見過ごせるほど……」

西方参謀「…ああ。冷徹にゃなれねーわな!」

隊長「お前は弓隊に付いて、付加を頼む!」

西方参謀「おうよ!」

隊長と西方参謀、両者は見合わせ頷くと、左右へそれぞれ散開した。
771 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/18(木) 13:11:54.27 ID:PBdG.H.P
今日は早いな
仕事休みか?
772 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:19:36.32 ID:JjxB3bko
夜行「そらそら、もっと来ぬかぁ」

ブオンッ!!

足軽「ぐぎゃあぁっ!!」

夜行「ほれ、どうした?」

足軽「このぉ!!」

ザザァ

名代「食らえぃ!」

足軽隊の中を掻き分け、名代が最前線へ姿を見せる。

夜行「来たなぁ…!?」

待っていたぞ、と言わんばかりの夜行に対し、名代は札を一斉に投げつける。

ババッ……ボシュシュン!!

札から姿を形取る様々な式神は、夜行の周囲をぐるりと取り囲み、戦闘態勢へと入る。

ザザッ

隊長「すげぇ数だな…!こりゃ召喚獣ですかい!?」

名代「……手持ちを全て放ちました。まぁ、似たようなものです」
773 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:23:46.76 ID:JjxB3bko
隊長「ならば…っ、この機に乗じて…!!」

ダダッ!!

夜行「…式神なんぞ何匹こようが…っ!」

鎌鼬「……試してみるがいいさっ!」

雪女「さっきはやってくれたじゃあないのさ!お返しするよぉ!」

天狗「…鼬、援護するぞ」

鎌鼬「助かる!」

天狗の巻き起こす風に乗り、鎌状の両手を持つ鼬が宙を舞うように飛ぶ。

ビュオッ!!

夜行「…むっ!?」

雪女「目くらましさね…。ついでに鼻も封じてやろうぞ…ほほっ」

ゴオオォォ…

鎌鼬「そらそらぁ!!」

雪女の凄まじい吹雪の中、鎌鼬が背後より鋭利な両手で斬りかかる。

夜行「ぐぬ…!」
774 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:28:33.72 ID:JjxB3bko
サクッ…スパッ!!

鎌鼬「…!?」

天狗「…どうした?」

鎌鼬「あっ、いやぁ……」

足軽「俺達も続けぇ!!」

ダダッ!!

西方参謀「決めてにゃかけるが、千を越える兵の度重なる攻撃……」

弓隊「射撃用意ーっ!!」

西方参謀「こりゃ時間はかかるが…いずれかはヤツを……」

弓隊「射てえぇ!!」

西方参謀「…おっと、補佐しないとな…ヒック」

後方より風上に立ち、放たれる支援の矢。西方参謀の手により徐々に付加の炎が宿る。

ボボボッ……シュシュシュン!!

足軽「援護射撃が来たぞ!一旦離れよ!」

統制された動きにより、援護射撃と同時に足軽隊が一度、夜行の元より引き離れる。
775 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 13:32:27.11 ID:JjxB3bko
隊長「いやはや…お見事っ!!」

名代「隊長殿っ!?」

後退する足軽隊とほぼ同時に、飛び交う矢の中を隊長が突出する。

夜行「このっ、離れろ」

鎌鼬「そらそらっ!」

タタタッ…ザザッ

隊長「……いい加減…返せよコラ!」

飛び蹴りのように両足を夜行の腹部と胸部へ叩き込み、

その反動で刺さった剣を抜き取る隊長。

夜行「人間…っ!!」

隊長「ふんぬううぅぅ!!」

グググッ……ズボォ!!

隊長「…ふーっ」

天狗「退け人間。更なる矢が来るぞ」

隊長「ご忠告ありがとよ!」
776 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 13:39:38.59 ID:QMDiAUwo
おいそこの鎌鼬、いやおまえたち
777 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 16:33:00.54 ID:PrY7UcAO
>>1乙!
隊長の武器は分離可能なダブルセイバーのような感じかな?
778 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:03:06.82 ID:AXYo6tko
劉備が使ってたとされる雌雄一対の剣みたいなもんだろうな

ただ、あれって耐久力が低いからあんまり雑に使うと折れると思うぞ
779 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/18(木) 17:09:00.73 ID:JjxB3bko
>>771
午後は珍しく外出だったので、少し早めに投下しました!
思ったより遅い帰社になってしまった…続き頑張ります…

>>776
鎌鼬「……?何だ?」

>>777-778
一つの時はクレイモア、二つに分離すると両手剣、
それを縦にくっ付けると双刃剣ってな〜んだ?みたいな感じですかね
780 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:15:50.10 ID:AXYo6tko
縦のイメージがわかんない…wwwwww
781 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:23:46.60 ID:UoW.AiIo





こんな感じじゃないのかね
782 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:23:59.38 ID:l2a2M52o
柄尻同士をくっつけるんだぞ?
783 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:26:20.72 ID:AXYo6tko
あぁなるほど
把握したwwwwwwww
784 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 18:10:45.46 ID:JjxB3bko
バッ!!

鎌鼬「それでも退がらんのかよ!」

隊長「アンタ、風が使えるんだろ!?」

天狗「……!!」

隊長「背後は任せた!」

天狗「私に…援護せよと申すか!?」

制止を振り切り夜行の前へと飛ぶ隊長。手にした二本の剣を向かい合わせ、

一つとなった長剣がずじょうより振り下ろされる。

ビュオンッ!!……ゴガアアァァッ!!

隊長「だりゃあぁ!!」

夜行「…なかなかの……力よ!」

グッ…グググッ…

隊長「でえぇりゃああぁぁっ!!」

夜行「何…っ!?」

両手で力を込める隊長の一撃は、夜行の身体を地面へと押し付けた。
785 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 18:11:34.19 ID:JjxB3bko
ドシャアアァァッ!!

夜行「……くっ!!」

隊長「ふーっ」

名代「ま…さか、真っ向から競り勝つとは…っ」

西方参謀「援護射撃いったぞぉ!」

名代「天狗っ!」

隊長の背後より迫る火矢。突如直前でその軌道を変える。

ビュオオォォ…

天狗「……これで良かろう」

隊長「…助かる!」

鎌鼬「でも…っ、ただ失うには勿体無い!」

向きの変わった矢を、鎌鼬が更に上空から倒れる夜行へと軌道を変える。

ドシュシュッ…ヒュオンッ!!

夜行「ッ!?」

降り注ぐ矢の雨を懸命に手で払い落とし、夜行は素早く態勢を立て直す。
786 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 18:37:27.74 ID:JjxB3bko
ババッ…ズシャアァ

夜行「調子に乗るなよ…人間ども!」

隊長「……」

チャキッ

弓隊「もう一度……射てぇ!!」

再び放たれる炎を纏った無数の矢。しかし夜行は回避する素振りを見せず、

迫る矢群の中へと跳躍し、刀を振り回し始める。

夜行「この程度の矢なぞ、最早…相手にはせぬ!」

弓隊「矢の中を突っ込んで……」

隊長「……っ!!」

夜行「はあぁ!!」

ドッグオオォォンッ!!

弓隊「ぐあぁーっ!!」

西方参謀「マズイ!前線すっ飛ばして背後に回りやがった!」

城主「陣を立て直せ!!足軽隊、前へっ!!」
787 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 18:42:22.23 ID:JjxB3bko
夜行「まだ刻はあるし、遊んでやろうと思うたが……」

隊長「……」

夜行「面倒面倒。面倒事はさっさと終わらせてしまおう」

西方参謀「ちぃっ!!」

名代「弓隊、早く退くのだ!!」

飛び出す名代と西方参謀。すかさず西方参謀は土の壁を作り出し、防御壁を張る。

名代「天狗っ、鎌鼬、雪女!」

天狗「止めるぞっ!」

夜行「この程度の壁で…何するものぞっ!!」

バキャアァッ!!

西方参謀「一撃でブチ破るかい…っ!」

城主「名代様ぁ!!」

名代「な…っ!?」

破られた土壁の正面、弓隊の間に割って入った名代が夜行と鉢合わせる。

夜行「……ヒヒッ!」
788 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 23:21:38.36 ID:Ib6Lg.2o
西方参謀「壁が破られてる!戻れ、名代殿!!」

名代「――っ!!」

夜行「終わりだ…ヒヒッ!」

夜行の手にする刀が、無常にも名代の顔めがけ振り下ろされる。

隊長「名――」

ドウッ!!……ボシュウゥンッ

夜行「……!?」

隊長「え……っ?」

西方参謀「……き、消え…た?」

夜行「一体…何がどうなってるんだぁ!?」

西方参謀「今だ!陣形を整えろっ!!」

城主「弓隊反転!足軽隊は前へ!!」

夜行「……しまったねぇ」

西方参謀「し、しかし……名代殿はどこへ?」

隊長「まぁいい。まずはコイツを止めるのが先決。ちょっと分かった事もあるしな…!」
789 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 23:37:34.38 ID:Ib6Lg.2o
……――

名代「……と、言うわけです。だいぶ簡略にご説明致しましたが」

召喚士「いえ…っ、十分に分かりました」

帝「あちらは大丈夫なんだな?」

名代「はい。それに今更戻っても仕方ありませぬ」

火忍「人数は向こうの方が多いわけだしなぁ」

戦士「それに、隊長がいるんなら心配ねぇさ」

魔道士「そ、そうですよ!」

土忍「…それで、次は如何に?」

名代「……こちらへ」

一同は名代の誘導に従い、塔の一番奥へと進む。

ザッザッザ

水忍「……こちらに…何が?」

火忍「…まぁ、見てくれや」

火忍の指差す先、瓦礫と瓦礫の間に地下への階段が見える。
790 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/18(木) 23:41:15.45 ID:Ib6Lg.2o
盗賊「……あれは!?」

風忍「先日、姫と若君がこの塔で妖と一線交えましたよね?」

盗賊「…あ、ああ」

火忍「あの後も、我らは警備と調査を続けておりました」

召喚士「……」

名代「そして、この階段を見つけたのです」

帝「これは…どこへ通じているのだ?」

名代「おそらくは……最北の島」

土忍「何…!?」

名代「この階段を降ると、地下道が遥か先へと続いております」

女剣士「地下道…?」

名代「ええ。まだ途中までしか調査は進んでおりませんが……」

召喚士「その先は…最北の島に繋がっていると…?」

名代「そそらくは。ですがその前に…」

盗賊「……?」
791 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/18(木) 23:41:52.00 ID:Ib6Lg.2o
>>790
× 名代「そそらくは。ですがその前に…」

○ 名代「おそらくは。ですがその前に…」
792 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 00:09:21.69 ID:wCMzLnAo
名代「その道の途中、おそらく……います」

戦士「いますって…まさか……」

名代「…はい。ヤマタノオロチです」

魔道士「!!」

帝「……そうか。この下に」

戦士「どのみち、北にいるっていう魔王へ辿り着くには……」

雷忍「…ヤマタノオロチを倒せねばならぬ…か。カカッ」

女剣士「…どうせ倒すべき奴だ。結果は変わらん」

火忍「……だわなぁ」

召喚士「では……」

名代「ええ。今より、ヤマタノオロチ討伐作戦を開始致します」

盗賊「……」

帝「皆、異論はないか?これは無理強いするものではないぞ」

鬼丸「ここまで来て、帰るヤツがいるかっての!グハハッ!」

召喚士「…ええ。覚悟は出来ています……!」
793 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 00:10:41.58 ID:QvesIj.0
>>1
夜行さんをあぎょうさんとずっと勘違いしてたのは秘密
大神のカムイに続く道思い出した
794 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 00:21:50.56 ID://wdY6AO
両手剣=両手で剣一つ握るもんだと思ってた
795 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 00:32:20.59 ID:NQ09y9so
いい展開の書き方だったw
いい意味で拍子抜けしたぜGJw
796 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 01:45:02.04 ID:QnFRChQo
いちおつ
ついに討伐作戦がっ
797 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/19(金) 03:42:21.33 ID:dycpDYw0
1乙
えっ…魔王のとこまで行くつもりなの…
798 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 06:35:09.81 ID:A4VdqasP
ていうか夜行に苦戦してるようでヤマタと戦えるの?
799 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 10:28:26.98 ID:ewHMtpEo
五行使ってないからだろ
ヤマタ方面には召喚士達や名代さんがいるし大丈夫じゃない?

それより帝がそんな最前線に同行してることに違和感がありまくるwwwwww
勇者に同行する王様を思い浮かんだwwwwww
DQ1の勇者が必死に一人で戦う後ろで
護衛連れた王様が魔王戦までずっと応援しながら付いてくるみたいなwwwwwwww
800 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 12:22:47.89 ID:jcIGUYso
その王様はウザイなwww
自分で魔王倒せよwww
801 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 14:44:29.99 ID:WLvERVco
スーパーチャイニーズ3のポクチン殿下思い出した
802 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:17:22.57 ID:2xQ1wQUo


召喚士「これで、いいですかね」

名代「ええ。流石にこれだけの人数ですから……」

戦士「二手にパーティー組んだ方がいいって事だな」

名代「まずは、上様主体に戦士殿と鬼丸が前列」

鬼丸「おう」

名代「上様の補佐に女剣士殿。後列に召喚士殿、魔道士殿」

魔道士「頑張りますっ!」

名代「こてらが主力組と致しましょう。そしてもう一つ…」

風忍「我ら藤蔵五忍に加え……」

火忍「姫様と…このような日が参ろうとは…っ」

盗賊「はぁ……」

雷忍「あまり姫様を困らせる出ないぞ?…カカッ」

名代「藤蔵の方々には斥候も兼ねて、行動して頂きます」

土忍「……畏まった」
803 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:18:35.85 ID:2xQ1wQUo
ザッ…

水忍「では、我らが先に」

火忍「雷、俺らで前衛勤めるぞ」

雷忍「承知。土は中央で姫の護衛を……」

水忍「ならば、私と風で後方を務めよう」

風忍「…では、参る」

六人の忍がそれぞれ、口元へと布を上げ、身を整える。

盗賊「……」

ザッザッザッザッザ

名代「では、われらも続きましょう」

召喚士「はい」

鬼丸「行くかね、相棒!」

戦士「…おう。前衛は任せてくれ!」

帝「……頼むぞ」

名代「……では、出発」
804 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:19:30.50 ID:2xQ1wQUo
ピチョーン……ピチョーン

階段を降りる先、天井より水滴が滴る薄暗い細道が、真っ直ぐ伸びる。

盗賊を中心に、松明を持つ火忍と雷忍がやや左右に開き、前衛を務める。

火忍「……さっぶぅ」

雷忍「…カカッ。まだ早朝だし、地下道だからなぁ」

雑談を交わしつつ先へと進む両者の後ろ、土忍が無言で続く。

土忍「……」

盗賊「土…」

土忍「…何でしょうか」

盗賊「いや…っ、ありがとう……」

土忍「…気になさいますな。我らにとって、姫は何時まで経っても姫ですから」

その後ろ、風忍が時折、怪我の具合を気にし、それを水忍が心配そうに見つめる。

水忍「大事ないか?」

風忍「うむ、重傷ではない。足手纏いにはならぬさ」

そう言う風忍は周囲を見つつ、水忍にも反対側を見張る様、指示を促した。
805 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:20:11.21 ID:2xQ1wQUo
ザッザッザッザッザ…

戦士「しっかし……暗くて敵わんな」

鬼丸「人間は不便だなぁ」

戦士「お前、見えるのか!?」

鬼丸「ハッキリってわけじゃねーけどな。ま、そっちは任しとけや!グハハッ!」

大口を開けて笑う鬼丸の後方、帝と女剣士がキョロキョロと警戒する。

帝「……ここは天然の物か?それとも…人工物であろうか」

女剣士「……あまり…ご無理なさらぬよう」

帝「…ふふっ、分かっておる。その為のお主らであろう?」

女剣士「……」

帝「それに…私はそれ程弱いかの?それとも、お主の指南が足りなかったか?」

女剣士「い、いえ…っ!断じてそのような……」

名代「上様、あまりいじめなさいますな……」

戯れる二人の横を名代が通りかかり、帝へ苦言を呈す。

帝「すまぬすまぬ。ふふっ」
806 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:21:35.25 ID:2xQ1wQUo
談話する三名の後ろ、最後尾から召喚士と魔道士が声をかける。

召喚士「名代さん」

名代「……?」

召喚士「名代さんは遊撃を…?」

名代「一人余ってしまいますし、両隊の連携を纏める役を務めさせて頂きます」

魔道士「な、何かお手伝いする事があれば…どんどん言って下さいねっ?」

名代「ありがとうございます。お気持ちだけでも十分に助かります」

召喚士「……ヤマタノオロチ、倒せますかね?」

名代「…先程も申したが、最悪…封印できれば良し、と考えておりますよ」

召喚士「封印……」

名代「とは申しても、その手段等があるわけではありません……」

魔道士「それじゃあ……」

名代「そこで、召喚士殿を頼る事になると思います」

召喚士「…コカトリスの石化、ですね?」

名代は無言のまま、力強く頷く。
807 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:22:13.40 ID:2xQ1wQUo
帝「うまくいくのか?」

名代「分かりません。何せ急なものですから、準備もろくに……」

戦士「でも、鬼丸が言うには、もし復活しちまったら…」

鬼丸「三日で国中が火の海だ!」

魔道士「……っ」

名代「そこに賭けるしかありません」

女剣士「……?」

名代「ヤマタノオロチが未だに動き出していない。それはつまり……」

召喚士「完全ではない…?」

名代「…左様。それ以外には考えにくい」

戦士「……どう思う?」

鬼丸「まーそうだろうな。完全体なら地上で大暴れしててもおかしくねぇ」

帝「まだ力が足りぬのか…?それとも…時期的なものか?」

名代「どちらにせよ、この好機は逃せぬというわけです」

魔道士「は、はい…っ!」
808 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:24:08.16 ID:2xQ1wQUo
女剣士「…しかし、妙だよなぁ」

戦士「あん?」

女剣士「何故、突如復活したのだ…っ。予兆はなかったのか?」

名代「一つは北での一件により、妖怪の情勢が苦しくなった……」

鬼丸「確かに。みーんな北やら山奥に引っ込んじまって、カスしかいねぇや」

名代「もう一つは……」

魔道士「も、もう一つは…?」

名代「外部からの干渉でしょうね」

戦士「外部?どういう事だ…?」

名代「ヤマタノオロチを何としても復活させたいと、目論む者がおるという事です」

召喚士「……ネクロ…マンサー!!」

魔道士「あ…っ!!」

召喚士「確か、奴が関わっていたはずですよね…!?」

名代「左様。その者が再び、東方の和を乱そうとしておるのです」

召喚士「……」
809 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:24:50.16 ID:2xQ1wQUo
〜???〜

バサッバサッ…

ヤタガラス「…なんや、こんな所におったんかいな!」

ネクロマンサー「……」

ヤタガラス「夜行さん、もう行ってしもうたわ」

ネクロマンサー「そうですか。それはそれは……」

ヤタガラス「……何してたんや?」

ネクロマンサー「…ええ、ちょっと別件でね……ククッ」

ヤタガラス「別件て…それか?まだ生きとるんか?」

ネクロマンサー「彼女は大事な人柱ですからね。ククッ」

ヤタガラス「あぁ、コイツがそうかぁ。もう…育っとるんか?」

ネクロマンサー「ええ。あとは母体に戻すだけですよ。それと……」

ヤタガラス「良質の生娘。あと半分集めなアカン」

ネクロマンサー「…ですねぇ。さて、ボチボチ行きましょうかね」

巫女「…………」
810 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:25:46.64 ID:2xQ1wQUo
〜最北の塔、地下道〜

盗賊「……」

ザッザッザ

雷忍「…あちらの隊が宜しかったですか?」

盗賊「え…?い、いや…そんな事ないぞっ!」

雷忍「…カカッ。しかしこうして…一同が会するなぞ何時以来でしょうかねぇ」

土忍「……若様の葬儀以来だな」

水忍「……」

火忍「葬儀ったってあんなん形だけだ!それに若は死んでなどない!」

風忍「…そうだな」

火忍「姫!!絶対に若をお救い致しましょうね!!」

盗賊「……うん。ありがとう」

雷忍「……」

盗賊「…でも」

水忍「……」
811 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:26:28.71 ID:2xQ1wQUo
盗賊「兄様を陥れたあいつを…っ、奴を見て冷静でいられる自信はない」

土忍「……」

雷忍「…姫、ご心配なく」

盗賊「……?」

雷忍「皆、同じ気持ちです。止めるものなどおりませんよ」

盗賊「……」

火忍「何があろうとも、我らが命を張ってお守り致します!」

盗賊「ありがと」

火忍「い、いえ…っ!!これは当然の事であって、その…何と言うか……」

雷忍「カカカッ!火、顔が真っ赤だぞ?」

火忍「黙れ!この衆道野郎がっ!!」

雷忍「だーかーらー、違うって言って――」

土忍「……!?」

水忍「今…確かに……」

風忍「ああ、感じた。妖の気配だ…っ!!」
812 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:27:39.61 ID:2xQ1wQUo
タタタッ…ザザッ

水忍「…今わずかにですが、妖怪の気配を感じました」

名代「!?」

帝「一匹か、複数か?」

水忍「感じ取れたのは一つ。おそらく斥候か何かかと……」

名代「…大丈夫ですか?」

水忍「はい。隊列はこのまま変更せず進みまする」

名代「お願い致します」

水忍は小さく頭を下げ、再び前方へと戻って行く。

戦士「…いよいよか」

鬼丸「ヤマタノオロチじゃねぇな」

戦士「…?」

鬼丸「ありゃバケモンだ。かなりの距離でも嗅ぎ取れる」

戦士「……」

名代「ではこちらも進みましょう」
813 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:28:23.21 ID:2xQ1wQUo
本国時間にて7時30分頃、地下道にて異変が起きる。

ザッザッザ

土忍「……死臭…?」

火忍「…何か転がってるな」

タッタッタ

火忍「……」

雷忍「…こいつは酷いな」

盗賊「何かあったか?」

雷忍「あまり面白いものではありませんよ。……火」

火忍「あいよ」

火忍は足元へ無数に転がる人であったものを、一斉に燃やす。

ゴウッ…メラメラメラッ

風忍「おそらく、先程遭遇した妖怪の仕業であろう」

火忍「ああ。刀傷がソックリだ」

土忍「…すると、最北の調査隊はここまでは来た、という事か」
814 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:30:26.79 ID:2xQ1wQUo
水忍「ここから先は未知なる地……」

雷忍「土、お主も前衛に回ってくれ。二列で進もう」

土忍「…ああ、そうしよう」

水忍「姫は後列中央を。脇を我らが守りまする」

盗賊「…分かった」

タッタッタッタッタ

戦士「何かあったか?」

風忍「どうやら夜行にやられたようだ」

鬼丸「……」

名代「ここから先は未知。私も前方へ回ります」

帝「大丈夫か?」

名代「……後列、お任せ致します」

召喚士「…分かりました」

帝「くれぐれも気を付けてな」

雷忍「……ははっ!」
815 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:31:51.83 ID:2xQ1wQUo
〜最北、南の陣〜

西方参謀「んでぇ、何が分かったってぇ!?」

ドズウゥゥンッ!!

隊長「ア……の弱……」

西方参謀「あぁ!?聞こえねぇ!!」

ヒュオッ…ズズウウゥゥンッ!!

夜行「ちょこまかと……蝿のような奴らだわ」

隊長「あんだと!?」

ガシッ

西方参謀「出るなって。んで、何だって?」

隊長「あの野郎の弱点が分かったって言ったんだよ!」

西方参謀「弱点…!?」

隊長「ああ。アイツ、ウィークポイントは顔だ」

西方参謀「…何…!?」

隊長「さっきから動向を見ていたが、防御に特徴があるんだよ」
816 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:32:19.77 ID:2xQ1wQUo
西方参謀「……」

隊長「首より下は防御体勢を取らねぇ。だが、顔だけは異常にガードしてやがる」

西方参謀「…言えよ」

隊長「…あん?」

西方参謀「もっと早く言えよ、このバカヤロウ!」

隊長「はぁ!?そもそもテメー、参謀だろうが!気付けよ!!」

西方参謀「今回は使者だ!」

隊長「どっちでもいい!!」

ズガアアァァンッ!!

西方参謀「……っ!!」

隊長「ちぃ…っ!」

夜行「ここかぁ…ヒヒッ!」

西方参謀「間違いねぇんだな!」

隊長「ああ!間違いねぇ!!……多分」

西方参謀「……っ」
817 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:33:16.34 ID:2xQ1wQUo
夜行「なーにをブツクサと…」

西方参謀「…っりゃ!!」

キュイイィィ…ドドオオォォンッ!!

夜行「く…っ!?」

西方参謀の放つ炎が、夜行の顔面へと迫る。

隊長「ほれ見ろ、ガードしたろっ!?」

したり顔の隊長はそのまま雪中を滑るように

夜行の足元へと潜り込み、刀を水平に撫で斬る。

サクッ…ザシュウウゥゥ

隊長「…んで、こっちはダメージなし……と」

バランスは崩すものの、夜行の足元からは流血などの一切はなく、

再び態勢を立て直し、夜行は眼前の炎を警戒する。

西方参謀「…ホントだ」

隊長「城主さんよ、弓隊に指示を!狙いは顔面のみ!!」

城主「畏まった!!」
818 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:33:56.12 ID:2xQ1wQUo
ザザッ

城主「弓隊っ、一斉射撃!但し、狙いは妖怪の顔だ!!」

弓隊「…いよぉし!!」

ギリギリギリッ……バシュシュシュンッ!!

夜行「……っ!!」

バッ…ドドドドッ!!

顔の前で両手をクロスさせ、夜行は身を挺して矢から頭部を守る。

西方参謀「…そうか」

隊長「……」

西方参謀「なるほど…。それなら魔法剣も効かないわけだわな」

隊長「あん…?」

西方参謀「あの夜行ってヤツの正体よ…!」

隊長「掴んだか?」

西方参謀「あの魔物、ありゃあ……頭部のみが本隊だぁな」

隊長「……やっぱりなぁ!!」
819 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:35:49.59 ID:2xQ1wQUo
ザザッ

隊長「そうと分かりゃあ、集中攻撃よ!」

西方参謀「まぁ待てって……ヒック」

隊長「…?」

西方参謀「急に頭部へ集中攻撃してみろ、悟られるぞ」

隊長「別に構わんだろ」

西方参謀「いいか?この戦い、こっちがメインディッシュじゃねぇ」

隊長「……はぁ」

西方参謀「100%トドメを刺せるってんなら構わんがよ…」

隊長「……」

西方参謀「これからご馳走ってところに、残飯下げてどーするよ」

隊長「……それもそうだな。もう少し時間を稼ぐか」

西方参謀「もう1時間、いや…2時間でも3時間でも稼げるとこまで…」

隊長「そううまくいけばいいけどな……」

西方参謀「だよなぁ。城主殿、どうするよ!?」
820 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 16:36:40.47 ID:2xQ1wQUo
城主「…ここでトドメを刺して、皆を助けに行くというのは…?」

隊長「っ!!」

西方参謀「がははっ!!悪くねぇ!!」

隊長「骨が折れるが…いい作戦だっ!」

弓隊「よーし!一旦、退けぇ!!」

隊長「さーて、矢を装填してる間は、邪魔させねぇぜ」

西方参謀「行くとすっかね!」

ザッザッザ

夜行「……殺しても殺しても…全く死を恐れぬとは」

隊長「……」

夜行「不愉快な連中だねぇ…!」

グオッ!!

隊長「誰だって死にたかぁねーんだよっ!!」

キインッ!!…ギチギチギチッ!!

隊長「それでもなぁ、誰かの為に…死ななきゃいけねぇ時もあるんだよ!!」
821 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 17:07:55.51 ID:b28Y0sEo
ネ、ネクロマンサーさん、お、俺も手伝いますよ!いえ、是非手伝わせてください!!ハァハァ
822 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 17:43:59.30 ID:mFD7qEIo
このようなところにも魔物側の人間が・・・
823 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/19(金) 18:04:50.20 ID:3VsVK9YP
>>821
魔道士「撃ちます!たぁぁぁーーー!」
824 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 18:23:38.87 ID:2xQ1wQUo
〜最北の塔、地下道〜

テクテクテクテク…

戦士「しっかし…どこまで続いてんだこりゃ……」

召喚士「最北の島、までじゃない?」

帝「だろうな」

戦士「それじゃあ、ここをずっと行けば…魔王の元へ?」

召喚士「そういう事になるのかなぁ…」

帝「だが、討伐にせよこの道は使えんな」

魔道士「そうなんですか?」

召喚士「少数ならいいですけど、こう道が小さくては…」

魔道士「あ、そっか…。大軍は無理ですよねぇ…」

戦士「……となると、魔王討伐ん時は…」

帝「……海路だろうな」

召喚士「…ですね」

帝「…まぁ、海路も問題があるがな」
825 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 18:27:30.01 ID:2xQ1wQUo
魔道士「魔物…ですか?」

帝「それもあるが、北の海はとにかく荒れておる」

鬼丸「……ふーん」

帝「並大抵の船では渡りきれぬ」

魔道士「かなり…しっかしした船でないと…」

帝「いや、というよりも…東方にはそのような船が存在せぬ」

戦士「え…っ?」

召喚士「そうなんですか!?」

帝「仮にあったとしても、あとは船乗りだな」

魔道士「船乗りも…ですか?」

召喚士「そうか…。渡航経験がないから船頭がいないと…」

戦士「船頭だって渡航した事ねぇんだろ?賭けだよな…」

鬼丸「つまり、魔王を倒すにゃ少数で挑むっきゃねーって事か?」

帝「……現状は、な」

召喚士「……」
826 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/19(金) 18:44:10.62 ID:2xQ1wQUo
戦士「現状…?算段でもあるんですか?」

帝「……本国の軍船、それは強固で強大のようだな」

召喚士「…ま…さか」

帝「同盟の暁には……お力添え頂けるかもしれぬのう」

女剣士「……何と…まぁ」

魔道士「確かに国軍の船なら、強いですもんね!」

召喚士「まさか…計算済みで…!?」

帝「さぁ、どうかのう……ふふっ」

召喚士「……っ」

戦士「まぁとにかくだ、今は目の前の敵…ヤマタノオロチを倒すのみ!」

召喚士「…うん!」

鬼丸「勝てっかなぁ……ま、いいか!グハハ!」

帝「頼りにしておるぞ、召喚士殿」

召喚士「え…っ!?は、はいっ!!」

魔道士「頑張りましょうね!えへへ!」
827 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 18:44:59.92 ID:b28Y0sEo
なんと言われようと俺はネクラマンセー様の生娘集めを手伝うのだ!
あわよくば・・・ハァハァ
828 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 18:54:38.77 ID:ewHMtpEo
最近

>召喚士「…うん!」

も増えたよなwwwwwwww
829 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/19(金) 19:05:06.94 ID:3VsVK9YP
>>827
召喚士「行けっ!クリト・・・」
830 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 22:13:39.55 ID:vN.HaLIo
帝が居れば陣形が組める
インペリアルクロスで戦士前衛にしようぜ
もちろんパリー無しで
831 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/19(金) 23:09:37.50 ID:CGxaxes0
1乙
良質の生娘ってどういうことだろうね
若くてピチピチじゃなきゃだめってことかな…?

832 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga sage]:2010/11/20(土) 00:23:19.78 ID:Sp1NTMDO
>>831
わかっていると思うが、生娘ってのは、きむすめと読む。

処女って事なんだけど、生娘は、神話の時代から神聖視されるから、ヤマタノオロチ復活にはもってこいなんじゃね?

つまり、巫女ちゃん+生娘ちゃん1〜7で8人の生娘を捧げ、戦士に新たなフラグが召喚されるわけだな…チクショウ
833 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 11:12:23.64 ID:dYFIBx20
あぁ、思いだした。
戦士もげろ。
834 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 21:43:36.83 ID:MNuKdHY0
ネクロマンサーのことは同一IDに期待wwwwww
835 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 22:10:38.26 ID:tWb3xCko
つまり俺が巫女ちゃんをいただきますすれば万事おkってことですねわかりました
836 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/20(土) 22:57:44.75 ID:cZw6nc6o
昨晩システムHDDが吹っ飛んだのでついでにOS入れ直し!
ようやく専ブラも入れて…もう少しで全て準備完了です!

…というわけで、投下は明日にて…失礼致します!
申し訳ありません……

>>585
年齢設定(仮目安)※年齢順(故人は享年)

・青龍先生(92)
・学園長(84)【♀】
・総司令官、左大臣(63)
・戦士父、バーテン、左翼長、騎士長(55)
・マジシャン(享年50)
・師匠(享年48)
・隊長、西方参謀、高官(47)
・皇太子、大軍師(38)
・占い師【♀】、白虎長【♀】、東方指令【♀】(3?)
・神官、名代、エリート、法師、(36)
・女侍、参謀(34)
・サモナー(32)
・女剣士【♀】、男隊員、魔法剣士(31)
・剣士、弓使い【♀】、ジュニア(30)
・戦士、女隊員【♀】(28)
・召喚士、格闘家(25)
・盗賊【♀】、青年兵(22)
・魔道士【♀】、ウィッチ【♀】(21)
・朱雀嬢【♀】(17)
・玄武娘【♀】(15)
・帝、王子(13)
・幼女【♀】(9)

年齢は予告なく変更となる場合がございます
大体の目安程度にご活用下さいませ
837 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 23:07:36.90 ID:BDOcJKg0
ついでに人物まとめの途中経過報告…
全然終わらないよぅ…
838 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 23:11:25.21 ID:KCjcG9co
専ブラいれて名前でログ検索してみたらどうかね
839 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 23:30:12.14 ID:2Gk/JkMo
東方指令が30代だと・・・!?
840 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 23:46:57.19 ID:uAaOlg.o
マスクド・ジーニアスはいくつなんだ!?
841 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/20(土) 23:47:25.14 ID:lz0Odho0
マスク・ド・ジーニアスがいない…

842 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 00:11:03.23 ID:fjXkst2o
>>841
もしかしてマスクドジーニアスの正体がこの中にいるんじゃね?
843 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/21(日) 00:13:06.02 ID:vrTWPUYo
なんだって!?マスクドジーニアスが居るような部屋に居られるか!
俺は先に部屋に戻るからな!
844 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 00:43:28.55 ID:7Ezxg/Io
システムが吹っ飛んだだけと思ってHDDそのまま使うと、HDDに原因があって全部吹っ飛んだり
一部壊れただけと思ってパーツ変えただけで使うと、電源に原因があって新パーツまで壊れたり
大事なものはバックアップ取るんだぜorz
845 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 03:36:24.18 ID:MhWL5nMo
>>836
格闘家って意外と若いんだな
てっきり35くらいだと
846 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/21(日) 07:05:25.63 ID:jVQpYQDO
総司令そんな年だったのか
45くらいかと思ってた
結構みんな年くってんだな
847 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 07:55:58.70 ID:3zGb0m6o
第一話では魔道士ちゃんは確か18か19だったよな
お話の中ではもう2〜3年も経ってることになるのかー
848 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 08:22:52.70 ID:TaYaNQDO
幼女って本当に幼ないんだな
849 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 09:12:47.48 ID:l1fVysDO
>>848
おぬしは、幼女(45)とかがよかったのか?
850 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 09:44:24.13 ID:x4JjgZoo
36と38の間ってwwww3nそげぷぅ



                   や  やめ       たすけ


                                                 ぐげ
851 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 15:02:01.99 ID:1Sm2RVwo
エリート36にもなって魔道氏ちゃんハァハァとかやってんのかよ・・・
さすが高学歴キモオタ童貞だな
852 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 15:55:38.64 ID:TaYaNQDO
高学歴でも何でもないニートなお前よりかはマシだなwwwwww
853 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/21(日) 21:51:21.57 ID:vrTWPUYo
              ,. ‐'' ̄ "' -、   ,. ‐'' ̄ "'' -、
             /        ヽ/          ヽ
                l          l             l
            l         l          l
         ,. ‐'' ̄ "'' 、    ,,. --‐┴─-- 、     / ̄ "'' -、
       /      ,.-‐''"´           \ _/        ヽ
      l       /                   ヽ          l
       l     /  ●                l          l
      ヽ    l       (_人__ノ         ● ヽ         /  そんな事言われても
       ,,>-‐|   ´´     |   /       , , ,. ‐'' ̄ "' -、/      ウチ ポン・デ・ライオンやし
      /    l        ヽ_/           /          ゙ヽ
     l     ` 、               l            l
      l       ,. ‐'' ̄ "' -、   ,. ‐'' ̄ "'' -、            l
       l,     /         ヽ /        ヽ,         /
       ヽ、,,  l            l          l,,,___,,,/
         "'''l            l             l
              ヽ          /ヽ        /
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                /       |
854 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/21(日) 23:15:15.04 ID:d7.AgX6o


本国時間8時頃、先頭を行く盗賊と五忍の足が止まる。

火忍「……んっ?」

土忍「どうした?」

火忍「いや…っ、あっちの奥……穴が見えないか?」

盗賊「本当だ……」

土忍「……」

テクテクテク

名代「後続を待ちましょう。場合に依っては二手に分かれたほうが…」

風忍「……うむ、名代様の申す通りだ。そう致そう」

水忍「…来たようですね」

テクテクテクテク

帝「……何かあったか?」

雷忍「あれを……」

召喚士「…?」
855 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/21(日) 23:15:57.63 ID:d7.AgX6o
火忍「小さな穴…小道が続いております」

戦士「人がすれ違うのがやっとぐらいの幅だな…」

召喚士「道というよりは巨岩同士の隙間で出来た空洞みたいですね」

土忍「…おそらく正規の道はこのまま真っ直ぐであろうと思われるが」

名代「はい。ただ、些細な事とてほうってはおけませんから」

魔道士「そうですよね…っ」

召喚士「特に…こんな要所では…」

鬼丸「んで、どーすんだ?」

風忍「ここは十八番である我々が担いましょう」

雷忍「皆は先へ進んで下され」

帝「……ならば、それでいくとしようか」

名代「ご無理はなさらぬよう……」

風忍「無論です。万が一こちら側にヤマタノオロチが居た場合は……」

名代「すぐに引き返して下さい。合流し、全員で当たります」

土忍「…相分かった。それでは…行くか」
856 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/21(日) 23:16:49.76 ID:d7.AgX6o
召喚士「気をつけて下さいね!」

魔道士「盗賊さん…!また後で必ず…!」

盗賊「…ああ」

シュバッ…タタタタッ

戦士「さーて、俺らもそろそろ行くかい」

名代「鬼丸、何か気配は…?」

鬼丸「なーんもねぇ」

魔道士「あと…どれだけ進めばいいんでしょうかね…?」

帝「とにかく先へ行くしかないな」

名代「ええ。そう致しましょう」

召喚士「魔道士さん、そろそろ魔力を溜め……」

魔道士「もう準備してますよっ!任せてください!」

召喚士「…それは失礼しました。流石です!」

魔道士「えへへっ!!」

名代「では…参りましょう」
857 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/21(日) 23:18:51.21 ID:d7.AgX6o
タタッ…タタタタッ

盗賊「……」

火忍「…どう見る?」

雷忍「人工物ではないな。自然に出来た風穴…といったところか」

土忍「…やはりこちらは本命ではない…か」

風忍「ともかく、行ける限り先へ進んでみよう。何かあるかしれん」

火忍「ああ。用心に越した事はねぇ」

水忍「上も気を付けろよ」

雷忍「カカッ、あいあい」

やや談笑を交えながら先へと進む6人。やがてその表情が険しくなる。

ザッザッザ…スタッ…

雷忍「……」

火忍「おい、どうするよ…?」

盗賊「分かれ…道…?」

呟く盗賊の正面には、左右二つに分かれた道が闇の中、ひっそりと待ち構える。
858 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/21(日) 23:26:13.31 ID:d7.AgX6o
テクテクテク…

水忍「…どちらも…奥はありそうだな」

土忍「…分けるか?」

風忍「しかあるまい」

火忍「…だが、問題が一つあるな」

土忍「…問題?」

火忍「ああ…。誰が…姫と別れるか、だ」

盗賊「……は?」

水「……っ、お前な…いい加減にしろよ?」

火忍「阿呆!重大な事だろうが!!」



風忍「奇数になるのは好ましくないので、この編成で行く」

土忍「…こちらは、姫に雷、水…そして私か」

風忍「こちらは私と…火だ」

火忍「…………」
859 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 00:09:40.55 ID:OviRlMEo
盗賊「気をつけてな」

風忍「ありがとうございます。姫もお気をつ……」

ズイッ

火忍「姫っ!ご武運をっ!!」

姫「あ、ありがとう…」

雷忍「カカッ、それでは参りましょう」

タタッ…タタタッ

火忍「……はぁ」

風忍「さて、こちらも行くぞ」

火忍「…あいよ」

風忍「早く片付けて、藤蔵で酒でも呑もう…全員で」

火忍「……だぁな。久々に全員で酒宴だ」

風忍「…御館様も藤蔵の者らも喜ぶだろう」

火忍「ああ。姫や俺らが一同に会するのも…そうそうないしな」

風忍「……うむ」
860 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 00:20:06.71 ID:8HsTLzoo
フラグを立てるのはやめろォ!
あと盗賊ちゃんの名前が姫に・・・
861 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 01:10:16.12 ID:o/xLwl.o
>>860
ん?
なんかおかしいか?
862 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/22(月) 01:25:17.20 ID:jfcxtcDO
>>860
姫ちゃんの名前が盗賊ちゃんで姫ちゃんなんだろ?
863 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 13:14:50.89 ID:OYYPaEDO
>>860
盗賊ちゃんのなんだろが名前で姫ちゃん盗賊ちゃん?
864 :863 [sage]:2010/11/22(月) 13:19:16.10 ID:OYYPaEDO
すまん寝呆けてた。寝てくり
865 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:25:54.34 ID:ZTQ83yso
本国時間、8時15分頃。

タタタタタッ…

土忍「…姫、大丈夫ですか?」

盗賊「…何がだ?体調なら問題ないぞ?」

雷忍「…カカッ!土、お主は心配性だな」

土忍「……」

雷忍「姫も成長され、立派な成人なのだぞ?」

土忍「…まぁ…な」

水忍「……成長、か」

盗賊「な、何だよ…っ」

水忍「む…っ!?」

土忍「どうした!?」

ザザザッ…ズザァ

雷忍「何とまぁ……」

盗賊「更に…分かれ道…っ!?」
866 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:27:17.51 ID:ZTQ83yso
水忍「……土」

土忍「…ん?」

水忍「姫を連れ、左の道を」

土忍「…承知した」

ザッザッザ

雷忍「何だ…それ?」

土忍「目印…と言ったところだ」

しゃがみ込み地面で作業を行う土忍。雷忍が不思議そうに覗き込む。

雷忍「土遁はなかなか便利なもんだなぁ」

土忍「…そうか?……よし、これでいいだろう」

水忍「では行くか。また後ほど」

盗賊「気を付けてな」

雷忍「カカッ!姫様も御気を付けなされよっ!!」

シュバッ…タタタタッ…

土忍「…では、我らも先へ進みましょう」
867 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:28:37.13 ID:ZTQ83yso
本国時間、8時20分頃。魔道士がある異変に気付く。

魔道士「……」

召喚士「どうしました?」

魔道士「何だか…風が少し変わりましたね」

女剣士「…風?」

魔道士「ええ。今までより落ち着いたというか……」

戦士「風なんて吹いてたか?」

魔道士「えっと、何て言うか…そのぉ……」

名代「空気とか、纏わり付く風と言ったところですか?」

魔道士「そうです…かね」

帝「つまり、どういう事なのだ?」

魔道士「おそらく…この先に、広い空間があるんじゃないかと…」

鬼丸「ほほぉ。いよいよか…?」

魔道士「分かりません…っ。でも、気配とかはなくて…」

鬼丸「そっちは俺に任しときな!人間だろうが妖怪だろうが嗅ぎ取ってやるさ!」
868 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:29:12.52 ID:ZTQ83yso


一同は更に深く、先へ先へと進む。やがて鬼丸の足がふと止まった。

戦士「…どした?」

鬼丸「…臭せぇな」

名代「妖怪か…っ!?」

鬼丸「いや、何だろうな…。色々な臭いが織り交ざってやがる」

召喚士「……」

鬼丸「妖怪に死臭に腐臭…メスの臭いもするな」

戦士「…メス?」

帝「この奥からするのだな?」

鬼丸「ああ。…さほど遠くはないと思うぜ」

女剣士「…上様、後ろへ」

召喚士「戦士、鬼丸…気を付けて!」

戦士「おう、分かってる。前は任せろ!」

鬼丸「…グハハ!行くぜ、相棒!!」
869 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:30:17.95 ID:ZTQ83yso
海底洞窟を進む7人は、次第に会話がなくなっていく。

魔道士と鬼丸、二人が感じ取った異変に、他の者にも緊張が走る。

以前とは違い、経験を詰んできた召喚士達の表情は、

強張ってこそいないものの、やや硬く、明らかに平常心とは言えない。

そんな中、一人あくびなどを交え楽観した様子の鬼丸であったが、

下り道の途中、ふと足を止め急に顔色を変えた。

戦士「……?」

鬼丸「…やっぱ、行くのか?」

名代「…どうした?」

鬼丸「いずれ分かる」

帝「…?」

鬼丸「ある程度予想しちゃいたが…ここまでとはな」

女剣士「…ま……さか」

鬼丸「…いるぜ、御大将様がよぉ…ッ!!」

召喚士「……!!」
870 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:31:13.65 ID:ZTQ83yso


ザッザッザ

戦士「な……んだ!?」

そこは天井も面積も広く、中央に大きな泉が湧き上がっている。

召喚士「…まさか……ここが」

周囲はほとんど光を遮っており、岩も水も紺色に染まりあがり、

鬼丸「……誰かいやがるな?」

時折、隙間より差し込む光が神秘的な空間を生み出している。

名代「……どこだ、どこにいる」

目を凝らすと、壁には無数の穴が空き、それは通路のようにも見える。

魔道士「……っ」

……本国時間、8時45分頃。召喚士、帝らを含む7名は、

女剣士「……こっちか!?」

最北の塔より続いた海底神殿の、最深階を思しき地へ辿り着いた。

帝「……各自、戦闘態勢に入れ!」
871 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:43:52.43 ID:ZTQ83yso
同時刻、他の道では6名の忍が先を急ぐ。

タタタッ…

火忍「…まだ先が見えねぇ」

風忍「……この道は外れかもしれんな」

火忍「妖怪出ないよりマシだろうよ」

風忍「…そうか?」

火忍「俺とアンタじゃ併せ技も役に立たねーし」

風忍「…そうか?」

火忍「奥義の事だよ」

風忍「…ああ。確かに……」

ザッ

風忍「…感じたか?」

火忍「…ああ。やっぱり何かいるな」

風忍「……」

火忍「…どこだ、この…奥か…?」
872 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:48:21.27 ID:ZTQ83yso
ザザッ…テクテクテク

火忍「…………」

風忍「…退いたか?」

火忍「…行くっきゃねぇか」

風忍「人の気配ではなかったな」

火忍「…多分」

風忍「少し火力を強めて貰えるか?」

右手の指先に灯る火忍の炎を指差し、風忍が呟く。

火忍「…あいよ」

ゴウッ…ボオオォォ

風忍「そのまま…右腕だけ突き出してくれ」

火忍「……?」

指示された通りに右手を穴の奥へと突き出す火忍。すると背後の風忍が印を結び始めた。

ドドオオォォンッ!!・・・ゴアオオォォォォ!!

強烈な突風に煽られた炎が洞窟の奥へと吹き荒れ、熱風が生き物のように流れ込む。
873 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:52:14.02 ID:ZTQ83yso
火忍「…!?」

風忍「……何いたな」

ザッザッザッザ

火忍「……蛇か」

熱風により燃え尽きた蛇の死体を拾い上げ、火忍が言葉を続ける。

火忍「…まさかこれじゃねーよなぁ」

風忍「……もう少し進むとしよう」

火忍「…はいよ」

〜別の道〜

タッタッタッタッタ…

水忍「…どうだ?」

雷忍「…一応、降ってはいるようだ」

水忍「……だな。あれ以降は分かれ道もないようだし」

雷忍「…カカッ、こりゃ当たり道かもしれないね」

水忍「…だとしたらどうする?」
874 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 17:56:38.77 ID:ZTQ83yso
雷忍「そりゃ無理せず、一旦退がるさ」

水忍「ただ猪突猛進する輩は無謀なだけだ」

雷忍「そういう事。時には退く勇敢さを以ってないと……」

ザザッ

水「……」

雷忍「……」

微かに入り込む光。道が終わり、空洞が広い空間へと辿り着く。

テクテクテク…

水忍「…何か、自然な感じではないな」

雷忍「…ああ。なんだったか、こういうのをどこかで…」

両者は上部や壁に空いた穴を見つめ、警戒を強める。

水忍「そうか!これは……巣だ!」

雷忍「……あぁ、言われてみればそうだな。カカッ」

水忍「!?……雷っ、後ろだ!!」

雷忍「……!?」
875 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 18:00:41.88 ID:ZTQ83yso


タタタッ…シュバッ

土忍「……」

盗賊「……」

土忍「…姫」

盗賊「ん…?」

土忍「一旦止まりましょう」

スタッ

盗賊「…どうした?」

土忍「先程から、やや登ってはおりませぬか?」

盗賊「確かに…言われてみれば…」

そう言うと盗賊は、腰の薄緑を抜刀し、正面の岩を水平に斬り払う。

チュインッ……シュパッ!!

盗賊「…どうかな?水平だと思うけど……」

土忍「…お見事」
876 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 18:04:41.67 ID:ZTQ83yso
水平に斬られた岩の上へ、土忍が玉を置く。

土忍「……」

コトッ……コロッ…

土忍「…僅かですが、やはり登っておりますな」

盗賊「…引き返すか?」

土忍「もう少しだけ進んでみましょう。それで駄目なようであれば…」

盗賊「戻るとしようか」

土忍「…ええ」

タタタッ…

しばらく進むと道の高さ、そして幅が狭まりはじめる。

土忍「…此処から先は小柄な者程度しか通れませぬな」

盗賊「…私が見てみるよ」

ノソッ…ヨジヨジ…

盗賊「…奥に道が見えるぞ」

土忍「……姫、お退がり下され」
877 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 18:07:27.31 ID:ZTQ83yso
盗賊「…?」

ヒョイッ…スタッ

盗賊「どうするのだ?」

土忍「道がないのならば…作りまする」

両拳をぶつけ、印を結ぶ土忍。それを頭上に掲げると両拳が光り始める。

土忍「……はああぁぁーっ!!」

ドドオォンッ!!…ドッゴオオォォ!!

土忍「……ふうぅ」

パラパラパラッ…ゴトンッ

盗賊「……すご…っ」

土忍「さて、道が出来……」

盗賊「こ、これ…っ!?」

土忍「……これは、先程通ってきた道ですな」

盗賊「やっぱり…こっちは違ったか」

土忍「……」
878 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/22(月) 18:13:35.98 ID:ZTQ83yso
二人はふと、天井を見上げ一息つく。

盗賊「あんな所にも穴があるなぁ」

土忍「…鳥程度なら通れるでしょうが、人間は到底無理ですね」

盗賊「…戻るとするか」

土忍「そう致しましょう」

ザッ…タタタタタッ

ほぼ同時刻、最北の塔南に布陣する本陣の手前。

バサッバサッバサッ…

ヤタガラス「はぁー。何でこっちが人間避けて出なアカンねん」

ブツブツとぶやきながらヤタガラスは少し弱まり始めた空を飛ぶ。

ヤタガラス「巣に入り込んだ奴等は少数。ありゃあヤマタノオロチに任せるとして…」

バサッ……バサァッ

ヤタガラス「こっちは生娘探しを…。つーか、夜行のオッサンは何してんねん…」

ヤタガラスの目に、ようやく人と妖怪の影が飛び込んでくる。

ヤタガラス「おーいたいたぁ。何や、まだ遊んでんのかいな」
879 :俺用まとめ [sage]:2010/11/22(月) 18:25:55.70 ID:C2o95d60
    ┌─────召喚士、戦士、魔道士、名代、帝、女剣士、鬼丸
    |
    |
──┤      ┌─盗賊、土忍
    |  ┌─┤
    |  |  └─雷忍、水忍
    └─┤
        |
        └───風忍、火忍
880 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/22(月) 18:37:23.63 ID:ZTQ83yso
>>879
これはありがたい!!

ではここいらにて失礼致します!
ご支援ありがとうございました!ノシ
881 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 22:18:35.56 ID:EcR2VEAO
>>1

>>879GJ
頭の中スッキリしたわ
882 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 22:19:48.43 ID:QL58NOco
火忍は姫さまとは遠く離れたんだなwwwwwwww
883 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 00:24:26.37 ID:HnfPpLko
    └─┤
        |
        └───東Rブロック59A
884 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 03:31:49.68 ID:ZJcteL20
1乙
885 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:27:16.91 ID:oO3O4Lw0
人物まとめやっと終わった…
話が大きく動く前にさっさと書き込む。期待はずれだったらごめん。では
886 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:28:29.83 ID:oO3O4Lw0
〜召喚士一行〜

召喚士:本作品の主人公。
元は魔物に親兄弟を奪われた戦災孤児だったが先代の朱雀先生こと師匠に拾われそのまま育てられた。現朱雀先生の称号保持者。
全属性の召喚獣を呼び出す稀有な能力と仲間の力を最大限引き出す戦術眼でパーティのリーダー的役割を担う。また行く先々で多大な功績を挙げている為、その名前や顔は関係各国や魔王軍の一部の将校にも轟いている。仲間である魔道士との仲は少しずつではあるが着実に進んでいる模様。召喚士以外に全属性の召喚獣を扱う術士は存在せず、その出生にはなにか謎があるようだが…?
召喚獣の他に護身用として風のレイピアとマンゴーシュを装備している…ハズ。


戦士:パーティの主戦力であり精神的支柱。
父親はかつて「一番槍」と呼ばれ、数々の武勲を挙げた戦士父。その父親譲りの武勇のセンスと惜しみない鍛錬、武具の扱いの巧さとそれらに裏打された威圧感でパーティの前衛を受け持つ。
よくモテるが、その為に常に女難に振り回される難儀な性質。もげろとか言ってはいけない。現在の所有武器は雷切と戟、盾にも斧にもなる篭手の3つ。


盗賊:東方の忍の名家の出で、ツンデレ気味。読者の心のオアシスその1。
パーティの前衛を勤めるが戦い方は戦士の様な真正面からのぶつかり合いではなく蝶の様に舞い蜂のように刺す戦い方を得意とする。さらには持ち前の機動力を生かしての偵察、急襲、撹乱といった支援に月読という天性のスキル、実家に伝わる忍術も各奥義書があれば自在に操れるというまさに万能タイプ。
金目の物に目が無く、また胸の大きさは他女性キャラを圧倒する。戦士との仲は進行中…?


魔道士:純粋な心を持つパーティのムードメイカー兼料理人。読者の心のオアシスその2。
後衛から魔法を使っての攻撃と補助が主な役目。その魔法の才能と腕前は再来の大魔道士と呼ばれた者すら舌を巻くほど。マスク・ド・ジーニアスの大ファンで、その正体を知った際は放心してしまった。
本国の大商家の生まれで商売人としての胆力と顔も持ち合わせる。笑顔と料理の腕前は一級品で、それに釣られてできたファンも数多く存在する。
胸の大きさは…お察し下され…

887 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:29:49.94 ID:oO3O4Lw0
〜国軍〜

青年兵:第五次海峡防衛戦にて呼ばれた青龍召喚隊の一人で若くして青龍召喚隊のリーダーでもある。今作品の一番の出世頭。第一次北伐時に本国の皇太子の目に留まり今はその下で将器を養っている最中。召喚術士としての腕前も相当で召喚士と比べても呼び出せる召喚獣の質以外に実力にほとんど差は無い。恋愛フラグは今の所、無い。
…がんばれ


白虎長:国軍の白虎召喚隊を束ねる女性で白虎先生の称号を受け継ぐ。かつてはその称号を敬遠していたが第一次北伐にて自分の未熟さを痛感、その名を背負う『覚悟』を済ませる。
胸の大きさは盗賊と互角であり酒癖の悪さは国軍トップクラス。


青龍先生:半世紀前に魔王バズズを封印した伝説のパーティ唯一の生き残りで齢92にもなるご老公。バハムートを呼べるがそれすらも「ごとき」と言い切る程の召喚の腕を持つが最近は年には勝てない様子。召喚士と青年兵に目をかけており、2人を見る目は愛弟子を見る目そのもの。


総司令:常に仮面を着けた人物で国軍のトップ。常時冷静な態度を崩すことは無い。四方の各司令の師匠でもある。左大臣とはなにか因縁があるようで…


副司令:国軍のナンバー2。軍の維持・管理・編成・運用等の軍制の一切を取り仕切る。総司令や本国幕僚に振り回される姿はさながら中間管理職のお父さん。


大軍師:常に羽扇を持ち穏やかな風貌の持ち主。軍の戦略面を主に担当しているが、実戦では風の魔法を操り内政においても屯田制の発案や左陣営相手との討論等色々使い勝手の良いお方。コイツ絶対司馬懿だろ…
888 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:30:45.88 ID:oO3O4Lw0
隊長:特殊遊撃強襲隊の現隊長。崖や岩山を軽々と飛び越え、音に反応して後の先を取るなど常人離れした実力の持ち主で、獲物はからくり付クレイモアだが槍術や弓の心得も持ち合せる。命の恩人ある戦士父には尊敬と感謝の念を惜しまない。


男隊員:特殊遊撃強襲隊の男性隊員で会話の後よく笑う。口が滑ってよく隊長に殴られているがなんだかんだで隊長の事は信頼している模様。


女隊員:特殊遊撃強襲隊の女性隊員で口癖は「〜ッス」。男隊員と同じく、隊長の事は信頼している。キョNEW!


格闘家:特殊遊撃強襲隊期待の新人。天才を「師匠」と呼び慕っている。格闘技の腕も一流だがデスクワークもきちんとこなす真人間。


青龍士官:青年兵出向の後の青龍召喚隊の指揮官を務める。頭は固いが腕は確か。

889 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:31:16.14 ID:oO3O4Lw0
〜ワーカー〜

天才:20年近く前から功績ランク1位の地位に居る文字通り化け物。魔王軍が動きを見せれば北に南に顔を出しその猛威を振るう。その年季からか初代特遊の面々や国軍の首脳陣にも顔が利く。地下闘技場ではマスク・ド・ジーニアスとして名を響かせた事も。5行全てを操り、回復術も持ち合わせ、巨大なツヴァイハンダーで敵の軍勢を瞬殺できる存在は彼のみである。決してマダオではない。


眼鏡:ここ10年ほどで名を上げてきた功績2位の腕利。犬に懐かれやすく、その子らを使って功績を挙げた事も。実は人間ではなくその正体は北の魔王城を守る2頭の番犬の1頭、『ケルベロス』。魔物を捨て半妖半人の身になってもやり遂げなければならない事があるようだが…


ジュニア:本名マジシャン・ジュニア。功績3位であり、マジシャンの実の息子でもある。現在は龍脈に関する国家機密でなにやら動いている。


魔法剣士:功績ランク4位の実力者。火と水の相反する魔法剣で敵を殲滅し、1人で一小隊に匹敵するといわれる。幼い頃に「巨大な体と狼のような複数の頭部を持つ化け物」に家族含め村を全滅させられた過去を持つ。


玄武娘:20にもならない若年ながら玄武先生の称号を継いだ天才召喚術士でサモナーの嫁(自称)。経験が足りない為か魔翌力のセーブは苦手の様だが魔翌力の量が他の術士とケタ違いなため全く弱点にならない。今ではワーカーになり、サモナーを探すため世界を旅しており、只今迷子中。


朱雀嬢:玄武娘の友人で今は一緒にワーカーになり旅をしている。実力は折紙付で、ハーピーやグリフォンといった朱雀召喚獣を繰り出す。実は朱雀召喚獣保持数が作中一多い。
890 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:32:13.51 ID:oO3O4Lw0
〜北方司令部〜

左翼長:初代特殊遊撃強襲隊隊員であり現北方司令。特遊在籍時は百発百中の弓の腕を持っていたが右目を失った事で後方指揮に回る。特遊時代には妹の女弓兵と共に初代特遊を支えていた。軍の編成や運用は元より廃れていたバリスタを復活させ新たな兵器として運用させたりと司令官としての能力は非常に高い。司令就任時に禁煙を宣言していたがどうやら諦めた様である。


騎士長:初代特殊遊撃強襲隊隊員でかつては「赤備え」と呼ばれ恐れられていたが右肩を負傷、前線をリタイアする。左翼長が北方司令となって以降は副司令として左翼長を支えている。騎馬技術と守戦指揮においては国軍に並ぶ者は居ない。でも戦闘能力は…


参謀:北方方面の戦略戦術の立案を担当している。国軍の大軍師は実の兄。


将軍:海峡防衛の責任者。国軍大元帥の息子だがその大きなプレッシャーに潰されてしまった人物。状況判断はちゃんとでき、決して無能ではない。25年以上前は痩せていた。


騎士団長:騎士団の総責任者で騎士長の弟子。騎士長以上の戦闘能力とゾディアックとのコンボはデュラハンといえども歯が立たない程。


剣士長:北方の剣兵隊を束ねる。オークを連れた召喚士一行を捕らえるが、北方司令死後その消息を絶つ。…てか存在自体忘れられた?


副官:左翼長の補佐をしている。ちなみに女性である。


北方女兵:北方司令部で働く女兵士。おおきい。
891 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:32:51.17 ID:oO3O4Lw0
〜南方司令部〜

南方司令:仁義に熱い熱血おやぢ。本能の赴くままに行動し司令部一同を日々悩ませている。脳筋だが結構鋭い。今は対魔王用軍事要塞「赤壁」の建設に夢中。


南方副司令:南方司令を陰に日向にサポートする苦労人で、南方司令部面子のツッコミ役。黒人・スキンヘッド・髭・筋肉といかつい風貌だが祭り事が大好き。


南方参謀:体は男だが心は乙女なニューハーフ。戦士や青年兵のような男がタイプとか。


南方弓長:黒縁メガネをかけた女性。宴会の席や酒がニガテだがノリは良い。ゴロツキら部下達からは姉御と呼ばれている。


南方魔道長:渋いおっさんで基本無口。賑やかな事はニガテな性分。
892 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:33:23.60 ID:oO3O4Lw0
白虎嬢:白虎長の従姉妹で東方副司令の一人娘。玄武娘や朱雀嬢の友人で召喚術の腕も彼女らに劣らない。2人がワーカーになる際に共に誘われたが父親の反対によりやむなく断っている。口調に似合わず頭の回転は速い。


ボス:元は街のチンピラ共の頭だったが召喚士達の活躍を目の当たりにし改心、国軍召喚隊に志願する。召喚獣ウォーターリーパーとのコンビネーションはばつ牛ン。


番長:ごわす口調の白虎召喚術士。召喚子に一目ぼれした多くの男共の一人。実力はあるが何時も対戦相手が悪い。


親衛隊長:独特な話し方をする青龍召喚術士。
893 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:34:19.31 ID:oO3O4Lw0
〜西方司令部〜

西方司令:超極度のネガティブ思考の持ち主で遺書の枚数は何百枚に及ぶ。ツヴァイハンダーを持つと性格が変わり超好戦的になる。


西方副司令:基本的に頼りない西方司令を巧く操縦している女性。


西方参謀:酒を呑んだ分魔翌力を溜めこむ術を使う国軍1酒癖の悪い酔っ払いで常に酒を飲んでいる。参謀以外にも外交官としての心得も持ち合わせている。ちなみに参謀役で戦闘ができるのは今の所彼だけである。


博士:少年ながら本国研究機関の責任者を務める。電話やカメラ、霹靂車の考案や発明、改良は彼が主体となって行う。
894 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:34:51.83 ID:oO3O4Lw0
〜東方司令部〜

東方司令:四方の司令の中の紅一点。合法ロリとか言ってはいけない。傍若無人な態度とは裏腹に女の子としての顔も持ち合わせる。酒癖の悪さは白虎長並で2人居れば左大臣だろうと国王だろうと絡み酒の餌食になりかねない程。ヒンNEW!


東方副司令:元東方参謀であり白虎嬢の父親。元参謀だったが両足を悪くしておりその影響で後方指揮を取る事に。初代白虎先生の三男。
895 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:38:09.31 ID:oO3O4Lw0
東方参謀:武闘派軍師として有名で、別名東方先生と呼ばれる。


 に二二二丶、{ー'",ヽ、_        ̄`"ー<ファ-,、_/〃 / /  `ヽ     / l   {
  {,..----―-、ヽ `ー'---、\            ̄~"7/\/ /,,.. -、 - ヽ  /// ,. r┴- /
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       {ミ}`丶、    ヽ |`\           ,! ~l l、ヾ ´ , | ヾ    ゞー'"   \/
        {ミ}   `ヽ     ヽ;;;l\        ,r-'/ l (ヽ-へ、ヽ ノ ト lゝ     |   /
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        ヽト、 \  |     |   | \、  ̄ヽ    \     ̄~|  」   ヽ
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896 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:39:18.87 ID:oO3O4Lw0
〜本国〜

皇太子:強大なカリスマを持つ本国の第一王位継承者。魔翌力を一切持っていないがその分帝王学や用兵、武芸を鍛え上げており、その実力は上位ランカー級。「小覇王」の異名を持ち、国民の支持もとても高い。パフェを食べて子供の様な笑顔を見せたりチョコをお預けされて凹んだりと甘いものが大好きな一面も。


エリート:右大臣の息子で皇太子の幼馴染。皇太子を一生支える為に自らも武芸や政治学を学び、剣の腕は王宮一。たまに本心を出てしまうおっちょこちょいな一面も。「婚期というものは逃がさない方が良いぞ?年を取るのはあっという間だ!」は金言。


国王:本国の王。今は病に臥せており余命は後数年。政治手腕と魔翌力は抜群だが若い頃は素行が悪く人気はあまり高くは無い。皇太子の他に隠し子がおり、その存在が左右各派の大きな火種になっている。


右大臣:右派のトップ。国王の忠臣。長年左派と渡り合っており、左翼派最大の政敵の一人。左大臣とは犬猿の仲。


左大臣:左派のトップ。経済面での飛躍は彼なしでは成し得なかった程の政治手腕を持つ。王政の撤廃を掲げており、その為に多様な手段を仕掛けてくる。右大臣とは犬猿の仲。


高官:経済機関の次官を勤める左派の一人でウイッチの父親。もう一人の娘も東方司令部に在籍している。魔道士としての腕もあり、隊長とはちょっとした仲。まだ若い頃に戦士父に命を救われており、感謝の念は未だ衰えない。
897 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:40:20.49 ID:oO3O4Lw0
〜西国〜

王子:まだ子供だが西国を治める若き王で、昔より品格は日に日に良くなっている。軍事面は積極的に励むが政治にはあまり興味が無く、神官を悩ませている。初登場時に盗賊と魔道士と一緒にお風呂に入った為、読者から恨みと妬みを買う存在に。思いつきで放った一言は西国を更に発展させる事になるが、本人は気が付いていない。


神官:西国の宰相の地位にある白虎召喚術士。王子がアレなので政治と外交面の事実上のトップでもある。戦略眼もさる事ながら、彼の放つ召喚獣は本国のものとはまた違い強力無比。西国に伝わる召喚獣「アヌビス」について研究している。


女王:王子の母親で先代西国国王の后。胸の大きさはトップクラスに位置するほど。


王女:王子の姉で西国の姫。魔道士や盗賊を姉のように慕っている。


サモナー:前玄武先生の弟子。召喚獣マーメイドに恋をし当時所属していたパーティを離脱、西国の山奥に引きこもる。自らの命を魔翌力に変える古代の呪禁を会得しており、それを使ってマーメイドを召喚し続けている。残された魔翌力の計算をするとたまに発狂してしまう。


マーメイド:玄武召喚獣の内一体。サモナーと専属契約を結んでいる。サモナーの事は愛しているが、それが彼の命を縮める事になっている事に思い悩んでいる。
898 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:40:56.50 ID:oO3O4Lw0
〜華国〜

三男:華国の皇帝。次男から華国を託されている。


白馬騎士:三男の側近の騎士で華国の大将軍。三兄弟を思う心は人一倍。槍の腕も確かで、騎都尉と互角に渡り合ってきた。
899 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:42:21.05 ID:oO3O4Lw0
〜東方〜

帝:十束剣と神秘的な雰囲気を持つ東方の天皇。かつては老中の操り人形だったがその死後表舞台で辣腕を振るう。女剣士直伝の剣技も習得しており政治手腕も剣技も一流以上。その正体は13才のおんにゃのこ。


名代:東方の陰陽頭で東方の参謀格。式神使役のエキスパートで切り札はドジっ虎ではないほうの毘沙門天で、それ以外では何故か女性型が多い。今は亡き武士とは親友だった。横文字に疎い。


御館様:盗賊の父で藤蔵家頭首。盗賊へのツンデレぶりが代名詞。
900 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:43:01.41 ID:oO3O4Lw0
風忍:木行皆伝者にして、五忍のリーダー格。チームワークを重視しており、一匹狼的な雷忍とやや馬が合わない。冷静さの中に熱血さも持ち合わせており、御館様からの信任も厚い。みんなのツッコミ役。侍女に気があるような素振りがあったりなかったり…。


水忍…水行皆伝者。常に沈着冷静で五忍の中でも参謀格。その性格から火忍とはあまり相性が良くない。常にクールを装っているが、内に秘めたる闘志は五人でも随一。他の者と同様、盗賊が好きなのだが、性格上なかなか表に出せない苦労人。


火忍…火行皆伝者。とにかく熱い男で熱血漢。突っ走り過ぎて五忍のなかでは常にチョンボをやらかすが、そのぶん功を立てるのも圧倒的。盗賊相手にやらかす→土下座・説教はもはや形式美。盗賊が好きすぎて、盗賊の前だとやたらシャイな一面が出る。力だけなら五忍一だが一番年下。


土忍…土行皆伝者にして、五忍のなかで一番年上。唯一の既婚者。無口であまり喋らない為、何を考えているのか良く分からないが、他の四人に対しての想いは人一倍強く、常に周りを見渡す洞察力にも優れている。その図体からパワーキャラに思われがちだが、術(補助系)もかなりお手の物。


雷忍…金行皆伝者。独特の「カカカッ」という笑い声が特徴。他の四人と違い孤児として拾われた過去を持つ為か、関わりを避ける素振りがある。そんな負い目もあり、人一倍の努力の成果で藤蔵一の忍術使いと呼ばれるまでに至る。護衛を勤める帝からの信頼は厚く、今では盗賊より帝寄り。
901 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:43:50.75 ID:oO3O4Lw0
侍女:藤蔵の忍で盗賊の姉の様な存在で、彼女に盗賊は頭が上がらない。普段はおしゃべりだが任務時は無口になる。盗賊曰く「行き遅れまくり」の年齢とのこと。


女剣士:「剣聖」の娘で女侍の妹。その剣術は東方一。金と父親の名誉回復を条件に帝の剣術指南役と護衛を勤める。男嫌いの百合ん百合ん。


巫女:式神を使役できる女性。名代の家にて匿われていたがネクロマンサーに人柱として攫われた模様。


女将:旅籠の女将を務める女性で元都一の太夫。武士や名代とは古い仲。その美しさは未だ衰えを知らず、隊長や西方参謀を一目で虜にするほど。


鬼丸:人側に立つ鬼で都に侵入している妖や悪党を闇に葬っている。今まで
不審者から奪った刀槍は999本を数える。前回は本当にすまんかった…
902 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:44:30.18 ID:oO3O4Lw0
〜猿王陣営〜

法師:華国の元次男。毒を盛られた事で光を失った。高等な治癒術の腕を持つ。人と魔物が共存する世界を夢見、その同志を探すために三人のお供と共に世界を回っている。


ハヌマーン:猿王スグリーヴァの軍師。何処までも伸びる如意棒と盗賊顔負けの素早さを持つ。猿王の命で法師達と一緒に旅をしている。


オーク:魔王軍から脱走し、戦士の故郷付近で召喚士達に出会う。やさしい性格の持ち主だが戦いからは逃げない。法師の旅のお供で戦士から多股の槍を預けられている。


マーマン:南のオアシスに住んでいたが住処を変える為に召喚士達に相談、スグリーヴァの元へ来る。かつてオアシスに訪れた人間から三叉の鉾を貰っており、法師の旅のお供。
スレ12の>>996は表でろ。


スグリーヴァ:猿王として長年南の魔王ラーヴァナと渡り争ってきた。人間達の動きに同調、各地で同志を探させている。


猿兵:スグリーヴァの兵士でスグリーヴァの下へ下った魔物たちを束ねる。


魔物たち:スグリーヴァに下った魔物で、その種類はゴブリンやガーゴイル等、多種に渡る。
903 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:45:23.86 ID:oO3O4Lw0
〜故人〜

師匠:2代目朱雀先生。適当で酒乱でぶっきらぼう。コカトリスの人間唯一の親友で召喚師の父親そのもの。伝説の再来と謳われたパーティの一人で17年前の魔王討伐の際大きな傷を負いそれが元で没す。その死に顔は安らぎを得た笑い顔だった。 


マジシャン:師匠と同じ伝説の再来のパーティの一人でジュニアの父親。師匠とは魔道学校時代からの30年来の付き合いで二人そろって素行不良だった。こちらも17年前の魔王討伐で全魔翌力の半分を失う。魔剣士相手に五行を放ち、かつての仲間達の下へ旅立つ。ちなみに彼がツケてあったバーテンへの酒代はまとめてジュニアに引き継がれている。


短髪:第四次海峡防衛戦にて召喚士達と知り合った、サモナーの元パーティ。同戦闘でミノタウロスの前に仲間の弓使いとプリーストと共に3人共散る。


ドワーフ:魔物だが魔王を倒せる武具を研究中。しかしキマイラの爪にかかって道半ばにして息絶える。彼が作った雷切と斧(現盾兼篭手)は戦士の武器として彼を支える。


武士:食い逃げで捕まった所を召喚師に助けられる。北の城潜入時に活躍するが茨木童子の死に際の一撃により臓器の大部分を損傷、死期を悟り北の地にて果てる。彼の愛刀は「鬼丸国綱」と名を変え鬼丸に託されている。
辞世の句は「もののふの 誇り戻りし わが身にて 弱気を助け 夢叶いけり」。
904 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:46:30.07 ID:oO3O4Lw0
騎都尉:長男の側近で華国の猛将。騎馬技術・威圧感・槍術どれをとっても超一流の男で戦士の槍の師匠。華国の盾として一度は散るが亡骸をネクロマンサーに利用される。しかし己の大儀を取り戻し、戦士との一騎打ちの後本当に成仏する。死後彼の戟は戦士に託され、愛馬赤兎は幼女と共にすごしている。


影忍:藤蔵の裏の仕事を生業とする影の頭領。その正体はネクロマンサーがかつて人形として自我をもたせた盗賊の兄の魂。北の塔にてネクロマンサーと自身の肉体のアンデッドから盗賊を守る為奥義を放ち、自身の肉体もろとも吹き飛んだ。


北方司令:北方を束ねる司令官。第十三次北方防衛作戦にてトロル本隊の猛攻にあい散る。その亡骸はネクロマンサーが駒として利用している。


お父:幼女を拾い育てた父親。肉弾戦を得意としていたが第十三次北方防衛作戦にて身を盾にして幼女を守り、戦死。その亡骸はネクロマンサーが駒として利用している。


親衛長:第一次北伐にて大トロルと一騎打ちの末相打ち。その亡骸は本国に帰った。


魔剣士:ネクロマンサーの忠実なる人形であり魔王軍軍団長。師匠やマジシャン、天才などとは浅からぬ因縁があったが、最後はマジシャンが師匠達の居る場所へ連れていった。
905 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:47:27.73 ID:oO3O4Lw0
〜協力者達〜

占い師:未来が読め、占い的中率ほぼ100%を誇る女性。国軍の五ヵ年計画は彼女の予言がその根本を支えている。マジシャンや師匠らとは十数年来の付き合いで、同い年の白虎長や東方司令が酒に酔った時の介抱は彼女の役割。
マジシャンの死による精神的ショックで一時予言ができなくなるが、今は立ち直った。


バーテン:港町でバーのを経営している店主。元軍人で初代特殊遊撃強襲隊の隊長だった。当時の階級は少佐でバリスタの由来の人物でもある。若き日の師匠らの絵画、魔道士の絵も彼の店に飾られている。ちなみに最近彼のバーには魔道士目当ての客で繁盛しているそうな。


戦士父:戦士の父親で初代特殊遊撃強襲隊の副隊長。「一番槍」「国士無双」と呼ばれ、挙げた武功は数知れず。両手槍での投擲と槍術を駆使した無駄の無い戦法は誰も真似できない。20数年前の南方撤退戦にて隊長と高官の命を救っていおり、その事を両者共今尚感謝している。現在はかつての愛槍とドッペルゲンガーが投影した戟と共にゾディアックを集める旅に出ている。


剣士:遺跡調査の際に知り合ったワーカー。今は生まれ育った故郷の村で弓使いと幼女と共に過ごしている。白馬騎士からは騎士団長としての素質を見込まれている。


弓使い:剣士とパーティを組んでいたワーカー。今は剣士と幼女の三人で故郷の村で暮らしている。


幼女:孤児の身だったがお父に拾われ、4年間を彼と共に生き抜く。幼いながら魔法の付加も可能。今は剣士と弓使い、そして騎都尉の愛馬赤兎と共に健やかに暮らしている。
906 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:48:27.10 ID:oO3O4Lw0
鍛冶屋:変わった武器防具を作るのが大好きな職人で、一度武器の話をすると何時間でも話をする変人だがその腕は一流。大軍師が持参した2つの「ある物」を見て驚愕する。


おかみ:鍛冶屋の女房。彼女の父親は鍛冶屋の師匠だった。


鍛冶娘:反抗期真っ盛りの鍛冶屋の娘。鍛冶師としての腕は親譲りで、現在は国家錬金術師として国軍に入隊した。


女侍:義賊を自称する盗賊団の女頭目。刀と居合の達人でイヌ・サル・キジの3人の部下と共に盗みを働く。贖宥状を貰っていたがそれを反故にし、現在逃亡中。「剣聖」の娘で女剣士の姉。


ドクター:新米の医者だが大病院に勤務し、外出許可も出せるなど何故か権限を持っている。


大商家:魔道士の父親で本国の大商人。最近は魔道士の活躍が嬉しいのか商取引の度にその武勇伝をわが事の様に語っているとか。御館様と違い娘の顔を久しく見ていない…(´;ω;`)


ウィッチ:高官の娘で魔道士の元クラスメート。北西の村で倒れていた所を戦士親子に助けられる。一時戦士と共に行動したりや王宮に仕えていたが初心に戻りやり直す為、旅に出ている。
907 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:49:22.54 ID:oO3O4Lw0
賢者:魔道学校OB…ふぅ。自分の事以外全く興味が無いナルシスト…ふぅ。攻撃と回復両方の魔法を扱える…ふぅ。月の宴参加時は遅刻が基本…ふぅ。

…ふぅ。


詩人:眼鏡の正体を知る唯一の存在。彼のハープの音色は召喚士の力を暴走させたり魔王城の番犬二頭を抑える等様々な効果を発揮する。眼鏡の過去や現在に大きく影響しているであろう人物。


同門:召喚士と同じく師匠流の召喚術を使う朱雀召喚術士。師匠の兄弟子朱雀門弟の息子で、朱雀の最高位フェニックスと専属契約を結んでいる様子。自信家で、朱雀先生を名乗る召喚士を敵視している。


くの一:別名黒マントと呼ばれる盗賊で身長2メートルの大男に変装していた。盗賊と同じく東方の出。国軍にマークされている。


ドッペルゲンガー:戦士に模した魔物で外の世界に憧れていた。様々な悪事を働くが政治的理由により無罪となる。騒動後は戦士から投影した盾兼斧の篭手と共に世界中を旅している。戦士と見分けがつく様には右頬に傷がついている。


チャンプ:お父や格闘家のかませ犬。
908 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:50:14.68 ID:oO3O4Lw0
召喚子:多くのファンを持つ本作品のアイドル。彼女を一目見ただけでその虜になる男は星の数。その人気は絶大で一度姿を表せばたちまち黄色い大歓声が沸き起こり、彼女がチャリティーで出品した身の回りの品々のオークションで貧困にあえぐ南方司令部の懐を数時間で満杯にするほど。また召喚の腕も一流で彼女の操るスフィンクスやユニコーンは強敵を文字通り粉砕する。その人気・実力共にまさに主人公と言っても過言ではない。
…あれ?


魔導師:ごく一部に狂信的な人気を持つ。その姿形や性別等一切の情報が明かされていない謎の人物。
909 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:56:04.22 ID:oO3O4Lw0
〜7大魔王〜
サタン
ベルゼブブ
バズズ
アンラ・マンユ
ラーヴァナ
マーラ
イブリース

〜魔王軍各幕僚〜
ネクロマンサー
紅孩児
白フードの男
オルトロス
バフォメット
タルウィ
ザリチュ
インドラ
ヤマタノオロチ
ヤタガラス
夜行
夫人
910 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 16:58:02.65 ID:oO3O4Lw0
以上です。失礼しました。
911 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 17:04:34.69 ID:hsIeXLIo

ただ最後の魔導師は要らんとです
912 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 17:09:02.91 ID:2vISeoDO
主観的な内容を多分に含んでいると思うが乙
913 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 17:42:19.87 ID:OoKAtpwo


帝っておにゃのこだったのね、てっきり雷とウホッかと……
雷さん今までホモショタとか良い趣味してんなとか思っててごめんなさい
914 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 18:19:40.23 ID:Fm24dWso
雷は衆道に走って云々

ってあった気がするから帝は男じゃないの?
915 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 18:48:40.22 ID:STj4izUo
世間一般的に上様が幼女だとばれるのがうんぬんだと思う
916 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/23(火) 19:04:28.74 ID:waKvdL2o
帝が女って描写あったっけ
917 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 19:34:32.74 ID:oO3O4Lw0
未確定な事書いてしまった すまん

↓こっちが訂正済のやつ。
帝:神秘的な雰囲気を持つ東方の天皇。かつては老中の操り人形だったがその死後表舞台で辣腕を振るう。女剣士直伝の剣技も習得しており剣技においても一流以上。

どうも東方の連中はやらかしが多いな…
918 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 20:20:53.87 ID:6Hq2/2AO
×未確定 ○願望
919 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 20:36:30.21 ID:b6BS5Q2P
色々乙

だが大軍師は司馬懿じゃなくて孔明じゃね?
920 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 20:36:41.33 ID:b6BS5Q2P
色々乙

だが大軍師は司馬懿じゃなくて孔明じゃね?
921 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 20:43:15.06 ID:Rsa2xjco
色々乙

だが大軍師は司馬懿じゃなくて孔明じゃね?
922 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 21:38:38.47 ID:gjZjc1s0
鍛冶娘:反抗期真っ盛りの鍛冶屋の娘。鍛冶師としての腕は親譲りで、現在は国家錬金術師として国軍に入隊した。

( ゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
現在は国家錬金術師として国軍に入隊した。

(;゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
国家錬金術師 _, ._
(;゚ Д゚) …!?
923 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 22:06:07.75 ID:UPaxgewo
>>922
驚きすぎて眉毛ずれてんぞwwwwwwwwww
924 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 22:20:03.78 ID:TMqAT.6o
人体練成でもやらかしたか
925 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/23(火) 22:24:19.36 ID:YAhp54Eo
鬼丸が橋の上で戦った人はおにゃのこだったよな?
926 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 22:33:25.62 ID:qZBG2gDO
あれって女剣士じゃなかったっけ?
927 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 22:56:50.93 ID:u4LPtcMo
いや、誰とは明言されてはいないハズ
928 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 23:26:41.95 ID:WIZvxdIo
とにかく人物まとめ乙だな
929 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:40:34.04 ID:r2muZ2Uo
バサッバサッ…バサァ

弓隊「な、なんだ…!?何か来るぞ!!」

隊長「魔物…?増援か…!?」

西方参謀「にしちゃあ、数が少ない…ってか、一匹だぞ?」

夜行「……お前さんかい」

ヤタガラス「お言葉やなぁ……」

夜行「何だってんだい?助っ人なら無用……」

ヤタガラス「阿呆っ!いつまで遊んでんねん!」

夜行「……?」

ヤタガラス「人間共、とっくに巣へ入ったで」

夜行「何…っ!?」

ヤタガラス「ソイツら、本隊に見せた囮や。あんさん騙されたんや」

夜行「――ッ!!」

ヤタガラス「ほな、分かったらさっさと帰るで!」

夜行「……ナメやがってぇ!」
930 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:41:18.21 ID:r2muZ2Uo
ヤタガラス「さーて、ちゃっちゃと……ん、何や…?」

ザッ

隊長「そいつは良い事聞かせて貰ったぜ」

西方参謀「無事、辿り着いたってワケだ。がははっ!」

夜行「悪いねぇ。お前らと遊ぶのも悪くなかったんだが…急用だわ」

隊長「そうはいかねぇよ」

西方参謀「んな話聞いちまったら…おめおめ帰すわけにゃいかねーなぁ」

夜行「……」

ヤタガラス「あんなぁ、お前らみたいな囮と遊んどる場合ちゃう……」

夜行「まぁ待て、コイツらを始末してからでも遅くはあるまい」

ヤタガラス「だからー、コイツらは囮でだなぁ……」

城主「囮、囮と言いますけどね…れっきとした本陣なのだぞ!」

足軽「そうだそうだ!カラスの分際で生意気だぞ!!」

弓隊「これでも食らいやがれっ!」

ググッ…ヒュオッ!!
931 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:41:54.24 ID:r2muZ2Uo
ヤタガラス「おわっ!あぶな!……調子に乗りくさってぇ…!」

西方参謀「おっ、いいぞいいぞ!どんどん挑発しちまえ!」

夜行「帰るかい?」

ヤタガラス「この生意気な連中…始末しちまえっ!」

夜行「ヒヒッ!」

城主「来るぞっ!迎撃準備ぃーっ!!」

ザザッ

隊長「あっちが成功してるなら…チンタラ時間稼ぐ必要もなくなったな」

西方参謀「まぁ、城主殿らはハナっからそんなつもりもなかったみたいだけどな」

隊長「…よーし、大将首は俺が頂く!」

西方参謀「仕方ねぇ。支援してやっか」

夜行「さぁて、まとめて地獄へ葬ってくれるわ」

ヤタガラス「良質の生娘がいたら殺さず捕らえるんやでぇ」

夜行「…人間のメスなんぞいないよ。ヒヒッ」

ヤタガラス「そら残念…。ほんなら、皆殺しや!」
932 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:43:36.71 ID:r2muZ2Uo
ほぼ同時刻、洞窟の最深部…。

女剣士「……」

戦士「鬼丸、背後は任せる」

鬼丸「……あいよ!」

戦士と鬼丸。二人は背中を合わせ武器をその手に構える。

名代「召喚士殿……」

召喚士「…はい。いつでも準備は」

名代「実はな、先の戦闘で手持ちの札が残り三枚……」

召喚士「名代さんの切り札は、いざという時に。それまでは俺が…」

名代「……助かる」

召喚士と名代。二人は背中を合わせ同時に頷く。

帝「女剣士、私の刀を」

女剣士「……あくまで防護の為にお使い下され」

魔道士「ずいぶん…大きな刀ですね……」

帝「十束剣と申してな。拳十個分の刀身を持っておる」
933 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:44:42.48 ID:r2muZ2Uo
戦士「上様も剣を扱えるのか…!?」

鬼丸「…グハハッ!ありゃ大したモンだぜ?」

戦士「見た事あんのか?」

鬼丸「一度だけなぁ…交えた事があってな。そりゃもう……」

戦士「……どした!?」

突如正面の壁を見上げる鬼丸。

鬼丸「来やがったぜ…っ!」

名代「ヤマタノオロチか…!?」

鬼丸「いんや……雑魚だ」

その時、周辺にそびえる壁の穴から、何かが這いずるような音が聞こえ始める。

名代「な、何の音だ……?」

召喚士「あ……あれは…っ!?」

ズズズッ…ドシャアァ

穴から這いずり出るは、白と黒、二種類の大蛇。

鬼丸「……ありゃ、大蛇だな」
934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:45:23.61 ID:r2muZ2Uo
戦士「オロチ…?」

鬼丸「蛇の化けモンだ。なかなか厄介だぜ」

ズルゥ……ズズッ

魔道士「ひ…っ!」

召喚士「魔道士さん、退がって下さい。それに上様も……」

帝「……ふふっ」

テクテクテク

帝「行くぞ」

女剣士「決してお傍を離れなさらぬよう…」

ゆっくりと前進する帝の前に回りこみ、女剣士は腰の得物をゆっくりと鞘より抜く。

戦士「おいおい…っ、出るのかよ!?」

鬼丸「俺らが通さなきゃいいだけの話だろ…ガハハッ!」

戦士「…ま、そりゃそうだがよ」

召喚士「戦士っ、来るよ…気を付けて!」

戦士「おっぱじめるとするか!」
935 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:46:25.40 ID:r2muZ2Uo
ズズズッ

地を引き摺るその独特の移動音。それは一同、中でも魔道士にとって、

その容貌と相まって、嫌悪感、不快感を感じさせる。

魔道士「……うぅ…っ」

その名の通り、鬼丸の図体より遥かに大きく太い白と黒の大蛇。

七人の侵入者を取り囲もうと、次々に周囲の穴より這い出し姿を見せる。

ゆっくりと近づく大蛇らに対し、戦士を中心に鬼丸、女剣士が前面へ出る。

ザッ

女剣士「……」

戦士「あんんまり出過ぎるなよ…?コイツら集団で……」

女剣士「…指図するな、殺すぞ」

戦士「……」

そのやや後方、刀を手にした帝を挟むように、召喚士と名代が立つ。

召喚士「…名代さん、こいつらは本命じゃない。…後方から指揮をお願いします」

名代「…相分かった」
936 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:47:19.10 ID:r2muZ2Uo
最後尾の魔道士が一つ、身震いをして召喚士へ近づく。

タッタッタ

召喚士「魔道士さん。前衛の三人…補助をお願いします!」

魔道士「わ、分かりました…っ!」

戦士「……さぁ、どっから来る…?」

周囲を取り囲む大蛇。しかし仕掛けてくる様子は依然なし。

女剣士「…………」

ズズズッ

鬼丸「……ッ!?」

戦士「下だぁ!!飛べっ!!」

突如、大声で叫ぶ戦士。それに反応して鬼丸と女剣士が高く跳躍する。

ボゴォッ!!

名代「地面のしたから大蛇が……っ!!」

戦士「何匹かいんぞ!このまま叩く…っ!!」

召喚士「……行けっ!コカトリス!!」
937 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:48:17.16 ID:r2muZ2Uo
シュイィン…

戦場へ現れる見慣れた巨鳥。召喚されたコカトリスが即座に上空を舞う。

女剣士「……ふん」

鬼丸「…っらぁ!」

戦士「でりゃああぁぁ!!」

コカトリスと入れ違うように降下する三人は、そのまま武器を振り上げ、

地中より這い出てきた大蛇へと力任せに叩きつける。

グオッ……ドッゴオオォォッ!!

女剣士「再び土の中へ…!?」

戦士「ちっ、チョコマカと……」

召喚士「全員、中央を空けて下さい!」

名代「…!?」

召喚士「コカトリス!!」

コカトリス「おう」

急降下するコカトリスは、そのまま空いた中央へと石化の吐息を放つ。
938 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/23(火) 23:54:57.08 ID:r2muZ2Uo
ゴオオォォッ…

帝「地面の土が……石に……!?」

召喚士「上様、お乗り下さい」

名代「…成程っ、これで地中からの奇襲は防げるという事ですな」

召喚士「ええ。戦士、ここを中心に展開を!」

戦士「おっしゃ!聞いたか、あの石床を拠点に戦うぞ」

鬼丸「おぉし、周りを固めるぜぇ!」

ザッザッザ…

女剣士「上様…っ!?」

帝「分かっておる。危うくなればここへ退がれば良かろう…?」

名代「妖怪は下からのみではありませぬからな。重々……」

帝「その言葉、そのまま返すぞ」

鬼丸「グハハハ!旦那は肉弾戦、からっきしだもんなぁ…」

女剣士「一本取られたな」

名代「……っ」
939 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/23(火) 23:59:04.97 ID:r2muZ2Uo
>>886->>909
うおおぉぉーっ!凄い…!!
これはもはやwikiレベルの詳細じゃないですかっ!!

本当にありがとうございます!&ご苦労様でございました!
プリントアウトして、活用させて頂きます!!ノシ
940 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 02:41:44.70 ID:jWUnFXw0
1乙
鬼丸が戦ったことがあるってことは
覆面は帝だったってことかな…?
941 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 03:20:21.82 ID:bnSz26AO
マジシャンと影忍は絶対まだ生きてるんだ…
故人なんかじゃないんだ…(´;ω;`)
942 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 03:21:01.45 ID:dLdLswAO
誰かコカペディアつくれよ
943 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 11:27:06.43 ID:3rh/AXko
お、おお追いついた!!!

>>1楽しみにしてうrと!がんばrえww!!!!!!!
944 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 11:31:17.58 ID:L3sIG9c0
誰か俺のためにRPGツクールでゲーム作ってくれよ

てかRPGツクールでSRPGまで作れるようになってるんだなwwwwwwすげぇ
945 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:02:32.82 ID:Juck93so
スゥッ…

帝「…では、参るぞ」

十束剣<とつかのつるぎ>。刃渡りは拳十個分相当の長さを持ち、

これは大の大人の拳に当たる為、おおよそ80cm程あろうかという長剣である。

束とは東方の単位の一つで、1伏が指一本分の太さで数えられる。

4伏=1束となり、親指を除いた拳一握りが1束の目安とされていた。

タッタッタ…

齢十三に過ぎぬ帝にとって、それは非常にアンバランスな得物であり

小柄なその身で扱うには至難の技であった。

大蛇「……キシャアアァァーッ!!」

帝はお世辞にも俊足とは言えぬ突進で石床より前衛へと移る。

そこへは待ち構えていたと言わんばかりに、大蛇が地中より獰猛な牙を剥く。

帝「……」

大蛇が顔を出した瞬間、帝は急停止し先程とは比べ物に成らぬ程の一瞬で、

バックステップのまま大蛇の喉元を一閃の元に斬り付けた。
946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:03:36.27 ID:Juck93so
ヒュオッ…ザシュウゥゥ!!

大蛇「ギ……イイィィ!!」

戦士「……おぉ…っ」

スタッ

女剣士「お見事」

帝「…いや、まだまだだな」

女剣士「……?」

帝はおどけたような表情で、身につけた衣服の袖を持ち上げる。

スゥッ

帝「返り血が付いてしまった。これは侍従に怒られてしまうな…ふふっ」

急所を一撃で裂かれ、悶絶しつつ地中へ逃れる大蛇。その横で帝が笑う。

魔道士「あ、あんな大きな剣で……」

召喚士「上手いですね。遠心力をうまく使って…自在に扱ってます」

名代「天賦の才でしょうね。素直には喜べぬが……」

確かな腕であるが故に、名代は心配そうにその行動を見守る。
947 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:04:30.98 ID:Juck93so
ザッ

戦士「こっちも負けて……らんねぇぜ!」

ザシュッ!!

鬼丸「おーよ!!」

ザンッ!!…ブシュウウゥゥ

帝の流れるような動きとは正反対に、二人の男は力任せに武器を振るう。

荒々しくも暴力的な攻撃であるが、その裏打ちされた実力と技術によって、

力任せの攻撃が回避不能の攻撃へと昇華する。

鬼丸「…っと、あんまり出張るのもよくねぇな」

戦士「ほぉ〜冷静だな」

鬼丸「当ったり前よ。この後にゃ大物が控えてらっしゃるかんなぁ!」

戦士「いいのかよ、かつてはお仲間だったんじゃねーのか?」

鬼丸「俺は楽しけりゃそれでいいんだよ!強い奴と戦ってなぁ!!」

戦士「……はっ!頼もしい限りだよ」

鬼丸「おっしゃあ!ガンガンいこうぜ……相棒ッ!!」
948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:05:11.61 ID:Juck93so
ゴウッ

数時間前とは状況が違い、開けた視界を素早く飛び交うコカトリス。

交戦する前衛の動きを見据えた後、召喚士へその視線を移す。

召喚士「……」

コカトリス「……ふむ」

召喚士が風のレイピアで手振りを交え指示を促すと、

コカトリスはそれに従い、左右の壁へめがけて石化の息を吹きつけた。

ゴオオォォ…

広範囲に渡り届く澱んだ吐息。それは壁に空いた無数の穴を次々と塞ぐ。

名代「成程……。先に穴を塞いでしまう、というわけか」

魔道士「これなら増援も来られないですね!」

召喚士「……来たとしても、時間は稼げるはずです」

コカトリス「さて、次は……」

大蛇「キシャアアァァ!!」

コカトリス「!?」
949 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:05:46.09 ID:Juck93so
まだ塞がっていない穴より大蛇がコカトリスめがけ飛びかかる。

コカトリス「……」

しかしそれは、いとも容易くコカトリスの尾に払われ、泉の中へと落ちていった。

バシィ!!……ザッパアアァァンッ!!

コカトリス「……!?」

ギュオッ……バサァ

召喚士「大丈夫!?」

コカトリス「ん、ああ。それよりも……」

召喚士「……?」

コカトリス「あの泉、何かいるぞ」

召喚士「!?」

コカトリス「気配を絶っている…と言うか、眠らされているのか」

召喚士「眠り…?封印されてるって事?」

コカトリス「…さぁな。だが微かに気が漏れている」

召喚士「なるほど。それを感じとったわけだね…」
950 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:07:13.34 ID:Juck93so
大蛇「シャアアァァーッ!」

女剣士「……」

螺旋状に身体を縮め、一気に飛びつく大蛇。女剣士はそれをひらりとかわす。

トーンッ……ヒュオッ…スタッ

女剣士「…お主、魔法が使えるんだよな?」

魔道士「え、あ…はいっ!」

女剣士「すまぬが……援護を頼む!」

タタッ……ヒュンッ

再び身を捻りながら空中を舞う女剣士は、刹那の内に大蛇の元へと間を詰める。

女剣士「……」

チャキッ

魔道士「やあぁ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ

大蛇「ギキャアアァァーッ!!」

燃えさかる女剣士の刃が、大蛇を真っ二つに斬り裂き、炎に包んだ。
951 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:08:40.23 ID:Juck93so
ゴオオォォ…バチィッ

帝「……ほぉ、あれが魔法剣とやらか。凄いな」

ザッザッザ

女剣士「見事だ。やはり弱点は火……」

魔道士「以前も蛇には通用しましたから…おそらくと思って」

女剣士「…他の輩にも付加を」

魔道士「はいっ!!」

戦士「いよっしゃ!お次はこっちだ!」

鬼丸「俺もだ!!」

魔道士「そ、そんな一遍に言わないで下さいっ!」

ドドドドオオォォンッ!!

名代「な、なんと……同時に!?」

戦士「っらあぁ!!」

鬼丸「グハハ!すっげぇな!!」

戦士の戟と鬼丸の金棒が唸りをあげ、炎の尾を帯びながら大蛇へ直撃する。
952 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:10:07.05 ID:Juck93so
バゴォッ!!…ズドオォンッ!!

帝「いやはや、お見事」

女剣士「上様、出すぎですぞ。お退がりを……」

帝「私だけ除け者か?」

女剣士「御戯れを……」

帝「冗談だ。だが安心せよ」

女剣士「……」

帝「妖怪を斬れば斬る程、十束剣は歓喜を上げておるわ」

召喚士「…?」

名代「あの刀は特殊でね…。妖を斬れば斬る程、その威力を増すのですよ」

召喚士「!?……じゃ、じゃあ…っ」

名代「既に大蛇を何匹か葬っております」

魔道士「…という事は、剣は更に強く…っ!?」

名代「はい」

召喚士「……」
953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:11:15.98 ID:Juck93so
ヒュオッ

帝はうまく石床への出入りを駆使しつつ、十束剣を大いに振るう。

女剣士「……上様、とどめを」

ヒュオッ…スパッ!!

大蛇「ギ…イィ!!」

帝「……っ」

ドズッ……ズシャアァ

帝「無理に生かさずとも良いぞ?」

女剣士「しかし、その方が刀の成長も早く……」

帝「手を焼かせてすまんな。お前は本当に頼りになるよ」

女剣士「そ…そんな…っ、私は……あの…っ」

ザシュッ!!

戦士「ボケっとしてんじゃねぇ!後ろに迫ってんだろ!」

女剣士「…五月蝿い。殺すぞ」

女剣士の背後に迫る大蛇の胴に、女剣士の刀と戦士の戟が同時に刺さった。
954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:23:20.40 ID:Juck93so
本国時間9時過ぎ。最深よりやや離れた場所。

タタタタッ…

火忍「傷はどうだぁ!?」

風忍「他愛ない」

火忍「…ま、他愛あろうがなかろうが…無茶して貰うけどな」

風忍「それはそうさ。姫はおろか、上様までいらっしゃるのだからな」

火忍「そーいう事……」

ピクッ

風忍「待てっ、火忍!!」

火忍「…ああ。分かってる」

不穏な気を感じ取り、二人の忍がゆっくり歩き始める。

風忍「……」

火忍「穴もかなり…広くなって……」

バゴオオォォッ!!

風忍「火っ!!」
955 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/24(水) 18:34:05.02 ID:Juck93so
ズシャアァ

火忍「……ぺっ、問題ねぇ」

突如、真横の壁が吹き飛び、巻き込まれた火忍は地を吐き出し拭う。

風忍「…こいつは…っ!?」

大蛇「キシャアアァァ!!」

火忍「蛇の子分かねぇ…」

チャキッ

風忍「広くなったとは言え、戦うにしては狭すぎる。

ノソッ…ズズズッ

火忍「おいおいおい、一匹じゃねぇのかよ…っ」

風忍「奥へ抜けられるか?」

火忍「せめて一匹、ぶっ倒さないとなぁ」

風忍「…仕方ない。強行突破だ」

火忍「よっしゃ!!」

壁のように立ちはだかる大蛇の群れ。風忍と火忍は脇差を手に取り、走り出す。
956 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 19:07:24.73 ID:Y.d7BbAo
これは更に熱い展開になりそう
957 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 19:27:18.46 ID:5xWVhwDO
>>1乙!
初期の頃だったら大蛇相手で大苦戦だっただろうに成長したよな−
今召喚士パーティーが強敵相手にしても苦戦しないのは鋼の剣を手に入れた感覚っぽくて楽しいな
958 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 00:23:07.10 ID:4VvXOkSO
女剣士が火を付加に使った事によって脳内で完全にシグナムになった
女剣士マジ天使!!OMT!
959 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 00:39:54.88 ID:s/Ha8xw0
>>958
そういう事は心の中に留めておくべきだと思うの
960 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 02:22:13.57 ID:P2am8cso
もしもしだし
961 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:45:48.10 ID:ogGCPCEo


タタタタッ…

水忍「……ん?」

雷忍「終点か」

水忍と雷忍、二人は突き当たりの開けた場所で足を止める。

テクテクテク

水忍「……」

雷忍「こっちから抜けられそうだな」

水「此処、何か不自然な作りだな」

雷忍「……確かに、妙だな」

スタスタ…スゥッ

水忍「明らかに人の手が入っている」

雷忍「何者かが住処に使っていたのか…?」

コッ…

水忍「何奴…っ!?」
962 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:46:27.42 ID:ogGCPCEo
微かな物音に気付き、水忍がその方向へと振り向く。

雷忍「……」

チャキッ

雷忍はそれを受けて、顔のみ振り向き、ゆっくりと背の刀に手をかける。

ススッ…

水忍「……お、お主は…っ!?」

巫女「……う…ぅ」

雷忍「確か、名代様の屋敷に居る……巫女殿と申したか」

巫女「…はぁ…はぁ…っ、……て」

水忍「何故このような場所に……」

雷忍「……」

ヨロッ…フラフラフラ…

巫女「……助…」

水忍「ああ、今助けてやる…っ!」

雷忍「……待て」
963 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:47:05.39 ID:ogGCPCEo
ヨロヨロッ

水忍「……?」

巫女「助か…」

雷忍「水っ!待て…!!何かおかしい!!」

水忍「何…?」

巫女「助かろうなどと…思うなよ?」

水忍「――!?」

雷忍「伏せろ!!」

ダッ!!

近づく水忍めがけ、巫女の手にする札が細長く姿を変える。

巷に一旦木綿呼ばれる式神は、水忍を庇い飛び込んだ雷忍の左腕へと巻きつく。

シュルルルッ!!……ゴキィッ!!

雷忍「くぅ…っ!!」

水忍「雷っ!!」

突然の異変に素早く起き上がり、水忍は巻きつく一旦木綿を脇差にて斬る。
964 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:47:45.45 ID:ogGCPCEo
バシュッ!!

水忍「大丈夫か!?」

雷忍「……ちっ、折られたか」

水忍「巫女殿!これは一体どういう……」

ザッザッザッザッザ

水忍「……?」

雷忍「…何者…だ」

ネクロマンサー「…ククッ、これは始めましてですかな?」

水忍「…貴様、人間ではないな」

雷忍「気を付けろ…。何やら嫌な気配がする」

水忍「巫女殿っ!?」

巫女「……」

水忍の呼び掛けにも反応せず、巫女はネクロマンサーの元へと歩み寄る。

雷忍「……っ」

水忍「貴様…っ、巫女殿に何か施したな!?」
965 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:48:25.56 ID:ogGCPCEo
ネクロマンサー「…ククッ、人聞きの悪い。私じゃありませんよ」

雷忍「……」

ネクロマンサー「既に植えつけられた種に…水をやっただけですよ」

水忍「…そういう例えは、虫唾が走るな」

雷忍「水、巫女殿は既に妖怪の手に落ちたと考えるが妥当だ」

水忍「……」

無言の水忍。以前、御館様の言った言葉が脳裏に響く。

……――

御館様『それと…その娘』

水忍『…はっ』

御館様『影が命を取らず連れ回したのだ…』

水忍『…?』

御館様『何かあると見てよいだろう…備えよ』

水忍『ははっ…御意に!』

――……
966 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:49:28.56 ID:ogGCPCEo
雷忍「…水?」

水忍「……そうか…あの時から既に…!!」

巫女「……」

水忍「貴様、影と繋がっておったか!!」

ネクロマンサー「影…?あぁ、彼らはよく働いてくれた駒でしたよ」

雷忍「……」

ネクロマンサー「なかなかね、悩んでいたんですよ」

水忍「……?」

ネクロマンサー「どうやって東方で、円滑に事を進めるか…ね」

水忍「……」

ネクロマンサー「いや、勘違いしないで頂きたいのですよ」

雷忍「何がだ」

ネクロマンサー「私がその影、とやらを誑かせたわけではない、とね」

水忍「…貴様」

ネクロマンサー「丁度、都合の良い器が落ちていたのでね…ククッ」
967 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:50:19.37 ID:ogGCPCEo
雷忍「器…?」

ネクロマンサー「何やら影との接触も試みていたようですし……」

雷忍「器……接触…?」

水忍「…それ以上、口を開くな」

ネクロマンサー「まぁ、あの男には裏切られてしまいましたがね…ククク」

水忍「止めろと申しておるのが分からぬかぁ!!」

雷忍「……っ」

普段は冷静である水忍が、ネクロマンサーの言葉に逆上し襲いかかる。

それは初めての出来事であり、背後に居た雷忍すら制御出来ずにいた。

タンッ!!…シュバッ!!

水忍の脳裏にはパズルのように一つの結論が繋ぎ合わされ、胸を締め付ける。

あの時、北の城で出会った影の頭領。あの見覚えのある刀捌きと声、

そして先日、盗賊の口から聞いた影忍の最後。その発端が目の前にいる。

水忍「……はぁ…っ!!」

仇敵の眼前で印を結び、水忍はそれを威勢良く差し向けた。
968 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:52:33.76 ID:ogGCPCEo
ドドオオォォンッ!!…ズドドドドオオォォ

雷忍「水っ!無茶をするな!!」

大量の津波がネクロマンサーめがけ押し寄せる。

ネクロマンサー「ククッ、これは恐ろしい…っ」

巫女「……」

ザバアアァァン!!…ドドドドオオォォ…

水忍「……はぁ……はぁ」

雷忍「…水」

水忍「済まぬ。私とした事が…」

雷忍「奴らは…?」

水忍「…姿を消した。そう遠くへは逃げておらぬはずだ」

雷忍「追って…捕らえるぞ」

水忍「ああ。全て吐かせてやるさ」

雷忍「……行こう。あの脇から進める」

水忍「……ああ」
969 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:53:03.91 ID:ogGCPCEo
オオォォォォ…

盗賊「今の音は…?」

土忍「…何か、水のような音でしたが」

盗賊「水…?」

土忍「どこかに水場があるのか、あるいは……」

盗賊「……」

土忍「……急ぎましょう」

盗賊「ああ」

タタタッ…

土忍「ん…っ!?」

盗賊「どうした…?」

土忍「……姫、お退がり下さい」

盗賊「…?」

土忍は印を結び、その場に片膝を立ててしゃがみ込む。

土忍「……ふんっ!!」
970 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:53:39.98 ID:ogGCPCEo
ゴガアァッ!!…ズドオオォォンッ!!

盗賊「っ!?」

土忍「……行きましょう」

盗賊「行くって…この下?」

土忍「…はい」

ヒョイッ

盗賊「あっ、待って…!」

タタッ…ヒョイッ

開けた穴より飛び降りる土忍を追って、盗賊も慌てて飛び降りる。

スタッ

盗賊「……ここは…っ」

土忍「……」

スタスタスタ…ヒョイッ

土忍「…先程埋めた神木です」

盗賊「つまり、あの分かれ道か」
971 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 16:55:21.85 ID:ogGCPCEo
土忍「…ええ。ここで我々はこっちの道を進みました」

盗賊「だな。つまりあっちを行けば……」

土忍「水と雷の後に続きます」

盗賊「……行くか」

土忍「…行きましょう」

タタッ…

盗賊「……」

土忍「…どうしました?」

先を急ぎつつも不安げな顔を見せる盗賊に、土忍は声をかける。

盗賊「火と風は大丈夫かな…?」

土忍「…風は手負っておりますからな」

盗賊「何もなければいいけど……」

土忍「心配なされるな。藤蔵の五忍ですぞ?多少の怪我程度ものともしませぬ」

盗賊「…そうだな。うん」

土忍「……さぁ、先を急ぎましょう」
972 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:43:46.18 ID:ogGCPCEo
フォンッ!!

風忍「…ちぃ」

タタタッ…ヒュンッ!!…ズバッ!!

火忍「風、動きが鈍いぞ!」

風忍「…すまん」

火忍「やっぱり怪我の影響が……」

風忍「構うな。足手纏いにはならん」

火忍「……」

怪我の影響により大蛇を迎撃する風忍の動きが明らかに鈍る。

大蛇「シャアアァァ!!」

火忍「っらぁ!!」

バシュッ!!…ブンッ!!

火忍「…ったく、次から次へと…!!」

風忍「止む無し。ここは一気に追い払うぞ」

火忍「おうよ!」
973 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:44:17.32 ID:ogGCPCEo
ババッ

風忍「風遁……旋風!!」

火忍「火遁!……焔!!」

ドドオオォォンッ!!

風忍の巻き起こす旋風に火忍の業火が混じりあい、

巨大な壁のような熱風が大蛇達を一気に襲う。

ゴアオオォォッ!!

大蛇「……ッ!!」

火忍「直接焼き殺す必要はねぇ!そのまま囲いこめっ!!」

風忍「空気を奪うか…。酷な奴だ」

火忍「うっせぇ!効率の問題だ!」

風忍「……分かってるよ」

大蛇を覆い囲む炎の壁は徐々に密封状態を形成し、

妖怪の呼吸を乱し、その命を奪っていく。

声を上げる事すらままならぬ大蛇の群れは、やがて次々に地に伏せ始めた。
974 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:44:49.66 ID:ogGCPCEo
大蛇「――!!」

ドサッ…

火忍「ほぼ片付いたか」

風忍「まだ息のあるのもいるが、容易いだろう」

ヒュッ…ドスッ!!

すぐ近くにのた打ち回る大蛇へ風忍が跳躍し、着地と同時に脇差を突き刺す。

火忍「…っと!……こっちも完了」

風忍「ここは制圧だな」

火忍「そんじゃ次に進みますか」

風忍「しかし…こう穴が多いとどれが続いているのやら……」

火忍「最悪、全部塞がってたりしてな」

風忍「もしくは…すべて正解か」

火忍「お前の風で探れないのか?」

風忍「……やってみるか」

そう言うと風忍は印を結び、前後左右へゆったりとした風を起こす。
975 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:45:24.35 ID:ogGCPCEo
フワッ…

風忍「……」

火忍「…どうだ?」

風忍「……」

火忍「…あの下なんて人が入れそうだぞ?」

風忍「…………」

火忍「あっ、あっちの上なんて……」

風忍「…気が散る」

火忍「…すまん」

風忍「!?」

火忍「どうだ!?」

風忍「正面のあれとあれ。それから右のあそこと後ろのそこ」

火忍「意外と少ないな」

風忍「後ろはおそらく外れだ。風が障害物へ当たる気配がない」

火忍「右のは小さすぎて、人が潜れる大きさじゃねぇや」
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:45:54.13 ID:ogGCPCEo
風忍「正面二つ……」

火忍「まさか…手分けか?」

風忍「……」

無言の風忍に対し、火忍は呆れ顔で溜息をつき言う。

火忍「駄目だ駄目だ、怪我人放って行けねぇよ」

風忍「…しかしだな……ん!?」

火忍「…?」

風忍「……奥で何か動く気配がある!」

声をあげ風忍が指差す先、正面の二つの内の一つの穴が見える。

火忍「まーだいやがんのか」

風忍「いや…っ、数多の動きだ。地上に空中に…種類が多い!」

火忍「それってまさか……」

風忍「あの穴を行こう」

火忍「承知っ!」

二人は脇差を鞘へと戻し、息絶えた大蛇の脇を走り穴へと飛び込んだ。
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:48:26.55 ID:ogGCPCEo
風忍と火忍の読みは当たっていた。その穴の先は最深部へと繋がる。

ヒュンッ!!…ザシュッ!!

戦士「…キリねぇな!どんだけいやがんだよ!」

召喚士「だいぶ穴はふさいだんだけど…流石に多すぎて…」

チュインッ!!…ズバッ!!

女剣士「上様、大丈夫ですか?」

帝「ああ。だが、なかなか実戦は疲労が伴うものだな」

名代「これだけの数ですからね。あまりご無理なさいますな」

帝「そうだな。そろそろ力を借りるとしようか」

ザッ

魔道士「……!?」

帝「頼むぞっ」

一言だけ魔道士へ言い残した帝は、振り返り大蛇へと猛進する。

帝「……今だ、頼むっ!」

魔道士「…う、撃ちますっ!!」
978 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 17:53:54.21 ID:ogGCPCEo
キュイイィィ…ドドオオォォンッ!!

十束剣は炎を纏い、それを操る帝が空中でくるりと回る。

その遠心力によって振り下ろされた斬撃が、一匹の大蛇を縦半分へと斬り裂いた。

ズバシュッ!!…スタッ

魔道士「……お、お見事…ですっ」

帝「ふふっ、そちもな」

戦士「…あれで13とか、反則だよ!」

鬼丸「グハハッ!あっと言う間に抜かれちまうなぁ」

戦士「んな事ぁねぇ!!」

ズバッ!!…ドシャッ

コカトリス「……はぁ!」

ドドオォンッ!!…ゴオオォォ

コカトリス「……あとは…あちらか」

地上の大蛇を次々と石化せしめ殲滅するコカトリスだが、ふと上空の穴より気配を感じ取る。

コカトリス「……何だ?……何か、来るっ!」
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 18:07:11.85 ID:ogGCPCEo
ゴウッ!!

コカトリス「召喚士!上だっ!!」

召喚士「!?」

コカトリスの声により、一同が上空を見上げる。

名代「な…っ!?」

戦士「よけろぉ!!」

上空より降り注ぐ漆黒の針は、人間、妖怪問わずを標的とし地上へ迫る。

戦士「鬼丸!上様を!!」

鬼丸「おうよ!」

戦士の指示により鬼丸はすかさず、帝の上へと覆いかぶさる。

そお横で戦士が女剣士の手を掴み抱きかかえると、その背に針を受ける。

戦士「ぐぅ…っ!」

石床の近辺に戻り、召喚士が魔道士の頭を胸へと寄せ、身を挺して針の雨から庇う。

魔道士「召喚士さん…っ!?」

召喚士「だ、大丈夫です…っ」
980 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/25(木) 18:32:25.22 ID:ogGCPCEo
その頃、名代は一人考えていた。

名代(何時の間にか残り僅か!?そろそろ…次スレ立てないとなぁ)


次スレです…↓
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
981 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 18:40:59.20 ID:ogGCPCEo
名代「……た、助かりました」

コカトリス「……」

名代の頭上にて羽を広げ、針避けとして佇むコカトリス。

その眼光には、穴より出でし見に覚えのある姿を捉えていた。

コカトリス「召喚士、張本人の登場だ」

召喚士「……?」

ゆっくりと後ろを振り返る召喚士の目に飛び込むその姿…。

召喚士「――!?」

魔道士「あ……あぁ…っ」

戦士「あ…んの……野郎っ!!」

鬼丸「知り合いか?」

戦士「……そんな生温いモンじゃねぇ!!」

召喚士「また……お前かっ!」

ネクロマンサー「ククッ、こっちの台詞ですよ。貴方がたとはよく会う…」

召喚士「……今度こそ、お前を倒す!!」」
982 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 18:41:49.29 ID:VvmEz2AO
>>1

とうとう22スレ目突入か…お疲れ様です
これからも応援してます

それはそうと、また召還士やらかしおった…どさくさに紛れて魔導師ちゃんを胸に抱き寄せるとは、これはさすがに寛大な俺でも見逃せないな…
てか魔導師ちゃんってどんな香りがするんだろう…石けんの良い香りがするのかな、お花の匂いだったりするのかも…
魔導師ちゃんが泊まる宿屋の亭主になりたい…そしたら毎日魔導師ちゃんがチェックアウトしたあとのバスタオルをくんくんするんだ
983 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 18:44:49.00 ID:ogGCPCEo
ネクロマンサー「まぁまぁ、そう血気に盛る事はない」

戦士「てんめぇ…次は何を企んでやがる…!!」

ネクロマンサー「企む…?ククッ、それは勘違い甚だしいものだ」

召喚士「……」

ネクロマンサー「既に何十年もの歳月を費やしてきた計画……」

魔道士「……っ」

ネクロマンサー「そこへ水を差してみたのは…君達だろう?」

戦士「ふざけんじゃねぇぞ!!」

ネクロマンサー「ふざけてなどいないさ。至って真面目だ」

召喚士「……ネクロマンサー」

睨み合う両者。その間へ割り入るように名代が前面に出る。

召喚士「…?」

名代「……巫女…!?」

帝「…なに?」

ネクロマンサーの真横で佇む女性。名代は見覚えのある姿に声を投げかける。
984 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 18:47:33.88 ID:zmdRsxQP
>>982
戦士「おい、俺の使ったバスタオルでなにやってんだ?」
985 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 18:49:42.89 ID:ogGCPCEo
召喚士「巫女って……」

魔道士「あの…巫女さんですか!?」

名代「何故お前がここに…いや、何故妖怪と共に……」

巫女「………ククッ、クハハハハッ!」

ヒュッ……スタッ!!

女剣士「…上様、後ろへ」

帝「……っ」

巫女「…巫女、我は既に巫女に非ず」

名代「!?」

ネクロマンサー「以前にヤマタノオロチへの鍵として、核を植え込まれていたのですよ」

戦士「な…っ!?」

ネクロマンサー「それを私が開放し、ヤマタノオロチへ捧げて差し上げました」

召喚士「……貴…様っ!」

ネクロマンサー「彼女は既に…私達の仲間です。クククッ!」

巫女「…我は巫女に非ず。今より非巫女である!クハハハッ!!」
986 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/11/25(木) 18:53:50.45 ID:ogGCPCEo
魔道士「ヒ…ミコ…!?」

ネクロマンサー「…ほぉ、そこのお嬢さんは生娘かな?」

魔道士「!?」

召喚士「……魔道士さん、退がって下さい!」

戦士「それ以上近づくな。……殺すぜ」

ネクロマンサー「おや、お忘れですか?私…不死ですよ?」

戦士「…例えそうであろうが、どんな手を使ってでも殺す」

鬼丸「相棒がここまで怒ってんだ。付き合うぜ!」

帝「…彼奴を倒せば良いのだな?名代、手段を考えよ」

女剣士「上様…っ!」

名代「……召喚士殿、相当の実力者と見て宜しいな?」

召喚士「……ええ」

名代「式神を出します」

召喚士「待って下さい、俺らの目的はヤマタノオロチです。アイツは…俺らが」

名代「……召喚士殿」
987 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/25(木) 18:55:27.29 ID:5kuX.sQo
後の邪馬台国女王、卑弥呼である
988 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 18:55:58.68 ID:zmdRsxQP
卑弥呼様ー!
989 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 18:56:40.16 ID:Ksi56bko
核を植え込まれて、巫女が巫女でなくなった・・・
つまり・・・処女じゃなくなったのか(´;ω;`)
990 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/11/25(木) 18:59:09.85 ID:ogGCPCEo
それでは帰ります!ご支援ありがとうございました!
残りは雑談でもリクでもご自由にお使い下さいませませ!ノシ
991 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 19:06:45.20 ID:UTPVBvUo
埋めつつ、おつおつ
最高に盛り上がって参りましたぁ

992 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 19:11:03.89 ID:zmdRsxQP
よし!有意義に使わせてもらおう
カウントダウン、はじめるよー
 
  9
993 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 19:14:26.32 ID:zmdRsxQP
間違えたからやめた
994 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 19:34:07.46 ID:Sa3LBQDO
>>1
召喚士達がクリスマスプレゼントを貰うとしたら何を欲しがるか気になります。
995 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 19:36:16.29 ID:s/Ha8xw0
>>1
国軍全メンバーで忘年会開催したらどうなるか気になります。
996 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 19:37:19.24 ID:P2am8cso
>>1
召喚子さんをぜひ。。。。。
997 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 19:47:49.80 ID:OLzUOhMo
>>1000なら>>1は俺の嫁
998 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 19:56:55.08 ID:H1p6RYAO
1000ならラスボスは戦士
999 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 19:58:50.55 ID:uRB.FAAO
(*・∀・*)1000なら肉まんこそ至高
1000 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 20:02:55.37 ID:WJMWqz2o
>>1000なら>>1にベホマを唱える
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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気まずくなってる彼女に安価メール @ 2010/11/25(木) 19:22:52.75 ID:kNCWyWQ0
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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22 @ 2010/11/25(木) 18:31:09.80 ID:ogGCPCEo
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平安時代に2ちゃんねるがあったら立ちそうなスレ @ 2010/11/25(木) 18:10:11.33
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【ハイパー山田号】そろそろ本気でねーちゃんを支える10発目【MK-2】 @ 2010/11/25(木) 17:47:02.43 ID:9mFTO5co
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【クリスマスまで】ガンダムバトル開催 ゾロ目でMS発掘423機目【あと一ヶ月】 @ 2010/11/25(木) 17:29:09.75 ID:nZ01ivQo
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